Daily report for 4 May 2018
Bonn Climate Change Conference - April 2018
金曜日、主要な注目点は、COP 24までに最終決定する必要があるパリ協定作業計画(PAWP)の交渉に戻った。この日一日、多様な一連の題目が議論され、この中には技術枠組、適応フォーラムに関係する問題(AF)、緩和、教育・訓練・啓発、一般の参加、行動を強化する情報への一般のアクセス(ACE)が含まれた。交渉グループは、SBSTA及びSBI議題書の他の多様な問題を議論するため会合した、この題目には国別適応計画、研究と組織的な観測、地方コミュニティ―と先住民プラットフォームが含まれた。
国際的協議及び分析の下での第5回意見交換促進(FSV)ワークショップも開催され、合わせてキャパシティ・ビルディングに関するパリ委員会の会合も開催された。
SBSTA
協定10.4条の下での技術枠組:非公式協議で、締約国は、SBSTA議長の非公式文書に対する詳細な提案を行い、支援問題に焦点を当てた。締約国は、他のワークストリーム、特に透明性枠組及びグローバル・ストックテイクとのリンクの扱い方で意見が分かれた。一部のものは、リンクを明確に示すよう論じたが、他のものは、それは不必要である、もしくは時期尚早であると述べた。締約国は、集めたインプットに基づき次回会合向けの文書草案を推敲するよう共同議長に委任することで合意した。
協定6.2条(協力的手法):締約国は、SBSTA議長の非公式ノートの第1回読み合わせを続けた。議論された問題には次のものが含まれた:協力的手法の緩和全般と環境十全性の差異;収入の一部徴収;多国間ガバナンス及び規則本位のシステムの下でリストアップされる要素。締約国は、最終的な計算、及び協定4.13条(緩和計算)とのリンクを記載する最善の方法について議論した。
その後、締約国は、第2回の読み合わせを開始し、原則、序文、範囲、目的など、このノートの要素に関しコメントした。原則のセクションの必要性では意見が分かれた。多数の締約国は、編集を回避するよう促した。
非公式な非公式協議の開催の提案が出された。そのフォーマット及び範囲に関する議論の後、締約国は、共同進行役抜きでの会合で合意した。
SBI
FSV:UNFCCC事務局次長のOvais Sarmadは、パリ協定の実施に向けた信頼性構築及び準備作業でのFSVの重要性を強調した。
チリは、自国の第2回隔年更新報告書(BUR)の概要を説明し、1990年比で100%を超える排出増があり、2010年以後は約20%増加していると指摘した。同代表は、国として取り組む緩和努力について説明した、これには次のものが含まれた:エネルギー、廃棄物、植生資源部門での政策及び行動;国家適切緩和行動(NAMAs)における数件の登録;民間部門で行われる自主的な行動。
同代表は、質問に答えて、次を説明した:チリの緑の税金の範囲、これにより昨年は2億米ドル近くの歳入を得た; BURプロセス、これは気候行動を促進し、能力を改善する機会となった。
シンガポールは、自国の第2回BURに関し、自国は排出量をビジネスアズユージャルより16%削減するという2020年プレッジの達成に向け「順調に進んでいる(well on track)」と説明した。同代表は、太陽電池の展開を2020年までに350メガワットというピークにまで増加するとの目標に注目するよう求めた。
協定4.12条 (NDC登録簿)に言及する公的登録簿:非公式協議で、ある締約国グループは、技術的な問題を議論する前に、この項目を適応報告書に関する公的登録簿と合同で検討するという同グループの提案を再度繰り返した。
参加者は、締約国の一連のNDCs及び補足文書を登録簿に記録するとの1つの締約国の提案について議論し、あるグループは、この問題はNDCsの時間枠という考え方の下、審議されるべきだと論じた。
共同進行役は結論書草案を作成する予定。
協定4.10条のNDCsの共通時間枠:非公式協議で、締約国は、次に関する結論書草案について議論した:NDCsの共通時間枠の適用可能性において、時間に関し表明された意見を捉える最善の方法。一部のものは、意見が結論書または非公式ノートに反映されないなら、今会合での進捗は失われるとの懸念を表明したが、他のものは、非公式ノートまたは会議室ペーパーに意見が掲載されるなら、更なるインプットを行いたいと指摘した。
