Daily report for 3 December 2018

Katowice Climate Change Conference - December 2018

月曜日、カトヴィチェ気候変動会議が続けられ、午前中には公式の開会式典が行われた。この日は、数件のイベントが行われ、各国首脳や政府首脳が参加するハイレベル・セグメント、対応措置実施の影響に関するフォーラムのレビュー、農業に関するコロニビア(Koronovia)共同作業も行われた。参加者は一日中、非公式に会合し、パリ協定作業計画(PAWP)に関係する議題を議論した。

開会式典

COP 23/CMP 13/CMA 1-2議長のFrank Bainimaramaは、気候変動を考える場合、「我々は皆、同じカヌーに乗っている(we are all in the same canoe)」と強調した。同議長は、槌を打って、COP 24議長のMichał Kurtykaを迎え入れ、「締約国の長年の努力によりここに至ったのだ(represents all parties’ efforts over the years to bring us to this point)」とコメントした。

COP 24議長でポーランドのAndrzej Dudaは、世界は「またもう一つの歴史的な試練(yet another historic test)」に直面していると発言、ポーランドのGHG排出量は1988年比で30%以上低下したが、経済は成長を遂げていることに注目し、高効率石炭技術の貢献を強調した。

国連のAntónio Guterres事務総長は、「我々は気候変動で大きな問題を抱えている(we are in deep trouble with climate change)」と発言し、次の4つのメッセージを共有した:

  • 科学は、気候変動の課題に対する極めて野心的な対応を求めている;
  • パリ協定は、必要とされる転換行動の枠組を提供しており、カトヴィチェで運用可能にしなければならない;
  • 「世界の気候の混沌(global climate chaos)」を避けるべく投資する全体責任がある;
  • 気候行動は、転換に向け避けられない道筋を示すものであるが、政治的な意思や先見性のある指導力も要求される。

国連総会議長のMaría Fernanda Espinosa Garcésは、世界が見ていると参加者に想起し、交渉の困難さを認めた上で、締約国に対し、多国間体制の正当性が揺らいでいる時だからこそ、COP 24を多国間体制の有効性を実証する機会と捉えるべきと促した。

ポーランドの環境大臣であるHenryk Kowalczykは、パリ協定を「生かす(alive)」ために必要なパッケージを提供するというCOP 24への期待感に焦点を当てた。

COP 24議長のKurtykaは、カトヴィチェを取り巻く地域の物語は「転換の物語(a story of transition)」であると説明し、「深くしかも正しい転換(deep but just transition)」への道筋では次のことが要求されると述べた:ビジョン、希望、そして「我々はそこへ行きつく(we will get there)との確信;人々が取り残されることはないという保証;透明で実施可能な規則及び支援体制。

世界銀行CEOのKristalina Georgievaは、同銀行は気候資金への支援を倍増させる意思があると発表し、適応及び耐性のための500億米ドルを含め、気候行動のために2千億米ドルを約束した。同CEOは、世界銀行はその全ての業務において「気候のレンズ(climate lens)」を用い、経済価値の評価では影の炭素価格を適用し、低炭素な成長を政策策定に取り入れるべく努力すると述べた。

カトヴィチェ市長のMarcin Krupaは、「黒(石炭)から緑(環境)へ(black to green)」という同市の標語に焦点を当て、COP 24はカトヴィチェにとり、炭鉱の町から近代的なメトロポリスへと変貌した経験を共有する機会であると強調した。

ポーランドのAndrzej Duda大統領は、連帯と正しい転換のためのシレジア宣言(Solidarity and Just Transition Silesia Declaration)を提示し、可能な限り広範な利害関係者連合が一同に会すことの重要性を強調し、ウィンーウィンな解決策、全てのものにとり受け入れ可能な緩やかな変化の実現も重要であると強調した。同大統領は、この宣言は重要な社会的側面を加えることでパリ協定を補うものだと述べた。

BBCのDavid Attenborough卿は、「人々の席(People’s Seat)」というスピーチをし、自身は人々の声を代弁しており、皆の考え、懸念、アイデア、提案を政策決定者に直接伝えようとするものだと指摘した。卿は、「メッセージは明確だ(the message is clear)」と強調し、指導者に対し、人間の文明の継続、そして自然界の保全を確保するため、今こそ行動を起こすよう呼びかけた。

ハイレベル・セグメント

COP 24議長のKurtykaは、ハイレベル・セグメントの議長を務めた。

マケドニア・旧ユーゴスラビア共和国のGjorge Ivanov大統領は、パリ協定は「人類の未来を決定づける長いレース(long race that will determine the future of humanity)」のスタートであるとし、生活様式及び消費における変化を求めた。

