Daily report for 9 December 2023

UN Climate Change Conference - United Arab Emirates Nov/Dec 2023

気候交渉のこの段階ではありがちなことだが、プロセスも進捗状況も、明確に見通すのは難しい、多様なフォーマットで議論が進められたが、一部は公開され、他は非公開となった。夜の非公式プレナリーでは、残された作業の多さが明らかになった。

非公式プレナリー

議長のスルタンAl Jaberは、締約国に対し、バランスのとれた野心的なパッケージを出すべく、柔軟性を発揮するよう奨励した。

COP 28 CEOAdnan Aminは、締約国は緑の気候基金へのガイダンス、 及びパリ協定第13条の下での開発途上国の報告作成に対する支援の供与について合意したと述べた。同氏は、パリ協定第6条、及び残りお資金問題では、協議が続いているとも述べた。緩和作業プログラムでは合意に至っていないことから、同氏は、共同進行役らは緩和の問題を議長職及び2名の閣僚級共同進行役の手に戻すことになると述べた。適応世界目標(GGA)に関し、同氏は、補助機関議長らが議長職のガイダンスの下、文書草案を作成中であると述べた。決定書作成の協議、 及び第29回締約国会議会合(COP 29)の日付及び場所などでは、協議が行われた、Amin氏は、議長職が今後の進め方を検討する予定であると述べた。

グローバルストックテイク(GST)に関し、デンマークの開発及び気候政策大臣のDan Jørgensenは、入手可能な最善の科学に基づく、緩和、適応、実施手段を網羅するバランスのとれた決定書にしたいという、共通の希望があると指摘した。同大臣は、次の項目などで、意見の不一致が残っていると指摘した:衡平性及び入手可能な最善の科学に鑑みた、歴史的、現在の、そして将来の排出量;共通するが差異のある責任及びそれぞれの能力(CBDR-RC)の原則、及び衡平性の原則への言及;ユニラテラルな貿易措置;今後の進め方。

正当な転換経路作業プログラムに関し、ノルウェーの外務大臣のEspen Barth Eideは、多数の国が再生可能エネルギーを3倍、エネルギー効率を2倍にすることに名を連ねていると指摘した。同大臣は、化石燃料に関する表現では意見対立が残っていると述べた。同大臣が指摘した別な意見対立点はCBDR-RC及び衡平な移行であり、一部のものは全てのものの移行を支持するものが多いと指摘、カーボン・バジェットの分割も一定の支持を集めたと指摘した。

適応に関し、オーストラリアの気候変動エネルギー副大臣のJenny McAllister、及びチリの環境大臣のMaisa Rojasは、GGAに関する技術的な議論と並行して、諸グループとの協議を行ったと述べた。意見が分かれたのは実施手段及びパリ協定及び条約の原則への言及という、2つの分野であると指摘した。

資金に関し、エジプトの環境大臣のYasmine Fouad及びカナダの環境と気候変動大臣のSteven Guilbeaultは、多様な資金の項目に関する意見を聴くため、諸グループと二者間会議を開催したと報告した。

議長のAl Jaberは、1210日日曜日の午後3時に、Majlisを招集し、衡平性、緩和、適応、支援に関する決定書など、多様な決定書のパッケージについて、全体のバランスに焦点を当てると述べた。Majlisの結論に関し、同議長は、今会議を成功で終わらせるため、今後の進め方に関し、追加のガイダンスを提供する予定であると述べた。同議長は、1211日月曜日までにパッケージを提示できるよう目指すと指摘した。

再開されたハイレベル・セグメント

キリバスのTaneti Maamau大統領は、化石燃料の段階的廃止、2025年までに排出量のピークに達する、オーバーシュートを回避するよう促した。同大臣は、若者たちのために健康で持続可能、豊かな未来を確保するよう求めた。 

タイの自然資源環境大臣のPhatcharavat Wongsuwanは、自国の国家決定貢献(NDC)には、全ての経済部門を対象とすることを目指すと指摘した。同大臣は、温室効果ガスの排出量を削減し、食糧安全保障を改善するため、可能にする環境の強化及び気候にスマートな農業で進展したと強調した。

