Daily report for 5 November 2021
Glasgow Climate Change Conference
補助機関の下での交渉最終日、焦点があてられたのは、可能な限り多くの問題をとりまとめること、さらに厄介な問題の文書ではこの会議の第2週にさらなる審議をすべく、明確なオプションを打ち出すことであった。
COP
資金関係の問題:パリ協定第9条5項(事前の資金透明性)に関係する情報の隔年報告書のとりまとめ及び統合、並びにこの報告書に関する会合期間内ワークショップのサマリー報告書:非公式協議の共同進行役を務めたCarlos Fuller (べリーズ)は、締約国に対し、決定書草案の要素に関する意見発表を招請した。ある締約国は、協議後に書面での提案を提出すると述べた。数か国は、これに反対し、COP決定書は短いものであるべきだとし、CMA決定書に「留意する(take note of)」すべきだと指摘した。意見が分かれていることから、共同進行役は、文書草案を作成するため、異なる意見を集める予定である。
CMA
資金関係の問題:新しい気候資金集団数量目標:協議は午前及び午後に開催され、共同進行役はZaheer Fakir (南アフリカ)及びOuti Honkatukia (フィンランド)が務めた。締約国は、多様なグループからの最初の提出文書の提示とそれに対する反応を示した。
2つの開発途上国グループは、次を含む提案を提示した:目標を設定し、多様なパラメターを決定する特別委員会、または特別作業部会というオプション、これには資源の利用可能性、収入の一部と動員資金、気候資金の定義、負担共有アレンジが含まれる;この作業のタイムライン、これは遅くとも2023年に完了する;目標に関する7500億米ドルから1兆3千億米ドルという範囲表示。あるグループは、動員される民間資金の定義を求めた。
別な開発途上国グループは、特に目標(goal)の量、質、アクセス、特性、及び標的(targets)をカバーする明確な経路及び審議を求めた。このグループは、ハイレベル閣僚級会議から情報を得るオープンエンドな特別作業部会とし、2023年までに作業を終了することを希望すると表明した。さらなる開発途上国グループは、次を求めた:開発途上国のニーズと優先度を目標の中心に据える;民間部門や学術界など、多角的な利害関係者からのインプットを検討する;2024年までに終了する。
もう一つの開発途上国グループは、次のものなどに力点を置く提出文書を提示した:CMA 3 (2021年)でのロードマップの合意、及びCMA 4 (2022年)でのインプット情報源に関する合意により、CMA 5 (2023年)において「量的及び質的な作業(quantitative and qualitative work)」を最終決定し、CMA 6 (2024年)で目標を採択する;緩和、適応、損失損害への支援に関する細分化された情報を提供する。他の開発途上国グループは、指針となる質問を提案、これには次が含まれる:多国間プロセスの支援(規模)の「何十億から数兆(the billions to the trillions)」への移動を確保;正当な移行に資金を振り向ける;リカバリーを支援;パリ協定第9条5項の運用開始;多国間開発銀行の投資をパリ協定の目標に合わせる。
多数の国は、委員会または部会に対する懸念を表明、一部の先進国は、既に議題として特定されたものの審議の構成やステージの「過剰な性能(over-engineering)」に警告した。
先進国及びあるグループは、特に次に注目した:1千億米ドルの目標の教訓から学ぶ;開発途上国のニーズを反映させる;新しい目標は気候変動の脅威に対する世界の対応を強化すべき;ワークショップ、閣僚ラウンドテーブル、サマリー報告書;CMAの下での作業;たとえば議長や共同議長のリフレクションノートなどで進捗状況を捕捉する;政治的なストックテイクとするか、独立チャンピオンか閣僚級共同進行役の指名;2024年での審議終了。
締約国は、文書草案の作成を共同進行役に委任することで合意した。非公式協議が続けられる予定。
