Daily report for 6 December 2023

UN Climate Change Conference - United Arab Emirates Nov/Dec 2023

補助機関(SBs)の閉会に向け、文書を作成しようと、午後遅くまで交渉が続けられた。閉会ステートメントでは、少数の項目の交渉状況に対する全般的な不満が明らかになった。

議長職のストックテイク

議長のAl Jaberは、12月8日金曜日の朝のプレナリー開催を指摘、第2週の作業の構成案を紹介すると述べた。同議長は、作業モードの変更を指摘し、技術的な交渉や閣僚主導の協議、代表団長間の協議は続けるとも述べた。

議長のAl Jaberは、追加の議論が必要な項目はグローバルストックテイク(GST)及び適応世界目標(GGA)であると強調し、科学及び1.5℃目標と合致する、正当で公平なエネルギー転換の土台となる、意味のある成果を希望するとし、化石燃料、再生可能エネルギー、エネルギー効率化に関する橋渡し提案を求めた。

組織上の問題

議長以外の役員の選出:候補者指名は受理していないことから、トルコのAysin Turpanciが、SBI報告官を続ける。

緩和

緩和野心及び実施の作業プログラム:SBsは、結論書(FCCC/SB/2023/L.15)を採択した、この結論書で、SBsは、この問題をCMA 5に送ることで合意、共同進行役の文書草案を考慮に入れ、追加のガイダンスを受ける。

EUは、全ての締約国が文書草案のCMAへの送致を承諾したことを歓迎したが、一部の締約国の参画は建設的でなかったとして、失望感を表明した。

正当な転換経路の作業プログラム:共同進行役のSelam Kidane Abebe (エチオピア)及びLuisa Roelke (ドイツ)は非公式協議を招集、締約国は、非公式な非公式協議の結果、特に作業プログラムのスコープでの議論の結果を報告した。スコープに関しては、非公式な非公式協議に基づき意見対立のあった要素を排除した、スリム化橋渡し提案が提出され、大半の締約国から広く支持された。一部の先進国及び開発途上国は、それぞれにとり優先度の高いスコープの要素が前回のバージョンから引き継がれていないとして、失望感を表明した、具体的には:人権、ジェンダーの平等、先住民の権利に関する、それぞれの義務の尊重、促進、及び配慮である。締約国は、スコープのセクションの冒頭文について議論したが、作業プログラムのスコープに提案されている20以上の要素を「入れるべき(should include)」か、それとも「議論するものとする(hall discuss)」か、決定できなかった。共同進行役は、今後の協議に向け、文書の別なバージョンを作成する予定。

SBsは、手順上の結論書(FCCC/SB/2023/L.14)を採択し、この問題をCMA 5での審議に回すことで合意した。

6条関係問題:パリ協定第62項(協力的手法)に関するガイダンス:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2023/L.12)を採択し、CMAに審議用の文書草案を送った。

64項(メカニズム)に関するガイダンス:非公式協議で、共同進行役のKate Hancock (オーストラリア)及びSonam Tashi (ブータン)は、最新の決定書草案を提出し、この文書をCMAに送り、審議を続けることを提案した。大半の締約国は、これには自分たちの希望するオプションが組み込まれていると指摘し、これを追加協議のたたき台として用いる意図を表明した。少数の締約国は、この文書は意見の一致を表していないと再度述べ、この文書の要素の中には、自分たちが受け入れられないものもあり、「うんざりするほど(ad nauseam)」議論する意思はないと指摘した。SBSTAは、文書草案をCMAの審議に送るための結論書(FCCC/SBSTA/2023/L.13)を採択した。

非市場アプローチ(NMAs、第68)SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2023/L.11)を採択し、CMAに審議用文書草案を送った。

クリーン開発メカニズム(CDM)信託基金のレビュー:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2023/L.20)を採択した。

