Daily report for 4 December 2023
UN Climate Change Conference - United Arab Emirates Nov/Dec 2023
多くの問題で非公式協議での交渉が再開、特に緩和及び適応の問題が議論された。グローバルストックテイク(GST)は、締約国限定の非公式な非公式協議が開催された。
緩和
シャルムエルシェイク緩和・適応・実施の作業プログラム:非公式協議で。共同進行役のKay Harrison (ニュージーランド)及びCarlos Fuller (ベリーズ)は、補助機関(SB)議長らとの協議後に作成した非公式ノートを提示、このノートは、意見集約分野に焦点を当てており、必ずしも非公式協議での全ての意見を捉えたものではないと説明した。少数の締約国は、このノートの欠陥を指摘する一方、今後の議論の土台にする意思を表明したが、他のものは、これまでのCMA会合で既に合意された問題を繰り返しているにすぎず、現在の協議からの一歩後退であると嘆いた。別な諸国グループは、この文書を交渉の土台とすることに反対し、このノートには、グループのマンデートを逸脱する要素が含まれていると指摘した。
締約国は、この非公式ノートを議論のたたき台にすることには合意がなかったが、決定書草案に記載されるべき要素の審議を進めだ、これらの要素には次が含まれた:ハイレベルのメッセージ、またはGSTの成果を待つメッセージのプレースホールダー;オープンで参加性の高い地域ダイアログ及びバーチャルのダイアログ;緩和野心引き上げの特別な用語。
今後の進め方に関し、一部の締約国は、追加インプットをベースに非公式ノートの新しい改訂版を作成するよう提案したが、他のものは、決定書草案の作成に進む必要があると強調した。共同進行役は、SB議長らと協議する予定。
正当な転換経路の作業プログラム:Selam Abeb (エチオピア)及びLuisa Roelke (ドイツ)が共同進行役を務める非公式協議は、CMA決定書草案の第2版となる提案とりまとめ文書の配布を受けて再開、多数のものは、この文書は長すぎるが多様な意見を反映していると述べた。締約国は、さらなるスリム化の必要性で合意した。
一部のものは、対応措置の議題項目との重複に懸念を表明、特に貿易措置、持続可能な開発、及びキャパシティ・ビルディングの問題での重複を懸念した。多数のものは、新しい序文は饒舌すぎ、パリ協定が繰り返し引用されていると指摘した。この序文を推すものは、多くの概念が2015年以後に出てきたものであり、協定の表現とは変えていると述べた。
スコープに関し、一部の締約国は、決定書1/CMA.4記載のマンデートを越えていると懸念した。2,3の締約国は、正当な転換の概念に水を差すとして警告、2015年の国際労働機関(ILO)の定義の使用を提案したが、他のものは、正当性を確実にするには包括性が必要だと主張した。多数のものは、作業プログラムを、エネルギー転換を遅らせる言い訳にしてならないと述べた。
モダリティに関し、多くの締約国は、それぞれのタイムラインの希望は異なるが、この作業プログラムをSBsの下で制度化することは支持すると表明した。ある締約国は、この作業プログラムのモダリティは、ドバイでは「楽勝(easier win)」だろうと述べ、そのスコープは、2024年、このプログラムが開始されたところで議論できると述べた。非公式な非公式協議が続けられる予定。
第6条関係問題:パリ協定第6条2項(協力的手法)に関するガイダンス:非公式協議では、Maria AlJishi (サウジアラビア)及びPeer Stiansen (ノルウェー)が共同進行役を務め、締約国は、決定書草案の審議を続け、認可のセクションに焦点を当てた。
締約国は、認可テンプレートの使用に関し、それぞれの意見を発表、一部のものは、自主的な使用を支持した。ある締約国は、他のものの支持を得て、中央計算報告プラットフォーム(Centralized Accounting and Reporting Platform (CARP))に、認可の情報の保存及び公開のスペースを作るよう求めた。別な締約国は、協力的手法の定義づけの問題を解決する必要性があると強調し、この問題は認可とリンクしていると指摘した。ある締約国は、協力的手法のいかなる定義も可能性な手法を広く網羅する必要があると指摘した。