パリ協定第9条5項に関係する情報の隔年報告書のとりまとめと統合、及びこれに関する会合期間内ワークショップのサマリー報告書:非公式協議の共同進行役を務めたGeorg Børsting (ノルウェー)は、締約国に対し、決定書草案へのインプットとなる追加の意見発表を招請した。あるグループは、少数の国及びグループの支持を得て、将来の隔年報告書には特に次の項目に関する追加情報を含めることを提案した:緩和と適応の資金をバランスさせる努力;資金拠出に用いられる制度及びチャンネル;資金提案の評価基準。このグループは、決定書草案はサマリー報告書を「歓迎(welcome)」すべきでない、しかし以前の提出文書、特に開発途上国の資金ニーズに関する提出文書から「学んだ教訓(lessons learned)」を指摘すべきだと強調した。
少数の先進国は、決定書草案は隔年報告書の情報のいかなるタイプも示唆すべきでないと指摘した。これら先進国は、他の締約国に対し、隔年報告書提出のため、気候資金を拠出するよう奨励した。共同進行役は、さらなる交渉のたたき台として決定書草案を作成する予定。
SBSTA
パリ協定に関係する手法論問題:拠出され動員された支援、必要とされ受け取った支援に関する共通の表フォーマット(CTFs):非公式協議の共同進行役はSeyni Nafo (マリ)が務めた。非公式に会合していた一部の締約国は、その議論に関し報告し、報告する締約国が基礎とした想定条件、手法論、定義にリンクを貼るセル(の設置)などを提案した。
少数の先進国は、損失損害に関するコラムの追加に異議を唱える場合、あるいはパリ協定の長期目標に合わせることなどのパラメターを挿入する場合、モダリティ、手順、ガイドライン(MPGs)に何を反映させるかに議論の焦点を当てるよう求めた。
少数の開発途上国グループは、後戻りなしの原則を強調し、拠出された支援及び報告作成の両方において、進捗状況を10年単位の観点で提供するよう求めた。ある開発途上国グループは、空欄の論理的根拠を説明するため、ノーテーション・キーを使うよう求め、これらは手法論のギャップに対する識見を示すことができると指摘した。
グラント相当額の報告は自主的に行われるとする脚注の追加では、一般的な意見集約が見られた。共同進行役は、SBSTA議長のノートに記載するべく、新しいバージョンを作成する予定。
第6条:午前中、代表団の長たちは会合し、改定文書の考察を行った。午後、非公式協議が開催され、共同進行役は、Mandy Rambharos (南アフリカ)、Hugh Sealy (バルバドス)、Peer Stiansen (ノルウェー)、Kim Solberg (オランダ)が務めた。締約国は、非公式な非公式協議の結果を報告し、第6条8項 (非市場アプローチ)の下での作業プログラム活動の統合に関する議論、焦点分野のリストに関する議論では一定の進展があったと述べた。締約国は、ベースライン手法論に関係する2つのオプションの統合方法では意見の一致がなかったと報告した。あるグループ及びある締約国は、オプション統合のための明確な提案に向け、ともに努力するよう求めた。
共同進行役は、3つ全ての小項目に関する結論書草案の改訂版を提示し、主要な文章の変更の理論的な根拠を説明した。
4つのグループは、以前のバージョンから削除されたオプションを戻す、括弧を外された表現を括弧でくくる、他の文章の括弧を外すなど、多数の提案を行った。第6条2項 (ITMOs)に関する提案は、特に次に関係した:収入の一部;政策措置で構成されるNDCs;相応の調整(corresponding adjustments)の単独の手法に関係するレビューを、2030年ではなく、2022年に終了する;パリ協定の長期目標への言及;事務局は、締約国の提出文書でテクニカルワークショップの開催を計画するのではなく、インフラストラクチャーに関係する推奨案を作成する。
第6条4項 (メカニズム)に関する提案は特に次に関係した:収入の一部;人為的な除去の強化;人権及び先住民の権利に関する表現を、パリ協定の序文の文章と合致させる;「利用可能な最善の技術(best available technologies)」の定義づけ;より厳格なベースライン及びクレジット期間の短縮;強制的な取り消し;認証排出削減量の移行。
第6条8項に関し、あるグループは、金融政策措置、研究及び開発に関する注目分野の追加を提案した。
非公式協議は夜まで続いた。
科学及びレビューに関係する問題:非公式協議の共同進行役はLadislaus Chang’a (タンザニア)が務め、締約国は、2020年及び2021年の地球情報の日に関する文章を議論した非公式な非公式協議の結果を報告した。締約国は、多少の議論の後、文章をパラグラフごとに議論することで合意した。
2つの締約国は、作業部会II及びIIIの作業を含め、第6次評価報告書に関するIPCCの作業継続に対する感謝表明を削除するよう求めた。妥協案で合意され、作業部会に言及することなく、AR6に関するIPCCの作業継続に感謝を表明するとの記述となった。