スペインの生態系移行及び人口問題担当大臣のTeresa Riberaは、EUの立場で発言し、化石燃料の生産及び消費の段階的廃止が必要だと強調し、全てのものに対し、再生可能エネルギーへのアクセスを確保する必要性を強調、これには資本コストの低下やスキルの開発養成によるものも含まれると述べた。気候行動の欧州コミッショナーのWopke Hoekstraも、EUの立場で発言し、COP 28は化石燃料の終わりの始まりを記念する会議にするべきだと強調した。

キューバの科学技術環境大臣のElba Rosa Pérez Montoyaは、G-77/中国の立場で発言し、損失損害基金の資本化を続け、ニーズに合わせることを促した。同大臣は、次を求めた:先進国は緩和努力を一段引き上げる;GGA枠組における実施手段の表現;気候行動を、持続可能な開発及び貧困撲滅の中心に据える。

サモアの資源資源環境大臣のToeolesulusulu Cedric Schusterは、小島嶼諸国連合の立場で発言し、第1GSTの効果ある成果を実現し、各国のニーズに対応する、GGAの確固とした枠組を実現する必要性に焦点を当てた。同大臣は、化石燃料の段階的廃止を求めた。

 ベネズエラの生態系のための人々のパワー担当大臣のJosué Alejandro Lorca Vegaは、損失損害基金での進展を歓迎する一方、この基金へのアクセスを迅速なものとし、各国が気候影響に速やかに対応できるようにするべきだと強調した。同大臣は、先進国に対し、ローンではなく無償資金を供与するよう求めた。

ウクライナの環境保護及び自然資源大臣のRuslan Striletsは、パリ協定の実施に対する支援、及びロシアの侵略後のウクライナの再構築に対する支援を求め、気候資金の新しい集団数量目標の重要性を強調した。

ウルグアイの環境大臣のRobert Daniel Bouvier Torteroloは、資金供与国に対し、適応基金により多くの資金供与をするよう求め、共通するが差異のある責任及びそれぞれの能力の原則を認識する必要があると強調した。 

コスタリカの環境エネルギー大臣のFranz Tattenbach Capraは、正当な転換を通し、1.5℃目標に合致するだけの排出削減を行うための「窓(window)」は急速に閉じていると強調し、予見可能な譲渡型の資金を求めた。

韓国の環境大臣のHan Wha-jinは、GGA枠組の最終決定が必要だと強調し、2030年までの軌道修正に向け、気候行動の全ての側面で、行動を加速化するよう求めた。

配置の環境大臣のJames Cadetは、後発開発途上国(LDCs)にとり、1.5℃と合致する軌道修正という考えは、キャッチフレーズではない、差し迫っている存在危機の脅威であると強調した。同大臣は、資金だけでなく、技術移転及び訓練を求めた。

カタールの環境気候変動大臣のFaleh bin Nasser bin Ahmed bin Ali Al Thaniは、今回のCOPは転換点になって欲しいとの希望を表明し、気候変動緩和での具体的な行動を求めた。

ラオスの自然資源環境大臣のBounkham Vorachitは、低炭素な経済を達成するため、協力及び協調を強化するよう求め、適応資金の倍増を促した。 

バヌアツの気候変動・エネルギー・環境・気象・ジオハザード・防災担当大臣のRalph Regenvanuは、COPの成功は化石燃料の段階的廃止、化石燃料補助金の廃止、再生可能エネルギーへのシフトで合意できるかどうかにかかっていると強調した。 

ドミニカの環境・農村部近代化・Kalinago Upliftment・国民のエンパワーメント担当大臣のCozier Frederickは、世界の金融システムを改革し、最も脆弱なものが気候(の資金)にアクセス可能にするよう求めた。

ニュージーランドの気候変動大臣のSimon Wattsは、再生可能エネルギーを増やすことで自国経済の脱炭素化を図るという計画を議論した。

モーリシャスの環境・固形廃棄物管理・気候変動担当大臣のKavydass Ramanoは、確固とした野心的なGST及びGGAを求めた。同大臣は、気候資金を小島嶼開発途上国がアクセス可能なものにすることを強調し、パリ協定実施におけるCBDR-RC原則に再度言及した。

カンボジアの環境大臣のEang Sophallethは、石炭火力発電所のプロジェクトのキャンセルなど、国内の努力に焦点を当てた。同大臣は、適応行動の加速及び1千億米ドルの約束の実現を求めた。

