Daily report for 13 November 2017
Fiji / Bonn Climate Change Conference - November 2017
フィジー/ボン気候変動会議は月曜日も続けられた。一日を通し、COP、CMP、APA、SBSTA、SBIの下での非公式協議及びコンタクトグループが招集された。
COP
資金関係問題:長期気候資金(LTF):非公式協議で、共同進行役のGeorg Børstingは、5頁のLTFに関するCOP決定書草案に関し意見表明を求め、特に次の点に焦点を当てた:全ての意見が反映されているかどうか;懸念事項はあるか;スリム化分野。
開発途上国は、SCFのLTF会合期間中ワークショップ報告書及び隔年評価報告、並びに気候資金フローの概要を、ハイレベル閣僚ダイアログへの単独のインプットとして強調した。多数の先進国は、このようなインプットから「おいしいところをつまむ(cherry-picking)ことへの警戒感を表明し、開発途上国のNDC関係のニーズに対する支援に言及するパラグラフを削除するよう求め、このような言及はLTFの範囲を超えており、APAでの議論に予断を与えると指摘した。
多数のものは、第2回隔年ハイレベル閣僚級ダイアログに関するCOP22議長ノートについてのパラグラフに関し、ノートに添付される附属書への言及に関係するものなど、留保する考えを強調した。
さらに締約国は、特に次のパラグラフについても意見交換を行った:1千億米ドルの目標への言及;隔年報告書、これについて多くのものはこれがLTFの範囲外であると指摘した;次期ハイレベル閣僚級ダイアログの題目に関し、次期COP議長にガイダンスを提供するかどうか。
非公式協議が続けられる。
APA
決定書1/CP.21の緩和セクションに関係する追加ガイダンス:非公式協議で、共同進行役のSin Liang Cheah (シンガポール)は、180頁の「暫定資料(preliminary material)」文書を提出した。同共同進行役は、文書の長さに関する懸念表明を伝えると同時に、この文書には、締約国の懸念を記載する少数の警告(caveats)パラグラフが含まれていると指摘し、この文書により、締約国がSB 48での実質的な交渉に入れることを希望すると述べた。
多数のものは、APA 1-5の前にこの文書に関する更なる作業を行うよう共同進行役に委託することに異議はないと表明し、ある開発途上国グループは、共同進行役がこの文書をスリム化し、意見を取りまとめることを提案した。あるグループは、スリム化が可能な分野に焦点を当てた。
さらに各国は、情報のセクションの実質要素への言及で「追加的(additional)」という言葉をつける必要があるかどうかでの意見の不一致を表記する脚注についても議論した。この協議の会合で示された実質的なインプットを、APA共同議長に口頭で伝えることが可能かどうかで、意見は分かれた。
各国は、脚注を改定し、最終会合で得られた実質的なインプットについての口頭報告なしに、この文書を、APA 1-4からの共同進行役の非公式ノートとして、APA共同議長に送ることで合意した。
適応報告書:非公式協議では、Beth Lavender (カナダ)が共同進行役を務め、同共同進行役は、非公式ノートについて、他のAPA議題項目の下での作業との「比較可能性(comparability)」を確保するため、特に要素の題目についてより詳細を示す第2版を作成するよう、APA共同議長から求められたと述べた。
締約国は、非公式ノートの第1版について議論した。ある先進国は、NDC専用のガイダンスがあるのであれば、全ての可能な手段(vehicles)に対するガイダンスがあるべきだと述べた。少数の締約国は、他のAPAの議題項目、特に透明性及びGSTという議題項目とのインターリンク(interlinkages)について議論する必要性を強調し、ある開発途上国グループは、これらのAPA議題項目との合同会議を提案した。少数のものは、インターリンクの詳細の議論に入る前に、まず適応報告書に焦点を当てる必要があると強調した。非公式協議が続けられる予定。
GST:非公式協議の共同進行役はRichard Muyungi (タンザニア)が務めた。各国は、活動B(「技術フェーズ(Technical Phase)」、活動C「政治フェーズ(Political Phase)」、暫定資料文書改訂版へのインプット源の展望を共有した。各国は、特に次の点を提案した:不要な負担を避けるため、締約国が、提出文書をオンラインでアップローできるようにする;データのとりまとめ及び統合の手法論及び想定条件に関するワークショップの開催;技術フェーズにおいて、緩和、適応、資金フローとMOIに関する3回の技術ダイアログ開催。ある国は、GSTの内容における衡平性の扱いの議論で表明された意見について、共同進行役が詳細を捕捉する文書を作成するよう要請した。非公式協議が続けられる予定。
