Daily report for 17 November 2022
Sharm El-Sheikh Climate Change Conference - November 2022
会議最終日の前日、多くの作業が残っていた。閣僚協議は、落としどころを見出せず、対応措置や農業問題の会議を続け、カバー決定書の交渉も続いた。COP、CMP、CMAは、締約国の意見が一致した項目の決定書を採択した。
議長職協議
カバー決定書:午後、議長職は、代表団長協議を開催、オブザーバーにも開放し、カバー決定書に焦点を当てて議論した。COP議長職のWael Aboulmagdは、締約国からのインプットに基づき、カバー決定書案を含めるノンペーパーを発行したと説明、締約国の注目項目や除去を希望する項目に関する意見を聴き、新たな草案を作成して、11月18日金曜日に提示する予定だと述べた。
グループ及び締約国は、プロセスへの懸念を表明、意見の一致を得るだけの時間がなく、主要問題のいくつかは省かれていると悲嘆した。
20頁のノンペーパーの構成に関し、多数のグループ及び諸国は、大幅な短縮を求め、スリム化、一貫性の改善、重複箇所の削除も求めた。一部のものは、「このプロセスの重要な柱(key pillars of this process)」に注目するよう求め、他のものは、グラスゴー気候協定の構成を土台にするよう求めた。
多数のグループ及び締約国は、この「実施のCOP」を語る話の筋を描く必要性を強調し、たとえば、実施のCOPを実現する方法や実現しない理由を伝える、文書ではプロセスの「旅の明確な方向(a clear direction of travel)」を示すなどである。多数のものは、グラスゴー気候協定を再確認する、この協定を始点とし、その表現を見直すのではなく、強めることを求めた。多数のものは、合意済みの用語を使う必要性を強調し、一部の開発途上国グループは、パリ協定の再解釈に警告した。
先進国及び開発途上国、そしてグループは、この文書はアンバランスだと述べたが、バランスをとるために何をするかでは意見が分かれた。開発途上国は、条約及びパリ協定の原則を強調し、資金及び他の実施方法の重要性を強調、ギャップやニーズ、損失損害の資金及び関係する基金やファシリティ、適応資金、約束の順守への注目を求めた。一部の先進国及び開発途上国、そしてグループは、国家決定貢献(NDCs)の「フォローアップ」、長期戦略、透明性など、緩和にさらなる重点を置くよう求めた。
実質的な要素に関し、締約国は、次の重要項目に焦点を当てた:サイエンス、2025年に排出量のピークを迎える必要性を含める;適応資金倍増のロードマップ;パリ協定第2条1(c)項 (低排出で気候にレジリエントな開発と一致する資金フロー);社会的ダイアログ;ユニラテラルな強制措置;対応措置;雪氷圏及び海洋。ある開発途上国グループは、1.5℃以下でとどまるには、森林の役割を認識することが重要だと強調した。
締約国は、次の要素への言及を躊躇する、または異議を唱えた:現在進行中の議論の成果に予断を加える要素、または既に締約国が拒否した要素の導入、これには正当な移行作業プログラム、またはシャルムエルシェイク技術実施作業計画を含める;気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の結論の一部のみを抜き出しての言及;他の国際機関及びプロセス;特定の部門または排出源。
特に意見が分かれたのは:1.5℃目標及び2050年までに実質ゼロ排出量への言及;人権;ジェンダー;多国間開発銀行(MDB)の改革;債務;資金源の多様化;化石燃料補助金、または化石燃料の利用の段階的削減;メタン;第6条2項(協力的手法)の下でのREDD+;自然ベースの解決策;エネルギー及び食糧の危機;アフリカの特別なニーズ及び状況;低所得国など、「新しい」国の分類への言及。
議長職のAboulmagdは、締約国の豊富な意見発表に感謝し、締約国が強く支持する、または反対する項目は多岐にわたり、意見の違いは今も続いていると指摘した。議長職は、「可能な限り早く」文書草案を作成する、この文書は、締約国の要求通り、実施に焦点を当て、政治的な約束や意図を明確にすると同時に、意見の違いを念頭におく。議長職は、確固とした意味のある文書にするための締約国の支援を求めた。
ストックテイキング・プレナリー:夕方、COP 27議長のSameh Shoukryは、ストックテイキング・プレナリーを招集した。
