Daily report for 25 June 2019
Bonn Climate Change Conference - June 2019
ボン気候変動会議は火曜日も続けられ、保留されている問題の解決に焦点が当てられた、この中には次の問題が含まれた:予算及び第6条(市場及び非市場アプローチ)。多国間評価も続けられ、適応に関する技術専門家会議も開催された。
SBI
非附属書I締約国の報告:資金援助及び技術支援の提供:共同進行役は、今後の進め方に関し締約国同士で協議してほしいと招請していたことに言及、共同進行役が作成した結論書草案の可能性に関するインプット・ペーパーで共通の立場を見出せていないことを指摘した。締約国は、手順上の結論書を作成し、SB 51においてこの問題の審議を続けることで合意した。
気候変動の影響に伴う損失と損害のワルシャワ国際メカニズム(WIM)の2019年レビューの委任条件(ToR): Marianne Karlsen (ノルウェー)が非公式協議の共同新農薬を務めた、この協議において締約国は、要素ペーパーの最初のバージョンを完成させた。
ToRの範囲に関し、締約国の意見が分かれた問題は、パリ協定第8条(損失と損害)に言及するかどうかであったが、多数の先進国はこの言及を希望した。ある締約国は、WIMのビジョンは時間の経過と共に変化していると述べ、 パリ協定に至るまでの決定書を指摘した。同代表は、損失と損害を「最小限で抑える(minimizing)」ことは最も脆弱な諸国にとっての問題であるとして、このようなことなど、WIMの役割を記載するよう求めた。
数か国の開発途上締約国は、「最小限に抑制する(minimizing)」 といった パリ協定の表現を用いること、及びパリ協定第8条への言及に反対した。これらの締約国は、COP 25での審議が期待されるガバナンスの決定書に予断を加えると警告した。あるグループは、執行委員会(ExCom)の作業計画には協定第8条に対する特別な言及が一切なされていないと指摘し、「関連の決定書に鑑み(in the light of the relevant decisions)」レビューが行われると記述し、ガバナンス問題を回避する表現にするよう提案した。ある先進締約国は、ガバナンス決定書の必要性に関する意見など、締約国の意見に予断を加えたり、差別化したりすべきでないと述べた。議論は夜に入っても続けられた。
政府間会合のアレンジ:Una May Gordon (ジャマイカ)を進行役とする非公式協議で、締約国は、結論書草案のパラグラフごとの審議を行った。意見が分かれたのは、会議の効率性及び頻度を検討する時期の問題であった。締約国は、以前に合意された表現の保持では大体のところ合意した。一部の開発途上国が重要だと強調する参加者へのホスト国の査証発行保証に関し、数名のものは、これは国家の管轄権の問題であると認識した。一部の開発途上国は、開発途上国のNGOsの参加を支援する必要性、さらにはプロセスの透明性を高める必要性も強調した。多数のものは、民間部門による責任ある参加を歓迎した。これに関し、あるグループは、これらの組織の参加貢献でプロセス自体が損なわれないよう、資格を有するものに限るべきだと述べた。進行役は、結論書草案を改定する。
SBSTA
科学研究及び組織観測に関係する問題:共同進行役のRichard Muyungi (タンザニア)は、結論書草案を提出し、締約国による考察を歓迎した。観測に関し、締約国は、提案された変更点の大半について合意したが、次の点では合意できなかった:読者に対し、研究ダイアログ第10回会合のサマリー報告書へ誘導する脚注;2018年の地球規模気候状況に関するWMOのステートメント及びWMO温室効果ガス速報への参照、後者はWMOとUNFCCCの関係性に関する議論を呼んでいる。2つの締約国は、UNFCCCは2018年の地球規模気候状況に関するステートメントを委任していたかどうか問うた。共同進行役はSBSTA議長の助言を求める予定。
GHGデータ・インターフェース:Takeshi Enoki (日本)及びClifford Mahlung (ジャマイカ)が共同進行役を務めた。非附属書I締約国からの提出件数の増加を指摘するかどうか、事務局に対し、GHGデータ・インターフェース上の提出文書掲載を要請するかどうかに関し、締約国及びグループの意見対立が続いた。共同進行役は、提出文書について指摘するパラグラフを削除するオプションを提案したが、一部のものは反対した。ある締約国は、他の支持を得て、議論をSBSTA 52 (2020年6月)ではなくSBSTA 54 (2021年6月)で行うことを推奨した。締約国は、結論を出すに至らなかった。共同進行役はSBSTA 議長に奉公する。
