Daily report for 8 September 2018

Bangkok Climate Change Conference - September 2018

土曜日、バンコク気候変動会議は、最終日前日もPAWPの交渉が続けられた。各国は、特に下記の議題を議論した:

  • NDCsの共通時間枠;
  • 市場及び非市場手法;
  • 資金源の計算;
  • 対応措置;
  • 適応報告書;
  • 適応基金;
  • PAWPの項目追加の可能性;
  • グローバル・ストックテイク;
  • 実施及び遵守

午後、代表団の長は、SBI、SBSTA、APAの各議長職と会合した。カトヴィチェ気候変動会議の準備状況及びアレンジに関する次期COP 24議長によるブリーフィングも行われた。

SBI

共通時間枠:非公式協議で、共同進行役のMarianne Karlsen (ノルウェー)は、改定された箇条書きを通読し、締約国に対し、この箇条書きは全ての意見を捕捉する意図があると想起した。締約国は、一部の明確化及び追加を行った。ある開発途上国グループは、時間枠にも柔軟性を適用すべきとの同グループの提案を箇条書きに記載してほしいと要請した。ある先進国グループ及び開発途上国一国は、パリ協定は共通時間枠に柔軟性を認めていることに異論を唱えた。

手順問題に関し、ある開発途上国グループは、COP 24は手順上の結論書を採択する可能性があることを追加するよう求めた。ある開発途上国は、この問題に関し2018年のCMA 1-3における決定書のオプションを含めるよう要請した。

ある開発途上国グループの要請を受け、全文が括弧書きで括られた。他の二つの開発途上国グループは、成果に対する失望感を表明した。

SBSTA

6条関係問題(市場及び非市場手法):午前中、非公式協議が続けられ、最初に、協定6.2条(協力的手法)の下でのイベントの流れに関する会議、及び6.4条(メカニズム)の下でのベースライン及び追加性に関する会議という、2回の非公式な非公式会議の結果が報告された。6.2条のガバナンスに関する議論で、ある先進国は、他の支持を得て、参加の前提条件となる要件を設置することに反対し、協定には締約国の協力手法への参加を制約するマンデートは含まれていないと述べた。ガバナンスのオプションに関し、一部の締約国は、報告作成及びレビューでは透明枠組の技術専門家レビューに依存するよう主張したが、他のものは、この枠組と6.2条の下での専門のレビュー組織、あるいは広範な6条の組織とでマンデートを分けるよう主唱した。ある開発途上国グループは、報告作成及びレビューの機能の多くは、たとえば中央集約的登録簿、国際取引ログ、中央集約的アカウンティング・データベースなど、公的に利用可能、リアルタイムで、高品質なデータ・ログインのインフラでカバーされると論じた。

午後、締約国は、6.4条の内容の下での転換について議論した。一部のものは、京都議定書のユニット、手法論、認定基準の継続性に賛成すると論じ、継続しない場合には民間部門の信用及び信頼が損なわれると述べた。他の者は、協定と議定書は法的に別個のものであり、原則も制度も異なっていると、反論した。これらのものは、メカニズムは議定書の手法論及び制度から学習すべきだが、認定排出削減量(CERs)及び他のユニットが移行されるなら、協定の下での締約国の緩和約束を損なうことになると警告した。

協定9.7条の下、公的干渉を通して提供される資金源の計算:共同進行役のDelphine Eyraud (フランス)は、改定された交渉文書草案に関する各締約国の意見を募った、この草案には6つのグループ及び締約国の提出文書が組み込まれている。締約国は、明確化を行うと共に文章を追加し、数か国は、交渉を容易にする目的での、明確な番号付けスキームを要請した。ある開発途上国グループは、この文書では現在の報告パラメターの一部が括弧で括られているとして懸念を表明し、締約国に対し、強化された計算に関し「後ろ向きにスライド(backslide)」しないよう促した。別な開発途上国グループは、文書草案の要素が協定9条(資金)及び13条(透明性枠組)と合致しているかどうか、共同進行役が検証することを提案した。

日曜日の最終の非公式協議に備え、共同進行役は、締約国に対し、作業を進める手順について検討することを奨めた。ある開発途上国グループは、文書は「自動的に(automatically)」APA議題項目5(透明性枠組)に移行するわけではないと強調した。共同進行役は、SBSTA議長及びAPA議題項目5の共同進行役と協議し、交渉文書草案の最終版を作成する予定である。

