Daily report for 6 December 2018
Katowice Climate Change Conference - December 2018
カトヴィチェ気候変動会議は、木曜日、広範な議題に関する非公式協議及びコンタクトグループ会合が続けられた。タラノア・ダイアログの準備段階は、午前中に終了した。夕方、APAは、ストックテイク会合を開催、続いてパリ協定作業計画(PAWP)に関するSBI及びSBSTA議長の非公式会議が開催された。
COP
タラノア・ダイアログ:COP 23議長のLuke Daunivalu大使、及びCOP 24議長のAdam Guibourgé-Czetwertyńskiは、タラノア・ダイアログ統合報告書の主要な結論を提示し、多様な利害関係者の参加や、タラノア・プラットフォームを通して482件のインプットが提供されたこと、2018年5月に開催された「複数回のタラノア(Talanoas)」には305名のストリーテラーが参加したことに焦点を当てた。
IPCC議長のHoesung Leeは、最近発表されたIPCCの1.5℃特別報告書の主要結論を紹介、特に次の点に焦点を当てた:
- 気候変動は既に世界中の人々、生態系、生活に影響を与えている;
- 地球温暖化を1.5℃までで抑制するのは不可能ではない、ただし前例のないほどの転換が求められる;
- 温暖化を1.5℃以下で抑えることには明確な便益がある;
- 温暖化を1.5℃で抑制するなら、他のグローバルな目標達成にも貢献できる。
大半の締約国は、IPCCの1.5℃特別報告書を歓迎した。
タラノア・ダイアログで期待されるCOP 24の成果については見解が異なった。モルディブはAOSISの立場で発言し、手順上の決定書を求め、2020年に提出される新しい、更新されたNDCsでは野心を高めるよう促す政治宣言の発表を求めた。EUは、この成果には野心の適切性を検討し、これを強化する必要性に言及する形での全体の政治約束を含めるべきだと述べた。ボツワナはアフリカングループの立場で発言し、このプロセスを認識し、野心引上げを求める結論書とするよう提案し、ノルウェーと共に、COP 24以降のプロセスを提案した。
インドは、議長に対し、ダイアログのマンデートを尊重するよう促し、マンデートには議長が閣僚会議にサマリーを提出することも含まれていると想起した。
資金関係問題:資金常任委員会(SCF):Carlos Ivan Zambrana Flores (ボリビア)及びNorbert Gorißen (ドイツ)がコンタクトグループの共同議長を務めた。締約国は、決定書草案の少数のパラグラフについては一般に好意的な意見を示し、一部のものは、「NGO構成組織の気候資金窓口(climate finance focal points in the NGO constituencies)」の明確化を要請した。
SCFの2018年隔年評価及び気候資金のフロー概要の技術報告書における主要な結論に言及するかどうかでは、意見が大きく異なった。南アフリカはアフリカングループの立場で発言し、インドの支持を得て、個別の結論の「いいとこ取り(cherry picking)」に警告した。サウジアラビアはアラブグループの立場で発言し、結論への言及に反対した。EUは、気候資金フローの継続的な増強に焦点を当てることの関連性を強調し、米国は、この評価の結論は包括的な研究の成果であり、SCFでは満場一致で採択されたと付言した。スイスは、感謝の意と共にこの報告書を指摘し、附属書に移すよう提案した。
次の項目でも意見が分かれた:SCFに対し、資金フローを低GHGで気候に耐性のある開発(協定2.1(c)条)に向けた経路と合致させるための関連情報について議論するよう促す;SCFのフォーラムと隔年評価の間で頻度を交互のものとし、SCFの作業負担をバランスさせる;SCFに対し、開発途上国の資金的なニーズの評価を行うよう要請する。非公式協議が開催される。
GEFの報告及びガイダンス:Richard Muyungi (タンザニア)及びStefan Schwager (スイス)がこのコンタクトグループの共同議長を務め、SCFが作成したGEFへのガイダンス草案(FCCC/CP/2018/8)に関する締約国の意見を求めた。G-77/中国の立場で発言したエジプト、及びAOSISの立場では発言したアンティグア・バービューダは、GEFからの資金に対する開発途上国のアクセスについて懸念を呈し、AOSISは、担当組織の信任に関する問題を指摘した。イランと北朝鮮は、アクセスが「政治的な立場で閉ざされている(being withheld on political grounds)」と嘆いた。数名の参加者は、関係問題での協議が行われていると指摘し、ガイダンス草案を採択する順序について明確にするよう求めた。非公式協議が開催され、12月8日土曜日の議論終了を目指す。
