Daily report for 6 November 2021

Glasgow Climate Change Conference

資金、透明性、第6条 (協力アプローチ)がこの日一日を通して議論された。大半の決定書を採択するためのSBSTA及びSBIの閉会プレナリーが開催され、第6条、透明性、適応、対応措置、共通時間枠の議論は、グラスゴー気候変動会議の第2週に送られた。

COP

資金関係の問題:長期気候資金:非公式協議の共同進行役を務めたCarlos Fuller (ベリーズ)は、少数のグループによる書面での文書提出を指摘し、さらなる文章案及び議論を招請した。締約国は、共同進行役に対し、さらなる議論に情報を提供するため、提出文書に基づく非公式ノートの作成を依頼した。

資金メカニズムの第7回レビュー:非公式協議の共同進行役は、Eva Schreuder (オランダ)及びDaniela Veas (チリ)が務め、文書草案に対する意見を求めた。一部の国は、適応基金レビューに関しSBIで審議された決定書草案の中に記載されたアプローチに倣うことを提案し、全体を網羅する決定書でのCOP及びCMAの役割を明らかにし、付属のガイドラインの中に記載する、条約及びパリ協定の特定条項への言及を削除するよう提案した。

ある推進論者は、CMAは希望するなら、レビューに基づく決定書を議論できると指摘し、究極的には、COPが資金メカニズムの運用機関に関する法的アレンジを監督すると指摘した。数か国は、この議論をする用意があるとし、提案を検討する時間の追加を要求した。

ある開発途上国グループは、運用機関の補充プロセスの情報を示すレビューの表現には運用機関とのCOPの覚書を反映すべきだと警告し、各国への分配や共同資金のものなど、一部の基準は地球環境ファシリティ(GEF)に特化していると指摘した。このほかのコメントは、次に関係するものなどであった:「長期(long-term)」目的への言及を削除する;情報源のリストの中で、民間部門の資金供与に関する関連の報告を明示する。共同進行役は、書面による文書提出を招請し、決定書草案文書の新しいバージョンを作成する予定である。

CMA

資金関係の問題:気候資金の新しい集団数量目標:非公式協議の共同進行役を務めたOuti Honkatukia (フィンランド)は、締約国に対し、共同進行役作成の文書草案に関する一般的な意見を表明するよう招請した。

多数の先進国は、この文書の特徴はその長さと重複であるとし、CMA決定書は2024年に作成される決定書に予断を加えてはならないと強調した。あるグループは、このプロセスではいかなる新しい組織を作ってはならないと指摘した。ある先進国は、締約国は新しい(資金)目標の提供者、受益者、「資金構造(financial structure)」を定義づける必要があると述べた。少数の開発途上国は反対し、これらの項目はパリ協定で明確に定義づけられていると指摘した。

ある開発途上国グループは、ワークショップを開催するだけでは包含的ではなく、不十分であると指摘し、新しい目標が設定され、実施され、その進捗状況が追跡されるのを確保する作業部会を求めた。別な開発途上締約国は、先進国のコメントに対する「悲痛感(distress)」を表明し、協議ではネットゼロへの移行を支援する新しい目標の設定方法に焦点を当てるべきだと指摘した。多数の開発途上国及びグループは、この議題項目の下でのマンデートは新しい目標の協議開始であることから、この決定書では野心的な新しい目標を志向する経路を創設する必要があると指摘した。

共同進行役は、文書草案の第2版を提供する予定であり、非公式協議は、11月8日月曜日に再開される。

パリ協定第95(事前の資金透明性)に関係する情報の隔年報告書のとりまとめ及び統合、並びにこの報告書に関する会合期間内ワークショップのサマリー報告書:非公式協議の共同進行役は、Georg Børsting (ノルウェー)が務め、締約国は、CMA決定書草案に関する最初の意見交換を行った。多数のものは、文書を検討するため、さらなる時間が必要だと指摘する一方、この文書が有用な開始点であることでは合意した。

ある開発途上国グループは、報告書では第9条5項が求める予見可能性を確保するに十分な内容が提供されていないと述べた。他の開発途上国は、会合期間内ワークショップは疑問点に注目しており、これには後発開発途上国(LDCs)及び小島嶼開発途上国(SIDS)のための資金及びキャパシティビルディングの規模と質が含まれると指摘した。これらの開発途上国は、他の開発途上国グループと共に、将来の報告書用に詳細なガイダンスを提供する必要があると強調した。

