Daily report for 18 November 2024

UN Climate Change Conference Baku - November 2024

第2週は、補助機関(SBs)から送られた少数の決定書の採択から始まった。議長職は、協議での作業の進捗を説明し、締約国及びオブザーバーは、主要問題での進捗に期待を寄せた。

プレナリー

午前中のプレナリーで、COP 29議長のMukhtar Babayevは、締約国に対し、議論のペースを速めるよう求めた。締約国会議(COP)、京都議定書締約国会議(CMP)、パリ協定締約国会議(CMA)は、科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)の第60回報告書(FCCC/SBSTA/2024/7 及び Add.1)、SBSTA 61の報告書(FCCC/SBSTA/2024/L.13)、実施のための補助機関(SBI)の第60回報告書(FCCC/SBI/2024/13, Add.1 及び Add.2)、SBI 61報告書(FCCC/SBI/2024/L.15)に留意した。

議長のBabayevは、この1週間の作業モードを説明し、次の3つの経路で進められると述べたs:閣僚級協議、議長職主導の協議、及び技術的な交渉の継続。同議長は、閣僚級協議はCOPの前に発表されたペアで続けられ、次の項目を議論すると述べた:

  • 気候資金の新しい数量目標(NCQG)、焦点はこの目標の構造、金額、資金貢献の基礎;
  • 緩和、焦点は、可能な緩和成果の全体像、及び緩和成果の位置づけ;
  • 適応、焦点は適応世界目標(GGA);
  • パリ協定第6条2項(協力的アプローチ)及び第6条4項(メカニズム)、焦点はレジストリ。

同議長は、前回の先進国の議長職である英国、及び次回の開発途上国の議長職であるブラジルは、共に高い野心とバランスのとれた成果を挙げるべく、協力する予定だと報告した。

同議長は、グローバルストックテイク(GST)実施のダイアログに関する議長職協議では、作業プログラム及び構成組織に対し、それぞれの今後の作業にGSTの成果を取り入れるよう求めることの実施に、焦点を当てる予定であると述べた。同議長職は、ジェンダーの用語についても協議を行う予定。

技術レベルの作業に関し、同議長は、次を強調した:

  • NCQGの技術的な議論を続け、そのスコープ及びモダリティは、代表団長会議の席で発表する; 
  • GSTの手順の精緻化、及びGST実施ダイアログの議論を続ける;
  • 他の資金項目の議論では、11月19日火曜日中の決定書草案の提出が期待される;
  • 他の決定書草案は、11月20日水曜日までの実現が期待される。

議長のBabayevは、議長職はカバー決定書の作成プロセスを開始しない予定であると締約国に告げ、全ての優先項目は、現在の統治組織議題書のマンデートに含まれていると述べた。

UNFCCC事務局長のSimon Stiellは、欺瞞や策略で貴重な時間が失われている、会議の成功に必要な信頼関係も損なわれていると述べた。

G-77/中国は、野心的なNCQGを実現するため、グループとして連帯していると強調し、第6条の文書やGST手順精緻化の文書などは、議論を進める優れた土台であると述べた。

EUは、議長職に対し、GSTをフォローする強力な緩和成果を実現する方法について、議論する時間を設けるよう要求し、NCQGの政治面の議論に閣僚級の参画を歓迎した。

環境十全性グループ(EIG)は、NCQGはGST成果の実施を促進するべきであり、先進国が先導し、「全員が手を貸す(all hands on dec)」形で行うべきだと述べた。同グループは、緩和で成果を挙げない限り、バクー会議の成功はありえないと強調し、各国の国家決定貢献(NDCs)を1.5℃目標に合わせるとの明確な約束を求め、さらに、GSTのエネルギー移行パッケージへの対応を披露する場を設けるよう求めた。

アンブレラグループは、多様な議題項目での合意の欠如に失望し、各国のNDCsの策定ではGSTをフォローするとのシグナルをだすよう求めた。

有志開発途上国(LMDCs)は、共同進行役は全ての締約国の意見を考慮する必要があるとし、カバー決定書が無いことを歓迎した。NCQGに関しては、「まだ数字が提示されていない」ことに注目、実現性を追跡可能な循環型の目標が必要だと強調した。