SBI
共通時間枠:共同進行役のGeorge Wamukoya (ケニア)は、決定書草案文書の最初のバージョンを提示した。一部の締約国は、この文書には自国の提案が十分反映されていないと述べた。
数か国の締約国は、カトヴィチェで共通時間枠に関する合意がなされる可能性は低いと指摘し、SBI 49ではこの項目に関し手順上の結論書とし、結論書もしくは附属書、付録書、または結論書の脚注で参照される別な文書に、それまでの進捗状況を記載することを支持した。
多数のものは、議長役の付録書にある共通時間枠の3つのオプション、具体的には5年、10年、5年または10年とするオプションの記載を支持し、あるグループは、「5年―5年(5-5)」を入れるよう提案し、別なものは意見集約の必要性、具体的には共通時間枠は「パリ協定の5年間隔という脈に合致(consistent with the five-year heartbeat of the Paris Agreement)」すべきという全体的な合意を記載するよう要請した。
ある開発途上国グループは、新しい文書の中の同グループの提案を明確に説明し、これはパリ決定書(1/CP.21)のパラグラフ23及び24(NDCsの報告及び更新)を反映させたもので、共通のNDC時間枠の2041年から及びそれ以後も実施することを検討するようにとのSBIに対する要請も含めていると指摘した。他のものは、共通時間枠の2031年以降の実施検討をSBIに委任するよう提案した。
締約国は、共同進行役に対し、手順上の結論書、及び進捗状況の記載方法に関するオプションを含める、新しいバージョンの文書を作成するよう委任した。
SBSTA
協定6条(協力的手法):Anshari Rahman (シンガポール)は、午前中の非公式協議で共同進行役を務めた。決定書草案に関する一般的なコメントの中で、締約国は、次の問題を議論する必要があると指摘した:NDCsの範囲の外で使われるITMOsに関するガバナンスの問題及びセーフガード。
収入の一部の適応基金への提供を、協定6.2条(ITMOs)及び6.4条(メカニズム)の両方の下での協力的手法に含めるべきかどうかで、意見は分かれた。多数のものは、これを支持したが、他のものは反対し、パリ協定の再交渉に警告した。
協定6.2条及び6.4条の下での全体的な緩和要求及びその適用の条項でも、意見は分かれた。多数のものは、世界の排出量全体の削減を実現する必要があると強調した。ある締約国は、市場メカニズムで開発途上国に責任を移せることに警告した。別なものは、「NDCsの内外(inside and outside NDCs)」の両方で用いられる手法を、野心引上げの観点から、議論する必要があると指摘した。
午後及び夕方、締約国は、世界の排出量での全体的緩和達成の定義づけの案を聴いた。多数のものは、この点に関する取り消し義務、及びディスカウント・オプションを検討するよう求めた。これらのものは、次の問題も議論した:協定6.8条(非市場手法)の下での報告及びその作業計画活動;ITMOの活動を設計する際に用いられる排出削減量の計算のベースライン;ITMOsの観点における調整。協議が続けられる。
協定9.7条(事後資金の透明性):非公式協議の共同進行役は、Delphine Eyraud (フランス)が務めた。締約国は、文書草案の最初のバージョンにおける基礎となる想定条件、定義づけ、手法論のセクションに焦点を当てた。締約国は、この文書全体をスクリーンに映し出して議論し、文章を追加したり、括弧を外せる箇所を提案したり、希望するオプションを示した。その後、非公式な非公式協議が開催された。
研究及び組織的な観測:非公式協議の共同進行役は、Festus Luboyera (ウガンダ)及びStefan Roesner (ドイツ)が務めた。締約国は、文書草案を議論したが、意見が大きく分かれたのは次の問題であった:IPCCの1.5℃特別報告書に「留意する(note)」か、これを「認識する(acknowledge)」か、それとも「歓迎する(welcome)」か;世界の気候及び温室効果ガスの状態の報告書に関する世界気象機関の2018年ステートメントを「懸念と共に(with concern)」指摘するかどうか;大気中のCO2など、特定の世界の気候指標を記載するかどうか。議論は夜も続けられた。