SBI/SBSTA

対応措置及び作業計画に関する改良型フォーラム:非公式協議で、締約国は、共同進行役の文書草案第二版を検討した、これには決定書草案文書、及び附属書記載のフォーラム向けモダリティ、作業計画、機能に関するガイダンスが含まれる。ある開発途上国グループは、他の者の支持を得て、詳細な作業計画を再度挿入するよう要求した、附属書ガイダンスの中では、この作業計画に代わり、11月15日までに作業計画に関する文書提出を要請するプレースホールダーが置かれていた。数か国の先進国は、この「会合期間外の作業」に異議を唱えた。ある開発途上国グループは、他の支持を得て、モダリティのセクションにおける新しいオプションとして国際貿易への言及を加え、決定書草案文書に対しても他の事項を追加するよう要請した。先進国数か国は、これに対応して、決定書草案にオプションを含めるよう主張し、「急成長する(burgeoning)」文書は「一歩後退(step backward.)」だと述べた。共同進行役のAndrei Marcu (ベリーズ)は、日曜日午前中に第三版を出すと約束したが、同時に締約国の要請は文書をスリム化するという自分のマンデートを複雑なものにするとして警告した。

APA

適応報告書:非公式協議で、締約国は、適応報告書ガイダンスの要素、及びビーヒクルごとのガイダンスの必要性に焦点を当てた。多数のものは、次のものなど、共通要素の可能性を示唆した:国の状況;影響、脆弱性、リスク評価;国別目標;適応優先度、政策、計画、行動、戦略、そして/またはプログラム。あるグループ及び先進国一国は、これらの要素と相似する題目の利用を提案した。少数の開発途上国グループは、適応支援のニーズを共通要素と指摘した。ある開発途上国は、全ての要素はオプトイン/オプトアウトされるべきだと強調した。

ビーヒクル別のガイダンスに関し、二つの開発途上国グループは、NDCsのためのガイダンスをビーヒクルとして開発する必要があると述べた。他の三つの開発途上国グループ及び一部の先進国は反対し、ビーヒクルの選択では一つの形式のガイダンス及び柔軟性が必要であると指摘した。非公式協議は午後に再開され、ツールの新しい改訂版が議論された。

適応基金関係問題:午前中、適応基金理事会(AFB)議長のVictor Viñas (ドミニカ共和国)は、同基金の運営モダリティ、社会及び環境面のセーフガード、最近の強化策についてプレゼンテーションを行った。締約国は asked the AFB議長、事務局、及び暫定評議員(世界銀行)に対し、この基金がパリ協定でも役割を果たせるようにする制度アレンジについて質問した、これには、暫定評議員が新しい資金メカニズムを通して資金を受理できるかどうかの疑問も含まれる。締約国は、異なるガバナンス・オプションの法的な影響結果について報告書を作成するようAFBに要請した。

午後、議論の中心は非公式ノートの改定バージョンに移った。ガバナンスに関し、締約国は、そのタイミングや排他性、暫定期間の必要性に関するそれぞれの意見を明らかにした。少数のグループは、共同進行役に対し、各締約国の提出文書を明確に記載する文書配布を要請した。理事会の構成に関し、ある開発途上国は、文書の中に新しい概念が導入されていることでの違和感を表明し、このような概念は、明確な合理性を欠いていると述べた。非公式な非公式協議での議論が続けられる予定。

適応基金以外のさらなる問題:議論の焦点となったのは、下記に関する、PAWP問題追加可能性の新提案であった:NDCの調整(協定4.11条)に関するガイダンス;損失と損害;隔年に報告する資金情報(協定9.5条)のモダリティ;新しく設定される全体資金目標;資金メカニズムの運用機関、LDCFs、SCCFに対する初期ガイダンス。

締約国は、提案された変更点を通読した。二つの国がこの変更は議論されることなく共同議長のツールに組み込まれるのではないかとの懸念を表明した後、締約国は、改定されたツールは今回の会合における進捗を記載し、文書全体を括弧で括ることで合意した。