米州ボリバル同盟(ALBA)は、ユニラテラルな貿易措置が条約やパリ協定の実施を阻害していると述べた。

小島嶼国連合(AOSIS)は、NCQGでは、小島嶼開発途上国(SIDS)に最低390億米ドル、後発開発途上国(LDCs)に最低2200億米ドルを配分する提案に焦点を当て、緩和で実質的な成果を挙げない限り、このCOPを離れることはないと述べた。

アフリカングループは、次を求めた:アフリカの特別なニーズ及び状況への注目を主流にする;NCQGはアフリカの資金のニーズに応えるものにする;サンチャゴ・ネットワークの運用開始に向けた適正な手続き。

独立中南米カリビアン連合(AILAC)は、テクノロジーのニーズの報告及び対応への支援を求め、野心の引き上げ及び実施の推進ではNCQGでの合意が重要だと強調、ジェンダーでの逆行に反対した。

LDCsは、NCQGは気候の危機への対応に必要な努力の大きさと合致するものとし、SIDS及びLDCsには最小限の配分額を明示し.なければならないと述べた。

アラブグループは、対応措置の影響の緩和を促し、先進国の資金の義務を強調した。

MOUNTAIN PARTNERSHIPは、COP 29で進行中の協議をフォローするなど、山岳問題の議題の進展を求め、山岳地帯の生態系は気候変動に脆弱であると指摘した。

DEMAND CLIMATE JUSTICEは、国家は金を戦争や対立、ジェノサイド(集団虐殺)や汚染者支援につぎ込む選択をしたと嘆き、気候資金目標に5兆米ドルをつぎ込むよう求めた。CLIMATE ACTION NETWORKは、COP 29も中間点を折り返したが、各国は「空疎な言葉以上のものを示せないでいる(nothing to show beyond empty words)」とし、先進国に対し、開発途上国への数兆ドルの資金供与を求めた。

FARMERSは、農業に関する共同作業の決定書を歓迎したが、実地の行動では実施手段が最も関連するとし、これに焦点を移す必要があると強調した。

INDIGENOUS PEOPLESは、交渉では先住民の明確な地位、知識、権利を尊重し、守るよう求め、気候資金への直接で公平なアクセスを要求した。

RESEARCH AND INDEPENDENT NON-GOVERNMENTAL ORGANIZATIONS (RINGOs)は、NDCs及び国別適応計画の策定に研究者の参画を求めた。

TRADE UNION NGOsは、社会のニーズと交渉の状況のギャップが広がっていると嘆き、「兆の単位の数字を出す」こと、そして公正な移行作業プログラムが重要だと強調した。

WOMEN and GENDERは、ジェンダー作業プログラムの交渉状況を懸念し、このCOPでの決議hじゃ何百万人もの生命に影響を与えると指摘した。

YOUTH NGO (YOUNGOs)は、市民社会の居場所は「入場バッジの数から、扉の閉鎖まで(from badges to door shutting)」縮まり続けており、1700人以上の化石燃料産業の代表がブルーゾーンにいると指摘し、確固とした利益相反の方針を求めた。

BUSINESS AND INDUSTRY NGOsは、1.5℃の経路に沿うNDCsという成果を掲げて、バクーを後にする必要があると指摘し、緩和作業プログラム(MWP)は、GSTの実施を支援するという「その目的の達成に失敗しつつある(failing to meet its purpose)」と嘆いた。

LOCAL GOVERNMENT AND MUNICIPAL AUTHORITIESは、COP 30では、多層の行動及び都市化に関する独立したプロセスで合意するよう求めた。

資金

資金常任委員会(SCF)の問題:COP/CMA合同の非公式協議で、共同進行役のClara Schultz (スウェーデン)及びAli Waqas (パキスタン)は、決定書草案を提示した。アフリカングループは、SCFの報告書に関しては、それに基づく行動をとることはもちろん、中身の議論もできないという「システムの失敗(systematic failure)」があったと嘆いた。他のものも同意し、中身の議論に時間をかければ役立ったであろうと述べた。

