Daily report for 15 November 2017
Fiji / Bonn Climate Change Conference - November 2017
フィジー/ボン気候変動会議は、水曜日も続けられた。COP、CMPの下では、コンタクトグループ及び非公式協議が一日を通し招集された。午前中、SBI及びSBSTAの閉会プレナリーが再開された。午前中と夕方、APA閉会プレナリーが開催された。午後には、合同のハイレベル・セグメントが開会した。
COP/CMP/CMAハイレベル・セグメント
COP 23議長のFrank Bainimarama(フィジー)は、ハイレベル・セグメントを開会した。
フィジーのTomasi Naulusalaは、気候変動の脅威は現実のものになっており、「一夜にして成長している(growing overnight)」と強調し、参加者に対し「地球を失った生命に向き合う用意はできているか?(Are you ready to face life without earth?)」と問うた。
COP 23議長のBainimaramaは、COP 23で成果を出すことに焦点を当て続けるよう、締約国に懇願し、プレ2020年の約束及び行動の実施の加速化、並びにプレ2020年の野心の引き上げに関するCOP議題項目の提案で、合意に達したと報告した。
国連事務総長のAntónio Guterresは、SIDSは気候変動の最前線にあり、彼らこそ「我々全てのものの声(voice of us all)」であるべきだと強調した。同事務総長は、大規模なインフラ・プロジェクトに関し、「プロジェクトがグリーンな(環境に優しい)ものでなければ、その進行に青信号を出すべきでない(if they are not green they should not be given the green light)」と述べ、資金供与国に対し、GCFに完全な機能性を付与するよう促した。
ドイツのFrank-Walter Steinmeier大統領は、気候変動の現実は劇的で喫緊のものであると述べた。同大統領は、パリ協定には実行が伴わなければならず、平和で持続可能な将来には、多国間の体制が不可欠であると指摘した。
国連総会議長のMiroslav Lajčákは、気候変動の負の影響について説明し、気候変動との戦いに必要なツールは既にあると指摘した。同議長は、気候の影響で被害を受ける人々はこの席にいないが、締約国は彼らに対し責任を負うべきだと論じた。
COP
資金関係問題:資金メカニズムの第6回レビュー:共同進行役のZaheer Fakir (南アフリカ)は、非公式協議を開会し、今回は最終コンタクトグループ会合の前の最後の会合であると指摘し、2つの開発途上国グループに対し、約束していた文章案を提出するよう求めた。あるグループは、グループ内での意見の食い違いのため、文章案は提出しないと指摘した。別なグループは、文案についてまだ作業中であると指摘した。
Fakir共同進行役は、時間がないと指摘し、締約国に対し、締約国のインプットに基づき共同進行役が作成した結論書草案を審議するよう求めた、この結論書草案には、資金メカニズムの運用組織に対し補足性及び一貫性の強化を続けるよう要請するSCFの提案書 (FCCC/CP/2017/9, 附属書II)を映したパラグラフが含まれる、さらに共同進行役は、締約国に対し、資金メカニズムの第7回レビューをCOP 26で開始すると決定することも求めた。
締約国は、文書草案の審議の前に、次の点を論じた:SCF報告書の他の提案を取り入れるかどうか;更新された第6回レビュー・ガイドラインを次回のレビューにどのように取り入れるか;意見の一致がなかったと指摘し、共同進行役に対し、このことをCOP 23議長に報告して、今後の進め方を検討してもらうかどうか。2つの国が、このレビューの終了の1年延長を提案したが、他のものは、反対した。
その後、締約国は、共同進行役の提案した結論書草案を審議し、これをコンタクトグループ会合に送ることで合意した。
APAプレナリー
APA共同議長のSarah Baashan (サウジアラビア)は、締約国に対し、議題項目3-8に関する結論書草案 (FCCC/APA/2017/L.4及びAdd.1)の審議を求めた。同共同議長は、次のように述べた:協定9.5条 (事前資金透明性)のモダリティの議論に関するアフリカングループの提案については意見が一致しておらず、このため共同議長はCOPへの口頭での報告の際にこの提案にも言及し、COPの書面での報告にも含めるよう要請する;共同議長は、COPへの報告の際、2018年に会合を追加する必要があるかどうかでは意見が分かれたことも伝える。
南アフリカはアフリカングループの立場で発言し、COP議長は9.5条に関し全締約国と協議を行うと約束していたことを強調し、全ての協議が終了するまで、プレナリーを中断するよう要請した。
Baashan共同議長は、SBI 46報告書(FCCC/SBI/2017/7)のパラグラフ106で、SBIは、SBSTA、SBI、APAに対し、それぞれの文書草案の採択に向け、国連の公用語6か国語に翻訳するため、11月15日水曜日の正午までに作業を終了させるよう要請していたことを想起した。同共同議長は、結論書草案に対し会場の参加者からのステートメントを求めた。