先進国は、数か所のパラグラフにはこの議題項目のマンデートを超える要素が含まれているとし、特にCMA 1-3 (2018年)で合意されたものに追加的な情報の提供要請があると述べた。ある先進国は、報告書に含めるべき情報のタイプのレビューが2023年で予定されていると述べ、文書全体を括弧でくくり、締約国に対し内容に関する議論参加への信任を与えるよう求めた。非公式協議が続けられる予定。

COP/CMA

資金関係の問題:資金常任委員会(SCF)に関係する問題:非公式協議の共同進行役は、Gard Lindseth (ノルウェー)及びRichard Muyungi (タンザニア)が務め、前回の協議後、締約国から5件の書面での文書提出を受けたとし、締約国に対し、意見交換を招請した。

ある先進国は、決定書草案において、SCFが完了させた作業を認識するよう提案した。

ある開発途上国グループは、SCF報告書で提起された数件の重要問題を指摘した、これには特に次の問題が含まれた:二国間気候資金のうち適応目的のものは21%に過ぎない;気候資金は、新規で追加的でなければならない;現在の気候資金のレベルは不十分である;NDCの実施を支援するにはさらなる資金拠出が必要である。

共同進行役のMuyungiは、決定書草案を作成するという締約国のマンデートを求めた。あるグループは、少数の開発途上国及びグループの支持を得て、反対を表明し、一部の締約国は条約や資金メカニズムの運用機関に関係する最近のCOP及びCMAの決定書の順守を議論する意思がないとして、懸念を表明した。共同進行役のMuyungiは、この問題はCOP議長職が提起したと指摘した。締約国は、不満足ではあるが、共同進行役に対し決定書草案の作成を依頼することで合意した。

緑の気候基金(GCF)の報告、及び同基金に対するガイダンス:非公式協議において、共同議長のToru Sugio (日本)は、決定書草案を提起し、締約国はこれをさらなる議論の土台として歓迎した。多数のものは、(文書の)さらなるスリム化が必要だとし、重複している表現を指摘した。

締約国は、この文書における赤線(譲れない線)に焦点を当てた。少数のグループ及び締約国にとり、これには小規模のグラント・ファシリティの設立など、提案の必要条件や新しい資金窓口、エンベロープ(envelopes)創設のパラグラフなどが含まれる。一部のものは、GCF理事会のマイクロ管理を回避するよう促した。

あるグループは、損失損害を含めることについて尋ね、この基金は現在需要に見合うだけの資源拠出に苦労していると指摘した。2つの開発途上国グループは、損失損害に関する表現を強めるよう求めた。

ある開発途上国グループは、多数のパラグラフの削除を求め、GCF理事会の作業計画に予断を与えることは避け、COPに対し権限のない活動の遂行を依頼することは回避する必要があると強調した。別なグループは、GCFにガイダンスを与えるマンデートがあると述べた。

特に意見の不一致があった分野は、パリ協定の長期気温目標への言及、及びGCF理事会における女性及びジェンダーのバランスへの言及に関係していた。

参加者は、文書には反映されていないが、将来のバージョンでの記載を希望する要素を指摘した。たとえば、ある開発途上国グループは、国別適応計画(NAP)の準備状況に対する支援に特別な言及をするよう要請した。

共同議長のSugioは、共同進行役が締約国の意見を基に、文書草案の次のバージョンを作成すると述べた。

GEFの報告、及びGEFに対するガイダンス:非公式 協議では、共同議長のToru Sugio (日本)が、決定書草案を提起、締約国は、これをさらなる議論のたたき台として歓迎した。

2つの先進締約国は、中層から上層所得の諸国に対するグラントの増額に関するパラグラフの削除を求め、これはGEFの補填プロセスに予断を与えると述べた。あるものは、LDC基金(LDCF)の状況下で損失損害に対する新しい支援ラインに反対し、損失損害は適応の一部だと述べた。

あるグループは、アクセス改善や新しい窓口創設に関係するパラグラフの削除を求め、これまでのところ資金拠出要求は全て承認されていると発言した。

ある開発途上国グループは、GEFは主に先進締約国から資金の寄付を受けており、自主的に寄付する開発途上締約国に寄付を奨励する必要はないと強調した。ある開発途上国は、共通するが差異のある責任及びそれぞれの能力を強調した。別なものは、附属書I諸国はLDCF及び特別気候変動基金に資金を寄付すべきだと述べた。