適応世界目標(GGA)に関し、共同進行役のAminath Shauna (モルディブ)は、2つの重要問題が残っていると指摘した:提案された枠組、及びこの枠組から2023年作業プログラムへの情報提供方法;IPCCのインプット。共同進行役は、二国間協議の後、共同進行役の権限で新しいバージョンの文書を作成し、締約国の審議にかけるため、公表されると告げた。
資金、特に新しい集団の数量目標(NCQG)に関し、共同進行役のBhupender Yadav (インド)及びChris Bowen (オーストラリア)は、文書を作成したと指摘、この文書は、2023年特別作業プログラムの作業を進捗させる組織化アプローチを提供し、2024年でのNCQCの決定を可能にすると述べた。両共同進行役は、代表団長らと会議し、締約国の意見を聴く予定である。
第6条 (協力的な実施)及び関連の項目に関し、共同進行役のGrace Fu (シンガポール)は、オプション件数を減らした新しい草案の作成を告げ、夕方から夜に技術レベルの交渉を続け、残る項目での合意を図ると述べた。
緩和作業プログラムに関し、共同進行役のDan Jørgensen (デンマーク)は、締約国の意見が分かれているのは明らかだとし、一連の最初の協議では次の結果を得たと述べた:落としどころの特定;緩和野心及びNDCsの国家決定の特性を再確認;2030年までの時間枠; グローバルストックテイク・サイクル内に納まる期間での3つの決定書の提案。合意がなかったことから、共同進行役は、新しい草案を配布し、文書全体について協議する。
損失損害の資金に関し、共同進行役のMaría Heloísa Rojas Corradi (チリ)及びJennifer Morgan (ドイツ)は、多数の二国間協議に基づき、文書草案を作成し、近く配布する予定であると述べ、夕方に会議を招集して締約国の意見を聴くと述べた。
COP議長職のMohamed Nasrは、議長職による技術的な交渉及び協議の最新情報を提供し、少数の項目では結論を出すに至ったと述べ、国別適応計画に関する文書草案を配布し、後発開発途上国(LDCs)問題で協議を続けたと述べた。さらに緑の気候基金及び地球環境ファシリティに対するガイダンス、資金常任委員会及び長期資金を含め、資金問題での技術的な作業が現在進行中であると指摘した。クリーン開発メカニズム(CDM)、共同実施、農業に関するコロニビア共同作業(KJWA)、対応措置、ジェンダー.の問題でも作業を続けている。議長職は、長期世界目標の第2回定期レビューに注目し、橋渡し案を配布したと述べた。
議長職協議に関し、議長職のNasrは、スリム化したカバー決定書を発行すると報告、ジョージアの提案する地理的に公平な代表、アフリカの特別なニーズ及び状況、第2条1(c)項などでは、意見が分かれたと述べた。
UNFCCC事務局長のSimon Stiellは、これまでの全ての作業に基づく文書構築を求め、長く待たれた損失損害資金の議論を行う時だとし、この問題の成果は明確なタイムラインと里程標のある具体的なものにすべきだと述べた。
COP議長のShoukryは、11月18日金曜日に、非公式のストックテイキング会議を開催すると報告、この会議の後、一連のバランスのとれた決定書について、締約国との議論を追加するとし、新しいカバー決定書は夜に発行されると述べた。
EUは、他の先進国の支持を得て、損失損害及び最も脆弱な諸国のため、CMAの下で対応基金を設立し、これに債務問題及びMDBsの改革などを検討する、CMAでの合意を受けた作業計画を付すことを提案した。さらに、EUは、「コインの裏側(other side of the coin)」として、緩和作業プログラムの成果を強調し、これには次を含めると述べた:全ての化石燃料の段階的削減;緩和措置のない石炭火力の段階的削減、及び非効率な化石燃料補助金の段階的削除;2023年でのNDCsの強化及び再検討の要請。
スイスは、環境十全性グループの立場で発言し、損失損害資金での「柔軟性(flexibility)」は強力な緩和成果に伴うものであり、この基金の資金は、広範な公共部門及び民間部門の資金源、及び支援供与の能力を有する全ての国から供与されるとの理解を示した。
パキスタンは、G-77/中国の立場で発言し、損失損害資金での意見の違いは大きく、答えられていない疑問もある、COP 27の成功はこの問題で強力な成果を挙げられるかどうかにかかっていると強調した。