気候変動に関する政府間パネルの1.5°Cの地球温暖化に関する特別報告書:締約国は、共同進行役のLadislaus Chag’a (タンザニア)が提示した非公式な結論書草案で意見の一致を見出すことができなかった。締約国の意見が特に大きく分かれたのは、結論書の後半であり、この部分では報告書に関する科学知識のギャップ、報告書の手法論、及び「1.5℃目標に関する科学知識の向上(strengthening scientific knowledge on the 1.5°C target)」について特別な言及が行われた。共同進行役は、非公式な非公式会合を提案し、多数の締約国がこれを強く支持したが、ある締約国は強く反対し 後者は「参加する意思はない(not willing to engage)」と発言した。共同進行役は、締約国の意見を反映させるべく文書草案を改定し、SBSTA議長の助言を求める予定。
NDCsの実施及び達成における進捗状況の追跡に必要な情報に関する共通箇条書きフォーマット(CTFs):共同進行役のXiang Gao (中国)及びHelen Plume (ニュージーランド)は、要素草案を記載する非公式ノートを提出し、多くのものはこれを歓迎した。多数の締約国は、次の項目などに関し提案を行った:一貫性に欠ける表現の修正;指標における柔軟性の明示。締約国は、情報は「義務化された及び義務化されていない(mandatory and non-mandatory)」という表現に「するものとし、するべきである(shall and should)」という表現の変更を提案し、さらに予測の想定条件を記載する空白の表をどこに挿入するか、そのプレースホールダーを含めるよう提案した。共同進行役は、非公式ノートを修正し、提案をSBSTAに送る。
第6条(市場及び非市場アプローチ):共同進行役のPeer Stiansen (ノルウェー)は、3つの小項目に関する文書草案の改訂版を提示した、改訂版には締約国要請のSBSTA文章からの再挿入、内容における「アイデアの進化(evolution of ideas)」、及び会合において提起された橋渡し案が反映される。同進行役は、新しいバージョンは最初の草案及び適切な場合は、表現を捉えるあるいは修正するために招請したインプットであったと強調した。
第6.8条(非市場アプローチ)に関し、締約国は、次の項目などの問題を提起した:ガバナンスのアレンジの恒久性;吸収源以外の方法による除去量;活動としての適応便益メカニズム;提出を締約国及びオブザーバー組織に限定。
第6.4条(メカニズム)に関し、ある締約国のグループは、一部の支持を受け、この文書にはホスト締約国の役割の再検討を要求しているパリ協定の新しい内容が捕捉されていないとして、懸念を表明した。締約国は、移行問題を扱うのはCMPではなくCMAの下とする可能性に関し、意見が分かれた。数か国の締約国は、この文章に関わる決定書に規定されているとおり、収入の一部を監督委員会に提出することについて、懸念を表明した。
第6.2条(国際的に移動される緩和成果、ITMOs)に関し、締約国は、次の点を指摘した:収入の一部に関する規定と世界の排出量の全体的緩和に関する規定の両方について、第6.2条と第6.4条とで扱い方のバランスをとる必要性;緩和成果の利用及びITMOsとで一貫性ある処理;報告の頻度及びその内容;NDC用以外での緩和成果ガイダンスの適用可能性。6月26日も第6.2条に関する議論を続け、その後、共同進行役は文書の2版を発表する。
バンカー燃料:共同進行役のLuiz de Andrade (ブラジル)及びBert van Loon (ベルギー)は、締約国に対し、橋渡し案を提示した。締約国は、次のことを連絡することで合意した:SBSTAがこの問題の審議を継続した;国際民間航空機関(ICAO)及び国際海事機関(IMO)が提供した情報に留意した;締約国の意見に留意した。ICAO及びIMOに報告継続を招請するかどうか、SBSTA 51でも議論を続けるかどうかで意見が分かれた。これらの意見は、SBSTA議長に伝えられる。
SBSTA/SBI