ある開発途上国グループは、次の必要性に焦点を当てた:GEFカウンシルにおけるSIDS専用の席(複数);透明性のためのキャパシティビルディングのニーズに対する追加資源; SIDSのアクセス確保のため、GEFパートナシップを開放;共同資金拠出の割合の変更。別なものは、損失損害及びキャパシティビルディングの重要性を強調した。

共同議長のSugioは、共同進行役は締約国の意見に基づき、文書草案の次のバージョンを作成すると述べた。

SBSTA

組織上の問題:議長以外の役員の選出:SBSTAは、Kakhaberi Mdivani (ジョージア)を副議長として選出、Zita Kassa Wilks (ガボン)を報告官として選出した。

ナイロビ作業プログラム:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2021/L.10)を採択した。

適応委員会報告書 (2019年度、2020年度、2021年度)SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2021/L.2)を採択した。この結論書において、SBSTAは、これらの問題の審議をCOP及びCMAに送ることで合意する。

損失損害に関するワルシャワ国際メカニズム(WIM)SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2021/L.6)を採択し、COP及びCMAの議長職の協議を条件に、同じ文書に記載する決定書草案を適切な組織に推奨した。

地方コミュニティ及び先住民のプラットフォーム(LCIPP)SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2021/L.3)を採択した、これにはCOP決定書草案が含まれた。

技術の開発及び移転:技術執行委員会(TEC)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の合同年次報告書(2020年度及び2021年度):SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2021/L.4 and L.5)を採択した、これにはCOP及びCMAそれぞれの決定書草案も含まれる。

農業に関するコロニビア共同作業:SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2021/L.1)を採択した、この中では特にSB 56 (2022年6月)におけるこの問題の審議継続とで合意する。

グローバルストックテイク(GST)へのインプットの情報源:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2021/L.4)を採択した。

科学及びレビューに関係する問題:研究及び組織的観測:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2021/L.5)を採択した。

条約の下での長期世界目標の第2回定期レビュー及びその達成に向けた全体的な進捗状況:SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2021/L.3)を採択した。

対応措置:SBSTA議長は、合意に達していないと締約国に伝え、このため、同議長はこのことを議長に報告する予定であると伝えた。

パリ協定に関係する手法論問題:コンタクトグループの議論で、共同進行役を務めたHelen Plume (ニュージーランド)及びXiang Gao (中国)は、文書草案に関する意見発表を招請した。少数の先進国は、GEFに対する開発途上国の報告書作成支援の要請はGEFに対するCOPガイダンスに関する関連決定書の中で扱うよう求め、米国は、CMAがCOPガイダンス決定書に留意できるよう、相互参照の挿入を提案した。

参加者は、次の項目も議論した:柔軟性条項はどのように、どこで捕捉するか、少数の国は附属書でこれを行うことを希望した;背景の表の利用を義務化するかどうか。他のコメントは、次の項目などに関係していた:2006年版IPCC国別温室効果ガス・インベントリ・ガイドラインの2019年精緻版への言及;ソフトウェアの開発及びインターオペラビリティのタイムライン;損失損害の報告;適応情報の自主的レビュー;NDCの進捗状況を追跡する無条件及び条件つきの両方の目標を捕捉する。多数の参加者は、附属書に関する技術的作業を追加する必要性を強調し、少数の開発途上国グループは、報告作成に対する支援が重要だと強調した。共同進行役は、SBSTAプレナリーでの審議用に、新しいバージョンを作成した。

閉会プレナリーで、SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2021/L.9)を採択した。その結論書において、SBSTAは、特に、これらの問題の審議を、CMAに送ることで合意する。SBSTA議長は、この項目の高度に技術的な問題を指摘し、一部の問題は政治解決が必要となる可能性があるとし、同議長は、今後の進め方に関し、議長職にこの問題を提起すると述べた。

6条に関係する問題:非公式協議では、共同進行役はSBSTA議長のTosi Mpanu Mpanuが務め、参加者は、共同進行役の文書草案の第3版をさらなる議論のたたき台として歓迎した。特に次の問題に関し、多様な提案が出された:人権及び非GHGの計算法。共同進行役は、文書をCMAに送る前に、これらの提案を文書に取り込む予定だと通告した。

