Summary report, 13 March 2018
47th Session of the Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC-47)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第47回総会(IPCC-47)は2018年3月13-16日、フランス・パリのユネスコ(UNESCO)本部で開催され、世界130ヶ国以上から約350名が参加した。
IPCC-47開幕を受けて、IPCCの Hoesung Lee議長は、IPCC創設30周年を祝賀のために総会を一時中断した。フランス政府主催で行われた祝賀行事ではIPCCの起源や変遷、ならび気候科学の歴史について概要が紹介され、3月14日(水)午前に IPCC総会が再開となった。
IPCC-47の会期中にIPCCパネルが採択した決定書の分野は下記の通り。
- IPCC-48への報告が予定される、資金安定化に関する特別作業部会( Ad Hoc Task Group on Financial Stability)の期限延長
- ジェンダーに関するタスクグループの設置
- パリ協定に基づくグローバルストックテイクを考慮したIPCCの今後の作業構成に関するタスクグループへの委託条件
- 各章の科学者向けの財政支援を含むIPCCスカラーシップ・プログラムの拡大
- IPCCの諸活動における途上国の参加拡大
- IPCC信託基金と予算
- TGICA(影響及び気候分析のデータ並びにシナリオ支援に関するタスクグループ)の将来
- 新たな7つのオブザーバー組織の認定
パネルでは、WG共同議長より第6次評価報告書の各作業部会の報告書のための調整役代表執筆者(CLA)、代表執筆者(LA)及び査読編集者(RE)の選定に関する作業部会(WG)議長団(ビューロー)からの報告について発表が行われた。
また、IPCC-47では、コミュニケーション及びアウトリーチ活動に関する報告や第6次評価報告書サイクルに作成される下記の特別報告書の進捗状況についての報告があった。
- 1.5°Cの地球温暖化に関する特別報告書(SR15)
- 気候変動および土地に関する特別報告書
- 変化する寄稿におけう海洋及び氷圏に関する特別報告書
- 国家温室効果ガスインベントリに関する2006年IPCCガイドライン精緻化のための方法論報告書
なお、次回のIPCC総会は2018年10月第1週に韓国・仁川にて開催され、SR15を承認する予定である。また、IPCC第49回総会は2019年5月に日本の京都で開催、国家温室効果ガスインベントリに関する2006年IPCCガイドライン精緻化のための方法論報告書を承認する予定となっている。
IPCCの簡略史
IPCCは、1988年、世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により設立された組織、人為的気候変動及び可能性ある影響や適応及び緩和オプションに関する理解を深めるため、関連の科学情報、技術情報、社会経済情報を、総合的、客観的、オープンかつ透明性のある形で評価する。IPCCは、科学的政府間組織で、195か国が加盟、新規の研究や気候関係データのモニタリングを行うことはない。その代り、公表されピアレビューを受けた科学技術文献に基づき、気候変動の知識の状況を評価する。IPCCの報告書は、政策関連性を有するが政策規範的ではない。
IPCCには3つの作業部会がある:
- 作業部会I (WGI)は、気候変動の科学的根拠を論じる;
- 作業部会II(WGII)は、気候変動の影響、適応、脆弱性を扱う;
- 作業部会III (WGIII)は、温室効果ガス(GHG)排出量及び気候変動緩和オプションを論じる。
各作業部会は2名の共同議長及び6名の副議長を擁す。共同議長は、技術支援ユニット(TSUs)の助力を得て、パネルが課すマンデートを達成すべく、作業部会を指揮する。
さらにIPCCには、国別GHGインベントリに関するタスクフォース(TFI)があり、こちらもTSUの支援を得て、IPCC国別GHGインベントリ・プログラムを監督する。このプログラムは、国別のGHG排出量及び除去量の計算並びに報告作成のため国際的に合意された手法及びソフトウェアを開発し、推敲し、気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国による利用推進を目指す。