アフリカングループは、SCFの2025年作業計画は「red line」であるとして、支持できないと強調した。EUは、作業計画の承認を期待すると述べたが、オーストラリア及びニュージーランドと共に、マンデートの追加なしを希望した。英国及び米国は、SCFの作業量を合理的なものにするため、文書に追加のマンデートを入れるよう提案した。

アラブグループは、COP及びCMAはSCFの報告書に留意することが可能であり、気候資金の定義の運用開始を歓迎することもできると述べた。AILACは、新しい文書は一部の報告書の記述を減らしていると指摘した。ロシアは、ジェンダー対応型の資金に焦点を当てた2024 SCF Forumのパラグラフを削除し、その成果を認識することにとどめるよう提案した。

共同進行役らは、締約国の書面によるコメントを基に、この文書をスリム化する予定。

緑の気候基金 (GCF)の報告書、及び同基金へのガイダンス:COP/CMA合同の非公式協議で、Pierre Marc (フランス)は、決定書草案へのコメントを招請した。多数のものは、パラグラフのさらなる推敲を要請し、書面でのコメントを提出する予定だと述べた。

アフリカングループ及びアラブグループは、パラグラフの多くはGCF理事会を細かく管理するものだと強調した。チリは、AOSIS、アラブグループ、GRUPO SUR、MEXICO、中国の支持を得て、技術メカニズムとの協調を進めるため、少数の追加事項を入れるよう要請した。EUは、ガイダンスを隔年で提供することを希望したが、AILAC、ブラジル、インドは、毎年の提供を希望した。NCQGに言及するかどうかでは、意見が分かれた。

共同進行役らは、改定文書を作成する予定。

地球環境ファシリティ(GEF)の報告書及び同ファシリティへのガイダンス:COP/CMA合同の非公式協議で、共同進行役のDavid Kaluba (ザンビア)は、改訂版のCOP及びCMAの決定書を提示した。アフリカングループは、AILACの支持を得て、隔年透明性報告書及び透明性のキャパシティビルディング・イニシアティブへの持続的な支援を確保するとのパラグラフを、CMA決定書に追加するよう要請した。締約国は、次の少数のパラグラフについて議論した:多国間ファンド、及びその合同行動計画の補足性及び一貫性;ジェンダー;ガイダンスの提供を毎年にするか、隔年にするか;技術。

多数の先進国は、GGAに関するパラグラフの削除または改定を提案、現在のパラグラフは合意されていないGGA指標に予断を加えると指摘した。アフリカングループは、決定書 2/CMA. 5 は、GGAの題目別分野を定めていると想起した。

共同進行役らは、文書を改定する予定、締約国での協議を重ねることが奨励された。

適応資金倍増に関する報告書:CMA 非公式協議s 共同進行役ed by Jens Fugl (デンマーク)が共同進行役を務めるCMA非公式協議で、締約国は、手順上の決定書を、採択のためCMAに送ることで合意した。

パリ協定第21c項のスコープ及び第9条との補完性に関するダイアログ:CMAコンタクトグループの共同議長であるBen Abraham (ニュージーランド)は、改定した決定書草案を提示した。締約国は、このダイアログのワークショップの題目について、どの組織が文書で提出するかを議論した。米国は、「締約国及び他の関連する利害関係者」を支持したが、「運営組織(operating entity)」への言及には反対し、損失損害基金は運営組織であるが、第2条1c項の規定には関連していないと指摘した。アフリカングループ及びLDCsは、「締約国、構成機関、及び資金メカニズムの運営組織」を希望し、全ての運営組織が重要であると強調した。アラブグループは、「締約国及び非締約国利害関係者」を提案したが、アフリカングループは拒否した。米国は、CMA 5で合意された表現に戻すことを提案したが、アフリカングループは、この合意された表現のうち、「条約及びパリ協定の下の」組織という表現への言及は削除するべきだと述べた。締約国は、これを削除した上で、以前の表現を使うことで合意し、この決定書草案のCMAへの送付でも合意した。

