Daily report for 10 November 2022

Sharm El-Sheikh Climate Change Conference - November 2022

シャルムエルシェイク気候変動の第5日、交渉スケジュールは限界ぎりぎりとなり、交渉担当者は昼も夜も会合を続け、資金問題、パリ協定第6条の協力実施、緩和野心と実施の規模拡大などを議論した。

COP

長期気候資金:Gertraud Wollansky (オーストリア)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、1千億米ドル目標の資金常任委員会(SCF)報告書(FCCC/CP/2022/8/Add.2)のエグゼキュティブサマリーで合意できなかったのは遺憾であると述べた。

開発途上国は、実質的な審議を求め、次の記述を求めた:緩和資金と適応資金のバランスをとる;資金メカニズム運用機関を経由する資金額の割合を高める。少数の開発途上国は、進捗状況追跡の手法論を明確にするよう求め、少数の先進国は、主要な情報源としての隔年評価報告書及び気候資金フローの概要に焦点を当てた。

ある開発途上国は、約束を達成していない先進国を特定するアカウンタビリティ・プロセスを求め、問題はプロジェクトの欠如ではなく、予見不能で不適切な資金レベルであると強調した。次の点も指摘された:二国間適応資金の動向;進捗の確保;受理した資金の検討。少数のグループ及び締約国は、作業の重複を警告し、SCF議題項目の下で、パリ協定第2条1(c)項(資金フローの一貫性)及び気候資金の定義づけを議論すべきだ。

共同進行役のWollanskyは、文書草案作成に向け、11月11日金曜日の正午までの締約国文書提出を求めた。

資金メカニズムの第7回レビュー:非公式協議冒頭のステートメントで、共同進行役のRicardo Marshall (バルバドス)及びKelly Sharp (カナダ)は、議長職はレビューでのCMAの役割に関し協議を行う予定であると指摘した。ある開発途上国グループは、他のものの支持を得て、これらの協議は予備的なもので、資金メカニズムの第7回レビューをCMAの議題に入れるよう求める米国の提案の審議に限定されると強調し、これに関し実質的協議を行うことは議長職のマンデートではないと述べた。議長職のマンデートの範囲の議論が続いた。

CMAはレビューで役割を果たすべきかどうかという実質的な問題で、締約国の意見は大きく分かれた。2つの開発途上国グループは、資金メカニズムは開発途上国のニーズに応えるための制度であると強調し、レビューは条約の下で行われるので、パリ協定の下ではないとも述べた。他の少数の国は、CMAはレビューで役割を果たすべきだと強調した。

共同進行役は、今後の進め方に関し、議長職と協議する。

COP/CMA

資金常任委員会:非公式協議の共同進行役は、Janine Felson (ベリーズ)及びDominic Molloy (英国)が務めた。

少数の開発途上国は、気候資金の共通の定義づけが必要だと強調したが、少数の先進国は、SCFによる運用定義の概要で十分だと指摘、この問題の審議終了を希望した。

多数の国は、パリ協定第2条1(c)項に規定する追跡及び計算方法におけるSCFの参画継続を支持した。ある開発途上国は、第2条1(c)項は適切な文脈になっていないと強調、共通するが差異のある責任及びそれぞれの能力の原則を指摘した。別な開発途上国グループは、第2条1(c)項は温室効果ガスの低排出及び気候にレジリエントな開発経路と関係づけられているが、1.5℃目標とは直接関係づけられていないことに注目した。

共同進行役は、文書草案を作成する。

気候変動の悪影響に伴う損失損害に対応する資金制度、損失損害対応に焦点:Ursula Fuentes (ドイツ)及びJulio Cordano (チリ)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、決定書に記載すべき要素について、意見交換を続けた。

損失損害資金のニーズと利用可能性の間のギャップ、このギャップを埋める緊急性、特に事後行動とされる損失損害対応への資金供与の緊急性では、広く認識が共有された。多数のものは、損失損害を対象とするUNFCCC以外の既存のプロセス及びイニシアティブを指摘したが、一部の開発途上国は、注意をそらせることに警告し、採択された解決策は全て、UNFCCC原則と合致させるべきだと強調した。