南アフリカは、結論書の採択には満場の意見が一致する必要があると強調し、アフリカングループの留保を考えると、意見の一致はなかったことになると述べた。同代表は、議長の協議の成果を待って、プレナリーを中断するようにとの同代表の要請を繰り返し述べた。Baashan共同議長は、アフリカングループの留保を指摘、ステートメントは解決策を示す可能性があると述べた。
アフリカングループは、中身の議論の前に手順を議論するよう求めた。エクアドルはG-77/中国の立場で発言し、結論書の採択には満場の意見の一致が必要であると指摘、この問題は協議をするだけの価値があると述べた。イランはLMDCsの立場で発言し、会議の中断を支持した。
オーストラリアはアンブレラ・グループの立場で発言し、EU及び日本の支持を得て、会議の中断に反対した。
その後、Baashan共同議長は、この問題について協議するため会議の中断を提案し、締約国も同意した。
夕方、Baashan共同議長は、プレナリーを再開し、締約国に対し、アフリカングループの提案を議論する非公式協議での進捗状況について、最新情報を示すよう要請した。
アフリカングループは、G-77/中国の間の非公式協議では2つのオプションが提起されたが、他の締約国の参加を得るだけの時間がなかったと報告した。同代表は、協議を継続し、APAの作業の結論を出す方法について、提案があれば歓迎すると述べた。
G-77/中国は、APA結論書草案は現状維持されるべきだとし、「脇に置く(putting them aside)」ことを提案した。同代表は、アフリカングループの提案を、どこでどのように議論するか協議することを提案した。
Baashan共同議長は、議事進行手順を見出すため、COP 23議長が協議を続けると述べた。同共同議長は、協議続行を可能にすべく、プレナリーを中断、APAはこの週の後半に再開する予定と述べた。
SBIプレナリー
SBI議長のTomasz Chruszczow (ポーランド)は、閉会プレナリーを再開した。
ウクライナは、米国及びオーストラリアの支持を得て、附属書I締約国の国別GHGインベントリ・データの報告に関するSBIの前回の協議で、同代表の言う「不法に付け足された(illegally annexed)」分野からのデータを2か国が報告するという二重計上を指摘したが、無視されていると述べた。
組織上の問題:議長以外の役員選出:Chruszczow議長は、Naser Moghaddasi (イラン)がアジア大西洋地域の副議長を務め、Tuğba İçmeli (トルコ)が報告官を務めることになると報告した。
WIM:SBIは、COP決定書草案を含める結論書(FCCC/SB/2017/L.5)を採択した。
LDCS関係問題:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2017/L.36)を採択した。東チモールは、モーリタニアの支持を得て、LDCFの資金不足を強調し、このため、NAPAの実施提案が資金を受けられない状態になると述べた。
NAPS:SBIは、結論書(FCCC/SBI/2017/L.35)を採択した。
適応委員会の報告:SBIは、結論書(FCCC/SB/2017/L.6)を採択した。
技術開発及び移転:TEC/CTCN合同年次報告書:Chruszczow議長は、締約国は協議の中で、残された括弧書きを外すことで合意したと報告し、SBIは、結論書及びCOP決定書草案(FCCC/SB/2017/L.4)を採択した。
採択後、サウジアラビアは、この結論書及び決定書草案の採択には同意できないと述べ、資金源の重要性を強調した。Chruszczow議長は、採択の前に異議を唱えた国はなかったと発言し、この問題を再度討議する手順はないと述べた。サウジアラビアは、プロセスの透明性への懸念も表明した。
資金関係問題:SCFの機能のレビュー:Chruszczow議長は、合意に至らなかったと発言し、COP 23議長がこの問題に時間を割く意思を表明したと述べた。
対応措置実施の影響:フォーラム及び作業計画の改善:SBIは、事務局に対しIGOsや他のものと協力するよう求めるとの記述を削除すると、口頭で改定し、結論書(FCCC/SB/2017/L.7)を採択した。
フォーラムのパリ協定の下でのモダリティ、作業計画及び機能:SBIは、結論書(FCCC/SB/2017/L.8)を採択した。
事務管理上、資金上、制度上の問題:全ての小項目に関し、Chruszczow議長は、予算編成プロセスの効率及び透明性を高める方法に関するワークショップについて報告した、この報告には、基本予算への資金供与が事務局の一部の活動遂行能力に影響を及ぼす可能性があることについて、締約国の認識を高める方法に関する提案も含まれた。
SBIは、結論書 (FCCC/SBI/2017/L.34)、COP決定書草案(FCCC/SBI/2017/L.34/Add.1)、及びCMP決定書草案(FCCC/SBI/2017/L.34/Add.2)を採択した。