緩和

パリ協定第62項の協力的アプローチに関するガイダンス:CMAコンタクトグループの会合で、議長職は、この議題項目のレジストリのセクションに関する閣僚級協議を開催すると通知し、締約国に対し、他の全ての要素での協議継続を促した。共同議長のMaria AlJishi (サウジアラビア)及びPeer Stiansen (ノルウェー)は、SBSTAから送られた非公式ノートに言及し、橋渡し提案を歓迎した。

締約国は、第6条技術専門家レビューで明らかにされた「顕著で持続する不一致(significant and persistent inconsistencies)」の結末(consequences)を審議し、アフリカングループ及びAOSISは支持したが、LMDCsは、「consequences」という表現に反対した。

認可の変更に関し、英国は、初回の移行の後は不可抗力など極めて特別な状況においてのみ、変更が許されると規定するよう求めた。パキスタンは、文中の「不一致(inconsistencies)」の定義について質問し、初回の報告書に関する追加ガイダンスのセクションは開発途上国には大きな報告作成負担を課すとし、これはこのグループのマンデートを超えていると述べた。

ENVIRONMENTAL NGOs及びYOUTH NGOsは、環境十全性を確保するための要件を薄めることに警告し、WOMEN AND GENDERは、公正な移行、女性のエンパワーメント、ジェンダーの平等、利害関係者の意見発表及び協議の義務化に言及していないとして嘆いた。

共同議長らは、クリーンな文書を作成し、今後の進め方に関し、議長職と協議する予定。

パリ協定第64項のメカニズムの規則、モダリティ、手順:CMAの非公式協議で、共同進行役のKate Hancock (オーストラリア)及びSonam Tashi (ブータン)は、新しいCMA文書草案を提示、これにはSBSTA 61からCMAに送られた文書草案が組み込まれている。

メカニズムの運用に関し、締約国は、バランスのとれた規制管理の安定性と、継続的な改善が必要だと強調した。AOSISは、英国及びその他の支持を得て、最善の科学を反映できる改善策を求めた。発行後の認可に関し、AOSISは、発行後は認可しないことを希望する一方、そのような認可が認められる場合は、発行後2年以内という期限を設けるべきだと述べたが、アフリカングループ、GRUPO SUR、その他は、反対した。

CDM活動の第6条4項メカニズムへの移行に関し、少数の締約国は、移行を要請するCDMプロジェクトの追加性(additionality)を審議するよう監督機関に要請するとのEU案を疑問視し、CDMの追加性、及びCDMプロジェクトの第6条4項メカニズムへの移行については、既に規則が存在すると指摘した。

共同進行役らは、クリーンな文書の作成に関する情報を得たいとして、締約国に橋渡し案の提出を求めた。

パリ協定第68項に規定する非市場アプローチ枠組の作業プログラム:CMAは、SBSTA 61から送られた決定書(FCCC/SBSTA/2024/L.15/Add.1)を採択した。

クリーン開発メカニズム(CDM)の問題:CMP非公式協議で、共同進行役のKarolina Anttonen (フィンランド)及びAlick Muvundika (ザンビア)は、次の3つのセクションを含める新しい文書草案を提示した:一般的な事項;京都議定書第2約束期間終了後のCDMの機能;資金資源の管理。ブラジルは、CMPとCMAのリンク付けに反対し、CDMの機能及び資金資源の管理に関するセクションの削除を提案したが、大半の締約国は反対した。

CDMの機能に関し、AILACと英国などは、SBSTA 61で議論したCMP決定書草案が送られてこなかったことを嘆き、CDMの運用が終わろうとしていることと、CDM信託基金から他の場所へと移動する「財政上責任ある」金額の決定との関係に注目し、CDMの終了に関係するオプションの挿入を提案した。LMDCsは反対し、第6条4項の議論では、多数のCDMプロジェクトの第6条4項メカニズムへのなだれ込みを防ぐための必要条件の追加が議論されたと指摘し、そのようなプロジェクトを「座礁させる(stranding)」ことに反対した。