コンタクトグループでは、Mpanu Mpanu議長が、手順上の結論書草案を提起した、この結論書の下、SBSTAは、決定書草案をCMAに送ることに同意するとともに、この文書が締約国間の一致した意見を示していないと認識し、この決定書の最終決定にはCMAによるさらなる作業が必要であることも認識する。締約国は、この手順上の結論書をSBSTAプレナリーに送ることで合意した。

閉会プレナリーで、SBSTAは、結論書草案(FCCC/SBSTA/2021/L.6, L.7, and L.8)を採択した、これには、この決定書草案をCMAでの審議向けに送ること、この文書が締約国間の一致した意見を示していないと認識し、この決定書の最終決定にはCMAによるさらなる作業が必要であることも認識することを示すパラグラフが含まれる。SBSTA議長は、締約国は多数の項目の議論に建設的かつ休むことなく取り組んできたが、他の項目は未解決のまま残されたと指摘し、後者の項目は議長職の注目を求めることになると指摘した。

他の国際機関との協力:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2021/L.2)を採択した。

閉会ステートメント:オーストラリアは、アンブレラ・グループの立場で発言し、強化された透明性枠組に関する建設的な議論を歓迎したが、COP 24以来の進展の「後退(backslides)」と特徴づける提案をめぐっては懸念を表明した。同代表は、特にナイロビ作業プログラムでの努力を歓迎した。

スイスは、EIGの立場で発言し、透明性及び第6条に関する交渉はCOP 26でのさらなる技術的な作業から恩恵を受けるだろうと指摘する一方、一部の保留問題はさらなる政治プロセスで解決可能だと指摘した。

EUは、科学者コミュニティ、特にIPCCに感謝すると表明した。同代表は、WIMでの進展を強調し、これは損失損害に関するサンチャゴネットワークのいくつかの機能にとり、有望な一歩前進を示すと述べた。

ブータンは、LDCsの立場で発言し、次の項目の重要性を強調した:損失損害に対する資金の確保;適応基金への収入の一部の提供;開発途上国の報告能力を恒久的に維持するための適切かつタイムリーな資源の確保。

アンティグア・バーブーダは、AOSISの立場で発言し、世界の排出量の全体的な緩和(OMGE)に対するディスカウント率を可能な限り最高レベルで設定するとともに、収入の一部のレートも可能な限り最高レベルに設定する必要があると強調した。透明性に関し、同代表は、行動の透明性及び支援の透明性が落ちていると述べた。

ペルーは、AILACの立場で発言し、第6条では、環境十全性を損なう可能性がある分野、あるいは二重計算を可能にしている分野で改善の余地があると強調した。

BUSINESS AND INDUSTRY NGOsは、締約国に対し、第6条の交渉を終わらせるよう求め、締約国が技術メカニズムと資金メカニズムとのリンケージのさらなる縮小で合意できなかったことへの失望感を表明した。

気候行動ネットワークは、締約国に対し、京都議定書ユニットの繰り越しや人権の強力なセーフガードなど、第6条に関する野心的なルールを設定するよう促し、損失損害に対する資金拠出を気候資金に関するポスト2025年目標に含めるよう求めた。同代表は、COVIDとは無関係の問題を理由とするCOPの参画性の欠如に強い懸念を表明した。

GLOBAL CAMPAIGN TO DEMAND CLIMATE JUSTICEは、地球規模の気候運動は炭素市場のような偽の解決策や、ネットゼロのプレッジといった中身のない約束には騙されないと述べ、各国の協力関係に関する、よりビジョンのある思考を求めた。

INDIGENOUS PEOPLESは、LCIPPの作業計画案が承認に向け送致されたことを歓迎すると同時に、第6条4項(メカニズム)の文章には自由で事前のインフォームド・コンセントの関係で、欠陥があるとして懸念を表明した。

WOMEN AND GENDERは、第6条と関係する独立した苦情処理メカニズムを提案し、締約国に対し、技術メカニズムが権利ベースで、参画性のあることを確保するよう促した。

SBSTAの閉会:締約国は、SBSTA 52-55の報告書 (FCCC/SBSTA/2021/L.1)草案を採択した。Mpanu Mpanu議長は、11月7日日曜日、午前0時19分、この会合を閉会した。

SBI

組織上の問題:議長以外の役員の選出:SBIは、Juan Carlos Monterrey Gómez (パナマ)をSBI副議長に選出し、Aysin Turpanci (トルコ)をSBI報告官に再度選出した。