SBSTA/SBI
適応委員会報告書:パリ成果のパラグラフ41、42、45に言及する問題:Pepetua Latasi (ツバル)が非公式協議の共同進行役を務めた。締約国は、適応委員会報告書に関する結論書草案で合意した。少数の開発途上国グループは、適応評価の手法論に関するセクションについて、前回とバージョンと比較し、決定書草案では二つの重要なパラグラフが削除されているとし、更なる議論が必要だと述べた。ある先進国は、全ての締約国に対し、妥協するよう求めた。非公式な非公式会議で議論が続けられる。
PAWPに関する非公式会議:SBSTA議長のWatkinson (フランス)及びSBI議長のDlamini (eSwatini)は、それぞれの組織における作業について報告し、一定の進捗はあったが、更なる議論が必要だと指摘した。
エジプトはG-77/中国の立場で発言し、資金での合意は他の問題での進捗に道を開くと強調し、包括的なパッケージを求めた。
ガボンはアフリカングループの立場で発言し、12月4日火曜日の資金に関する代表団長会議で見られた積極的な姿勢でも協定9.5条に関するSBIの協議進展という結果を出せないでいるとして嘆いた。同代表は、効果性に関する問題の詳細度と、技術執行委員会の下での支援の適切性に関する詳細度とのバランスをとるよう求めた。
イランはLMDCsの立場で発言し、衡平性及びCBDR-RCの原則を強調し、協定6条ではこれらの原則に配慮するよう求めた。同代表は、協定9.7条の下での支援の提供における進捗状況への言及を保持する必要があると強調し、協定9.5条のモダリティについては、より詳しく議論する必要があると述べた。
EUは、市場に目を向けるよう求め、APA項目3 (緩和セクション)とAPA項目5 (透明性枠組)の下でのガイダンスでの一貫性が必要だと強調した。同代表は、他の国際的なスキームで用いられたクレジットの二重計算回避に明確に言及する必要があることも強調した。
モルディブはAOSISの立場で発言し、パリ協定を尊重する必要があると強調し、締約国に対し、落としどころを見出すよう促した。
スイスはEIGの立場で発言し、難しい問題として、協定6条での二重計算、協定9.5条及び9.7条の議論の差異化に焦点を当てた。
サウジアラビアはアラブグループの立場で発言し、APA、SBI、SBSTA議題項目同士では進捗のアンバランスが登場していると嘆いた。同代表は、バランスのとれたパッケージなしでは、「COP決定書はありえない(there won’t be a COP decision)」と警告した。
エチオピアはLDCsの立場で発言し、条約を反映していない新しい表現を加えようとする動きに懸念を表明し、適応基金の交渉を最終決定し、適応に関する世界目標の議論を開始するよう求めた。
コロンビアはAILACの立場で発言し、協定6条での進捗が必要だと強調し、特に二重計算、レビューの条項、環境十全性での進捗が必要だと述べた。
議長のWatkinsonは、この会合を閉会し、土曜日に、バランスのとれた包括的な結果を出すとの、議長役の意思を述べた。
APA
決定書1/CP.21 (パリ成果)の緩和セクション:Sin Liang Cheah (シンガポール)が共同進行役を務める非公式会議で、締約国は、文書草案の最初のバージョンに関しコメントした。
意見が大きく異なったのは、差異化への言及、及びNDCsの中の緩和要素の必要条件を議論する必要性であった。諸国は、CMA 7 (2024年)においてNDCsの特性に関する追加のガイダンスの議論を続けるとの決定、並びに将来ガイダンスを改定する年について、意見が一致しなかった。
締約国は、NDCsの計算方法に関する文章オプションへのフィードバックや提案を行った、この中には次のものが含まれた:実質的な要素のリストや適応の計算方法、支援の計算方法;明確性、透明性、理解を促進する情報(ICTU)。ICTUに関し、締約国は特に次の点に関し意見交換を行った:定量化可能な情報;時間枠;スコープと対象範囲;手法論的アプローチ;NDCの衡平性及び野心;協定の目的達成に向けたNDCsの貢献;適応、支援、実施手段に関する情報。非公式な非公式会議で議論が続けられる。