資金制度の特性については、意見が分かれた。少数の開発途上国グループは、独立のファシリティを求めたが、少数の先進国は、緑の気候基金(GCF)、地球環境ファシリティ、グローバル環境ファシリティ、または適応基金の下に損失損害の専用窓口を設置する、リスク保険ファシリティや二国間支援など、他のメカニズムを設置するといった、多様なオプションを提示した。

少数の開発途上国は、COP 27/CMA 4でのファシリティ設置を求めたが、先進国は、2024年に終了するプロセスを想像し、そうすることで、現在の状況を図に描き、ギャップを評価し、非経済的損失や緩慢に発生する現象などの問題にも踏み込む余裕が持てると指摘、グラスゴー・ダイアログのこのプロセスへの貢献を示唆した。

CMA

64項メカニズムの規則、モダリティ、手順:コンタクトグループ会合で、共同議長のKate Hancock (オーストラリア)及び Sonam Tashi (ブータン)は、第6条4項監督機関による運用開始初期の報告及び収益の一部の手順規則、除去を伴う活動の報告など(FCCC/PA/CMA/2022/6 and Add.1)、CMA決定書に記載すべき要素に関し、意見発表を求めた。Hancock共同議長は、決定書草案は、引き続きSBSTAで議論されると指摘した。

締約国は、監督機関を称賛し、2022年の作業可能な時間の短さを指摘した。EU及び英国は、ベースラインや追加性ガイダンスの欠如を懸念し、アルゼンチン・ブラジル・ウルグアイ(ABU)は、早期行動促進のためのCDM手法論の改定を開始するよう監督機関に求めた。

多数のものは、監督機関の2023年の作業としてCMAが委任する問題を優先し、タイムラインを付ける必要があると指摘、アフリカン・グループは、第6条2項と第6条4項の運用開始でのバランス確保を求めた。

締約国は、第6条4項の作業の指針とすべき原則を共有した。EU、環境十全性グループ(EIG)の立場で発言したスイス、後発開発途上国(LDCs)は、特に、野心のギャップを埋めるだけの貢献の確保、パリ協定との整合性、環境十全性の確保を強調した。

少数の締約国は、第6条4項メカニズムの手順規則や事務管理費への収入の一部の充当レベルに関する監督機関の提案を歓迎した。

除去量に関する提案について、ABUは、文章の「あいまいさ(vagueness)」、及び逆転した場合の扱いやセーフガードなど、重要項目での「沈黙(silence)」を懸念し、(排出)除去でのUNFCCCの豊富な経験を指摘した。セントクリストファー・ネービスは、異なるタイプの除去を差異化していないとして懸念を表明した。

少数のグループ及び締約国は、CMA 4での除去量の議論継続を要請、グループ内の調整や文書提出、議論の時間を求めた。有志途上国グループの立場で発言したサウジアラビア及びセントクリストファー・ネービスは、監督機関での提案の議論継続を提案した。

気候資金の新しい集団数量目標:非公式協議で、共同進行役のZaheer Fakir (南アフリカ)及びGeorg Børsting (ノルウェー)は、決定書に記載すべき項目に関する締約国の意見表明を要請した。技術専門家ダイアログ(TEDs)は特定の題目に焦点を当て、成果に主眼を置くべきで、専門家の参加を増やすため、タイミングや場所などのロジスティックの詳細を決めておくべきことで、広範な合意が得られた。2つの国は、地域レベルでのミニTEDsの開催を提案した。

少数の国は、議論の進捗状況を把握し、意見の集約分野を特定するよう求め、量的質的要素やサブ目標のある目標にすべきことで、意見の集約があったと指摘した。

2023年のTEDsのテーマに関する提案は次のとおり:サブ目標の数;目標の量的要素と質的要素のリンク;追跡(tracking)手法論;LDCs及び小島嶼開発途上国に特有の脆弱性;パリ協定第2条1(c)項 (資金フローの一貫性);資金供与者基盤の拡大;資金供与者及び受益者が経験した課題。

開発途上国は、緩和資金と適応資金のバランスの議論を求め、この目標は損失損害にも対応すべきだとし、バランスのとれた資金配分の議論では、クロスカッティングと称される資金の割合増加を考慮する必要があると指摘した。ある先進国は、目標金額を2024年に議論すべきと述べたが、ある開発途上国は、金額は目標の最も重要な問題との考えを示した。