認可の撤回に関し、締約国は、多様な意見を述べた。ある締約国は、撤回の規定に反対し、これは間違った信号を送ることになると指摘し、 「国際的に移転した緩和成果は、一度認可されたなら、その認可は撤回できない(once an internationally transferred mitigation outcome (ITMO) has been authorized, its authorization cannot be revoked)」とするオプションの文章を支持した。別な締約国は、認可の可能にするのは必要だが、その撤回は最初の移転が行われる前、少なくともITMOsが認可締約国の保留口座にある間に、行うべきだと強調した。
第6第6条2項及び第6条4項合同の非公式協議:Kate Hancock (オーストラリア)及びSonam Tashi (ブータン)を共同進行役とする合同非公式協議が再開され、締約国は、認可の2番目の題目に焦点を当て、認可のタイミング及び内容について議論した、ある締約国は、認可は最初の移転の前に得る必要があるとい述べた。ある締約国は、認可が関係するのは第6条2項の協力的手法だけであり、第6条4項メカニズムとは関係ないと述べた。別な締約国は、第6条4項メカニズムは第5条2項の下での協力的手法と考えられるのかどうか、明確にするよう求め、もし協力的手法であるなら、認可の内容はどういうものになるかを尋ねた。一部の締約国は、認可における「一貫性のある最低線(coherent minimum)」を要求するというオプションを提案した。
非市場手法(NMAs, 第6条8項):コンタクトグループの共同議長は、Kristin Qui (サモア)及びJacqui Ruesga (ニュージーランド)が務め、多数のものは、森林及び森林生態系に関する会合期間中ワークショップ及びスピンオフグループの会議開催を歓迎した。締約国は、CMA決定書草案をレビューする時間を要求した。熱帯雨林諸国連合(CfRN)及び小島嶼諸国連合(AOSIS)は、カーボン・プライシングは非市場メカニズムと考えられると強調した。決定書を議論する非公式協議が続けられる予定。
バンカー燃料:非公式協議で、共同進行役のMartin Cames (ドイツ)及びPacifica Achieng Ogola (ケニア)は、SBSTA議長と共に作成した結論書草案を提示した。この文書には、次のオプションが含まれる:国際民間航空機関(ICAO)及び国際海事機関 (IMO)からの提出文書に関する多様な意見を認識する;または、これら提出文書に関する意見交換を認める。
少数の開発途上国は、異議を唱え、これらの提出文書に対する自分たちのインプット、主に共通するが差異のある責任(CBDR)を含めることの議論がないと指摘した。一部のものは、ICAOの提出文書はICAOの交渉で得られた妥協案の微妙なバランスを見逃していると指摘した。少数の先進国は、このフォーラムは他の国際組織の提出文書に影響を及ぼしてはならないと述べ、提出文書を歓迎し、意見交換に留意することを希望した。非公式な非公式協議が行われる。
適応
適応世界目標に関するグラスゴー・シャルムエルシェイク作業プログラム:非公式協議で、共同進行役のMattias Frumerie (スウェーデン)及びJanine Felson (ベリーズ)は、草案を徹夜で作成したと述べ、16件の書面でのインプットにもとづいて90頁に及んだが、締約国が共通の立場を見出す一助にしたいと述べた。
多数のグループ及び締約国は、草案に対し深刻な懸念を表明し、多数の提出文書が反映されていないと指摘、アンバランスであり、受け入れられないし、議論できるものではないと指摘、共同進行役に対し、「やり直す(start over)」よう求めた。次の項目など、欠如または括弧書きの文章への懸念を再度指摘した:CBDR-RC;実施手段、特に資金;資金の数量目標、アカウンタビリティ・メカニズム;強化された適応行動と支援の緊急性、適応のギャップ解消の緊急性。
一部の締約国は、文章に対する懸念を表明し、残り時間を考え、締約国に対し、「この文書を手に(take the text into our own hands)」非公式に議論して、合意を見出すよう促した。