ガーナは、気候脆弱性フォーラムの立場で発言し、次を求めた:COP及びCMAの下での損失損害資金ファシリティの創設;損失損害資金のための明確な約束;先進国及び支援を提供する立場にあるものからの資金拠出。
コロンビアは、独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)の立場で発言し、EU案の文書を求め、同グループは債務救済に関する文書を作成したと報告、この問題は各国に気候行動遂行の(資金的)余裕を与える上で極めて重要であるとの考えを示した。
ザンビアは、アフリカン・グループの立場で発言し、GGAはいかなるパッケージにも含めるべきだと述べた。
ボリビア、アラブグループの立場で発言したサウジアラビア、中国は、条約及びパリ協定の原則尊重が必要だと強調した。ボリビアは、先進国は多様な文書の中の衡平性及び共通するが差異のある責任の箇所を括弧付けしたと報告した。中国は、パリ協定を書き直すのではなく、実施する必要があると述べ、先進国から開発途上国への資金フローを強調した。
議長のShoukryは、ストックテイキング・プレナリーを閉会し、締約国に対し、翌日にはさらなる意見の一致を見るべく、倍の努力をするよう求め、締約国には、残る隔たりを埋める能力があると確信していると述べた。
COP/CMA
対応措置:午前中、SBSTA議長のTosi Mpanu Mpanuは、非公式協議の進行役を務め、「非公式な非公式協議」方式での橋渡し案作成というグループの希望に理解を示し、その結果を午後に報告するよう求めた。参加者は、ギャップを埋めるため、二国間協議や少人数の会議を開催した。
午後、会議は再開、締約国は、大きな隔たりが残ったと報告し、議長のMpanu Mpanuは、3つの代案を示した:第1案は、UNFCCC規則16項(項目を次回のCOPに送る)の適用、ただし、これは「他に波及する効果がある危険な道(a dangerous path because it can have a contagious effect)」である;第2案は、短文の手順上の決定書作成を目指す;第3案は、意見の違いを乗り越え、長文の文書作成に向け、最後の努力をする。議長は、参加者に対し、「このもつれをほどき、スパゲティではなく、ラザニアを閣僚たちに提供する(untangle this so we can serve a lasagna to ministers, rather than a spaghetti bowl)」ことを求めた。
締約国は、意見対立の少ないパラグラフを議論し、意見対立が続くフォーラム作業計画の中間レビュー活動に関する文書の議論は脇に置くことで、合意した。締約国は、多数のパラグラフで合意した、この中には、対応措置実施の影響に関するカトヴィツェ専門家委員会(KCI)の年次報告を歓迎するとの文章、そして学習事項やベストプラクティス、ツール及び手法論、そして能力向上など、フォーラムの提案を採択するとの文章が含まれる。将来のワークショップ開催に関するパラグラフは括弧書きとなり、先進国は、この文章に反対し、開発途上国は支持した。協議は夜まで続けられた。
COP
組織上の問題:信任状報告書の採択:COP 27議長のSameh Shoukryを議長とする閉会プレナリーで、COPは、信任状報告書(FCCC/CP/2022/9)を採択した。
手順規則書の採択:議長のShoukryは、この項目では合意に至っていないと告げ、COPは、手順規則書草案(FCCC/CP/1996/2)のうち、規則42項草案(投票)を除く規則の適用を続けた。
将来会合の日付及び場所:締約国は、決定書 adopted a decision (FCCC/CP/2022/L.2)を採択した、この決定書では、COP 28の日付が変更された(2023年11月30日から12月12日に開催)。アラブ首長国連邦は、COP 28では次の強固な成果を収めるとの決意を表明した:いかなる国も残すことのない世界的な解決策;新しい、野心的な資金策;損失損害及びGGAを進める方法;緩和での強固な進展。
補助機関報告書:SBSTA:COPは、SBSTA 56報告書(FCCC/SBSTA/2022/6)及びSBSTA 57報告書(FCCC/SBSTA/2022/L.17)に留意し、次の決定書を採択した:地球気候観測システムの実施に関する決定書 (FCCC/SBSTA/2022/L.20/Add.1);SBSTA 57閉会時に口頭で修正されたとおりの、附属書I締約国の年次インベントリに関するUNFCCC報告ガイドラインの改定(FCCC/SBSTA/2022/L.19);共通計算方式(FCCC/SBSTA/2022/L.25/Add.1)。