実施推進及び遵守促進委員会:Peter Horne (オーストラリア)は、共同進行役を務める非公式協議で、非公式ノート及び今後のする目方に関する意見表明を求めた。全てのものが、非公式ノートは有用な議論の土台であるとの意見を表明し、これは意見取りまとめ文書であると指摘した。ある開発途上国グループは、LDCs及びSIDSだけでなく、全ての開発途上国の特殊事情を含めるよう提案したが、2つの開発途上国グループは反対した。一部の先進国は、このノートにこの委員会以外の組織もこの委員会の作業を開始できるとの記載を含めるよう求めた。
今後の進め方に関し、ある開発途上国グループは、書面での提出文書を提案したが、2つの先進国は反対し、この非公式ノートには(各国の)立場が適切な形で捕捉されていると述べた。
Horne共同進行役は、この非公式協議で定期された提案を含めるようこの非公式ノートを改定し、APA 共同議長に送ると述べた。
強化された透明性枠組のMPGS:非公式協議の共同進行役はAndrew Rakestraw (米国)が務め、各国に対し、要素案を記載する共同進行役の非公式ノートについて、意見を表明するよう求めた。多数のものは、未記載の要素や自国が支持しない要素を指摘したが、全ての国が、(どの文書にするかの)議論を再開するのではなく、この文書で議論を続ける意思があると表明した。少数の国は、どの条項がどの締約国グループに適用されるのかを示す脚注キーに不快感を表明した。ある国は、このような脚注を各要素に挿入するよう提案し、別な国は、上付き文字で示すことを提案した。各国は、共同進行役がこの文書を改定し、注釈の代わりに上付き文字にして、編集上の修正をし、APA共同議長に送ることで合意した。
追加問題:他の追加問題:非公式協議の共同進行役はSarah Baashan (サウジアラビア)が務めた、同共同進行役は、LDCF及びSCCFに対するCMAの初期ガイダンスに関係し、締約国の検討を促す追加質問について、説明した。多数の開発途上国グループは、初期ガイダンス発行というマンデートはSBIを通してCOPに与えられることとし、LDCFの初期ガイダンスは、CMAに推奨事項を提示する目的、並びにSBI 50までに結論を出すことを目指し、2018年のCMA 1でのSBIの特定議題項目と規定するよう提案した。ある開発途上国グループは、 さらに、LDCF及びSCCFは条約の資金であり、COPの守備範囲のものであると指摘し、この問題をAPAではなくSBIで扱うのであれば、次のような表題の議題項目の下で扱う必要があると述べた:「LDCFの機能発揮に関連しパリ協定の運用を開始するためのその他の問題(other matters relating to the operationalisation of the Paris Agreement relevant to the functioning of the LDCF)」。少数の先進国は、LDCFの初期ガイダンスはGEFへのガイダンスの中に含まれることから、この段階でマンデートを検討する必要はないと述べ、ある国は、初期ガイダンスをSBIで検討することは支持できないと付け加えた。非公式協議が続けられる予定。
SBI
協定7.12条に規定する公開レジストリの運用及び利用のためのモダリティ並びに手順の作成:Madeleine Diouff Sarr (セネガル)を共同進行役とする非公式協議の午前中の会議で、締約国は、非公式ノートに反応を示した、このノートには、技術的要素(モダリティ、手順、役割、リンク)に関するセクション及びレジストリ実施に向けた提案が記載されていた。.
多数のものが、この非公式ノートを本会合の成果に付することを支持した。多数の締約国及びグループは、提案を技術的要素の前に置くことを提案した。
ある開発途上国グループは、提案ではなく「オプション(options)」と記載するよう求めたが、一部の先進国は反対した。
さらに締約国は、この議題項目での交渉成果に予断を加えかねない表現を特定したが、一部については意見が分かれた、これらの表現には「メタデータ(metadata)」、「バージョン(versions)」 、「文書(document)」や「適応報告書(adaptation communication)」が含まれた。
午後の非公式協議で、共同進行役は、改訂版の非公式ノートを提示した、この改訂版には、提案及び詳細要素に関するセクションが含まれたが、その構成は協定4.12条(NDCsのレジストリ)に記載する効果レジストリに関するSBI議題項目の下で作成された非公式ノートの改訂版と同じものであった。締約国は、2つの開発途上国グループ及びある先進国の提案した文章の改定で合意した後、この非公式ノートをSBI 48での締約国の議論の土台として言及する結論章草案で合意した。
協定4.12条に規定する公開レジストリの運用及び利用のモダリティ及び手順の作成:Peer Stiansen (ノルウェー)を共同進行役とする非公式協議の午前中の会合で、締約国は、共同進行役の非公式ノート改訂版について議論した。