APA
ストックテイキング・コンタクトグループ:夕方のコンタクトグループ会合で、共同進行役は、非公式グループにおける進展について報告した。APA共同議長のTyndallは、代表団長たちとの2回の会合を指摘し、次の項目に関心が示されたと報告した:項目3(緩和)に関する非公式ノートのスリム化;項目4(適応報告書)及び項目5(透明性枠組)に関する合同の非公式協議開催;SBI及びSBSTAの下の異なる問題に関する合同の非公式協議開催。同共同議長は、交渉会合追加の必要性に関する議論が進行中であると指摘し、APA共同議長は、全ての非公式ノートの最終版は「一貫性があり、読み合わせ可能な文章(coherent, navigable text)」となるよう具体的なオプションが示されることを期待すると述べた。
エチオピアはLDCsの立場で発言し、資金関係問題での進捗の遅さに懸念を表明し、項目3と項目5を検討する時間を追加するよう求めた。サウジアラビアはアラブグループの立場で発言し、可能な追加会合の作業についてモダリティを変更することに反対した。
オーストラリアはアンブレラ・グループの立場で発言し、項目5に更なる審議時間を求めた。EUは、進展速度を一致させる必要があるという理由で、一部の問題の進展を遅らせるべきでないと強調した。
ガボンはアフリカングループの立場で発言し、実施手段(MOI)での進展の遅さを嘆き、非公式ノートからストーリー性のある文章へと進めるよう求めた。モルディブはAOSISの立場で発言し、締約国に対し、実質的な審議に参加し、バンコクでの交渉の前にスリム化された文章の議論に移るよう促した。
エクアドルはLMDCsの立場で発言し、インドの支持を得て、行動の透明性に配分された審議時間に合わせ、支援の透明性に特化した議論を行うよう求め、MOIの議論にさらなる時間配分を求めた。イランはまたLMDCsの立場でも発言し、項目5と他の補助機関の下での項目とのインターリンクに焦点を当てた。
コロンビアはAILACの立場で発言し、項目5に対する時間配分に懸念を示し、協定9.5条(先進国の事前隔年資金報告書)での進展の無さも懸念した。米国は、この問題に関する意見の集約を指摘し、共同議長に対し、項目5に対し審議時間を追加配分するよう促した。
APA共同議長のTyndallは、必要な場合は多くの時間を配分する努力をすると述べ、相対的にどれだけの進展がなされたかは非公式ノートの形のアウトプットで測ることができると再確認した。
AFに関係する問題:非公式協議で、締約国は、AFがパリ協定でも役割を果たすために必要なガバナンス及び制度アレンジについて議論した。
タイミングと排他性に関し、異なる意見が表明された。タイミングに関し、締約国は、次の点を議論した:基金に対する権限をCMAに付与するために必要とされるステップの順序;移行期間の必要性;移行期間中、評議員及び事務局サービスを継続することの重要性。締約国は、AFがCMAのみで役割を果たすべきか、それともCMAとCMPの両方で役割を果たすべきか、検討した。
決定書1/CP.21(パリ協定の採択)の緩和セクションに関する更なるガイダンス:非公式協議では、NDCsの計算に焦点が当てられた。締約国数か国は、新たに意見が一致しようとしている点を指摘した。
多数の締約国は、最近のIPCC手法論の利用、さらに利用可能になるにつれ更新された手法論の利用を支持した。締約国数か国は、伐採された木材製品及び自然のかく乱現象に特化したガイダンスが必要になる可能性があると述べた。
多数の締約国は、協力メカニズムに関する議論、さらには透明性枠組に関する議論での協調を求め、2か国は、プレースホールダー文章の利用を提案した。特化性の水準については意見の不一致が見られ、一部の開発途上締約国は、NDCsの国家主導の特性及び締約国の能力に合わせる必要性を指摘したが、他のものは、多様な約束のタイプを横断する、NDCsの緩和影響を理解するに十分な詳細を示すガイダンスが必要だと強調した。