バンカー燃料:規則10(c)及び16が適用される:この項目は、SBSTA 60 (20246)で審議される。

適応

適応世界目標に関するグラスゴー・シャルムエルシェイク作業プログラム:非公式協議で、共同進行役のMattias Frumerie (スウェーデン)及びJanine Felson (ベリーズ)は、次の記述をする文書のCMAへの送致を提案した:SBsはこの議題項目を審議したが、決定書草案は締約国の意見を十分反映したものではないことに留意し、決定書草案の要素を考慮に入れ、CMA 5で審議するよう提案することで合意した。

ある開発途上国は、反対し、前に進める唯一の方法は、多様な要素を横断するオプションとして、全ての意見を捕捉する文書を取りまとめることだと強調した。共同進行役のFrumerieは、共同進行役が提案した要素の案は、最終的なものとみなされることは想定していないことを想起した。

閉会プレナリーで、SBsは、結論書(FCCC/SB/2023/L.13)を採択し、この問題のCMA 5での審議を推奨した。環境十全性グループ(EIG)及びEUは、進展の無さへの失望感を表明し、一部の締約国の立場は遺憾であると述べた。少数のグループは、第2週では十分な時間が必要だと強調し、独立中南米カリビアン諸国連合(AILAC)及び後発開発途上国(LDCs)は、GGAは今回の会合で採択されるパッケージの重要な部分になると強調した。同志開発途上国(LMDCs)は、建設的な参加をしてきたと強調する一方、共同進行役の文書はバランスを欠いているとし、共通するが差異のある責任及びそれぞれの能力(CBDR-RC)及び衡平性が重要であると強調した。

適応委員会(AC)の報告及びレビュー:SBsは、規則10(c)及び16を適用した。この問題は、SB 60(20246)の議題項目とされる。

国別適応計画:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2023/L.23)を採択、SBI 60 (20246)でもこの問題の審議を続ける予定。

LDCsに関係する問題:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2023/L.24)を採択した。

損失損害

気候変動の影響に伴う損失損害のワルシャワ国際メカニズム(WIM)執行委員会の報告:SBsは結論書草案(FCCC/SB/2023/L.12)を採択、これにはCOPそして/またはCMAでの審議にかける決定書草案が含まれており、この草案には、WIMのガバナンスに関する議長職の協議の結果を待つとの脚注が付された。EIGは、一部の開発途上国が直面した公式参加に対する障壁の問題で、進捗が無かったとして嘆いた。

サンチャゴ・ネットワーク:SBsは、結論書(FCCC/SB/2023/L.17)を採択した、これには、COPそして/またはCMAでの審議にかける決定書草案が含まれており、この草案には、WIMのガバナンスに関する議長職の協議の結果を待つと指摘する脚注が付された。スイスは、もし諮問理事会がジュネーブは最も良く必要条件を満たしているとみなした場合には、このネットワークの事務局の設置を、資金面も含め、支援すると申し出た。

透明性

附属書I締約国の報告及びレビュー:附属書I締約国の隔年報告書及び国別報告書に報告された情報のテクニカル・レビュー:規則10(c)及び16が適用された;この項目は、SBSTA 60 (20246)で審議される予定。

附属書I締約国のGHGインベントリのテクニカル・レビュー:規則10(c)及び16を適用した;この項目は、SBSTA 60 (20246)で審議される。

附属書I締約国のGHGインベントリ及び他の情報のテクニカル・レビュー:規則10(c)及び16を適用した;この項目は、SBSTA 60 (20246)で審議される。

附属書I締約国からの国別報告書及び隔年報告書の提出状況及びレビュー:規則10(c)及び16を適用した;この項目は、SBI 60(20246)で審議される。

附属書I締約国の隔年報告書のとりまとめ及び統合:規則10(c)及び16を適用した;この項目は、SBI 60 (20246)で審議される。

附属書I締約国の国別GHGガス・インベントリ・データの報告:規則10(c)及び16を適用した;この項目は、SBI 60 (20246)で審議される。

非附属書I締約国の報告:非附属書I締約国の国別報告書に記載される情報:規則10(c)及び16を適用;この項目は、SBI 60 (20246)で審議される。

条約の下での資金支援及び技術援助の供与:非公式協議では、Sandra Motshwanedi (南アフリカ)及びJulia Gardiner (オーストラリア)が共同進行役を務め、締約国は、文書の内容で合意に至らず、文書全体を括弧書きにすることで合意した。SBIは、手順上の結論書(FCCC/SBI/2023/L.22)を採択した、この結論書は、SB 60においても、SBI 59で作成された文書草案を考慮し、この問題の審議を続けることで合意したことが記載する。