ある開発途上国グループは、2つのSBI公開レジストリをバランスのとれた形で扱うよう求めた、これには協定7.12条(適応報告書のレジストリ)に規定するレジストリの非公式ノートに記載するものと類似するモダリティの要素に関する表現も含まれた。多数のものが、このノートに提案に関するセクションを追加することを支持した、これには 暫定NDCレジストリをそのまま利用する提案やこのレジストリに基づき作成するとの提案が含まれたが、「先進的な内容検索機能性を備えた(equipped with advanced content search functionality)」レジストリに言及するとの提案を含めるかどうかでは意見が分かれた。
さらに締約国は、手順の結論書草案についても審議した。ある開発途上国グループは、この議題項目と協定7.12条の下でのレジストリに関する議題項目とで同一の結論書とするよう求めた。その後、締約国は、この非公式ノートに言及するかどうかの決定は留保した上で、結論書草案で合意した。
午後の非公式協議で、共同進行役は、改定された非公式ノートを提出した、このノートには、提案に関するセクション及び詳細要素に関するセクションが記載され、その構成は、協定7.12条(適応報告書のレジストリ)に規定する公開レジストリに関するSBI議題項目の下で作成された非公式ノート改定版と同一の構成となっていた。ある開発途上国グループは、「先進的な検索可能機能(advanced searchability functions)」に言及する提案に厳しく反対した。締約国は、この提案の削除で合意し、このノートの文章を他のSBIレジストリ項目での非公式ノートの文章の関連部分に合わせた後、結論書草案で合意した、この草案には、非公式ノートをSBI 48で締約国が参照する文書とするとの表現が含まれた。
資金関係問題:適応基金の第3回レビュー:非公式協議では、Patience Damptey (ガーナ)とGemma O’Reilly (アイルランド)が共同進行役を務めた。締約国は、提案された結論書草案へのインプットを提供し、一部のものは、少数のパラグラフがこの議題項目のマンデートの範囲外であると論じ、ある開発途上国グループは、資金源の多角化に関する文章は(マンデートの)範囲外であると強調した。さらに締約国は、次回のレビューのタイミングに関する不規則性を指摘し、少数の先進国は、次回のレビューは4年以内に行われる資金メカニズムのレビューに合わせて行うべきだと発言した。ある先進国は、将来の適応ニーズ及び適応基金でのギャップに言及することを提案した。
別な開発途上国は、ここでの作業をやりやすくするため、この議題項目の題目と範囲に的を絞るよう提案した。非公式協議が続けられる予定。
キャパシティ・ビルディング関係の問題:Jeniffer Hanna Collado (ドミニカ共和国)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、改定された結論書草案、及びCOP決定書草案、CMP決定書草案を検討し、これらの文書で合意した。
NAPS:非公式協議の共同進行役はPepetua Latasi (ツバル)が務めた。締約国は、非公式の非公式協議では全ての問題を解決するには至らなかったと報告した。ある開発途上国グループは、同グループの最近の提案文章に関し、最新情報を提供した、この提案は、NAPsの策定及び実施プロセスなどにおいて各国が経験したGCFの準備体制整備プログラム(GCF Readiness Programme)へのアクセスに関する情報をとりまとめ、情報ペーパーを作成するよう、適応委員会及びLEGに委託するとの提案であった。同グループは、これはこの議題項目のマンデートの範囲内であると論じた。少数の締約国は、新しい提案の文書を議論する時間がないと指摘した。この日の夕方まで、非公式な非公式協議が行われた。
SBSTA
農業:非公式協議は、Emmanuel Dlamini (スワジランド)を共同進行役として続けられた。ある開発途上国グループは、農業の気候変動に対する脆弱性を審議し、食糧安全保障を議論する方法について検討するSBI/SBSTA合同の作業計画を設置する決定書草案を提示した。このグループは、この提案では非公式協議で意見が一致しなかった問題は回避していると指摘し、この決定書の今COPでの採択を希望した。締約国は、この提案が前向きなものである点で合意し、ある先進国は、作業の重複を回避している点を強調し、高度な政治的承認を探究し、内部で協議するための時間を要求した。SBSTA共同議長のCarlos Fuller (ベリーズ)は、文書の最終決定に向け、非公式な非公式協議での議論を要請した。夕方、このグループは、決定書をSBSTAプレナリーの審議にかけることで合意した。