ミクロネシア連邦の環境・気候変動・危機管理担当大臣のAndrew Yatilmanは、大規模排出者が合理的な犠牲により、島嶼部の人間が究極の犠牲になることを回避するよう促した。同大臣は、過剰な消費を無くし、メタンなどの「超汚染物質(super pollutants)」の大規模削減、化石燃料の段階的廃止の成就を求めた。

ベリーズの持続可能な開発・気候変動・災害リスク管理担当大臣のOrlando Habetは、譲渡型の資金を増やすよう求め、「今こそ転換型の行動をとり、気候の正義のため行動するときだ(time to stop posturing, as it is time for transformative action and climate justice)」と述べた。

フィリピンの環境及び自然資源省長官のMaria Antonia Yulo-Loyzagaは、損失損害基金理事会のホスト国になることを申し出た。同長官は、締約国に対し、衡平性に根差した大胆で決定的な行動をとるよう促した。

マーシャル諸島の自然資源・商務大臣のJohn M. Silkは、損失損害の大きさを強調し、マーシャル諸島の人間は、「黙って、水底の墓に沈むことはしない(will not go silently to watery graves)」と述べた。 

ザンビアのグリーンな経済・環境大臣のCollins Nzovuは、アフリカングループの立場で発言し、次の優先策を強調した包括的なGSTGGAの下での指標のある確固とした枠組、多国間プロセスの信頼回復。

マリの環境・衛生・持続可能な開発大臣のMamadou Samakeは、気候の正義を要求、「気候安全保障のBamako宣言Bamako Declaration on Climate Securityが最近採択されたが、これは気候変動と取り組む地域の統合対応に向けた大きな一歩であると指摘した。

ジャマイカのMatthew Samuda大臣は、経済成長及び雇用創設省担当ではないが、水・環境・気候変動・ブルー及びグリーンカーボン経済省を担当しており、化石燃料の段階的廃止を求め、再生可能エネルギー及びグリーンな輸送への転換を強調した。同大臣は、適応基金への寄付を促した。

パプアニューギニアの環境・保全・気候変動大臣のSimon Kilepaは、先進国に対し、排出量を削減し、資金約束を果たすよう求め、炭素市場での国内の努力を指摘した。

ペルーの環境大臣のAlbina Ruizは、GSTに関し、野心的で科学に基づく決定を行う必要があると強調し、先住民の女性向けの気候基金を提案した。

ギニアの環境・持続的な開発大臣のSafiatou Dialloは、損失損害基金へのアクセス可能性を強調し、水力及び森林保全関係の国内行動を指摘した。

午後もステートメントの発表が続いた。

緩和

緩和野心及び実施の作業プログラム:Kay Harrison (ニュージーランド)及びCarlos Fuller (ベリーズ)は、議長職協議の共同進行役を務め、新しいバージョンの文書に対する意見発表を歓迎した。

3つの開発途上国グループは、この文書を交渉のたたき台とすることを拒否し、GST及びグラスゴー気候協定の緩和面をフォローする作業プログラムに関するパラグラフの削除を求め、これは作業プログラムのマンデートの範囲外であると述べた。さらに、利用可能な最善の科学及びIPCCの結論に関するパラグラフの削除も求めた。

2つの開発途上国グループは、少数の先進国と共に、文書に対する深刻な懸念を表明、緩和野心引き上げという作業プログラムのマンデートを反映していないと述べた。利用可能な最善の科学に沿った緩和行動をとる緊急のニーズを記載する必要があると強調し、さらに、作業プログラムは時間をかけて改善できるとして、特にGSTの結論を補完することで、緩和決定書のフォローをするべきだと述べた。

グローバル・ダイアログに関する年次報告書の記載方法に関する意見は、大きく分かれた。一部のものは、実質的な結論リストを付していないパラグラフの受け入れを拒否し、一部の結論はプレ2030年野心のハイレベル閣僚級会議に報告されたと指摘した。他のものは、この報告書は全ての意見を反映したものではなく、締約国主導のものでもないと指摘した。また、正当なエネルギー転換の加速化という題目は、作業プログラムの共同議長の選定であるとの明示を希望し、2024年では、新しい題目を選定するべきとの記述も希望した。