共同進行役らは、新しい文書を作成する予定だが、このままでは、このグループはCOP 28での成功から遠ざかる可能性があると警告した。非公式協議が続けられる予定。
適応委員会(AC)の報告及びレビュー:非公式協議の共同進行役はPilar Bueno (アルゼンチン)及びRoberta Ianna (イタリア)が務め、Bueno共同進行役は、パート1をACのレビュー、パート2をAC報告書とする、2部構成の文書草案を回覧していると指摘した。
その後の意見交換では、両方のセクションを合同で審議するか、それとも別々に審議するかを議論した、一部の締約国は、パート1に両方のセクションの要素が含まれていると指摘、合同の審議を希望したが、他のものは、2つのパートのそれぞれにコメントすることを希望した。少数の締約国及びグループは、両方のパートを優先すると繰り替えた。締約国は、次の言及項目について、コメントした:AC及びIPCCの作業部会IIの協力が限られていることへの懸念;ACへのGGAへのインプット;適応政策サイクル。
締約国は、共同進行役に、文書のスリム化を依頼するか、それとも全ての意見を捕捉するよう委任するか、議論した。共同進行役は、共通の意見を反映させて、文書の新しいバージョンを作成する予定であり、SBI議長に非公式協議の時間延長を要請する予定。
後発開発途上国(LDCs)関係の問題:締約国は、Bob Natifu (ウガンダ)及びJens Fugl (デンマーク)を共同進行役とする非公式協議で結論書草案を審議し、文章案を提案したほか、一部のものは新しいパラグラフを提案、その多くは、審議後、受け入れられた。
ある開発途上国グループは、多数のLDCsは緑の気候基金(GCF)認定の直接アクセス組織を有するが、GCFの資金供与にアクセスできていないものもいるとするパラグラフの追加を提案、締約国は同意した。
締約国は、少数の保留されている実質的なパラグラフについて、二者間議論をした後、文章案を提出することで合意した。これらのパラグラフには次が含まれる:経験の共有;資源の提供;LDC専門家グループ(LEG)に対する要請を追加する2つのパラグラフ.
経験の共有に関し、適応の計画策定ツール及び実施での経験を共有するよう、各国に「促す(urge)」か、それとも「招請する(invite)」かでは意見が分かれ、これを「全ての(all)」国を対象とするべきか、それとも「先進(developed)」国を対象とするべきかでも意見が分かれた。
資源の提供に関し、締約国は、LEG作業プログラムの実施支援を続けるよう、「全ての(all)」国に呼びかけるか、それとも「先進(developed)」国に呼びかけるかでも意見が分かれた。
LEGに対する要請に関し、一部の締約国は、追加要請に反対し、要請事項はGCFで行う方が適切であると考えた。非公式協議が続けられる予定。
資金
長期気候資金:非公式協議で、共同進行役のCarlos Fuller (ベリーズ)は、前回会合で申し出ていた締約国に対し、ステートメント発表を招請した。開発途上国は、可能にする環境への言及の削除を要請したが、先進国は反対した。先進国は、特定技術に対する政策規範性に反対した。ある先進国は、負担分担への言及に反対した。共同進行役は、決定書草案を改定する予定。
資金常任委員会(SCF):非公式協議の共同進行役は、Apollonia Miola (イタリア)及びAli Waqas (パキスタン)が務め、締約国は、次の要素に関する決定書草案について意見交換を続けた:パリ協定第2条1(c)項 (資金フローを低GHG排出量及び気候にレジリエントな開発への経路に合わせる)、特に事務局の報告書(FCCC/PA/CMA/2023/7/Rev.1)及びSCFの報告書 (FCCC/CP/2023/2/Add.3−FCCC/PA/CMA/2023/8/Add.3);適応資金倍増、これにはSCFの報告書(FCCC/CP/2023/2/Add.1–FCCC/PA/CMA/2023/8/Add.1)を含める。