適応報告書:非公式協議の共同進行役は、Beth Lavender (カナダ)が務めた。参加者は、決定書草案の最初のバージョンについて、意見交換を行った。特に意見が分かれたのは次の項目であった: CBDR-RCの原則など、条約の関連条項を想起する;一部のパラグラフを本文ではなく附属書に入れる;実施への言及;適応報告書のサイクル。多数の締約国は、現在行われているGSTの議論に予断を加えないよう、適応報告書とグローバルストックテイク (GST)とのリンクへの言及はプレースホールダー(挿入箇所)とみられるべきだと警告した。非公式な非公式協議が夜に開催された。
透明性枠組:午前中、共同進行役のAndrew Rakestraw (米国)は、文書草案の最初のバージョンを提示し、夕方には第2版が作成される予定であると説明した。同共同進行役は、締約国に対し、可能な限り多くの項目において「落としどころ(landing zones)」を明らかにするよう要請した。さらに同共同進行役は、「宿題(homework)」の分野として次の項目を挙げた:開発途上国の報告書作成を支援する地球環境ファシリティ(GEF)へのガイダンス;専門家諮問グループ(CGE);文書の異なるセクションでの柔軟性; ICTUに関するAPA議題項目3(緩和セクション)の議論で出てきたアウトプットへの言及;損失と損害;技術専門家レビューのフォーマット。あるグループは、リストに協定6条(協力的手法)を加えるよう提案した。
締約国は、新しい文書を「消化する(digest)」には時間がかかると強調し、締約国主導の作業を進めるよう主張した。
多数のグループは、自分たちの提案が反映されていないとして懸念を表明、2つの開発途上国グループは、協定4条(緩和)の下でのNDCsの実施及び達成の進捗状況を追跡するために必要な情報に関するセクションでは、「shall」を括弧で閉じていないとして嘆いた。一部のものは、意見不一致の分野を示すため、文書内の括弧書きを、一貫性のある形で用いるよう提案した。
2つのグループは、LDCsとSIDSの特殊事情を反映させるよう求め、一つのグループは、LDCsのための「中心となるグループのレビューシステム(central group review system)」を求めた。非公式な非公式会合での議論が続けられる。
午後、共同進行役のRakestrawは、締約国の懸念に留意し、締約国に対し、同じ夕方の午後7時という文書第2版の締切日後に提出されたものでも、締約国主導の作業は全て、最終的には反映されることになると保証した。
グループ及び各国は、第1版には反映されなかったオプション及び提案への懸念を表明した。少数のグループ及び締約国は、文章の変更または括弧の挿入を希望するセクションやパラグラフ、または懸念や異議があるセクション及びパラグラフを特定した。
ある国は、文書第2版の発効を延期する必要があるかもしれないと述べた。共同進行役のRakestrawは、締約国にはAPAのストックテイク・プレナリーにおいて、そのような問題を提起する機会があると説明し、締約国に対し、非公式な非公式会議での議論続行を奨めた。
GST:非公式協議で、共同進行役のOuti Honkatukia (フィンランド)は、締約国に対し、非公式な非公式会議について報告するよう求めた。どの締約国も発言を希望しなったことから、この協議は閉会し、非公式な非公式協議を再開できるようにした。
実施及び遵守委員会:Christina Voigt (ノルウェー)を共同進行役とする非公式協議で、締約国は、この委員会の目的、原則、特性、機能、及びスコープ、さらには制度アレンジに関する文書草案第1版へのインプットを提供した。
多数のものは、この委員会の会議は異本的に公開するよう希望したが、ある開発途上国グループは反対した。この委員会の共同議長を先進国と開発途上国間でバランスをとると規定するかどうかでも、意見が分かれた。多数の締約国は、2021年のCMA 4ではなく2020年のCMA 3での手順規則書の採択を希望した。
少数のグループは、この委員会のメンバーを文書草案に設定するとおりのCOP 25ではなく、COP 24で任命し、可能な限り早期の委員会の作業開始を可能にするよう提案した。ある開発途上国グループはこれに反対し、各地域グループはそれほど迅速に調整できないとの懸念を表明した。非公式な非公式での議論が続けられる。
更なる問題:追加の可能性ある問題:共同議長のSarah Baashan (サウジアラビア)は、決定書草案文書の初版を提示した、一つの文書では追加の可能性がある問題4件についての文章が含まれた。