共同進行役は、決定書草案作成に向け、締約国の文書提出を求め、CMA 4議長職は11月9日水曜日の新しい目標に関するハイレベル会議の議論を取りまとめた文書を作成中であるとし、次回の非公式協議に提示されると指摘した。

実施のための補助機関(SBI)

適応基金の第4回レビュー:Diann Black-Layne (アンティグアバーブーダ)及びEva Schreuder (オランダ)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、共同進行役の文書草案の第2版について、コメントした。未達成のプレッジの表現方法では、意見が分かれ、一部の開発途上国及びグループは、プレッジ未達成の国名と未達成量の明記を求め、これは信頼性の問題だと述べたが、先進国は、これに反対し、国名を挙げたり、恥をかかせたりしても役に立たないと述べた。締約国は、次の問題でも意見が分かれた:資金拠出の持続可能性、適切性、予見可能性の欠如を「深い懸念(with deep concern)」と共に指摘するかどうか、これについて、少数の開発途上国及びグループはこのフレーズの挿入を希望したが、先進国は反対した;気候資金倍増に言及するかどうか、これについて、一部のものは、これはCMAの問題だと指摘した;資金動員戦略について、2017-2020年の戦略に言及するか、それとも2022-2025の戦略に言及するか。他の文章案は、次に焦点を当てた:排出削減単位(ERUs)及び割当量単位(AAUs)の移動に対する収益の一部の充当は、適応基金からとする表現;資金拠出は、予見可能で、グラント・ベース、多年度であるべきことの明記。

議論は、非公式な非公式協議で続けられる。

後発開発途上国問題:Bob Natifu (ウガンダ)及びJens Fugl (デンマーク)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、国別適応計画(NAPs)実施の資金アクセスでLDCsが直面する課題を、決定書草案にどのように記述するかで、意見が分かれた。開発途上国は、GCFにLDCsのNAP実施資金支援を要請するとの表現を希望したが、多数の先進国は反対し、LDCsにおけるNAPs実施資金の重要性、及びGCF資金へのアクセスや適応の進捗における課題を認識する一方、GCFに対するガイダンスはそれぞれの議題項目の下で提供されるべきと指摘した。ある先進国グループは、NAPs資金アクセスの課題に対応するとの観点で、GCFと協力するようLDC専門家グループ(LEG)に求めるとの妥協案を提案した。

締約国は合意に至らず、共同進行役らは、今後の進め方を、SBI議長と協議する。

科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)

62項の協力的手法に関するガイダンス:午前中、Peer Stiansen (ノルウェー)及びKuki Soejachmoen (インドネシア)を共同進行役とする非公式協議では、第6条2項の決定書草案を含めるSBSTA議長の非公式文書(SBSTA57/A6.2/InfDoc)の次のセクションに焦点があてられた:レジストリに対するガイダンス;国際レジストリに対するガイダンス;集中会計方式及び報告プラットフォーム(CARP);第6条データベース。

2つの締約国は、前夜の非公式な非公式協議の結果を報告し、このフォーマットは、特にレジストリに関する締約国の理解を深める上で有用であり、全ての締約国に適用可能で受け入れ可能な追跡制度に適正なガイダンスを提供すると指摘する一方、ガイダンスのあるべき姿では締約国の意見が分かれたとも指摘した。

締約国は次を議論した:異なる状況の国に対するガイダンスの適用可能性、これについて、あるものは、全てのレジストリに適用可能なガイダンス、締約国のレジストリとリンクする締約国に適用可能なガイダンス、国際レジストリ専用のガイダンスを区別することを提案した;相互運用性、これには全レジストリの「双方向の会話(speak to one another)」を確保するコミュニケーション・プロトコル及びレジストリ同士の調整を図るレジストリ管理者の任命を含める;非締約国利害関係者による国際レジストリへのアクセス。締約国は、第6条2項決定書に認定排出削減量のガイダンスを入れるべきかどうかでも、意見が分かれた。

CARP及び第6条データベースに関し、締約国は、次の項目を議論した:それぞれの機能;特異な識別記号(unique identifiers)、これをCARPとデータベースで同じものとするかどうか;CARPの共通名称、これを関連レジストリ間の技術的議論で扱うとの提案も出された。