資源管理に関し、アフリカングループは、(CDM信託)基金を適応基金と第6条のキャパシティビルディングの両方に移行することを希望したが、代替案として、AOSISの支持を得て、適応基金の身に移行することを提案した。英国は、適応基金と第6条活動の両方への移行を支持したが、この移行を受ける第6条活動は特定しないことを希望した。EIGは、第6条への基金の移行を支持し、これは資金の分配であり、ローンではないと指摘した。

共同進行役は、文書草案を改定する予定。

技術移転と開発、及びキャパシティビルディング

技術執行委員会(TEC)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の合同年次報告書:COPは、SB61から送られた決定書(FCCC/SB/2024/L.11)を採択した。

技術実施プログラム:CMAコンタクトグループの共同議長を務めたDiann Black-Layne (アンティグアバーブーダ)及びElfriede More (オーストリア)は、コメントを求め、SBIではこの問題で進展が無かったと指摘した。締約国は、技術実施プログラム (TIP)は次のとおりであるべきことで合意した:ポズナニ戦略プログラムで学んだ学習事項に則り構築する;技術メカニズムの評価サイクルに合わせる;次回のGSTに情報を与える。EU及び米国は、TIPはMWP及び公正な移行作業プログラムをモデルとするべきと提案したが、開発途上国は、「このプログラムの実現を確実にする」モダリティが必要だと強調し、チリは、「プログラム」ではなく、「実施」に焦点を当てる必要があると述べた。EU及び米国は、TIPはGSTの成果に対応するべきだと述べたが、サウジアラビアは反対した。チリは、TIPの運用開始に向けたG-77/中国の詳細な提案にはGST成果の多くの関連要素が既に取り入れられていると強調した。

アフリカングループ及びLDCsは、TIPをCOP及びCMAの両方の下で運用するよう求めたが、EU及びノルウェーは、CMAの下で機能するべきと強調した。

モダリティでは、締約国は、 TIPに会合期間内ダイアログを含めるべきことで広く合意したが、その回数や題目では多様な意見が示された。G-77/中国は、次を支持した:資金の障壁、貿易の制限、知的所有権など、特定の題目で1回の技術ダイアログとする;地域固有の問題及び国別の問題に対応するための地域ダイアログを1回。G-77/中国は、これに加えて、TIPの第2の構成要素として、実施加速機能及び国内のイノベーション・ハブ・システムを創設し、これらに資金メカニズムの運用機関から資金を得ることを期待している。

共同議長らは、発表された意見に基づき、文書草案を作成する予定。

キャパシティビルディングの問題:COPは、SBI 60から送られた、条約の下での開発途上国のキャパシティビルディング枠組の実施に対する第5回の包括レビューの委任条件に関する決定書(FCCC/SBI/2024/L.2/Add.1)、及びキャパシティビルディング(PCCB)のパリ委員会の第2回レビューに関する決定書(FCCC/SBI/2024/L.2/Add.2)、さらにはSBI 61から送られたPCCBの技術的進捗状況の年次報告書に関する決定書(FCCC/SBI/2024/L.13)を採択した。CMAは、SBI 60から送られたPCCBの第2回レビューに関する決定書(FCCC/SBI/2024/L.2/Add.3)、及びSBI 61から送られた2024年のPCCBの技術的進捗報告書に関する決定書(FCCC/SBI/2024/L.12)を、採択した。

その他の問題

適応委員会報告書:COP及びCMAは、適応委員会の2023年報告書及び2024年報告書(SB/2023/5 及び SB/2024/4)を歓迎した。

LDCsの問題:COPは、SBI 61から送られた決定書 (FCCC/SBI/2024/L.17/Add.1)を採択した。

損失損害のワルシャワ国際メカニズム執行委員会(WIM)2024年レビュー、及びWIM執行委員会及びサンチャゴ・ネットワークの合同年次報告書:COP/CMAの非公式な相談会(?)では、Pasha Carruthers (クック諸島)が共同進行役を務め、SBsから文書が回ってこないことから、今後の議論の進め方を協議した。