文書のタイトル(追加の可能性ある問題)及び序文セクションに関し、各国は、懸念を表明、タイトルではなく決定書番号とするよう提案し、序文の文章は全ての問題にあてはまるわけではないが、この解釈であれば認められると指摘した。
資金メカニズムの運営組織、後発開発途上国基金、特別気候変動基金に対するガイダンスについて、締約国は、全般的な同意を表明、ある国は、ガイダンスを採択する日付は必要ないと述べた。
資金に関する新しい全体的な数量目標の設定に関し、先進国は、文章を括弧に入れるよう提案し、あるものは、この問題に関する決定に反対した。大きな開発途上国グループは、同グループの文章案の再挿入を要請した。
協定0.5条(事前資金の透明性)の下での資金情報報告のモダリティ/手順アレンジに関し、締約国は、この項目はSBIでの9.5条の議論を待機し、「議論保留(parked)」のままとすることで合意した。
既存のNDCsの調整に向けたガイダンスに関し、一部の先進国は、この問題に関する決定書作成を支持したが、一つの先進国及び一つの開発途上国は、反対した。
適応基金:非公式協議の共同進行役は、María del Pilar Bueno (アルゼンチン)が務めた。締約国は、文書草案初版での問題を提起した。ある開発途上国グループは、CMAが適応基金理事会(AFB)に提供すべきガイダンスのタイプに関する改定文書には、同グループの意見が正確に反映されていないと述べた。ある先進国は、同じ文書は不可欠とみなされる構成要素の捕捉にも失敗したと述べ、新しくスリム化された文書を提案した。二つの国は、協定6条の議論が進行中であるため、協定6.4条のメカニズムに言及するパラグラフを括弧書きにするよう提案した。ある開発途上国は、「革新的な(innovative)」資金源への言及は受け入れられないと繰り返し発言した。
資金の適格性に関し、締約国は希望するオプションで意見が分かれた。締約国は、LDCs及びSIDSの特殊事情を認める必要性、及びどの国が「特に脆弱(particularly vulnerable)」であるかを定義する課題について議論した。ある開発途上国グループは、適格性のセクション全体を括弧書きにするよう提案し、これはCMPにおいて明確に定義されており、変更する必要はないと論じた。
AFBの構成に関し、締約国の意見は大きく分かれた。ある先進国グループ及び一国の先進国は、理事会の構成をレビューするCOP 24の決定書を求めた。これら諸国は、可能性ある転換期間中のAFBアレンジ、及び資金源変更の可能性に関し、それぞれを明確にする必要があると指摘した。少数のグループはこれに反対し、あるものは、理事会の構成のセクションを削除するよう提案した。
APAストックテイク:Jo Tyndall (ニュージーランド)が共同議長を務めた。APA共同進行役は、全ての議題項目の最新情報を提供し、(文書草案の)初版が発行されたが、全ての議題項目において、成すべき多くの作業が残されていると指摘した。
APAの作業終了までに残されているのは「一日と少し」しかないと強調した共同議長のTyndallは、土曜日までに文書草案の最終版が必要だと強調した。同共同議長は、これらの最終版にはPAWP全体で残された問題の「必要最小限(bare minimum)」のみを含めるべきだと述べ、第2週で解決に向け明確なオプションを特定すべきだと述べた。同共同議長は、「まだそこまで至っていない(we are not there yet)」と指摘し、共同議長が共同進行役との協議に基づき、今夜中に文章バージョンを作成して発表し、可能な落としどころを特定することを提案した。締約国は、この進め方を受け入れた。
エジプトはG-77/中国の立場で発言し、次の項目に関する交渉は一歩後退と見た:資金、これに関し同代表は先進国の義務が薄められていると述べた;NDCs、これについては「全範囲(full scope)」であり、差異化を反映すると強調した。
モルディブはAOSISの立場で発言し、透明性枠組では交渉が続いていることから、共同議長はこれに関する新しい文書を再発行しないよう求めた。同代表は、一部の地約国がNDCに緩和を入れるのはオプショナルだと示唆したことに対し、懸念を表明し、協定6条の下での二重計算を回避する必要性を強調、損失と損害を明確に認識するよう促した。