一部のものは、文章の簡素化を求めた。ある締約国は、今回の会合では基幹となる運用ガイダンスの議論を優先するよう提案した。あるグループは、2023年での優先問題の議論に必要な作業の特定を提案した。

次のステップに関し、多数のものは、文書草案のレビュー及び報告の表は議論する時間がなかったが、共同進行役に第2版の作成を委任することを提案した。

午後、締約国は、第6条技術専門家レビューに対するガイドラインを扱うセクション、及びCMA決定書の関連パラグラフに焦点を当て、レビューの指針原則及びスコープ、レビューされるべき情報、専門家レビュー・チームの構成、レビューの手順及びフォーマットの問題に関し、それぞれの希望するオプションを明らかにした。

2つの開発途上国グループは、第6条2項の協力的手法における透明性、一貫性、環境十全性を確保するには、国際的に移動される緩和成果の包括的な報告及びレビューが重要であると強調した。一部の締約国は、指針原則の挿入を支持したが、少数のものは反対し、グラスゴー決定書には指針となる原則への言及はないと指摘した。

ある開発途上国グループは、第6条全体を統合する報告作成を求めた。ある先進国は、レビューは初期の報告書及び隔年透明性報告書に焦点を当てるとの記述を文書に入れるべきだと述べ、少数の締約国は、レビューのタイミングや順序、専門家レビュー・チームのメンバーの人数、専門家の氏名を専門家名簿に入れる手順が、文書に記載されていないと指摘した。

締約国は、SBSTA議長の非公式ノート及び締約国のインプットに基づく文書草案の作成を、共同進行役に委任した。

64項メカニズムの規則、モダリティ、手順:共同進行役のSonam Tashi (ブータン)及びKate Hancock (オーストラリア)は、CMA決定書草案及びメカニズムの規則、モダリティ、手順を規定するプロセスを記載する附属書を付した、新しい交渉文書草案(Decision 3/CMA.3)を提示した。一部の締約国は、文書を検討する時間がなかったと指摘、他の締約国は、改定を提案した。 非公式な非公式協議で、議論を続ける。

68項の非市場アプローチ枠組の作業プログラム:コンタクトグループ会合で、共同議長のMaria Al-Jishi (サウジアラビア)及びJacqueline Ruesga (ニュージーランド)は、文書草案にある、非市場アプローチ(NMAs)のUNFCCCのウェブ・プラットフォームを扱うセクションについて、コメントを求めた。コロンビアは、独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)の立場で発言し、このプラットフォームに関する提案について説明し、次のように述べた:国家決定貢献の達成に焦点を当てる;事務局による集中管理を要請する;ベストプラクティスや学習事項、資金などの支援を必要とするNMAsを、インプットとして受け入れる。

ボリビアは、LMDCsの立場で発言し、文書の中の次の表現を支持した:事務局に対し、「実施のニーズ及び実施手段の提供のレジストリのため(for registry of needs and provision of means of implementation)」、UNFCCCのウェブ・ベース・プラットフォームを開発し、運用可能にするよう要請する。

LMDCs、アフリカン・グループの立場で発言したセネガル、LDCsの立場で発言したブータンは、このプラットフォームにマッチメイキング機能を付けるべきと述べたが、米国は反対した。日本は、英国の支持を得て、「マッチメイキング(matchmaking)」の代わりに「識別する(identifying)」を提案し、これはグラスゴー決定書と合致すると指摘した。英国は、このプラットフォームは既存のNMAsの保管庫(repository)以上の存在になりうると述べ、たとえば、連絡先情報を入れることもできると述べた。カナダは、プラットフォームを既存のNMAsの記録用に用いるオプションを支持したが、「既存のNMAs、意図したNMAs、利用可能な支援を記録する(recording existing NMAs, intended NMAs and support available)」とのオプションは、妥協案となりうると述べた。

LMDCsは、手動と自動のマッチメイキング機能の組み合わせを支持し、アフリカン・グループは、手動から自動へとマッチメイキング機能を進化させることを提案した。英国は、一部のマッチメイキング・オプション、特に自動化に関係するものは、作業プログラムを遅らせ、複雑化すると述べた。

スイスは、EIGの立場で発言し、手動のマッチメイキング機能を支持したが、「意図したNMAsの多様性を理解する(understand the diversity of intended NMAs)」ためワークショップを開催するとのオプションには反対し、EU、英国、アラブ・グループの立場で発言したクウェートと共に、プラットフォームと第6条2項のCARPとのリンク付けに反対した。