第2条1(c)に関し、多数のものは、キャパシティ・ビルディングの「コンポーネント(component)」の議論では、作業プログラムまたは議題項目などを含め、今後の進め方で合意するよう求め、グリーンな資金システムを支援する国内政策枠組に焦点を当てるよう求めた。あるグループは、強化された透明性枠組(ETF)を補う形で、第2条1(c)項での進展を追跡可能にするよう求めた。ある開発途上国は、そのような提案はパリ協定の第9条(資金)の議論を避ける意図があると示唆し、別なものは、国内政策の議論に反対し、これは気候資金供与に関係する先進国の予算策定プロセスの議論に似ていると指摘した。ある開発途上国グループは、この問題に関するシャルムエルシェイク・ダイアログの延長に反対する理由、及び作業プログラムをGSTの下とするとの提案について説明した。
適応資金倍増に関し、少数の開発途上国及びグループは、次の点を嘆いた:倍増目標自体が不十分;低い適応資金レベル、特に無償資金、及び多国間開発銀行(MDBs)からの資金;緩和資金と適応資金のバランスの欠如;2021年の適応資金フローの低下;倍増努力のベースラインで合意できなかったSCFの能力。一部の先進国は、ベースラインは200億米ドルと理解していると述べた。ある開発途上国グループは、「倍増の倍増(double the doubling)」が目標だと述べたが、先進国は反対した。2つの開発途上国グループは、作業プログラムでは、「適応資金を巡る問題を組織的に対応する(address systemic issues around adaptation finance)」ことを求めた。
午後の非公式協議で、締約国は、同志開発途上国グループ(LMDCs)が挿入を提案した、資金援助の規模拡大の緊急性という項目を議論し、削除することで合意した。少数の開発途上国グループは、パリ協定第4条5項の重要性に焦点を当て、SCFに対し、支援がニーズ及び野心の予想にどれだけ見合っているか、評価することを求めた。再生可能エネルギー及びエネルギー効率目標などの野心引き上げの議論はいずれも、開発途上国の実施への支援強化を求めるものだと強調した。他のものは、第4条5項は先進国と開発途上国の二つに分けての言及はしていないと想起し、パリ協定第2条1(c)項と緩和作業プログラムの議論は緩和の支援の議論と相通じるものがあると指摘した。ある開発途上国グループは、寄付者ベースでの議論を避けるよう促した。ある開発途上国は、一部の開発途上国は転換手段を持つが、持たないものの方が多いと指摘した。
その後、締約国は、気候資金の定義づけに関するSCFの報告書について、短時間議論し、それぞれが良く知られた立場を繰り返し述べた。共同進行役は、書面へのインプット追加を歓迎し、文書草案を作成する予定。
緑の気候基金の報告及び同基金へのガイダンス:COP及びCMAの下での非公式協議で、共同進行役のRichard Muyungi (タンザニア)は、文書草案に関する意見発表を招請した。諸国グループ及び締約国は、多数の削除及び再構成を提案し、ミクロ管理の回避、理事会の議論に予断を加えることの回避の必要性で、概ね合意した。コメントは次の項目などであった:地域のプレゼンス、NAPsのための資源配分、言葉の壁の削減、認定戦略。少数の先進国は、システム転換でのGCFの支援を強調したが、開発途上国グループは反対した。参加者は、紛争の影響を受けている国々にアクセスする最善の方法も議論し、結果ベースの支払いの進捗を強調した。少数のものは、ガイダンスの提供での年次サイクルの保持を希望した。
非公式協議で議論を続ける予定。
適応基金(AF)関係の問題:Diann Black-Layne (アンティグアバーブーダ)を議長とするCMPコンタクトグループで議論が開始された。AFの事務局は、アフリカングループの質問に応え、AF理事会は第6条4項の収入の一部が実現しない可能性はまだ議論していないと指摘し、基金の資源動員戦略は大半が自主的な貢献に依存していると指摘した。
その後、Louise Rousseau (フランス)を共同議長とするCMAコンタクトグループで議論が続けられた。AF事務局は、米国の質問に応え、基金が最終的には、パリ協定のみで役割を果たすよう転換されるのには、どのようなステップを取る必要があるかを説明、運用方針の改定、ガイドライン、戦略の優先順位を指摘し、さらに事務局サービスについては地球環境ファシリティ(GEF)と、信託サービスについては世界銀行と、制度アレンジを調整する必要があると述べた。他のものは、次に関係する点などを指摘した:多国間プロジェクト策定で、各国の所有権を確保する;各国のキャップを引き上げる;再認定の迅速化。