専門家諮問グループの報告:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2023/L.15)を採択した。

非附属書I締約国の隔年更新報告書の技術分析のサマリー報告書合:SBIは、手順上の結論書(FCCC/SBI/2023/L.16)を採択した。

パリ協定第13条の下での報告作成に対する資金援助及び技術支援の供与:非公式協議では、Sandra Motshwanedi (南アフリカ)及びJulia Gardiner (オーストラリア)が共同進行役を務め、締約国は、非公式な非公式協議からのフィードバックについて、さらにCMA決定書草案について、意見交換をした。締約国は、文書草案での合意に至らず、共通意見を見出すこともできなかった。

ある開発途上国グループは、「2024-2028年ドバイ透明性能力作業計画(2024-2028 Dubai transparency capacity workplan)」の下での活動に関する文書の改定作業をしていると述べ、この改訂版で意見の一致に至って欲しいと希望した。少数の先進国及び開発途上国は、GEFガイドラインに関係する全てのパラグラフを括弧書きにすることを提案し、意見の一致を確実にするため、この議題項目の結果を待ちたいと述べたが、ある先進国は反対した。締約国は、第2週の決定書草案の議論への時間の追加を要請した。

SBIは、手順上の結論書(FCCC/SBI/2023/L.21)の中で、文書草案の審議へのさらなるガイダンスを得るため、この問題をCMAに送ることで合意した。

グローバルストックテイク

1GST非公式協議で、共同進行役のAlison Campbell (英国)及びJoseph Teo (シンガポール)は、SB結論書草案を提出、SBsは、これをCMAに送る。共同進行役は、CMAに送られる文書は合意されたものではないと強調し、さらに、非公式協議での締約国からの最新のインプットを反映したものでもない、なぜなら、全てのインプットを、締約国が受け入れ可能な形で、組み込むのは難しいからであると説明した。

多数の締約国は、提案された作業モードへの失望感と不満を表明、文書にインプットが入れられないのであれば、協議やインプットの提出するためにあれほど多くの時間を費やしたのは、何のためだったのかと問うた。ある締約国は、全ての締約国のインプットのとりまとめをCMAに送り、これをCMAでのさらなる審議のたたき台として使うことを希望した。締約国は、提示された文書をCMAに送り、これに多様な締約国が記載を希望している全てのオプションのとりまとめ文書を付けることで合意した。

SBsは、結論書(FCCC/SB/2023/L.11)を採択し、これをCMAでのさらなる審議のため送致した。

資金

長期気候資金:非公式協議では、Carlos Fuller (ベリーズ)が共同進行役を務め、締約国は、文書草案の新しいバージョンを審議し、多数のものは改善を称賛した。開発途上国は、1千億米ドル目標を追跡する共通の手法論欠如への懸念を記載し、気候資金の共通の定義づけも記載する必要があると強調した。手法論に関し、一部の開発途上国グループは、「異なる報告書(different report)」の存在を嘆き、ある先進国は、プロジェクトレベルのデータを記載したのは、OECDの報告書だけであり、これを主な情報源として用いるべきだと強調した。ある締約国は、締約国間で合意された共通の手法論を求めたが、ある先進国は反対し、目標達成の情報が利用可能になるなら、長期資金の議論は終わりを迎えるというのが自分の理解であると述べた。

SCFCOP及びCMAの下での非公式協議で、共同進行役のAli Waqas (パキスタン)及びApollonia Miola (EU)は、文書草案に対する意見を招請した。グループ及び締約国は、共同進行役の努力を歓迎したが、「重くて(behemoth)」「モンスターのような(monstrosity)」文書に対し、実質的なコメントを発表することに躊躇した。