COPは、条約の下の市場メカニズム及び非市場メカニズムの審議を終えることでも合意した。
SBI報告書:COPは、SBI 56報告書(FCCC/SB/2022/10 and 10/Add.1)及びSBI 57報告書 (FCCC/SB/2022/L.17)に留意した。
COPは、次の決定書も採択した:国際的評価及びレビューのモダリティ及びガイドラインの改訂版(FCCC/SBI/2022/10/Add.1);気候エンパワーメント行動(FCCC/SBI/2022/L.23)、SBI 57閉会プレナリーで、口頭で改定されたとおり。
アルメニアは、地理的な代表の衡平性を懸念し、専門家諮問グループ(CGE)は手順規則の作業を終了できなかったと指摘し、ジョージアや他の国は差別の影響を受けていると主張した。
アンティグアバーブーダは、小島嶼諸国連合(AOSIS)の立場で発言し、AILACの立場で発言したコロンビアの支持を得て、損失損害資金アレンジの問題の取り扱いについて、懸念を表明し、損失損害はCOP 27を「決定づける問題(defining issue)」だと感じるものは多いと述べ、この問題の文書の現状について質問した。議長のShoukryは、この問題では集中審議が行われ、いずれ共同進行役から報告を受けると述べた。
非附属書I締約国の報告書:COPは、決定書(FCCC/SBI/2022/10/Add.1)を採択した。
技術開発及び移転:TEC及びCTCNの報告書:COPは、決定書(FCCC/SB/2022/L.12)を採択した。議長のShoukryは、両機関のメンバーの選出はCOPの閉会会合で議論されると指摘した。
技術メカニズムと資金メカニズムのリンク:COPは、SBI 58での議論継続に留意した。
キャパシティビルディング:キャパシティビルディングに関するパリ委員会の2022年技術進捗報告書(PCCB):COPは、決定書(FCCC/SBI/2022/L.19)を採択した。議長のShoukryは、PCCBメンバーの選出はCOPの閉会会合で議論されると告げた。
農業に関するコロニビア共同作業:Milagros Sandoval (ペルー)及びAyman Amin (COP議長職)を共同進行役とする非公式協議で、共同進行役のSandovalは、決定書草案の改訂版は受け入れ可能かどうか、質問した。
ある開発途上国は、農業に関する文章の「緩和(mitigation)」という言葉は、譲れない線だと述べ、これは小規模農業者に緩和負担を課す不公平なものだと述べ、妥協案として、次の2つの追加を提案した:農業及び食糧安全保障での気候行動強化の必要性に関するパラグラフで、「その行動は内容を規定し、各国の状況を考慮する(that such actions are context-specific and take into account national circumstances)」との認識;4年の共同作業に関するパラグラフで、先進国は率先して行うべきであり、締約国は、適応は脆弱なグループにとり「他を上回る(overriding)」優先策であると認識する。一部の先進国は、現状通りの文章を支持するよう求めた。
After 締約国は、行き詰まりを打開しようとハドルを開催、橋渡し案を作成したが、受け入れられなかった。共同進行役のAminは、会議を閉会し、この非公式協議で提起された改訂版をCOP議長職に送ると述べた。
事務管理上、資金上、制度上の問題:COPは、2021年の監査報告書及び財務諸表に関する決定書(FCCC/SBI/2022/10/Add.1)を採択し、2020-2021年の2年間の予算実績(FCCC/SBI/L.17/Add.1)を採択した。UNFCCCプロセスへの決定書という小項目に関し、議長のShoukryは、意見は分かれたままであると指摘した。COPは、この項目を次回会合の暫定議題項目に入れることで合意した。
CMA
組織上の問題:信任状:閉会プレナリーで、CMAは、報告書 (FCCC/CMA/2022/9)を承認した。
補助機関報告書:SBSTA:CMAは、SBSTA議長のMpanu Mpanuの口頭での報告、及びSBSTA56報告書及びSBSTA57報告書(FCCC/SBSTA/2022/L.17 and FCCC/SBSTA/2022/6)に留意した。