非附属書I締約国の報告及びそのレビュー:報告書(2020年度及び2021年度)及び専門家諮問グループ(CGE)への委託事項:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2021/L.9)を採択した。SBI 議長のKarlsenは、締約国はCGEへの委託事項のレビュー及び改定の審議で結論を出すことができなかったと指摘、SBIは、この項目に対する共同進行役作成の文書を考慮した上で、この問題をCOP議長職に送ることで合意した。

資金援助及び技術支援の提供:Karlsen議長は、この小項目の協議からは結論書が出ていないと報告した。この問題は、SBI 56の暫定議題書に記載される予定。

共通時間枠:SBIは、結論書s (FCCC/SBI/2021/L.3)を採択した。この結論書において、SBIは、特にこの作業の成果をCMA 3での審議に向け送ることで合意する。

長期世界目標の第2回定期レビュー及びその達成に向けた全体的な進捗状況:SBIは、結論書(FCCC/SB/2021/L3)を採択した。

農業に関するコロニビア共同作業:SBIは、結論書(FCCC/SB/2021/L.1)を採択した。

適応委員会報告書 (2019年度、2020年度、2021年度)SBIは、結論書(FCCC/SB/2021/L.2)を採択した。この結論書において、SBIは、これらの問題の審議をCOP 26及びCMA 3に送ることで合意する。

WIMSBIは、結論書(FCCC/SB/2021/L.6)を採択し、COPまたはCMAの議長職の協議成果を条件に、決定書草案を適切な統治組織の審議に向け推奨することで合意した。

LDCsに関係する問題:SBIは、結論書を採択し、決定書草案をCOPに推奨することで合意した。(FCCC/SBI/2021/L.12 and Add.1)

NAPsSBIは、結論書を採択し、決定書草案をCOPに推奨することで合意した。(FCCC/SBI/2021/L.11 and Add.1)

技術の開発及び移転、並びに技術メカニズムの実施:TEC及びCTCNの合同年次報告書:SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2021/L.4 and L.5)を採択した、これにはCOP及びCMAそれぞれの決定書草案が含まれた。CTCNのレビューに関わるプロセスと定期的レビューンに関わるプロセスの調整:SBIは、CMAの審議用の決定書草案を含める結論書(FCCC/SBI/2021/L.2)を採択した。

技術メカニズムと資金メカニズムのリンケージ:SBIは結論書(FCCC/SBI/2021/L.10)を採択した。

適応基金に関係する問題:適応基金理事会のメンバーシップ:Karlsen議長は、同議長は関心ある締約国と協議したとし、今後の進め方に関する合意がなかったことから、議長職に報告する予定であると連絡した。

適応基金の第4回レビュー:非公式協議の共同進行役は、Ali Waqas Malik (パキスタン)が務めた。Waqas Malik共同進行役は、非公式な非公式協議に基づき作成された文書草案を提示し、CMA 4に対しレビューの成果の考察を招請するパラグラフの追加などを指摘した。参加者は、CMP決定書草案及びこれに付されたレビューの委託条件を、パラグラフごとに審議した。

この決定書で、参加者は、決定書1/CMP.14に留意することで合意した、これは特にパリ協定締約国には適応基金のメンバーとなる資格があることを保証する。レビューの範囲に関し、参加者は、適格な開発途上締約国への支援に対する言及から、「適格な(eligible)」という単語を削除することで合意した。

これらの変更を踏まえ、参加者は、この結論書草案をSBI閉会プレナリーでの採択にむけ送致することで合意した。

閉会プレナリーにおいて、SBIは、結論書(FCCC/SBI/2021/L.19)を採択した、これにはCMPの審議にかける決定書草案が含まれる。

条約の下でのキャパシティビルディングに関係する問題:SBIは、COPの審議用の決定書草案を含める結論書(FCCC/SBI/2021/L.6)を採択した。

京都議定書の下でのキャパシティビルディング:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2021/L.7 and L.8)を採択した、この両方の結論書にはCMPでの審議用の決定書草案が含まれる。

キャパシティビルディングのパリ委員会に関する技術的進捗状況の年次報告書:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2021/L.4 and L.5)を採択した、これにはCMA及びCOPそれぞれの審議にかける決定書草案が含まれる。