多数のものは、COPの決定書とCMAの決定書のバランスをとること、特に3つの報告書に関してバランスをとることを求めた。共同進行役のWaqasは、資金フローの方向性に関するパリ協定第21(c)項に関する文章に傾いているのは、締約国の提出文書の注目点を反映していると明言した。共同進行役は、冗長な部分を減らし、オプション及び多岐性に焦点を当てるとの観点で、この文書を改定する予定。

SCFの機能の第2回レビュー:結論書(FCCC/SBI/2023/L.25)において、SBIは、SBI 61 (202411)で、この問題の審議を続けることで合意した。

気候資金の新しい集団数量目標(NCQG)非公式協議では、Amena Yauvoli (フィジー)が共同進行役を務め、締約国は、新しいバージョンの文書草案を審議し、特に2024年の作業に対するガイダンスのパラグラフに焦点を当てた、締約国は、文書のこのパラグラフがスリム化されていることに合意した。

締約国は、次の題目などでは総じて意見の一致を得た:NCQG特別作業プログラムの現在の共同議長に対し、作業継続のマンデートを提供する;たとえば、厳格な作業構成を定義するなど、共同議長の作業の細かいところまでの管理(micromanage)はしない;オプション及び交渉文書のパッケージを議論する余地を作る;締約国主導で、参加性の高い議論であり続けるのを確保する。非公式協議は、夜まで続けられた。

地球環境ファシリティ(GEF)の報告、及び同ファシリティに対するガイダンス:非公式協議では、Richard Muyungi (タンザニア)が共同進行役を務め、締約国は、CMA決定書草案の透明性関係のパラグラフにコメントした。多数のものは、この文書は前回のバージョンよりも改善しているとして、称賛した。他のものは、この文書は「透明性に重き(transparency-heavy)」を置きすぎているとして、懸念を表明した。

GEFの透明な資源配分システム(System for Transparent Allocation of Resources (STAR))から資源を補うことで、締約国の隔年透明性報告書(BTRs)の作成を可能にするプロセスのスリム化が実施可能かどうか、GEFに評価を求めることに関し、一部のものは、これが実際のプロジェクトの実施に与える影響を懸念した。

GEFの第9回資金補填(GEF-9)では、BTRs作成に配分する資金資源を少なくとも倍増するとの提案、及びGEF-9の交渉に情報を提供するため、BTRsの資金供与のコスト構造に関し、情報ノート(information note)を作成するようGEFに依頼するとの提案に関し、開発途上国の支持は得たが、多数の先進国は、これはGEF-9の結果に予断を加えるものだとの見解を示した。

開発途上国のGEF資源へのアクセス能力を確保するため、GEFに対し、対策をとるよう要請するパラグラフについては、意見が分かれた。ある先進国は、COPが、GEFに対し個別のプロジェクト案の扱いを支持するのは不適切であると発言したが、2つの開発途上国グループは、これはプロジェクト提案の問題ではない、補填プロセスは、締約国の適格性に条件を課すべきではないと強調した。非公式協議が続けられる予定。

パリ協定第95項の下での隔年情報報告書のとりまとめ及び統合、並びに報告書に関する会合期間中ワークショップのサマリー報告書:CMAの下での非公式協議で議論が開始された。共同進行役のElena Pereira (ホンジュラス)及びKelly Sharp (カナダ)は、改定された決定書草案への意見を求めた。少数のグループ及び締約国は、一部の要素のみを外し、他は文書に残した正当な理由を尋ねた。主な懸念は、強化された透明性枠組とGSTとの間で見込まれるリンク、及び報告ガイドライン改定のタイムラインであった。締約国による自主的な情報提供の記述について、議論した、この中には、予見可能性の強化、及び先進国への言及とのバランスが含まれた。