ナウルのBaron Divavesi Waqa大統領は、「パリで登場した強い関心にまるで手が付けられていない(powerful interests emerged from Paris unscathed)」として嘆き、システムの変換を実施しようとする意志は、「真のリーダーシップの印(benchmark for true leadership)」であろうと強調した。

ボツワナのMokgweetsi Eric Masisi大統領は、自国では異常で極端な気温を経験していると指摘し、自国の気候努力は資金援助の供与があるかどうかにかかっていると述べた。

スイスのAlain Berset大統領は、主要排出国は排出量を削減する必要があり、最貧国は支援を受ける必要があると強調し、歴史は早く動くものを利すると教えていると指摘した。

ラトビアのRaimonds Vējonis大統領は、民間部門に強力なシグナルを送るため、確固とした透明性枠組とするよう求め、パリ協定の再解釈は行わないよう求めた。

ブルガリアのRumen Radev大統領は、パリ協定の堅固さについて、強力なシグナルを出すには、予見可能な実施ガイドラインが必要だと強調した。

サンマリノの執政であるMirko TomassoniとLuca Santoliniは、われわれの時代はナルシズムと短期志向が特徴であると述べ、「途方もない犠牲が求められる一方で我々の子供の世代により良い惑星を残せるようになる(require enormous sacrifices but will allow us to leave a better planet for our children)」大胆な決定書を作成するよう求めた。

ルクセンブルグのHenri大公は、ポーランドのCOP議長職の宣言を祝し、この宣言は気候変動の「社会面を主張するタイムリーな(timely to insist on the social aspect)」ものであると指摘した。

スロベニアのBorut Pahor大統領は、気候変動に関する最近の公開討論に焦点を当て、自国の長期気候戦略は独立以来最も重要な文書であると述べた。

フィンランドのSauli Niinistö大統領は、自国では2029年までにエネルギー用途での石炭の利用を禁止すると述べ、2045年までにカーボン・ニュートラリティ―達成を目指すと述べた。

ハイレベル・セグメントは一日中行われた。このウェブキャストは下記で閲覧可能: https://unfccc-cop24.streamworld.de/webcast/first-part-of-the-high-level-segment

SBSTA/SBI

対応措置実施の影響に関する改良フォーラムの作業のレビュー:Andrei Marcu (ベリーズ)及びKeith Anderson (スイス)を共同進行役とする一日中のイベントであり、過去3年の間、改良フォーラムで得られた教訓について情報を交換するよう締約国に求めた。

このフォーラムにおける作業を進めることに関し、EUは、エネルギー部門における正当な転換、及び農業部門での適切な作業にもっと注目するよう提案した。米国は、このフォーラムは各国政府のマクロ経済政策、インフラ投資や人材への投資、ビジネス環境の改善に情報を提供したとして称賛した。南アフリカは、対応措置の越境する影響に注意が払われていないとして嘆き、さらに開発途上国でのマイナスの影響を最小限で抑える方法にも目が向いていないとして嘆いた。サウジアラビアはG-77/中国の立場で発言し、評価を行うにあたっての開発途上国の能力面での必要性を強調し、さらにシンガポールと共に、特定の行動に対する明確な提案を策定するよう求めた。

大半のものは、このフォーラムで次の二つの分野に焦点を絞るとの以前の決定書に感謝した:経済多角化及び労働力の変革及び適正な転換;適切な仕事及び質の高い雇用の創設。多くのものは、範囲の拡大を主唱し、モルディブとニュージーランドは、観光や農業部門に焦点を当てるよう提案した。ガーナは、シンガポールと共に、悪影響を最小限に抑えるため、対応措置をNDCsの観点から検討するよう推奨した。

議論では、このフォーラムの機能及び作業計画を支えるためのモダリティの効果性についても触れた。参加及びキャパシティ・ビルディングの目的で開催される会合期間中ワークショップに対し、地域ワークショップを開催する場合の便益については、意見が分かれた。数か国は常任の技術専門家グループを支持したが、米国とオーストラリアは反対した。

レビューの成果をどう捉えるかについて、G-77/中国は、議論や提出文書を改良フォーラムに対する提案の土台とするよう求めた。EU、オーストラリア、カナダ、米国は、多様な意見発表を口頭で認識し、レビューを終了させるよう提案、パリ協定の下でのこのフォーラムのモダリティ、作業計画、機能に焦点を当てる必要があると強調した。Marcu共同進行役は、コンタクトグループで審議されるべき結論書草案が作成されると述べた。

農業に関するコロニビア共同作業:この日一日、Milagros Sandoval (ペルー)及びHeikki Granholm (フィンランド)を共同進行役とする.ワークショップが開催された。