共同進行役は、文書草案を作成する予定。非公式協議での議論が続けられた。
パリ協定第9条5項の下での隔年情報報告書のとりまとめ及び統合、並びに報告書に関する会合期間中ワークショップのサマリー報告書:CMAの下の非公式協議で議論が開始された。共同進行役のKelly Sharp (カナダ)は、文書草案に関する意見発表を求めた。
締約国は、大幅なスリム化を促し、多くの分野での意見の集約を指摘した。主な意見対立点は、報告作成ガイダンスを更新するかどうかであった。多数の先進国は、もう一つの報告作成サイクルに則り構築し、新しい集団の数量目標(NCQG)の採択を受け、CMA 7 (2025年)でのガイダンスの更新審議を希望した。一部のものは、決定書は改善要素を特定できると示唆し、そのような提案は第2のサイクルで十分議論されたと指摘した。
その後、COPの非公式協議で議論が続けられ、締約国は、ここでも文書のスリム化を求めた。先進国は、CMA 3でとられた手法を想起し、COPが報告書を歓迎し、この問題のCMA決定書に留意することを示唆した。共同進行役は文書を改訂する予定。
資金メカニズムの第7回レビュー:非公式協議で、共同進行役のRicardo Marshall (バルバドス)及びSolomon Schonfield (英国)は、議長職の下では、CMAの下でのレビューという線で、協議が進んでいると指摘し、COPの下で審議するとの締約国の意思を歓迎した。
少数の開発途上国グループは、COPの下でのレビューは決定書 11/CP.23の採択で¥により、既に開始されていると強調し、決定書12/CP.22に規定されるレビュー・ガイドラインがたとえ更新されない場合でも、レビューを進めることができると強調した。グループの一つは、COP 28には、決定書の再確認、及び決定書のSCFへのインプット提供要請の再確認が期待されていると指摘した。別なグループ及び先進国は、資金メカニズムもパリ協定で役割を果たすと記載するよう求め、ある一人は、報告作成に対するGEFの支援をレビューする必要があると指摘した。
一部のものは、次の妥協案からは距離を置いた:レビューの開始を認識する;CMAの役割を反映するため、ガイドラインを更新する;SCFに対し、COP及びCMAに報告するよう求める;COP 28において、COP及びCMAの両方が第8回レビューを行うと決定する。非公式協議が続けられる予定。
技術開発及び移転
技術執行委員会(TEC)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の合同年次報告書:非公式協議では、Elfriede More (オーストリア)が共同進行役を務め、締約国は、非公式な非公式協議での議論について報告、この協議では、COP及びCMAの決定書草案については、第1回の読み合わせを終了し、報告書に関するCOP決定書(FCCC/SB/2023/3)では最初の70のパラグラフの第2回読み合わせを終了したと報告した。締約国は、TEC及びCTCNの合同年次報告書について、これに留意するのではなく、歓迎することで合意した。
2023-2027年の合同作業プログラムに含まれるべき作業分野については、括弧書きが残された。「炭素取引を目的とする森林のジオタギングによる追跡(geotagging forest tracking for carbon trading)」活動を含めるとの提案に関し、一部の締約国は、このような詳細の追加は時期尚早だとして、懸念を表明した。他のものは、柔軟な対応を示し、これを既存のプログラムに組み込むことを提案した。
締約国は、少数の重複したパラグラフの削除で合意したが、決定書草案の別な箇所への挿入を検討すると理解した。この中には、水―食料―エネルギーシステムでのイノベーション及び革新的な技術の国内システムの促進のため、TEC及びCTCN間の密接な協調を奨励するとのパラグラフ、及び気候行動での人工知能(AI)に関する技術メカニズムのイニシアティブを感謝と共に歓迎するとのパラグラフが含まれた。
共同進行役は改定した文書草案を提出する予定。