COPの下での非公式な議論で、少数の先進国は、この問題に関する実質的なCOP決定書への反対を再度述べた。共同進行役は、文書の新たなバージョンを作成する前に、締約国と連携して今後の進め方を定める予定。

技術開発及び移転

技術執行委員会(TEC)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の合同年次報告書:SBsは、COP及びCMAの決定書草案(それぞれFCCC/SB/2023/L.9 and FCCC/SB/2023/L.10)を記載する結論書を採択した。チリは、決定書を歓迎したが、適切な交渉時間があれば、イノベーションの国内システムなど、追加の作業も達成可能だと示唆した。

キャパシティビルディング

条約及びパリ協定の下でのキャパシティビルディング:SBIは、COP決定書草案を含める結論書(FCCC/SBI/2023/L.18)を採択、さらにCMA決定書草案を記載する結論書(FCCC/SBI/2023/L.19)を採択した。

対応措置

条約、京都議定書、パリ協定において役割を有する、対応措置実施の影響に関するフォーラムに関係する問題:Catherine Goldenberg (米国)及びPeter Govindasamy (シンガポール)を共同議長とするコンタクトグループが招集された。締約国は、第2週の間中、決定書草案の全体を議論の対象とするかどうか、長時間議論した後、SBsに文書を送ることで合意した。 SBsは、手順上の結論書(FCCC/SB/2023/L.16)を採択、この結論書において、締約国は、この問題をCOPCMPCMAに送り、文書草案を考慮した審議にかけることで合意した.

農業

農業及び食料安全保障に関する気候行動実施のシャルムエルシェイク共同作業:SBsは、手順上の結論書(FCCC/SB/2023/L.8)を採択、SB 59で作成した文書を考慮し、SB 60でこの問題の審議を続けることで合意した。

科学とレビュー

研究及び組織的観測:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2023/L.10)を採択した。

SBSTAは、COPの審議にかける決定書草案(FCCC/SBSTA/2023/L.7/Add.1)、及びCMAの審議にかける決定書草案(FCCC/SBSTA/2023/L.7/Add.2)を推奨した。

温室効果ガス・データ・インターフェース:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2023/L.8)を採択した。

社会的配慮

ジェンダー:SBIは、COP決定書草案を記載する、結論書(FCCC/SBI/2023/L.17)を採択した。EU、メキシコ、カナダ、ノルウェー、チリ、コロンビア、コスタリカ、ブラジル、米国は、結果に失望したとし、ジェンダーの観点を本流に据える野心的なプログラムを求め、多くのものが、先住民の女性の役割、及び女性の資金アクセスを強調した。

気候エンパワーメント行動(ACE)に関係する問題:規則10(c)及び16を適用した。この問題は、SBI 60の議題に入る。EU及びカナダは、失望感を表明、EUは、一部の国が結果を出すのを妨げ、「不変の立場(static positions)」を取ったのは遺憾であると述べた。

事務管理上、資金上、制度上の問題

サウジアラビアは、事務局報告書への言及に反対した。SBI議長のMunirは、参画の政策及び基準、並びに非締約国利害関係者との協調に関する報告(FCCC/SBI/2023/INF.12/Rev.1)を、SBI結論書及びCOP並びにCMPの決定書草案の脚注から除去することを提案した。これが決定された後、SBIは、結論書(FCCC/SBI/2023/L.14)を採択、この結論書の附属書には、口頭で修正されたCOP決定書草案及びCMP決定書草案(それぞれFCCC/SBI/2023/L.14/Add.1 and Add.2)が含まれた。

その他の問題

国際取引ログ:SBIは、CMPによる報告書(FCCC/KP/CMP/2023/6). の採択を推奨した。

SB閉会ステートメント

キューバは、G-77/中国の立場で発言し、GST決定書が最も優先されると述べ、対応措置に関するCMA決定書を求め、文書に異なる意見を取り入れることが樹言うようだと強調し、交渉には十分な余裕を持たせるべきで、特に、正当な転換経路作業プログラムの交渉には必要だと述べた。同代表は、CBDR-RCを強調し、貧困撲滅及び持続可能な開発を気候行動の根幹に置くことを強調した。