共同進行役は、コメントを議長職に伝えると述べた。

正当な転換経路の作業プログラム:議長職協議ではMarianne Karlsen (ノルウェー)及びSimon Cardy (南アフリカ)が共同進行役を務め、締約国は、共同進行役作成の決定書草案の改訂版を議論した。ハドルでの会合の後、締約国は、この文書を交渉のたたき台として歓迎し、残る重要な懸念の概要を説明した。

少数の開発途上国グループは、「経路(pathways)」を複数にしておくことを強調し、実施手段への言及の保持も強調した。ある開発途上国グループは、ユニラテラルな措置への対応が重要であると強調し、今後の進め方として、決定書の序文に、条約第35項(サポートしオープンな国際経済システムの促進)への言及を入れるよう提案した。少数の開発途上国グループは、持続可能な開発及び貧困撲滅関係の枠づけを強調した。2つの先進国は、野心及び1.5℃目標への言及を要求し、あるものは労働の権利への言及も強調した。

共同進行役は、作業プログラムのスコープ及び決定書の序文を、今後の文書の議論における重要分野であると特定した。参加者は、その後、決定書草案を改定するべく、非公開の草案作成グループで作業を進めた。

クリーン開発メカニズム(CDM)の問題:非公式協議で、共同進行役のKazuhisa Koakutsu (日本)及びAlick Muvundika (ザンビア)は、新しい文書草案を提示し、締約国のコメントを求めた。大半の締約国は、文書の主要部分に満足し、より明確にするためだけの変更を提案した。2つの主な問題点は、次に関係していた:京都議定書第2約束期間終了後のCDMの機能のタイムライン;CDM信託基金の資金の管理。

タイムラインに関し、一部の締約国は、認定排出削減量の発行要請、及び新しいい手法論の承認など、CDM関連の手順を中止する期限の前倒しを希望した。CDMレジストリと国際取引ログの分離の期限に関しても意見の不一致があり、少数の開発途上国iは、20241231日という期限案に反対した。少数の先進国は、第2約束期間の約束のレビューは、2024年の半ばには終了する可能性が高いと述べ、20241231日より後の期限は必要ないと述べた。

資金の管理に関し、CDM信託基金が保有する資源の一部をどのように再配分するかが大きな問題となった。少数の開発途上国グループは、4500万米ドルの適応基金への移動を認可するという現在の文章を支持した。一部の先進国iは、この基金から第6条にも移動するべきだとし、第6条の組織構造の開発をサポートするために必要な資金の不足額は880万米ドルであると特定し、この金額の資金の移動を提案した。ある開発途上国グループは、第6条へのいかなる移転にも反対し、残る資金の全てを適応基金に移転することを求めた。同グループは、別なところへの資金移動を考える場合は、第68項の非市場アプローチ(NMA)及び影響に関するかとヴィチェ委員会(KCI)を移転資金受け取り先のオプションに含めるべきだと述べた。

64項(メカニズム)の規則、モダリティ、手順:非公式協議で、共同進行役のKate Hancock (オーストラリア)及びSonam Tashi (ブータン)は、2つの括弧書きオプションを含める新しい文書草案を提示した:オプション1には、以前に議論された文書の括弧書きが含まれ;オプション2には、特に、市場の機能のモラトリウム、及び気候変動の新しい市場メカニズムの策定が含まれた。議論では、オプション1を含める文書に焦点があてられた。

締約国は、文書をパラグラフごとに審議し、希望するオプションを明らかにし、変更案を提示した。締約国は、認可のタイミング及び内容の項目を審議し、認可の前、または認可後の、第64項の排出削減量の国際レジストリへの移転を審議した。環境セーフガードに関し、ある開発途上締約国グループは、全てのプロジェクトに適用するべきで、現在の文書にあるように、新規植林及び再植林に限るべきではないと指摘した。少数の開発途上国グループは、LDCsの特別扱いの保持を確保するよう促し、現在の文書にはあいまいな箇所があると指摘した。

少数の締約国は、監督機関に対し、メカニズムの下での除去量を含める活動の必要条件についての包括的な作業プログラムの策定を要請するパラグラフの削除を提案した。非公式協議は午後も続けられた。