サウジアラビアはアラブグループの立場で発言し、NDCsは「全範囲で差異化された(full scope and differentiated)」ものだと強調し、透明性枠組の文章がNDCsの国家決定という特性を損なっており、新しい義務を導入しているとして、懸念を表明した。GSTに関し、同代表は、IPCCの専門家も含める、非締約国利害関係者の参画に反対した。最終的なオムニバス・パッケージに関し、同代表は、対応措置、及び適応もしくは経済多角化で緩和共同便益を生むものを含める必要があると強調した。
コロンビアはAILACの立場で発言し、一部の分野では非公式な非公式協議のための更なる時間が必要だと述べ、資金、透明性、適応報告書の分野を挙げた。同代表は、緩和での差異化反映は政治問題であると指摘した。
スイスはEIGの立場で発言し、共同議長が「パリ協定に基づく選択をする(make choices in light of the Paris Agreement)」よう求めた、これには次のものが含まれる:協定が予見する場合の法的拘束力のあるガイダンス;協定において記載され永ない場合は二分化(bifurcation)を導入しない;先進国は資金源を提供するものとし、他の締約国もそうすることが奨励されるとの記述。同代表は、協定6条の下での二重計算を回避する必要があると強調した。
オーストラリアはアンブレラ・グループの立場で発言し、パリ協定のマンデートを尊重すること、及び「協定に生命を吹き込む(brings the Agreement to life)」バランスがとれ、包括的で確固としたガイダンスを求めた。
EUは、緩和及び市場のための明確な一連の算定規則に特に注目する必要があると強調した。同代表は、包括的でバランスが良く、しかも十分な詳細さを持つガイダンスで、パリ協定の運用を可能にするものが必要だと強調した。
ガボンはアフリカングループの立場で発言し、重要な項目、特に資金、適応、損失と損害の項目に関する運用開始が押しとどめられていると嘆いた。同代表は、特に次の項目に注目する必要があると強調した:開発途上国によるNDCsの作成や実施への支援確保;透明性枠組の柔軟性、及びGSTの下での衡平性の運用を可能にする;協定9.5条の下での資金情報報告のモダリティで合意する。
エチオピアはLDCsの立場で発言し、パッケージはバランスさせるべきであり、資金及び損失と損害を含めるべきだと強調した。同代表は、閣僚会議に送られる文書には多数の技術亭問題を含めるべきでないと指摘し、「最大公約数(lowest common denominators)」は受け入れられないと述べた。
イランはLMDCsの立場で発言し、文書草案の初版に対する失望感を表明し、これらは同グループのオプションを「薄めた(diluted)」と嘆いた。同代表は、透明性枠組、GST、緩和における衡平性及びCBDR-RCの重要性を強調し、パリ協定は条約の実施強化を意図したものだと想起した。
コンタクトグループ会議の閉会にあたり、Tyndallは、共同議長が次を行うつもりだと述べた:12月7日金曜日の午後にAPAコンタクトグループ会合を開催し、新バージョンへの反応を聴く;12月6日木曜日の後、締約国が「仲立ちした(brokered)」可能性ある解決策を、後の段階での文書の「微調整(finetuned)」版に含める。
廊下にて
木曜日、参加者は、カトヴィチェ国際会議場の暖かい部屋に戻り、実質的な議論においても熱を感じ始めた。全てのAPA項目における改定された文書の初版の会議に分かれた参加者は、一つの感情を共有したようであった:すなわち、自分たちの優先策の多くが失われていたという感情である。これと同時に、少数の会議室では、PAWP以外の2つの項目とはいえ、一定の進展があった。しかし、締約国はCOP議長の期待どおり、土曜日までにPAWPの技術的作業を終わらせられるかという、燃える火のような疑問は残ったままである。
この疑問は、夕方のストックテイク会議における、注目の的であった。締約国は、一連の文書草案作成のため徹夜で作業するとのAPA共同議長の申し出を支持したが、これはおそらくPAWPの「必須要素(essential elements)」を明確にするにはそれ以外に方法がないからであった。寒い夜に足を踏み出した参加者の一人は、パリのバランスという、前進を確保できる一方で、「だれもが同程度に、だが過度ではなく、不満に思っている(everyone was equally – but not too – unhappy with)」ものを保持できるか、首をかしげていた。