対応措置:Karlsen議長は、締約国に対し、合意に達しなかったと通知、このため、同議長は、このことを議長職に報告する予定である。

ジェンダー:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2021/L.13)を採択した。

気候エンパワーメント行動(ACE):条約第6条のドーハ作業プログラムのレビュー:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2021/L.18)を採択した、これにはCOP及びCMAのための決定書草案が含まれる。

メキシコは、EIGの立場で発言し、EU、アルゼンチン、コスタリカ、及び他の9名の支持を得て、ACEに関する10年間のグラスゴー作業プログラムから、人権や先住民の権利、ジェンダーへの対応性、世代間の平等への言及が削除されているとして、深い懸念を表明し、これは極めて少数の締約国が参加する深夜の会合から出てきたもので、オブザーバーの支援は認められなかったと指摘した。同代表は、締約国に対し、人権やジェンダーへの対応、世代間の平等の尊重を保証するため、行動計画の策定に、全面的に参加するよう求めた。

EUは、強い圧力の下、締約国がこれらの言及の決定書への挿入を許されなかったのは遺憾であると表明し、次の会合におけるさらなる議論を探求した。ベネズエラは、他の懸念に応え、「ユニラテラルで、強引な措置(unilateral coercive measures)」は人権、特に脆弱なグループによる人権の全面的な享受に悪い影響を与え、これらの人々の気候変動と戦う能力にも影響すると強調した。

政府間会合のアレンジ:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2021/L.17)を採択した。

事務管理上、資金上、制度上の問題:20182019年及び202020212カ年度の予算実績;監査報告書及び財務諸表;他の資金上及び予算上の問題:SBIは、これらの議題小項目をまとめて審議し、結論書(FCCC/SBI/2021/L.15 and L.16)を採択した、これにはCOP及びCMPそれぞれの決定書草案が含まれる。

2022-2023年の2か年プログラム予算:スイスは、EIGの立場で発言し、決定書草案の最後ぎりぎりになっての変更に失望感を表明し、これは非公開で参加性のないプロセスだと述べた。同代表は、締約国がグラスゴーで確固とした成果を挙げようとするなら、参加性の高い議論が必要だと強調した。バングラデシュは、G-77/中国の立場で発言し、同様の失望感を表明、自分が同意したのは妥協するためだったと述べ、今後は全ての締約国の懸念を反映させるよう求めた。

Karlsen議長は、最後のコンタクトグループ会議の終了時に、このグループの共同議長であるKishan Kumarsingh (トリニダードトバゴ)が締約国に対し、作業成果をSBI議長に報告すると通知したことを指摘した。Karlsen議長は、自身の橋渡し提案を読み上げた、この提案は決定書草案のパラグラフ2に記載されており、事務局に対し、統治組織が構成組織に与えた当該組織のマンデートを支援し、さらには透明性及び適応に関係する活動を支援するため、適切な資源の分配を探求するよう要請するとともに、全ての新しいマンデートを含め、確定した予算手法論の適用継続を要請するものである。

SBIは、結論書(FCCC/SBI/2021/L.14)を採択した、これにはCOPの審議にかける決定書草案(Add.1)及びCMPの審議にかける決定書草案(Add.2 and Add.3)という3つの付録書が含まれる。

閉会ステートメント:一部のグループは、11月8日月曜日のストックテイク・プレナリーで、自分たちのステートメントを発表すると通告した。

トルコは、「附属書Iへの日常的な言及(constant references to Annex I)」を嘆き、自国はパリで合意した表現のみを受け入れると述べた。

ブータンは、LDCsの立場で発言し、LDC専門家グループのマンデート延長、サンチャゴネットワークのガイドライン、及び適応基金のレビューに関する努力を歓迎したが、NAPsにおける進捗状況は不適切であったと述べた。同代表は、損失損害に対する中長期の資金拠出が依然として無視されていることへの懸念を表明した。

スイスは、EIGの立場で発言し、締約国に対し、第1週で達成した作業に感謝したが、適応及び損失損害ではより多くのことができたはずだと述べ、ACE決定書の要素に関する同代表の失望感を再度述べた。同代表は、締約国がポジティブな精神で第2週に移れることを希望すると表明した。

アンティグア・バーブーダは、AOSISの立場で発言し、定期レビューに関し、実質的な結論書の欠如に対する失望感を表明し、「会議室は何か人質にとられたようだった(the room was held somewhat hostage)」とし、科学及びレビューの重要性を強調、IPCCの傑出した仕事に感謝した。