会合の閉会及び会合報告書:UNFCCC事務局のHalldór Thorgeirssonは、本会合で採択された結論書の予算への影響について説明した。
Tuğba İçmeli (トルコ)は、報告書草案(FCCC/SBI/2017/L.19)を提出、SBIはこれを採択した。
ロシアは、SBIのプロセスが偏向しないことを求め、自国の考えをSBI報告書に入れるよう求めた。
SBI議長のChruszczowは、この会合を取りまとめ、性別問題での歴史的な展開に注目し、このプロセスにおけるオブザーバーの重要性を指摘した。会合は、午後12時45分に閉会した。
SBSTAプレナリー
SBSTA議長のCarlos Fuller (ベリーズ)は、会合を再開した。
組織上の問題:議長以外の役員の選出:議長のFullerは、SBSTA報告官の候補者指名はなかったと述べ、このためAdérito Manuel. Fernandes Santana (サントメ・プリンシペ)が後継者選出まで現職に留まると述べた。SBSTAはこの方式で決定した。
NWP:SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.25)を採択した。
WIM:SBSTAは、結論書及びCOP決定書草案(FCCC/SB/2017/L.5)を採択した。
技術の開発及び移転:TEC及びCTCNの合同年次報告書:SBSTAは、SBIプレナリーにおいて、性別に配慮するとの文章の括弧書きを外すと口頭で改定された通りの結論書及びCOP決定書草案を採択した。(FCCC/SB/2017/L.4)
対応措置実施の影響:フォーラム及び作業計画の改善:SBSTAは、SBIプレナリーで改定された通りの結論書(FCCC/SB/2017/L.7)を採択した。
フォーラムのパリ協定の下でのモダリティ、作業計画、機能:SBSTAは、結論書(FCCC/SB/2017/L.8)を採択した。
京都議定書2.3条に関係する問題:SBSTAは、SBSTA 48においても議論を続けることで合意した。
協定6条に関係する問題:6.2条(ITMOs):SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.26)を採択した。
6.4条(メカニズム):SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.27)を採択した。
6.8条(非市場手法):SBSTAは、結論書(FCCC/SBSTA/2017/L.28)を採択した。
地方自治体及び先住民のプラットフォーム:SBSTAは、結論書及びCOP決定書草案 (FCCC/SBSTA/2017/L.29)を採択した。
気候変動に関する先住民フォーラムは、このプラットフォームの全面運用を推進するため、自主的に資金援助をするよう要請した。EU、コスタリカ、オーストラリア、カナダ、ブラジルは、プラットフォームの運用開始を歓迎し、EUは、推進作業部会の設立を検討する用意があると指摘し、コスタリカは、第1回の多角的利害関係者ワークショップでは代表のバランスをとるよう求めた。
会合の閉会:UNFCCC事務局のThorgeirssonは、SBSTA 47で採択された結論書が予算に与える影響について、締約国に情報を提供した。
SBSTA報告官のFernandes Santanaは、SBSTA 47の報告書草案 (FCCC/SBSTA/2017/L.18)を提示し、SBSTAは、これを採択した。
Fuller議長は、SBSTA 47では農業に関するものと地方自治体と先住民プラットフォームに関するものという2つの画期的な決定書を提供したと指摘し、締約国及び事務局に感謝し、午後1時32分、会合を閉会した。
廊下にて
水曜日、政府間のBula Zone(ブラ・ゾーン)では参加者が忙しく行き交い、多数のものは、 この会場が「ようやくCOPらしくなった(finally had that COP feeling)」と気づかされた、二番目のバッジや赤いじゅうたんが閣僚を歓迎し、ドラマチックな炎が一部の交渉にまで入り込んできた。APAでは、午前中の閉会プレナリーで、アフリカングループが自分たちの提案が解決するまで会議を中断するよう求め、壁に突き当たった、アフリカングループの提案というのは、先進国の事前資金情報の通知モダリティを検討するプロセスの確立であった。数時間後も、満場の意見の一致は実現せず、APAは、短時間のプレナリーの後、再度中断された。
しかし、あるベテランが「APAのアパシー無関心の広がり(pervasive APAthy)」と称した雰囲気を打ち破ったのは、ハイレベル・セグメント開会でのフィジーの12歳、Tomasi Naulusala君の元気なスピーチであった、同君は、「だれがどうやってというのが問題なのではありません、個人としてあなたたちに何ができるかなのです(it’s not about how or who, but it’s about what you can do as an individual)」ということを想起した。一部のものは、残された2日間に目をやり、参加者はCOP、CMP、APAの下での問題を個人や集団の努力で、どうやって解決するかを考え始めるのではないかとの思いにかられていた。