実施を推進し遵守を促進する委員会:午前中の非公式協議で、参加者は、この委員会の次の要素に関する文章を保持することが、非公式な非公式協議で合意されたと報告した:委員会の構成;メンバー;議長団;定足数要件;意思決定手順;手順規則。参加者は、他の多様な要素を保持すべきかどうかでは意見が分かれたと指摘した。

同委員会がCMAに提出する年次報告書にはどんな情報が記載されるべきか、さらにこれを特定するかどうかについては、意見が分かれた。ある開発途上国グループは、先進国と共に、自己申告の場合にはいかなる決定に関する情報も含めないことを支持したが、別な開発途上国は、報告に関係する締約国の名称を入れるべきでないと述べた。多数の先進国は、報告に含まれるべき情報に関する詳細の省略を支持した。

ある開発途上国グループは、この委員会は附属書I締約国出身の共同議長1名、非附属書I締約国出身の共同議長1名を有するべきであると提案した。数か国の先進国は、強く反対した。共同議長のツールの第三回改訂版が作成された。

午後、共同進行役のJanine Coye-Felson (ベリーズ)は、共同議長のツールの第三回改訂版を提示した。参加者は、総じて、この文書を全ての締約国の意見を記載するものとして歓迎したが、同時に、フォーマットと内容の両方で意見の不一致が残っていると指摘した。参加者は、このツールを交渉のたたき台として進めていく共同進行役の能力に対する信頼を表した。参加者は、文書にあるオプションを明確にするため、インプットを提供し、前回の提案では適切な記載がなかった分野に注目した。これに基づき、共同議長の第四回改訂版及び最終版が作成される予定。

グローバル・ストックテイク:非公式協議で、参加者は、共同議長のツールの第二回改訂版を歓迎し、この文書のさらなるスリム化をはかり、全ての締約国の見解が十分に反映されていることを確保するためのコメントを発表した、グローバル・ストックテイクには多数のオプションの可能性があり、このため、ある参加者は、この文書を「好みの冒険の道を選ぶ(pick your own adventure)」ようなものだと述べた。ある開発途上国グループは、グローバル・ストックテイクにおける非締約国利害関係者の積極的な参加への懸念を表明し、非締約国利害関係者の参加は、別なフォーラムで行われるべきだとの同グループの提案を再度述べた。他の国連機関からストックテイクへのインプットに関し、同グループは、これらの期間はUNFCCCのプロセスを「尊重する予定(will respect)」であるとの注意書きを入れるよう提案し、この尊重が「現在疑問視されて(currently in question)」いると指摘した。夕方、非公式な非公式協議が開催された。

廊下にて

土曜日、交渉担当者は、この会合での議論を終わらせ、文書を完成させるため、フルに交渉できる最後の日の大半をあわただしく動き回って過ごしていた。特に緩和交渉は、差異化に関する主要締約国間での行き詰まりでほとんど阻止されるところであり、多数のものはこの行き詰まりをどう克服できるか、疑問視するに至った。ある熟練の交渉担当者は、「それぞれの意見に固執(dug their heels in)」しているように感じていた。

他方、カトヴィチェでの準備状況に関する次期COP議長のブリーフィングでは、COP 24に向けた多くのプロセスに焦点が当てられた。代表団の長との協議では、SB議長職に対し、会合期間外の作業遂行を委任することが話し合われ、その結果は「心強い(encouraging)」もので、合同リフレクション・ノートが作成された、このノートは今後の進め方を示すほか、交渉の進展に役立つ文章案が含まれる。しかし疑問が残った点もあり、たとえばタラノア・ダイアログは作業をどう終わらせるのか、COP議長職が会合期間外に提案する三件の宣言について締約国はどのような交渉をするのか、10月に発行予定のIPCCの1.5℃に関する特別報告書はどのように情報を提供し、カトヴィチェの成功を導くのかといった疑問が残されている。長い夜の作業を控え、交渉担当者が本腰を入れる中、一部のものからは、この日のグローバル#Riseforclimateの動員で見られた圧倒的なエネルギーに背中を押され、日曜日のフィニッシュを成功させたいものだと希望する声が聞かれた。

地球交渉ブレティン(Earth Negotiations Bulletin)のバンコク気候変動会議のサマリー及び分析は、2018年9月12日水曜日、下記urlで閲覧可能: http://enb.iisd.org/climate/sb48-2/

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Participants

National governments
US
Negotiating blocs
European Union

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