バングラデシュは、G-77/中国の立場で発言し、締約国は会議が行われている特殊な状況にも拘らず、休むことなく作業したと述べる一方で、交渉のダイナミクスはもっと参加性の高いものにできたのではないかと示唆した。同代表は、多くの項目で結論が出なかったと嘆き、パリ協定と合致する高い野心を求めた。

BUSINESS AND INDUSTRY NGOsは「気候変動は全てのものの問題だ(climate change is everyone’s business)」と発言し、米ドル150兆の資産を管理する450社のコミットメントは「資源がそこにある(resources are there)」というメッセージを発したが、これらを効果的に実施するためのルールやメカニズムが見られないと強調した。

気候行動ネットワークは、必要ベースの損失損害資金の提供、及びこれをポスト2025年資金目標に入れることを求めた。同代表は、オブザーバーが直面したアクセス面の制約を嘆き、締約国に対し、人権を、残りの交渉の取引材料として扱わないよう求めた。

GLOBAL CAMPAIGN TO DEMAND CLIMATE JUSTICEは、今日、15万人が町の通りを行進していると述べ、適応及び損失損害の交渉に適切な時間を当てるよう求め、適応の世界目標は不可欠である、これは南の世界の各国には適応するしか選択肢がないからであると述べた。

WOMEN and GENDERは、ドーハ作業プログラムのレビューはジェンダーベースのアプローチを促進する機会を逃したと述べ、地上の転換型行動にとり悪い前例となると述べた。

YOUTH NGOsは、ACEに関するグラスゴー作業プログラムに若者を入れたことを歓迎した、しかしそれでも不十分であると述べた。同代表は、意思決定のテーブルや実施すべき政策及び行動でも若者に席を与えるよう求め、若者の福利は特権ではなく、権利であると述べた。

SBIの閉会:締約国は、SBI 52-55の報告書草案 (FCCC/SBI/2021/L.1)を採択した。Karlsen議長は、11月7日午前0時7分、会議を閉会した。

廊下にて

市民活動家たちが世界行動の日(Global Day of Action)を記念して行った市民団体によるグラスゴー中の行進は、雨と晴れの両方の天気が伴うものとなった。このイベントの企画者は、25万人以上が参加したと推計した。他方、(COP会場の)Scottish Event Campusでは、交渉担当者たちが会議室でハドルをし、補助機関の下での作業を終了させ、重要問題を統治組織の下で進展させようとしていた、これらの重要問題には、資金、透明性、第6条が含まれた。資金の議論は、この日一日を通して続けられた。ある参加者は、この次の週は特に資金の(議論の)前線では極めて目まぐるしいものになるだろうと予言した。気候資金の新しい集団数量目標に関する文章は長文で、「基本的には願い事のリスト(essentially a wish list)」だと、別なものは述べた、この問題に関し、先進国と開発途上国がいかにかけ離れているかを示している。第6条に関し、交渉担当者らは、楽観的であるように見え、最終的には決定に至るだろうと確信しており、あるものは、2018年のカトヴィツェや2019年のマドリードの時よりも、今は、だれもが「技術的な核心(technical nitty gritty)」の全てにかなり慣れてきたと述べた。

多数のものは、第2週の閣僚級ガイダンスに刻まれた問題に思いを移した。日がたつにつれ、そのリストは明らかになってきた:資金、第6条、透明性問題、パリ協定の下でのNDCの共通時間枠、さらには適応の世界目標、そして対応措置である。再開されたプレナリーでこれら最後の数件の問題が届くのを待っていた疲れ顔の参加者は、最後の時間、「いつもこれらの問題だとわかっている。なんで待つのだ(we always knew it would be these issues. Why the wait?)」と不思議がっていた。

数名のものも、これからの1週間のダイナミクスに思いを馳せていた。透明性の交渉担当者は、まだ技術的な作業をする時間を確保するのに熱心で、文書を閣僚らに送ることは、いまだに躊躇していたようだ。第6条の交渉担当者も、技術モードの継続を熱望、終わり近くでは、閣僚らに切れ切れのオプションを提供していたようだ。一部のものは、議長職が指名した閣僚級の進行役は参加者間をシャトルし、1週間を通して有用であると証明するかもしれないと述べた。実際、ステージは今できている。補助機関は、可能な限りをやり遂げ、次の週は、新しい一団に託された:閣僚らには、困難な政治決定を行うことが求められる。

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