EUは、マッチング機能のレビューを別個に行うことに反対し、2026年の作業プログラムのレビューの一環として行えると指摘、アラブ・グループと共に、締約国及び非締約国利害関係者のNMAs提出を支持した。

議論は、非公式な非公式協議で続け、共同議長は、文書の第2版を作成する。

補助機関

適応世界目標に関するグラスゴー・シャルムエルシェイク作業プログラム:Mattias Frumerie (スウェーデン)及びKishan Kumarsingh (トリニダードトバゴ)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、適応世界目標(GGA)の2022年の作業に関する意見発表を続け、及び2023年作業プログラムに対するガイダンスでも意見発表を続けた。

2023年作業プログラムに関し、ある開発途上国グループは、枠組及びその基礎となる内容に関する提案について説明し、CMA 4での枠組設置を優先すると強調し、少数の国及びグループもこれを支持した。2つの先進国は、枠組の必要性を疑問視し、提案には多数の疑問点があり、これはCMA 4では解決できないと述べた。

4回の2023年ワークショップに関し、締約国は、開催時期を提案し、バーチャル方式、対面式、ハイブリッド方式に関する希望を表明した。一部のものは、GGAの指標を識別し、共通の理解を進めるため、インタラクティブな分科会やオープン・ダイアログ、実習を求めた。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に対し、GGAの特別報告書作成を要請するかどうかでは意見が分かれ、一部のものは、その重要性を説いたが、他のものはIPCCの作業負担の多さを強調した。少数の締約国は、第1回のグローバルストックテイクs (GST)及びその後のGSTにGGAの作業をフィードインするとのマンデートを、決定書案に入れるよう提案した。

緩和野心及び実施の緊急の規模拡大の作業プログラム:Carlos Fuller (ベリーズ)及びKay Harrison (ニュージーランド)は非公式協議の共同進行役を務め、新しい文書草案を提示した、この草案には、SB結論書草案、及び作業プログラムの題目分野案を記載する附属書付きのCMA決定書草案を含める。大半の締約国は、題目分野案のリストは長すぎるとし、一部のものはリスト自体を削除し、単に作業プログラムとするか、SB議長らが題目分野を選択することを希望した。

締約国は、CMA決定書案も審議し、次の記述を入れるよう求めた:緩和行動の緊急性;グラスゴー気候協定決定書(1/CMA.3)の緩和要素;GSTとの明確なリンク、及びプレ2030年野心のハイレベル閣僚級ラウンドテーブルとのリンク、たとえば作業プログラムに対し、ラウンドテーブルへの毎年の報告書提出要請など;非締約国利害関係者の役割;作業プログラムの運用上の詳細、たとえば、訓練やキャパシティビルディングなど;作業プログラムの年次報告書に野心引き上げの緩和行動案を記載するよう要請する。少数の締約国は、レビューへの言及に反対する、あるいは作業プログラム自体のレビューではなく、技術モダリティのレビューと規定するよう提案した。

廊下にて

朝、交渉会議室へ戻る途中、第6条の交渉担当者は、今後の作業に思いを巡らしていた、あるものは、協力的手法の文書は「この会議場のフロアプランのように複雑だ(as complicated as the floorplan to this conference)」と指摘、ある共同進行役は、毎日、会場で迷子になり、「地図オタク(map nerd)」になったとし、「レジストリでの迷子(lost in registry)」にはなりたくないと述べた。補助機関会合の終わりが近づく中、第6条会議の参加者は、交渉の精神を持ち続け、共同進行役に対し、新しい文書の作成を要請、解決を早めるためには追加の非公式な非公式協議に参加していくと表明した。

他の会議室では、現実の生活への影響に直面し、緊急に行動し、支援する必要があるとの指摘が相次いだ:パラオの代表は、政府間プロセスからは意味のある成果は得られないと指摘、新しい資金目標の技術的な議論への参加を正当化するのは困難だと述べ、あるベテランのオブザーバーは、都市計画という意味でのシャルムエルシェイクとラスベガスの相似を指摘、「各国は世界の未来をかけたギャンブルをしているように感じる(it really feels like countries are gambling with the world’s future)」と述べた。

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