研究ダイアログ及び地球情報の日に対する感謝表明の方法及びその対象については、最終的に意見の一致に達した。
あるグループは、将来の義務化イベントにおいては広範な若者代表が重要であると指摘するパラグラフに、 若者の参加を追加するよう求めた。ある締約国は、労働組合の追加を提案し、別なものは、このパラグラフ全体の削除を求めた。締約国は、このパラグラフを現状のままとし、追加はしないことで合意した。非公式協議が続いた。
グローバルストックテイク(GST)へのインプットの情報源:非公式協議で共同進行役を務めたJuliana Arciniegas (コロンビア)は、結論書草案を提起し、締約国はこれを歓迎した。
議論の焦点は、GSTの技術評価の前に統合報告書を作成するべく、パリ協定そして/または条約の構成組織やフォーラム、そして他の制度アレンジに対し発する招請状の表現であった。この招請は、決定書19/CMA.1 (グローバルストックテイク)に基づくものだが、締約国は、この決定書が採択された後に設立された組織に招請を出す方法では合意しなかった。そのような組織は決定書19/CMA.1の範囲内と認めることとし、脚注において対応措置の実施の影響に関するカトヴィツェ専門家委員会に言及することで合意に達した。
締約国は、決定書19/CMA.1 (GSTに対するインプットの情報源)の36項及び37項に記載するインプットのリストの補足に関し、意見を交換した。開発途上国は、そのようなインプットに加えて、さらなる情報源及び情報のタイプもGSTの基礎の役割を果たすこととするよう提案した。締約国は、この提案に合意し、GSTの成果達成の観点ではなく、むしろ技術評価に情報を提供するという観点で、さらなるインプットを行うことで合意した。
共同進行役は、SBSTA議長と協議し、文書の新しいバージョンを作成し、次のステップについて締約国に通知する予定。
ナイロビ作業プログラム:非公式協議では、共同進行役のAlessandra Sgobbi (イタリア)は、改定された結論書草案に対する締約国のコメントを聴いた。次に関し議論した:パリ協定の表現にならい「世代間の公平性(intergenerational equity)」を用いるか、それとも条約の表現にならい「現在及び将来の世代のため、気候系を保護する(protecting the climate system for present and future generations)」 を用いるか;「行動(actions)」で「対応措置(response measures)」を置き換えることは可能かどうか;どの条項で、「LDCs及びSIDSを含める開発途上国(developing countries, including the LDCs and SIDS)」と特定すべきか;ナイロビ作業プログラムのストックテイクでの指針となる質問の中で、「資金、技術、キャパシティビルディング(finance, technology and capacity building)」と特定すべきかどうか。
結論書草案では合意に達しなかったことから、共同進行役のSgobbiは、締約国に対し、共同進行役は改定された草案を回覧する予定だが、さらなる議論をする時間はないことから、今後の進め方に関しSBSTA議長のガイダンスを求めるよう助言した。
SBI
技術の開発及び移転、及び技術メカニズムの実施:技術メカニズムと資金メカニズムのリンケージ:非公式協議において、共同進行役のElfriede-Anna More (オーストリア)は、共同進行役作成の文書を提起した、この文書にはSBI議長が提案する結論書草案、及びCOP決定書草案が含まれる。
多数の開発途上国及びグループは、この文書を支持し、一部のものは、多少の変更を提案した。少数の先進国は、それぞれ不満足であると表明、緑の気候基金(GCF)及び地球環境ファシリティ(GEF)に対するガイダンスの提供はこの議題項目のマンデートを超えていると強調した。多数の開発途上国は同意せず、GEF及びGCFがそれぞれの技術メカニズムとのリンケージについてガイダンスを求めていると指摘し、そのようなガイダンスは過去にも行われてきたと指摘した。
共同進行役のMoreは、これらのパラグラフを文書から削除するよう提案、2つの開発途上国は反対し、まだ実質的な議論がされていないと指摘した。ある先進国は、SBIの合意なしに文書をCOPに送ることはないと指摘した。共同進行役は、SBI議長と協議する予定。