透明性
テクニカルレビューの年次報告書:非公式協議で、共同進行役のOle-Kenneth Nielsen (デンマーク)及びMarcelo Rocha (ブラジル)は、事務局の報告書(FCCC/SBSTA/2023/INF.4; FCCC/SBSTA/2023/INF.6; FCCC/SBSTA/2023/INF.7)に関する結論書草案について、意見交換を招請した。ある先進国は、この文書草案は事前に配布されておらず、このため、内容をレビューする時間が無かったと指摘した。ある開発途上国グループは、事務局のプレゼンテーションに留意し、その利点を認めるよう提案したが、ある先進国は、文書全体を括弧書きとすることを希望した。共同進行役は、結論を出せなかったと指摘し、今後の進め方に関し、SBSTA議長のガイダンスを求めると述べた。
パリ協定第13条に関する資金援助及び技術支援の提供:非公式協議で、共同進行役のSandra Motshwanedi (南アフリカ)及びJulia Gardiner (オーストラリア)は、決定書草案に関する締約国の意見を求めた。
ある開発途上国グループは、「2024-2028年のドバイ透明性能力作業計画(2024-2028 Dubai transparency capacity workplan)」を提案した、この計画は、資金、技術、キャパシティ・ビルディングに対する支援供与を改善するための活動について概要を示す。少数の開発途上国及び先進国は、提案を支持したが、一部の先進国は反対し、この提案はより強力なものにできると述べた。
一部の先進国は、隔年の透明性報告書(BTR)の作成に関するGEFからの資金供与の増額要請に疑問を呈したが、少数の開発途上国は、再度議論する前に、GEFとの協議を重ねることが必要だと提案した。別な開発途上国は、開発途上国のBTRの提出を指導し、支援する最善の実施方法について、情報交換ポータルの創設を提案した。共同進行役は、締約国が文書草案で合意できる十分な時間をとるため、再度の非公式協議開催を提案した。
対応措置
条約、京都議定書、パリ協定において役割を有する、対応措置実施の影響に関するフォーラムに関係する問題:非公式協議では、Catherine Goldenberg (米国)及びPeter Govindasamy (シンガポール)が共同進行役を務め、改定された決定書草案の審議が行われた。
このフォーラムの作業プログラムに関し、少数の先進締約国は、既存の作業プログラムの保持を支持した。ある先進締約国は、作業プログラムを改定する場合は、14もの要素ではなく、1,2の要素の追加にとどめるべきだと述べ、気候行動及び対応措置実施の欠如の共同便益の記載を支持した。
少数の開発途上国及びグループは、このフォーラムの2か年または6か年の作業計画を議論することだけが目的ではなく、既存の作業プログラムで十分かどうかレビューすることも目的であると強調、作業プログラムはCOP 25/CMP 15/CMA 2で採択された作業計画とは明確に異なり、より幅広いものだと述べた。
気候関係のユニラテラルで国境を横断する措置の実施の影響という文書草案の表現に関し、少数の国は、この文章に反対し、締約国のNDCsにどのような措置の実施を入れるかを決定するのは、締約国の特権であると指摘した。他の国は同意したが、この対応措置フォーラムの目的は、そのような措置を実施した場合の影響を考えることだと指摘した。
報告を求めるかどうかでも意見が分かれ、一部の先進締約国は、BTRsは適切な報告ツールだと指摘し、少数の開発途上国は、関連情報の入手可能性を確保するには報告作成が必要だと強調した。非公式協議が続けられる予定。
農業
農業及び食料安全保障に関する気候行動実施のシャルムエルシェイク共同作業:非公式協議では、Annela Anger-Kraavi (ドイツ)及びUna May Gordon (ジャマイカ)が共同進行役を務め、非公式な非公式協議で用いた文書草案の次のステップについて、議論した。参加者は、多数の項目では意見の一致に至っていないが、共同進行役がアレンジし作成したオプションのとりまとめは議論を進めるだろうと、多くのものが希望を持ち続けていると指摘した。多数のオブザーバーは、交渉のペースの遅さを嘆き、締約国に対し、130以上の国が、持続可能な農業とレジリエントな食糧システム及び気候行動に関する首長国リーダーズ宣言(Emirates Leaders Declaration on Sustainable Agriculture, Resilient Food Systems, and Climate Action)を支持している事実を前に、速やかに行動するよう促した。共同進行役は、次回の会合での議論に向けとりまとめ文書を提供する予定。