パリ協定第68項規定の非市場ベース手法の枠組:非公式協議で、共同進行役のKristin Qui (サモア)Jacqui Ruesga (ニュージーランド)は、改定された決定書草案を提示した。ある開発途上国グループは、他の少数の支持を得て、NMAの例としてのカーボンプライシングへの言及に反対した。さらに、別なパラグラフでの自然ベース解決策への言及に反対し、特定の手法を選び出した理由を疑問視した。一部の先進国は、カーボンプライシングは自動的に市場メカニズムになるわけではないと明言し、このような国内の財政措置は取引可能なクレジットを作らないと説明し、「カーボンプライシング」を「炭素税」に置き換えることを提案したが、開発途上国及びグループは、依然として、これに反対した。

締約国は、どの個人や組織が、NMAsを識別し、策定し、実施できるかを議論し、先住民や国際機関、国連機関、多国籍開発銀行(MDBs)を含めるかどうか、意見は分かれたままである。

NMAsを促進し、リンケージを強化し、シナジーを築く、追加措置に関し、少数の先進国は、準備体制プログラムの設立に反対し、68項のキャパシティ・ビルディングと特定せず、第6条のキャパシティ・ビルディングとすると、グラスゴーで妥協したと指摘した。持続可能かつ予見可能な資金のパラグラフに関し、先進国は、他の議題項目での協議が進行中であると指摘し、この議題項目の下で議論するのは適当ではないと述べた。

プレ2030年の野心のハイレベル閣僚級ラウンドテーブル年次会合:共同モデレーターを務める、ノルウェーの外務大臣のEspen Barth Eide及びシンガポールの持続可能性及び環境担当大臣のGrace Fuは、この会合を開会し、次の項目への注目を求めた:シャルムエルシェイク緩和野心及び実施の作業プログラムの焦点;正当な転換の加速化。

議長のAl Jaberは、交渉で結果をだすよう求め、排出の多い部門の実質ゼロ排出達成の約束など、最近発表された約束に焦点を当てた。

UNFCCC事務局長のSimon Stiellは、プレ2030年の野心が実際にはどのようなものか、概要を説明する必要があると強調し、2025年の早い時期に詳細な経済全体のNDCsを提出し、さらなる高みを目指す必要性を強調した。

作業プログラムの共同議長のAmr Osama Abdel-Aziz(エジプト)及びLola Vallejo(フランス)は、年次報告書(FCCC/SB/2023/8)の結論について説明した。前払いの費用の高さが、エネルギー効率化、グリッド及びエネルギー貯蔵、運輸インフラなど、多様な解決策に共通する障壁であることが指摘された。

Farhan Akhtar (米国)及びHarald Winkler (南アフリカ)は、GST技術ダイアログの共同進行役を務め、統合報告書(FCCC/SB/2023/9)の緩和に関する結論に焦点を当てた、この中には次が含まれる:

  • 行動及び支援の野心引き上げが必要;
  • 正当な転換は、確実で公平な成果を支えることができる;
  • 経済多角化が重要な戦略である。

閣僚らは、個別の行動及び集団の行動を高めるため、緩和成果を、パリ協定のボトムアップ構造に合わせて枠付するにはどうするか、議論した。発言者らは、次の行動などを求めた:

  • 化石燃料の段階的廃止;
  • 化石燃料の生産及びインフラストラクチャーへの投資を終らせる;
  • 2025年以前の排出量のピーク達成、一部のものは、衡平性を考える必要があると指摘した;
  • 世界目標の採択、これには再生可能エネルギーの能力を3倍にする、及びエネルギー効率を2倍に引き上げることが含まれる;
  • MDBsの改革;
  • 民間の資金動員;
  • 先進国が指導力を発揮して、排出削減及び資金援助及び技術支援を行うことで、歴史的責任を果たす。

透明性 

パリ協定第13条の下での開発途上国の報告作成に対する資金支援及び技術援助の供与:非公式協議では、Sandra Motshwanedi (南アフリカ)及びJulia Gardiner (オーストラリア)が共同進行役を務め、締約国は、長時間の非公式な非公式協議の後、合意したと報告した。合意された修正点は次のとおり:透明性のためのキャパシティ・ビルディング・イニシアティブの下での払い出し要請への言及を削除する;開発途上国支援のモダリティへの言及を削除する;パリ協定第13条の実施における締約国の経験の提出文書にある「関連コスト(associated costs)」を「チャレンジ(challenges)」に置き換える。