適応基金に関係する問題:適応基金の第4回レビュー:非公式協議では、Ali Waqas Malik (パキスタン)及びClaudia Keller (ドイツ)が共同進行役を務め、レビューの委任条件を付した附属書を含める改訂版の決定書草案を審議し、大半の調整事項は技術的なものか、些少なものであると指摘した。
ある開発途上国グループは、別な開発途上国グループの支持を得て、CMAへの言及に関する橋渡し提案をした、この中には、決定書1/CMP.3 (適応基金のレビューを行う決定)のパラグラフ33項への言及、新しいCMA決定書への言及削除、さらにはCMAに対し、CMPレビュー成果の審議を招請するパラグラフの挿入が含まれる。このグループは、ある締約国が、このことはCMPによるレビュー終了前に、CMAがレビューを議論できることを意味するかどうかを尋ねたのに応え、CMAは、レビュー後に望むなら行動をとることができると明言した。
多数の締約国及びグループは、この文書を原則として歓迎する一方、これをレビューする時間を要求、さらにこの項目と第6条とのリンケージから、第6条で作業中の交渉担当者と協議する時間を要求した。
あるグループは、レビューの範囲に適応基金の「ガバナンス(governance)」を再度入れるよう要求した。ある締約国は、自国の提案が文書に入れられていないとして失望感を表明したが、この議論に参加する用意があることも表明した。
締約国は、共同進行役がこのグループの提案を文書に組み入れること、合意を得るべく非公式に会合することで合意した。
国別適応計画(NAPs):Jens Fugl (デンマーク)は非公式協議の共同進行役を務めた。「NAPsを策定し実施するプロセスに関係するギャップ及びニーズ(gaps and needs related to the process to formulate and implement NAPs)」のセクションに関し、締約国は、次回のSBI会合で審議を継続する手順上の結論書に、これまでの進捗状況を記載する附属書を付けることで合意した、
「NAPsを策定し、実施するプロセスでの進捗状況の評価(assessment of progress in the process to formulate and implement NAPs)」のセクションに関し、締約国は、次に関する2つの文書提出の招請について議論した:NAPプロセスの目的達成に向けた進捗状況; NAPsを策定し、実施するプロセスの進捗状況。さらに文書提出のタイムラインについても議論した。
共同進行役は、聴取した意見を捕捉する結論書草案の改訂版を作成する予定。
LDCs関係の問題:非公式協議で、締約国は、LDC専門家グループ(LEG)のマンデート延長に関する決定書草案及び結論書草案で合意した。
事務管理上、資金上、制度上の問題:Kishan Kumarsingh (トリニダードトバゴ)が共同議長を務めた午前中のコンタクトグループで、締約国は、全ての小項目における決定書草案文書での合意を探った。共同議長のKumarsinghは、2022-2023年の2か年プログラム予算に関するCOP決定書草案で、11月4日木曜日に提案された新しいパラグラフ、特に事務局に対し、基幹資源の分配では構成組織を優先するよう求めるパラグラフに注意を求めた。
G-77/中国の立場で発言したバングラデシュ、AOSISの立場で発言したべリーズ、アフリカングループの立場で発言した南アフリカ、アラブグループの立場で発言したサウジアラビアは、このパラグラフを支持し、AOSISは、これは既に実施されてきた方法を確認すると発言した。
EIGの立場で発言したスイス、EU、米国は、このパラグラフの追加に反対し、6月のSBI会合で全ての小項目に関する共通の理解に達したことを指摘した。米国は、年次予算実績報告の作成に「同意する(agreeing)」パラグラフの編集を提案した、さらに事務局の活動の他の分野にどう影響するかを評価する時間がないことから、このような実質的なメッセージを提起するのは遅すぎたと強調した。EUは、COPsで審議される「決定書に予断を加えないというのが、この会議の原則(principle of this room not to prejudge decisions)」であると強調した。