協定6条に関係する問題:Kelley Kizzier (EU)を共同議長とするコンタクトグループは、この日に2回会合をし、協定6.2条、6.4条及び6.8条の議題項目に関する結論書草案に焦点を当てた。サウジアラビアはLMDCsの立場で発言し、この結論書草案を議論の土台とすることを支持しないとし、共同議長の非公式ノートに留意し、SBSTA 48において議論を続けると決定する手順上の結論書を提案し、アラブグループの立場で発言したエジプト、及びベネズエラも、これを支持した。多数のものは、実質的な結論書を主張、ラウンドテーブルや非公式協議での進展をとらえる必要があると述べた。ブラジルは、中国の支持を得て、会合前ラウンドテーブルの共同議長非公式サマリーへの言及削除を要求、締約国はこの内容について相談を受けていないと指摘した。LMDCsは、オブザーバー組織の提出文書への言及削除を要請し、締約国主導のプロセスであると主張したが、他の少数のものは反対した。非公式な非公式協議が夕方に開催された。
技術開発及び技術移転:協定10.4条の下での技術枠組:非公式協議が続けられ、Elfriede-Anna More (オーストリア)が共同進行役を務めた、締約国は、共同進行役が作成した結論書草案について議論した。透明性への言及を含める必要があるかどうかで締約国の意見は分かれた、少数の開発途上国は、技術移転メカニズムの成功の度合いを評価する指標を作成する必要があると論じた。ある先進国は、次回会合で、評価に関する個別の既存の議題項目でこの問題を取り上げることを論じた。ある開発途上国グループは、追加の文書提出を求め、これをベースに技術枠組の草案に関する文書を作成するようSBSTA議長に求めることを提案した。ある先進国グループは、新たな文書提出に反対し、SB 48までに文書を作成し取りまとめるのには時間が足りないと論じ、ある先進国もこれを支持した。
午後、非公式協議は、Stella Gama (マラウィ)を共同進行役として続けられた。締約国は、非公式な非公式協議で結論書草案について意見の一致に至ったと報告した。締約国は改定された結論書草案で合意した。
SBSTA/SBI
適応基金理事会の報告:非公式協議会合では、O’Reillyが共同進行役を務めた。締約国は、提案された結論書草案について意見交換をし、資金に関する最近の数字を結論書草案に取り入れる方法について議論した。一部の先進国は、GCFやGEFの場合と同様の形で、適応基金理事会がCOP会合に合わせ、最新の数値を報告書の付録に記載して発表すべきだと提案した。この日一日を通し、非公式な非公式協議が開催された。
対応措置:共同進行役のAndrei Marcu (パナマ)は非公式協議を招集、項目(a) (改善されたフォーラム及び作業計画)並びに項目(b) (パリ協定の下での対応措置の実施の影響に関するフォーラムのモダリティ、作業計画、及び機能)に関する共同議長の結論書草案に焦点を当てた。改善されたフォーラムに関する結論書について、ある開発途上国は、非公式ノートの最終版は締約国が目にしていないことから、この非公式ノートに言及している文書に合意するのは、喜べないと述べた。モダリティ、作業計画及び機能に関する結論書について、多数の開発途上締約国は、常設の技術専門家グループ(TEG)を創設することを目指す文章オプションを支持し、このグループはこのフォーラムの作業に役立つと指摘した。一部の先進国は、技術的な議論は有用だが、TEGの設計は検討する必要があると論じた。非公式協議は夕方も続けられた。
適応委員会の報告及びLEGの報告:Richard Merzian (オーストラリア)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、次を行うかどうかで意見が分かれた: LEG及び適応委員会合同の3件のマンデート並びに2件の適応委員会のマンデートをこの議題項目の下で続ける、またはSB 48での新しい議題項目の下で続ける;SB 48までにマンデートに関する文書提出を求める。ある開発途上国は、提出文書はマンデートでのギャップの議論を中心にしたものか、それともギャップに関する追加情報の提供を中心にしたものにするよう提案した。ある開発途上国グループは、会合期間中の非公式ノートを更新し、進捗状況に注目し、可能な結論書草案にこれを添付するよう求めた。共同進行役のMerzianは、更新された非公式ノートと合わせ、合意点及び意見不一致の事項を記載する結論書草案を配布すると述べた。非公式な非公式協議が招集される予定。
廊下にて
会議の第2週は、前週の続きから開始され、可能な限り多数の結論書草案や決定書草案を採択すべく、一連の交渉時間の調整が図られ、同じような主題を扱う議題項目同士、特に資金関連の項目同士で重複がないようにしていた。多数の参加者は、週末を通しで交渉し、精も根も尽き果てたようであった。この辺はブラ・ゾーンとボン・ゾーンでの違いが目立ち、ボン・ゾーンは、引き続き活気のある、楽しげともいえる場所となり、各国の地域自治体政府の発表や、著名人の登場が見られた。全てのオブザーバーがブラ・ゾーンへの入場許可を保持しているわけではなく、ある参加者は、「これで技術的な議論に集中でき、ロジスチックもやりやすい」と述べた。あるNGOの代表は、予想されたとおり、このことに反発し、「うるさいグループが交渉から切り離されている」ことに感銘を受けていなかった、しかし別なものは、ボン・ゾーンでの発表や行動はどれもこの交渉のモーメンタムを示すものだと考え、各国を議論の場に集めるのは「ゾーンの間の公園を散歩する以上のことが必要だ」と発言した。