多くの参加者は、WIM及びサンチャゴ・ネットワークの作業推進には、決定が重要であると強調し、それぞれの優先策を繰り返した、たとえば:隔年透明性報告書の作成に対する支援の供与;NDCsに損失損害を取り入る方法の検討;損失損害の状況報告書を義務とする;ExComの専門家グループの行動及び支援に関する作業を見直す。

G-77/中国は、米国及び他の多くのものの支持を得て、2024年のWIMレビューと合同年次報告書の審議を分けるという、過去のやり方に立ち戻るよう求めた。非公式な非公式協議で議論が続けられた。

開発途上国への資金援助及び技術支援の供与:CMA非公式協議で、共同進行役のOle-Kenneth Nielsen (デンマーク)及びSandra Motshwanedi (南アフリカ)は、SBsからはCMAでの議論の土台となる文書が送られてきていないと指摘した。

AILACは、事務局に対し、データ収集、分析、管理での経験を共有する会合期間中の促進ダイアログのサマリー報告書(FCCC/PA/CMA/2024/4)作成に感謝したが、資金面の課題に関する締約国の意見が入っていないと指摘した。AILACは、さらに、課題は報告されなければならないが、報告作成への資金援助のため、気候行動を犠牲にしてはならないと強調した。米国は:アウトリーチ及び知識共有に関する事務局の努力を歓迎し;利用可能な資金援助を認識し、適格な国がこれにアクセスすることを奨励するよう求め;このフォーラムはGEFへの特定のガイダンスを議論したり、NCQG関係の問題を議論したりする場ではないと強調した。

非公式な非公式協議で議論が続けられた。

グローバルストックテイク・プロセス全体の手順及びロジスティックの要素:CMA非公式協議の共同進行役は、Patrick Spicer (カナダ)が務めた。決定書草案の最新バージョンに対し、多様な編集要請があった。特に次の項目が議論の中心となった:序文で条約の原則を想起するかどうか、これは中国の提案だが、EU、米国、オーストラリアは、反対した;GSTに参加する非締約国の利害関係者のリストを特定する、これはLDCsの提案だが、アフリカングループ、インド、中国は反対した;ジェンダー別のデータの収集を奨める、アフリカングループ及び中国は反対;GSTの期間中の3名の議長職の役割を強める、米国とオーストラリアはこれを希望した、もしくは、次期議長職と現在の議長職のみの役割を強める、これはLMDCsが希望した。各国は、GSTプロセスでの気候変動に関する政府間パネルの役割の表現をスリム化することで意見が集約した。

GSTからNDC策定への情報提供(決定書1/CMA.5のパラグラフ187に規定)に関する年次ダイアログ報告書:CMA非公式協議では、Noura Alissa (サウジアラビア)及びKaarle Kupiainen (フィンランド)が共同進行役を務め、第1回のGST年次ダイアログに関する事務局の報告書(FCCC/PA/CMA/2024/5)について議論した、この報告書は、GSTの成果を締約国の次回のNDCs策定にどのように情報を提供するか、知識を共有するため、SB 60で開催された第1回のGST年次ダイアログの内容を報告している。

締約国は、この項目に関する決定書に入れる要素について、多様な意見を表明した。EIG、EU、AOSIS、LDCsは、決定書は次回のNDCsに強いシグナルを送らなければならないと述べ、緩和、適応、実施手段に関する特別なガイダンスをと、主唱した。LMDCsは、短く、単純な決定書とし、ダイアログの開催を歓迎し、報告書に留意することを求めた。エジプトは、新たな「ミニGST」にしてはならないとし、締約国が報告書から主要なメッセージのみを「良いとこ取り(cherry-picking)」することに警鐘を鳴らした。中国は、GSTの年次ダイアログはそのマンデートを達成したとし、追加の年次ダイアログは開催しないことを提案したが、EU及びガーナは、反対した。