共同議長のKumarsinghは、以前のCOP決定書からの妥協的表現を提案した。G-77/中国及びアフリカングループは、このパラグラフを括弧書きとし、SBI閉会プレナリーに送るよう提案したが、EUと米国は反対し、11月2日に提示されたとおりの文書草案を送るよう求めた。コンタクトグループは、解決策を探るため、夜遅くに再度会合した。
SBSTA/SBI
技術の開発及び移転、並びに技術メカニズムの実施:技術執行委員会(TEC)及び気候技術センター・ネットワーク(CTCN)の合同年次報告書:Stella Gama (マラウィ)が共同進行役を務めた。ある締約国は、非公式な非公式会議で作成されたCOP及びCMAの決定書草案改訂版を提示した、これには数か所の括弧書きが含まれた。
少数の国は、新しい文書に対する全般的な支持を示したが、若干の変更を提案した。その後、締約国は、この文書草案のパラグラフごとの審議をしたが、結論を出すことはできなかった。共同進行役は、今後の進め方に関し、SB議長らと協議する予定。
適応委員会の報告及び適応の世界目標(GGA)の作業:Le-Anne Roper (ジャマイカ)及びPaul Watkinson (フランス)が非公式協議の共同進行役を務めた。参加者は、最初に報告の審議をするか、それともGGAの審議をするかを議論し、一部の先進国は、報告書では合意が見えていると指摘し、開発途上国は、GGAでの進捗を促した。
GGAに関するCMA決定書草案に関し、開発途上国グループが提案した文章をどのように審議するかでも議論が行われ、多数の締約国は、この提案をレビューする時間を求めた。少数のものは、共同進行役の非公式ノートとこの代案の両方を共に審議するよう求めた。ハドルの議論の後、締約国は、GGAの作業プログラムのタイムライン及びモダリティに関する文章案を提示した。非公式な非公式協議で議論が続いた。
ワルシャワ国際メカニズムの執行委員会報告書:非公式協議の共同進行役はKishan Kumarsingh (トリニダードトバゴ)が務めた。参加者は、一部の締約国はサンチャゴネットワークの機能について、実のある議論をしていると簡単に指摘した。非公式な非公式会議で、夜中まで議論が続いた。
長期世界目標の第2回定期レビュー:非公式協議で、共同進行役のFrank McGovern (アイルランド)及びUna May Gordon (ジャマイカ)は、改訂版で2つの提出文書を受け取り、検討したが、3件目の提出文書は誤って「フィルターで弾かれた(filtered out)」と説明した。あるグループは、パラグラフごとの議論の前に、自分たちの意見が反映されているかを質問した。一部の締約国は、表現の提案をしたが、合意には至らなかった。共同議長は、会議を閉会し、この成果をSB議長らに報告すると述べた。
廊下にて
「忘れるな、11月5日を覚えておけ(Remember, remember the fifth of November)」―ガイ・フォークスが国王暗殺を企てた「火薬陰謀事件(gunpowder plot)」を記念する英国の祝日―ガイ・フォークスの日の会議には、どうやら花火がつきもののようだ。この日は、比較的静穏に始まった。代表団の長による第6条に関する会議は、全体として文書に対する安ど感を示していた。各国は、翌週に戦うはずの問題や成果に旗を立てた。多くは既知のものである:適応に収入の一部を提供、京都の期間からのクレジットの繰り越し、非市場アプローチの管理、人権の保護などである。長いリストだ。文書は、既に先を見据えており、一部の問題での技術的な作業を終わらせるべく作業プログラムを作成している、たとえば各国のNDCsのカーボン・クレジットの売買の会計(または第6条のバブルの場合は、「相応の調整(corresponding adjustments)」である。
会場でも屋外の花火の音を聞くことができるころには、グラスゴーの中心で大規模なデモが行われ、多様な交渉の会場でも火花が散っていたようだ。SBSTA議長とSBI議長は、会場中で、適応や損失損害、農業、技術、その他の問題を議論する参加者たちに、合意を見出すよう激励していたようだ。ある参加者は、花火は「吉兆なのか、それとも凶兆なのか(a good omen or a bad omen)」を問い、吉兆、すなわち「文書で前へ進める意味(meaning we can move forward with the text)」であってほしいと希望した。これが合図であったかのように、第6条へのパラグラフ再挿入の要求が飛び出し、適応や損失損害、及び他の重要問題の交渉担当者は、夜遅くまで、だんだんと燃える議論になると予想していた。