農業に関するコロニビア共同作業:Heikki Granholm (フィンランド)及びMilagros Sandoval (ペルー)が非公式協議の共同進行役を務めた。締約国は、次の点で合意した:緑の気候基金による農業問題関連の同基金の作業に関するプレゼンテーションを歓迎する;資金常任委員会に対する締約国の意見提出プロセスを明らかにし、同様の問題でもクリーンな文書を作成できるよう、共同進行役向けのテンプレートを提供したことを歓迎する。締約国は、共同進行役に対し、草案のクリーンアップを行い、最後の非公式協議に提出するよう委任することで合意した。
対応措置:6年の作業計画を策定するとの共同議長の提案に関し、締約国は、活動合理化の提案を交換した。結論書草案に対する最初の反応の中で、一部の締約国は、6年作業計画の採用に関するパラグラフを括弧でくくるよう提案し、時間枠を含め作業計画の全ての要素は締約国が議論していると指摘した。議論は夜まで続けられた。
条約の下での長期世界目標(LTGG)の次回レビューの範囲及び目標達成に向けた全体的な進捗状況の次回定期レビューの範囲:ある締約国は、非公式な非公式協議の結果を報告し、SB 51に審議を持ち込めることの「安心感(comfort)」を指摘した。その後、締約国は、改定された結論書草案を審議した。締約国は、本会合の議論をどのように捉えるか、文書の定期レビューの範囲についてどのように言及するのが最善か、意見交換を行った。序文のパラグラフ及び脚注の変更など、異なる提案を議論した後、締約国は、多少の修正を加えた上、この結論書草案で合意した。
技術専門家会議 – 適応
適応委員会の共同議長であるMarianne Karlsenがこの会合の開会を宣言した。ポーランドのハイレベルチャンピオンのTomasz Chruszczowは、参加者に対し、パートナーシップの形で民間部門の参画を得る方法に注目し、適応資金のギャップを埋めるよう奨励した。チリのハイレベルチャンピオンであるGonzelo Muñozは、気候行動を触発する力としての民間部門の役割を強調した。
国連環境計画(UNE`)のMusonda Mumbaは、進化及び登場しつつある適応資金源の概要に関する会合のモデレーターを務めた。
UNEPデンマーク技術大学(UNEP DTU)パートナーシップのAnne Olhoffは、適応コストは現在の適応用の国際気候資金の規模の2.3倍であると報告した。
ストックホルム環境研究所のAdis Dzeboは、適応資金の大半は多国間よりも二国間の資金源から入ると強調した。
パネリストは、資金フローを増大する必要があると同時に、緩和資金とのアンバランスを解消する必要があると強調した。パネリストは、各国の経験から学習したこととして、気候変動に脆弱な部門は経済的に重要であり、このため経済成長と適応はリンクしていると指摘した。景勝が
民間部門に関し、あるパネリストは、企業が経験している材料面のリスクとして適応を捉える必要があると紹介し、別なものは 適応への投資に関心のある部門として観光を例に挙げた。
廊下にて
火曜日、参加者は最終的で最も意見が対立している問題に焦点を当てた。IPCC報告書、WIMレビュー、第6条がどれも注目を集める中、熱心に予算の交渉を進めてきた少人数の参加者グループからは、警鐘が聞かれ始めた。
予算交渉は、限界にきている可能性があり、今年の交渉は他の多くの年度にましてその可能性が高い。事務局は当初、カトヴィチェ気候パッケージから生じたマンデートをベースに21%増を提案していたが、これより少ない12.6%増でさえ、受け入れる用意があると表明したグループは皆無である。多数の締約国は、名目ゼロ成長の予算を主張している。
締約国の疑問に応えるべく、事務局は数字を削り、再度削ってきた、しかし、名目ゼロ成長シナリオでは、補助機関の作業継続に伴う現実コストの存在が明らかになった。2つの「醜い(ugly)」名目ゼロ成長シナリオが登場した。一つは、透明性に対しては資金全額を供与するが、緩和、適応、実施手段の費用は削減する。第2のシナリオは、透明性では「顕著な(significant)」削減を行うが、構成機関には全額を供与する。ある参加者にとり、このようなコストは、「もし予算が優先度を示すものなら、締約国は、公にしている緊急性感覚を本当は感じていない証拠である(if the budget is a reflection of priorities, it is clear that parties don’t really feel the sense of urgency that they publicly convey)。一部の参加者は、この2つのシナリオが否決されたこと、締約国は共同進行役の妥協案の改定から作業を行うとのことで、多少心が軽くなったようだ。