ある開発途上国グループは、合意文書に失望したと述べ、締約国は強化された透明性枠組の目的やそれぞれのマンデートを見失っていると嘆き、開発途上国は十分な情報や資金がなければ前に進めないと指摘した。

共同進行役は、文書草案を議長職に送る予定。

資金

気候資金の新しい集団数量目標:非公式協議で、共同進行役のAmena Yauvoli (フィジー)及びGabriela Blatter (スイス)は、改定された草案へのコメントを求め、近く閣僚級会合に回す予定だと指摘した。

特別作業プログラムのモダリティに関し、ある連合は、「少なくとも」3回の会合を開くよう提案し、追加が必要な場合に備え、柔軟性を持たせることを提案した。一部の発言者は、技術専門家ダイアログ(TED)方式の継続を希望したが、他のものは、作業プログラムには、その構成の一つとしてTEDsを含めるべきだと述べた。あるグループは、共同議長ではなく、地域を代表するハイレベル議長団を結成し、指導力を持たせることを提案した。締約国は、決定書草案のオプションを作成するタイミングについて議論し、さらに2024年で取り上げる題目についても議論した。

作業プログラムの実質的な議題項目に関する文章について、ある開発途上国グループは、2024年の議論に予断を加えると警告した。

非公式な非公式協議で、議論が続いた。

対応措置

条約、京都議定書、パリ協定の下での対応措置実施の影響に関するフォーラムの報告:Andrei Marcu (ホンジュラス)及びGeorg Børsting (ノルウェー)が共同進行役を務める非公式協議は、SBsから送られた文書草案の読み合わせを終了し、意見の不一致及び集約があった部分を特定した。序文に関し、締約国は、条約第35項(ユニラテラルな措置を含める、差別のない、オープンで、サポーティブな、国際経済システムの促進)への言及で、意見が一致しなかった。さらに対応措置実施の影響に関するフォーラム及びそのKCIの機能、モダリティ、作業プログラムについても議論した。

機能に関し、締約国は、KCIの地域の参画が十分かどうか、それとも追加の地域ダイアログを設立するべきかで意見が一致しなかった。

作業プログラムに関し、締約国は、既存の作業分野の保持は総じて支持したが、気候政策の共同便益、及びユニラテラルな措置に伴うマイナスの影響を評価し、最小限で抑制するためのキャパシティ・ビルディングに関する作業では、意見が一致しなかった。

締約国は現在のモダリティに対しては、総じて支持を表明し、一部のものはKCIの委任事項に関して不同意で、特に会合の期間及び頻度の増加、及びメンバーシップの拡大に反対した。

共同進行役は、文書をスリム化し、これを議長職に送り、今後の進め方に関する指示を受けるというマンデートを与えられた。

廊下にて 

議長のAl Jaberが課した、午後までに技術作業を終わらせるという期限は過ぎたが、作業のペースは、さほど変わらなかった。参加者は、新しい文書へのコメントを続け、閣僚級会合に特定の文書の整理を委ねるよりはと、午後と夕方を通して、ハドルを続けた。この時点では、交渉の大半は裏で行われていたため、オブザーバーは、午後9時に非公式ストックテイキング・プレナリーが開催されるのを、息を詰めて待っていた。

会議の終わりが見えない中、正当な転換経路に注目する交渉担当者は、ストックテイキングの前に、新しい文書を提示できなかった。それでも、議論は建設的に進められていた。ベテランの参加者は、「緩和作業プログラムでは、同じことは言えない」と述べ、「どうやら行き詰まっているようだ」と共感するものがいた。別な参加者も同意し、他の問題、特にGSTの進展を遅らせると述べた。

進展が一様でないなか、プレナリーを後にするものの中には、第1回の「Majlisの題目:決定書全体のバランス」を歓迎するものもいた。緩和、適応、資金、衡平性の政治的なバランスを見い出せば、残る問題の多くの行き詰まりを打開できる可能性がある。

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