SBI:CMAは、SBI議長のKarlsenの口頭での報告、及びSBI 56報告書とSBI 57報告書(FCCC/SBI/2022/10 and Add.1 and FCCC/SBI/2022/L.18)に留意した。CMAは、気候エンパワーメント行動関係問題に関する決定書を、SBI 57閉会プレナリーにおける口頭での改定どおり、採択した。(FCCC/SBI/2022/L.23)
第13条(強化された透明性枠組)に則った報告及びレビュー:資金支援及び技術支援の提供:CMAは、この項目に関するSBI 57結論書(FCCC/SBI/2022/L.25)に留意した。
決定書18/CMA.1 (気候変動の影響及び適応に関係する情報)の附属書第IV章に則り報告される情報の自主的レビュー実施のオプション、及びこの自主的レビューの促進に必要な訓練コース:CMAは決定書(FCCC/SBSTA/2022/L.18)を採択した。
技術開発及び移転:TEC及びCTCN合同の年次報告書:CMAは、決定書(FCCC/SB/2022/L.12)を採択した。
決定書1/CP.21のパラグラフ69項に規定する第1回定期評価:CMAは、決定書(FCCC/SBI/2022/L.27/Add.1)を採択した。
キャパシティビルディング:CMAは、決定書(FCCC/SBI/2022/L.20)を採択した。
実施及び遵守委員会報告書:CMAは、決定書(FCCC/PA/CMA/2022/L.1)を採択した。CMA議長のShoukryは、委員会メンバーの選出は最終CMA 4の閉会プレナリーで行われると告げた。
事務管理上、資金上、制度上の問題:2021年度の緩和報告書及び財務諸表:CMAは、COP決定書(FCCC/SBI/2022/L.17/Add.1)を支持した。
2020-2021年の2年間予算実績:CMAは、COP決定書(FCCC/SBI/2022/10/Add.1)を支持した。
CMP
組織上の問題:信任状:閉会プレナリーで、CMPは、報告書 (FCCC/KP/CMP/2022/8)を承認した。
補助機関報告書:SBSTA:CMPは、SBSTA議長のMpanu Mpanuの口頭での報告、及びSBSTA56報告書及びSBSTA57報告書(FCCC/SBSTA/2022/L.17 and FCCC/SBSTA/2022/6)に留意した。
SBI:CMPは、SBI議長のKarlsenの口頭での報告、及びSBI 56報告書とSBI 57報告書(FCCC/SBI/2022/10 and Add.1 and FCCC/SBI/2022/L.18)に留意した。SBI(CMP?)は、さらに、京都議定書の国際取引ログの管理者報告書 (FCCC/KP/CMP/2022/5)にも留意した。
附属書I締約国への報告及び附属書I締約国の報告:第2約束期間の京都議定書第8条の下での専門家レビュー・プロセス終了日:CMPは、決定書(FCCC/SBI/2022/10/Add.1)を採択した。
クリーン開発メカニズム(CDM):非公式協議で、共同進行役のAlick Muvundika (ザンビア)及びKazuhisa Koakutsu (日本)は、橋渡し案の提起を促した。
認定排出削減量(CERs)の発行プロセス及び自主的取り消しプロセスに関し、各国は、関連パラグラフを削除し、この問題を事務局への追加技術作業要請に入れることで合意した。
手法論プロセスの継続に関し、各国は、これらのパラグラフを削除し、これらの問題を事務局への追加技術作業要請に入れることで合意した。締約国は、手法論のレビュー範囲や更新について議論し、一部の開発途上国は、不一致やエラーの修正に範囲を限定すべきだと述べた。他の先進国及び開発途上国は、評価範囲に環境十全性を入れることを求めた。
締約国は、認定手順の引き渡しに関するパラグラフを削除し、技術的作業の追加を要請することで合意した。
新規植林及び再植林での一時的な措置に関し、執行理事会に対し、適切な場合そして優先問題として、これらの活動の登録、発行、更新の要項を探求し、実施するよう要請することで合意し、これにより、プロセスは早まり、将来のCMP決定書の必要性は回避できることでも意見が一致した。
締約国は、ポスト2020年ユニットの自主的取り消しプロセスに関するパラグラフの削除で合意した。
CERsのメカニズム・レジストリへの移行に関し、NDCsへの利用に関する表現の削除では合意したが、ホスト締約国による書面での承認が必要かどうかでは、必要となる承認書の数への懸念が表明され、合意しなかった。