遵守:非公式協議で、締約国は、非公式ノートにあるガイダンスの要素のセクションをスリム化するための共同進行役提供のツールを歓迎した。締約国は次の点を議論した:定足数の要件;委員会メンバーの個人の能力及び専門能力;体系的問題の定義;CMAが委員会の手順規則を採択する期限;委員会は議長団を有するべきかどうか;電子的意思決定。締約国は、特に、支援へのアクセス促進を委員会のアウトプットにすべきかどうかで意見が分かれた。共同進行役は、非公式ノートの更なる改訂版を作成する。
透明性枠組:非公式協議は、進展に関する多国間の促進性審議のフォーマット及びステップに焦点を当てた。多数の締約国は、対面式の会議とオンラインの会議との組み合わせを検討する意思があると表明したが、少数の締約国は、技術的な課題や参加障壁に関する懸念を表明した。非締約国利害関係者の役割でも意見が分かれ、ある締約国は、会議への出席を認めるが質問はしないことを提案した。このプロセスの頻度に関ついて、締約国は2年から5年と多様な意見を示した。
多数の締約国は、非公式ノートの全要素を等しく議論するには、残された時間が十分でないとし、懸念を表明した。締約国は、非公式な非公式で会議するかどうかでも意見が一致せず、共同進行役に対し、非公式協議のため更なる時間を配分するよう要請した。
グローバルストックテイク:非公式協議で、締約国は、共同進行役が再構成した非公式ノートに基づき議論を進めることで合意した。いくつかのグループは、締約国がインプットの技術的な根源をどう取り入れるか明確にするよう要請し、情報を十分理解するための場を求め、とりまとめを担当するものとの相互交流を求めた。ある締約国は、締約国と非締約国利害関係者の提出文書へのアクセス可能性を確保する、オープンでオンラインのプラットフォームを提案した。
AFを除く他の問題:非公式協議で、締約国は、協定9.5条に則り隔年に報告する情報のモダリティを議論した。2つの開発途上国グループは、締約国数か国の支持を得て、SBIではどのような情報を取りまとめるべきかを推敲しているが、義務の運用を開始することは通報方法を推敲することも意味すると論じ、この課題はCMAで議論されるべきものだと論じた。数名のものは、自分たちの発した質問、たとえばいつまでに最初の通報をするのか、対象となるのは何年間か、レビューまたはとりまとめがその後に行われるのかどうか、通報はどこに掲載されるのかといった質問には、回答がなされていないと指摘した。一部の先進国は、協定9.5条はそのような質問に対し十分なガイダンスを提供するとし、既存のモダリティが用いられると応じた。共同進行役は、非公式ノートの初版を用意する予定。
SBI/SBSTA
農業に関するコロニヴィア(Koronivia)共同作業:非公式協議で、ある開発途上国グループは、最新のロードマップ案を提示した、これはこの日の早い時間に、非公式の非公式協議で議論されたものであった。締約国は、議論を進める上で有用だとして、この提案を歓迎し、依然として要素の追加または改定は可能であり、文章をさらに練り上げる必要があるかもしれないと指摘した。
締約国は。専門家会議及び会合期間中ワークショップのアレンジについて議論し、さらにワークショップの構成及び内容に関しては提出文書がいかに情報をもたらすか議論した。今後の進め方に関し、あるグループは、結論書草案文書で作業するよう提案し、別な締約国は、そのためには以前の決定書文書を参照するよう提案した。あるオブザーバー組織は、指針となる原則で合意するよう締約国に求めた。
廊下にて
会議の折り返し点に近づく中、参加者は、APAストックテイキング・コンタクトグループや会場廊下の非公式の対話の両方で進捗状況を話し合っていた。多くの参加者は、時間の制約への懸念を募らせていたようで:「実質的な議論に参加する必要性とスケジュールを守る必要性がせめぎ合っている」とあるものは説明した。「このプロセスでは時間が十分にあった試しはない」とAPA共同議長のJo Tyndallは遺憾の意を表し、夕方のストックテイクでは、更なる交渉時間を求める数名の声に応えようと試みた。
ある熟練の交渉担当者は、秋のバンコクでの追加交渉という展望は却って問題を大きくしているとの観測を示し、「交渉は使えるスペースを満たすように広がっていく」と指摘した。
ある参加者は、今日は国際スターウォーズの日であると指摘、締約国が縮小しつつある宇宙に乗り出していく中、「フォースは、彼らと共にある」ことを希望した。