科学とレビュー
研究及び組織的観測:非公式協議で、共同進行役のElizabeth Bush (カナダ)及びPatricia Achieng Nying’uro (ケニア)は、結論書草案への注目を求め、その根拠について説明し、地球情報の日(12月3日日曜日に開催)に関するパラグラフの提案を求めた。この提案には次が含まれる:
- 世界気象機関(WMO)の地球の気候報告書に注目する、特に2023年は記録に残る最も気温の高い年になろうとしており、全てのモニタリング指標で、記録が破られているとの記述に注目する;
- グローバルなGHG監視及び全てのものへの早期警戒(Global GHG Watch and the Early Warning for All)イニシアティブに言及する;
- 適応での進捗状況を評価する、第1回GSTサイクルでの適応の評価が不十分であるのは、データ不足が主要な理由だと指摘する;
- 海洋及び雪氷圏を含める、長期観測保持の必要性。
共同進行役は改訂版の草案を作成する予定。
廊下にて
補助機関会合の終わりまで2日を残すのみとなり、交渉担当者は、少数の項目の議論に追いつこうとしていた。多数の項目は、進捗が遅いようあった。農業の協議では、熱情的なYOUNGO代表が強く勧告:「我々は恐れている。また一日議論が延期され、行動が一年延ばされることを恐れているー130か国以上が支持している持続可能な農業宣言は、このグループ自体を委縮に追い込んでいる(We are afraid. Afraid of postponing discussions another day and action by another year…With over 130 countries endorsing the Declaration on Sustainable Agriculture, this group is pushing itself closer to obsolescence)。
最も扱いにくい項目の多くは、COPそして/またはCMAの下での問題だが、締約国は共通点を見出すのに苦労していた。少数の新しい文書は未編集の意見の集合であった。ほとんどの部屋では、「自分の道を行くか、それとも高速を行くか(my way or the highway)」とする、非難の言葉が飛び交い、繰り返しで溢れた統合文書に対するフラストレーションが高まり、共同進行役は、アイデアを統合し、妥協案を作らざるを得なくなった。交渉担当者は、共同進行役に対し、アイデアを追加するよう求め、ある共同進行役は、次のように嘆いた:「だれもが、今回のCOPで可能な限界まで、自分たちを追い詰めている。文書を拡大しても、残された時間内に処理するのは困難だ(You’re pushing us to the limit of what might be possible at this COP. We will expand the text, which will be difficult to process during the remaining time here)」
資金問題、特にSCFでの進捗は、水を差される事態となった。議題書の論争を回避したことで、意見の不一致が交渉の部屋にまで入り込む事態となった。SCFでの協議は、先進国から開発途上国への支援規模拡大の緊急性というLMDC提案の議題項目を交渉する場と化した。GST、緩和作業プログラム、正当な転換、及び第2条1(c)項の間のつながりが示され、これらの間で微妙なバランスをとる必要性が暗示された。困難な交渉が続いたことから、ある資金交渉担当者は、「ジェンダーと資金の日(Gender and Finance Day)」を祝うため、多くのものがピンクを身につけるということが、ただ一つの合意だと指摘した。