スペインは、EUの立場で発言し、損失損害基金の運用開始及び資本化を成功させた経験を活かすよう求め、このCOPで採択された決定書により、1.5℃目標が生き続けることを希望した。同代表は、前進するためには、GSTGGA、正当な転換経路作業プログラムでの決定書が重要だと強調した。

スイスは、EIGの立場で発言し、損失損害での進展を歓迎したが、まだ議論する必要がある重要問題が残っていると延べ、特にGST、正当な転換経路作業プログラム、サンチャゴ・ネットワーク、第6条の問題であると指摘した。さらに、同代表は、GGA、緩和作業プログラムでの進捗の無さに失望したと表明し、締約国に対し、1.5℃目標を活かしておくため、建設的な参画を奨励した。

オーストラリアは、アンブレラ・グループの立場で発言し、緩和作業プログラムの進展は限定的であると指摘し、ジェンダーの決定書では報告書に留意しておらず、ジェンダー対応型の表現を含めていないとして失望感を表明した。同代表は、特にGSTにおいて、具体的な成果を出すため、グローバルな努力を結集する必要があると強調した。

サモアは、小島嶼諸国連合の立場で発言し、損失損害基金運用開始を歓迎、サンチャゴ・ネットワークのホスト国の決定を歓迎した。同代表は、GGAの交渉状況に対する深い懸念を強調した。さらに小島嶼開発途上国の特別な状況への配慮の欠如を指摘した。

ザンビアは、アフリカングループの立場で発言し、図や目標、指標付きの確固としたGGA枠組を求め、第2週の閣僚級会合でのGGAに焦点が当たるだろうと強調した。

ボリビアは、LMDCsの立場で発言し、プロセスは共同進行役主導のようだとして、懸念を表明し、GGAを引き合いに出した。同代表は、公平性及びCBDRを反映しない成果は、どれも受け入れられないと述べ、開発途上国のニーズは何兆ドルにも及ぶが、1千億米ドルの約束が果たされるのかどうかは、不確実であると指摘した。

セネガルは、LDCsの立場で発言し、GSTの文書は1.5℃以下でとどまるには不十分であるとして、懸念を表明した。同代表は、緩和、適応、SCFの機能の第2回レビュー、正当な転換経路作業プログラムの進捗状況への失望感を表明し、GGAに関する大胆な結果は、COP 28から出てくるバランスのとれた政治的パッケージの一部でなければならないと強調した。

グアテマラは、AILACの立場で発言し、GSTでは緩和、 適応、公平性を論じるよう求め、野心的なNDCsのための明確で行動可能なガイダンスを含めるよう求めた。同代表は、目標を特定し、実施手段を設立するGGA枠組の採択を促した。

サウジアラビアは、アラブグループの立場で発言し、GGA文書への失望感を表明し、締約国の意見が反映されておらず、MWPの協議も反映されていないと指摘し、マンデートを書き直す作業に注目した。同代表は、GST の結果では、緩和、適応、実施手段、対応措置バランスよく扱うよう求めた。

ウルグアイは、アルゼンチン・ブラジル・ウルグアイ(ABU)の立場で発言し、損失損害の成果を歓迎し、GSTではCBDR-RC及び科学的な証拠を基礎とするよう求め、適応問題、特にGGAでの進展の無さを嘆き、正当な転換経路の作業プログラムの重要性を強調、先進国が資金上の義務を達成することも重要だと述べた。

ホンジュラスは、熱帯雨林諸国連合(CfRN)の立場で発言し、第6条メカニズムへの懸念を表明、第62項の欠陥を指摘、第64項メカニズムで提案されているオプションは排出回避活動を許す可能性があり、これは1.5℃の達成を危うくすると懸念した。同代表は、REDD+は条約の下での除去量及び排出削減で最も成功した枠組であると強調した。