パリ協定の実施推進及び遵守促進委員会の問題:CMA非公式協議では、Arne Riedel (ドイツ)が共同進行役を務め、決定書草案の議論が続けられた。事務局は、NDCレジストリの機能性に関する質問に答え、このレジストリは異なる時間軸で活動するNDCsを表示すると述べた。この議論を決定書草案にどう記載するかが議論され、EUは、米国、英国、カナダ、チリの支持を得て、レジストリへの言及を提案したが、サウジアラビアは反対した。ハドルが行われた後、締約国は、現在のレジストリの限界を説明する、同委員会の年次報告書のセクションに、より広範に言及することで合意した。

ジェンダー:COP非公式協議で、共同進行役のRuleta Thomas (アンティグアバーブーダ)及びMarc-André Lafrance (カナダ)は、用語については議長職が協議を続けていると指摘し、SBIから送られた決定書草案の別な括弧書きの要素について、コメントを求めた。

締約国は、次の項目などを議論した:ジェンダーの構成に関する用語の最近の傾向をどのように記載するか;表現方法に関する関連の国連組織との調整、及び生物多様性条約や砂漠化防止条約に言及するかどうか;ジェンダー窓口への支援;労働力の公正な移行に限定せず、公正な移行に言及する;パリ協定に関係する要素への言及。

共同進行役らは、ジェンダーに関する将来の作業で合意することが重要だと強調した。非公式な非公式協議で議論が続けられた。

地方コミュニティ及び先住民プラットフォーム:COPは、SBSTA 60から送られた決定書(FCCC/SBSTA/2024/L.1)を採択した。カナダは、このプラットフォームの促進作業部会の作業を称賛し、締約国に対し、この作業に参加及び参画を続けるよう奨励した。

事務管理上、、資金上、制度上の問題:COPは、SBI 60及びSBI 61から送られた決定書(FCCC/SBI/2024/L.4 及び L.11)を採択、CMAはこれを承認した。CMPは、SBI 60及びSBI 61から送られた決定書(FCCC/SBI/2024/L.5 及び FCCC/SBI/2024/L.10)を採択した。

廊下にて

第2週の会合開始にあたり、議長のBabayevは、ステージの中心で、今後の厳しい作業モードと作業のペースに言及し、少数の項目では週半ばに結論を出すという確固としたタイムラインを設定した。資金の協議では、タイムラインは今日中と申し渡されたが、多数のコメントを抱え、議論する時間も十分でなかった項目であり、明らかに不可能である。ある交渉担当者は、議長職のタイムラインは「恣意的だ(arbitrary)」として、これを拒否し、これに固執するなら、規則16の発動を招くだけだと述べた。他方、損失損害の交渉担当者らは、補助機関会合で既に規則16が発動されていることから、何をするべきか、どうすればより良い形での議論の再開ができるか、わからないようであった。

議長職は、今回の会合ではカバー決定書はない、少なくとも議長職がそれを発案することはないと固い線を引いて、オブザーバーたちを驚かせた。このため、緩和成果とはどのようなものか、どこが落としどころかについて、締約国の合意をまとめられるかどうかは、閣僚たちにかかってくる。

緩和作業プログラムは、基本的に行き詰まっており、一連のダイアログのイベント開催で何とか生かされている状況である。グローバルストックテイク(GST)の実施に関するダイアログは、まだ運用開始になっていないが、エネルギー移行や他のGSTの成果の実施に向けた努力を追跡する場になるはずである。しかし、ここでもダイアログのスコープで合意がない。ある交渉担当者は、議長職によるGSTの協議は「ほぼすべてが緩和に関するものであった」と述べ、議長職が説明した3つの閣僚級協議の流れは、直ぐにも交差し合うのではないかと、心配していた。ある参加者は、「カバー決定書は、この時点ではギャップを埋める通常の落としどころになると期待されるが、決定書を集積場所に集めることで、問題が解決されるかどうかはわからない」と述べた。

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