締約国は、適用基金に移行される金額決定のパラグラフの中で、信託基金の状況のレビューをSBIに要請する、決定書2/CMP.16 (CDMに対するガイダンス)の22項を想起することで合意した。
午後のコンタクトグループ会合では、CERsのメカニズム・レジストリへの移行に関する括弧書きの文章について議論を続け、ホスト国の役割、及び確認は必要か、それとも異議なしというだけで十分かという問題でも議論した。ホスト国に通告すること、及び、執行理事会規定の時間枠内に異議が出されない場合は、承認されることで、合意した。コンタクトグループは、新規植林及び再植林に関する一時的な措置に関し、上記の変更及び他の変更を加えた文書を承認した。
キャパシティビルディング:CMPは、この項目の下で、SBI 56結論書(FCCC/SBI/2022/10)に留意した。
遵守委員会報告書:CMPは、決定書(FCCC/KP/CMP/2022/L.1)を採択した。
京都議定書の野心引き上げに関するハイレベル閣僚ラウンドテーブルの報告書:議長のShoukryは、締約国はこの問題で意見の一致に至っていないと告げ、この問題はCMP 18の暫定議題書に入れられると述べた。
事務管理上、資金上、制度上の問題:CMPは、2020–2021年の2年間予算実績に関する決定書(FCCC/SBI/2022/10/Add.1)及び2021年の監査報告書及び財務諸表(FCCC/SBI/2022/L.17/Add.2)を採択した。
廊下にて
最終日の前日、全体の雰囲気は連帯であり、時には連帯感で満ち溢れていた。活動家たちは人々のプレナリー(Peoples’ Plenary)に集まり、気候の正義の旗の下で肩を寄せあった:「一番恐れられている言葉、それは連帯だ(There is one word they fear the most: solidarity)」と。若い活動家が「われわれは前座ではない、本舞台に立つべきだ(We belong in the text, not in the preamble!)」と宣言したときには、群衆の喝さいの声が会議場全体を揺るがした。
開発途上国も同様に連帯した、G-77/中国、AOSIS、LDCs、AILACは、緊急の記者会見を開き、損失損害資金の交渉に対する深い苛立ちを、マスコミに伝えた。今回の会合では、「最低限(At a minimum)」、資金ファシリティを設立したいとし、気候変動がどれほど各国に影響しているか、世界に向け発信した。パキスタンのSherry Rehman大臣は、「脆弱性が死刑宣告になってはならない(vulnerability should not become a death sentence)」と述べた。国連事務総長のAntónio Guterresは、自身の記者会見で、「気候連帯協定(気候 Solidarity Pact)」を求めた。
連帯感の無さが目立つときもあった。カバー決定書の「洗い物リスト(laundry list)」は、長くなり続けたが、それでも、締約国は、自分たちの項目を追加し、他の希望項目の追加に反対しようとしていた。NCQGに関する技術的な協議は、少なくとも35のパラグラフで、「パラグラフの周りにも、文章にも、文章の中にも括弧書き(brackets around paragraphs, around sentences, and within sentences)」が加えられたと、ある資金交渉担当者は、憮然とした顔で指摘した。
夕方のプレナリーは、夜の非公式ストックテイキング会合と化し、先進国は、先進国同士の連帯を示し、多数のものは、最も脆弱な諸国に対する損失損害ファシリティを設立し、これを緩和作業プログラムの成果とペアにするというEUの提案を支持した。他のものは、このファシリティには広範な資金寄付者が必要だと指摘した。この提案を賛美したものもいたが、他のものは、追加的で基本的な問題を生じると指摘した。それぞれが重要とみなすパッケージの部分を指摘するものもいた。COP議長のShoukryは、世界の期待感を思い出してほしいと懇願し、妥協を促した。
Earth Negotiations BulletinのCOP 27サマリー及び分析は、2022年11月21日月曜日、下記に掲載予定:enb.iisd.org/sharm-el-sheikh-climate-change-conference-cop27