UNFCCC事務局は、特に次を行った:農業は条約の下ではどのように扱われているかに注目した;知識の交換を推進する上でのSBSTAの役割を探る;以前のコロニビア・ワークショップからの重要な成果をまとめる;条約以外のプロセスとのリンクを指摘する。

条約構成機関の代表は、プレゼンテーションを行い、自分たちの作業が締約国による農業問題での行動実施を支援していることに焦点を当てた。プレゼンテーションの中で、適応委員会は、ナイロビ作業計画に提供されているガイダンスに農業の見方(lens)を組み入れていると強調した。LEGは、NAPsに関する技術指針、及び脆弱なグループや生態系に関する作業に言及した。WIM ExComは、緩慢に発生する現象、経済的でない損失、リスク管理、人間のモビリティに関する自分たちの作業を紹介した。その後の議論において、参加者は、特に、農業部門での損失及び損害に対する保険ベースのツールにおける課題について意見交換を行い、知識の交換を推進する必要があると強調した。

午後、ザンビアは、LEGの支援を得て農業部門のNAPを作成した経験に関し、情報交換を行った。適応基金は、モロッコのオアシス地帯でのプロジェクトを指摘し、伝統的な灌漑システムの回復が重要な要素であったと強調した。世界食糧計画は、エクアドルにおける気候変動、食糧安全保障、性の平等に関するプロジェクトを紹介した。CTCNは、稲穂を代替エネルギーとする可能性の探求におけるベトナムへの支援について、報告した。国連食糧農業機関(FAO)は、同機関と多様なUNFCCC構成組織との協調活動について説明、適応計画策定及び報告書作成への農業問題の組み込みに関する指針を指摘した。

農業に関するコロニビア共同作業の今後の進め方に関し、次のような見解が披露された:GCFに対し、農業関係の作業についてプレゼンテーションを行うよう招請する;コロニビア・ワークショップで明らかにされた問題に対する構成機関の対処法を図に表し、これらの行動と締約国のニーズの間のギャップを明らかにする;コロニビア・プロセスへの構成組織の参加を制度化するオプション、これにはCOP決定書によるものも含める。非公式協議は、12月5日水曜日に会合する。

SBI

多国間評価:午前中、SBI議長でeSwatiniのEmmanuel Dlaminiがこの議長役を務めた。次の諸国が、それぞれの経済全体での排出削減数量目標の達成に関し、その成果及び進捗状況についてプレゼンテーションを行った:EU、カナダ、エストニア、ラトビア、リトアニア、フランス。下記のウェブキャストを参照: https://unfccc-cop24.streamworld.de/webcast/multilateral-assessment

促進的な意見交換:午後、アルゼンチン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、中国、ヨルダンは、それぞれの隔年更新報告書に関係する情報を提示した。下記のウェブキャストを参照:https://unfccc-cop24.streamworld.de/webcast/6th-workshop-of-the-facilitative-sharing-of-views

廊下にて

月曜日、カトヴィチェ気候変動会議は、モーメンタムがあるとの感覚を保ちつつ、正式に開始された。第1日の交渉が成功裡に開始された後、パリ協定作業計画(PAWP)を取り巻く一連の問題について、非公式に作業をする隠れ蓑を提供していた。

At the ハイレベルな開会式において、各国首脳、来賓、著名人は、参加者に「世界が見ている(the world is watching)」ことを想起し、それぞれの倫理的な責任に関し協議するよう勧めた。これらのものは、IPCCの最新の結論を待望することが多い中、人類は「世界的なショック状態(global state of shock)」及び「生物種としての生存競争(races to survive as a species)」に耐えており、カトヴィチェにかけられたものがいかに大きいかを説明した。著名なナチュラリストであるDavid Attenborough卿は、世界の人々を代弁し、参加者に対し次のように懇願した:「メッセージははっきりしています。世界のリーダーの皆さん、あなた方はリードしなければなりません(The message is clear. Leaders of the world, you must lead)」。

その一方、参加者は、密室にこもり、フランクで、締約国主導の協議を行い、文書のスリム化やオプションのとりまとめを行おうと、バンコク会議以後に補助機関の議長職が草案を作成した議題書が受け入れ可能かどうか、打診していた。全体的には、この議題書を今後の交渉のたたき台として受け入れようとしており、一部のものは、進展があったと報告した、ただしその進展は大変が「手の届きやすいところの果実(low-hanging fruit)」であった。一部の問題は、短時間の会合を行っただけで、当初の反応を聞いたり、文書の特定箇所を少数読み上げたりした。 多くの会議室や題目では、手法は異なっても目標は同じであった:2日のうちに期限がくる文書草案の新しいバージョンに近づくことである。多くのものは目標を達成できるかどうか不確かではあるが、希望は持っていた。

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