CHILDREN AND YOUTH NGOsは、締約国の進捗の無さを指摘し、ACEへの規則16の適用、及びGGA枠組が実現しなかったことは、受け入れられないと述べ、締約国に対し、交渉終了まで、国際社会のための努力し、役目を果たすよう促した。

BUSINESS AND INDUSTRY NGOsは、重要問題での進捗の遅さを指摘し、一部の締約国は第6条2項の協力的手法の実施に新たな障壁を導入しようとしたと指摘した。同代表は、締約国は方向性を示し、約束をし、野心的で書前向きな明確なGST成果を示す必要があると強調した。

CLIMATE ACTION NETWORKは、GSTの成果には、遅くとも2050年までに化石燃料の完全で迅速、公平な段階的廃止、及び2030年までの急速な低下が含まれるべきだと強調した。

DEMAND FOR CLIMATE JUSTICEは、「責任逃れをしようとする(trying to run away from their responsibilities)」締約国による、パリ協定の公平性条項を薄める努力を拒否するよう促した。

FARMERSは、農業及び食糧安全保障に関する気候行動実施では建設的なダイアログが行われていないとして嘆き、また1年の行動が失われたと悲嘆した。同代表は、GSTでは農業での確たる行動の野心を引き上げるよう求めた。

INDIGENOUS PEOPLES ORGANIZATIONSは、GST及び損失損害基金での先住民への言及を感謝し、次を求めた:損失損害の資金制度に対する先住民の直接アクセス、及び同基金理事会に先住民代表を入れる;正当な転換経路作業プログラムに先住民の権利を含める;第64項のガバナンスにおける人権のセーフガード。

LOCAL GOVERNMENTS AND MUNICIPAL AUTHORITIESは、COP 28の3つのマイルストーンを指摘した、すなわち:地域損失損害基金のモダリティに地域政府及びコミュニティへの直接の資金供与を含める;地方の気候行動サミット;66の締約国が支持する、気候行動のための高い野心でマルチレベルのパートナーシップ連合(Coalition for High Ambition Multilevel Partnerships for Climate Action)。

TRADE UNION NGOsは、化石燃料からの変革など、行動の緊急の必要性を反映した決定書を求めた。同代表は、締約国に対し、オープンエンドなマンデートを有し、提示されたオブザーバーを含め、国際労働機関の正当な転換マンデートを組み込む、正当な転換経路作業プログラムの採択を求めた。

WOMEN AND GENDERは、進捗の無さ、農業、ACE、適応の議論の成果を嘆き、ジェンダーに関するリマ作業プログラムの後戻り、及び野心の欠如への懸念を表明した。同代表は、正当な転換を伴う、化石燃料の終わりを求めた。

会合の閉会:SBSTAは、報告書草案(FCCC/SBSTA/2023/L.9)を採択した。SBIは、報告書草案(FCCC/SBI/2023/L.30)を採択した。SBsは、11:04 pmに閉会した。

廊下にて

交渉会場ビルでのハッスルな動きに負けないほど、花の形に広がったEXPO会場の他の「花びら(petal)」でも、忙しく動き回るものがいた。しかし、ハッスルや努力で結果を出せるとは限らない。適応の交渉は、あるオブザーバーに言わせると、「ひどい(dire)」ものであった。規則16は適応委員会に降臨した。1週間が過ぎたが、GGAの議論は、中身の議論に至っておらず、合意可能な文書もできていない。ある交渉担当者は、GGAが文字通り「衝突し、燃え尽きる(crashes and burns)」なら、GSTの文書には、GGAの成果が塞ぐはずだった穴が開く結果にならないか、心配していた。

GST、正当な転換、対応措置の交渉担当者たち(例を挙げると)が、議長職に作業をゆだねる中、「等しく不幸(equally unhappy)」というフレーズが、再度飛び交っていた。参加者に言わせると、「長時間の、いわゆる外科手術的な(marathon of so-called surgical)」挿入作業が行われた後、以前のままの文書が、長い挿入リスト付きで、閣僚級気会合向けにまとめられた。

Further information

Participants

Tags