パネルは、1件のIPCC評価報告書作成を含める一つの評価サイクル期間ごとに議長団を選出する。議長団は、IPCCの作業を計画し、調整し、モニタリングする組織で、全地域を代表する気候変動専門家で構成される。現在の議長団は34名、IPCC議長及び副議長、各作業部会の共同議長及び副議長、並びにTFI共同議長が含まれる。
2011年、IPCCは、執行委員会を設立、会合期間外の作業及び作業部会間の調整を支援することとなった。IPCC事務局はスイスのジュネーブにおかれ、WMOがそのホスト組織である。
IPCC製品:IPCCは、発足以来、一連の包括評価報告書、特別報告書(SRs)、テクニカル・ペーパーを作成、気候変動の科学情報を国際社会に提供してきた。
IPCCは、5回、評価報告書を発行、それぞれの完成年度は1990年、1995年、2001年、2007年、2014年であった。第6次評価報告書(AR6)は、2022年の完成が見込まれる。これらの評価報告書は、作業部会ごと1部、合計3部で構成される。各作業部会の報告書は、政策立案者向けサマリー(SPM)、テクニカル・サマリー、その基礎となる評価報告書(本文)で構成される。各報告書は、専門家及び政府による徹底的かつ厳格な査読プロセスを経るが、これは次の3段階で行われる:第1回は専門家による査読、第2回は専門家及び政府による査読、第3回は政府による査読である。
その後、各SPMは、該当する作業部会による行ごとの承認を受ける。統括報告書(SYR)は、評価報告書全体を網羅して作成され、3つの作業部会報告書及び当該評価サイクルの特別報告書で、最も関連性の高い項目を統合する。その後、パネルは、SYRのSPMを行ごとに承認する。
IPCCは、気候変動に関係する特定の問題について、特別報告書及びテクニカル・ペーパーを作成、この中には次のものが含まれる:
- 土地利用、土地利用変化、森林(2000年);
- 二酸化炭素回収貯留(2005年);
- 気候変動と水(2008年);
- 再生可能エネルギー資源及び気候変動の緩和(2011年);
- 極端な現象及び災害のリスク管理、及び気候変動への適応推進(2011年)。
第6次評価サイクルの特別報告書には次のものが含まれる:SR15;変化する気候における海洋及び氷雪圏の特別報告書;気候変動と土地に関する特別報告書。
このほかIPCCは、各国のGHGs報告作成を支援する指針となる手法論報告書を作成する。グッドプラクティス・ガイダンス報告書は、2000年及び2003年にパネルの承認を受けた。国別GHGインベントリのIPCC指針最新版は2006年に承認され、(現在の)第6次評価サイクルでは、これらの指針を精査する手法論報告書も作成される。さらに2013年には、2006年IPCC指針の補足書:湿地(湿地補足書)、及び京都議定書から派生する補足手法及びグッドプラクティス指針の改訂版(KP補足書)がIPCCの採択を受けた。
2007年、IPCCは、「人為的な気候変動に関する知識を向上させ、これを広め、気候変動への対抗に必要な礎を築いた」努力及び業務に対し、米国のアル・ゴア元副大統領と共同でノーベル平和賞を授賞した。
第6次評価サイクル:IPCC-41からIPCC-43:IPCC-41(2015年2月24-27日、ケニア、ナイロビ)では、将来のIPCCの作業について議論し;IPCC及びTFI議長団の人数、組織構造、構成を決定し;第6次評価サイクルに関連する決議を採択した。IPCC-42(2015年10月5-8日、クロアチア、ドブロヴニク)では、第6次評価サイクルの議長団メンバーを選出した。
IPCC-43(2016年4月11-13日、ケニア、ナイロビ)では、第6次評価サイクルにおいて、次の3つの特別報告書を作成することで合意した:1.5℃の地球温暖化(SR15);気候変動と土地(SRCCL);変化する気候における海洋及び氷雪圏(SROCC)。2006年IPCC指針を精査する手法論報告書の作成でも合意した。さらにパネルは、第7次評価報告書の一環として、都市に関する特別報告書を作成することでも合意した。
IPCC-44:本会合(2016年10月17-21日、タイ、バンコク)で、パネルは、SR15の概要、及び2006年IPCCガイドラインを推敲する手法論報告書を採択した。さらにIPCCは、特に次の項目に関する決定書を採択した:緩和、持続可能性、気候安定化シナリオに関する専門家会議;コミュニケーション及びAR6スコーピング・プロセス;気候変動と都市に関する会議。
IPCC-45:本会合(2017年3月28-31日、メキシコ、グアダラハラ)では、SRCCL及びSROCCの概要を承認、特に次の項目について議論した:第6次評価サイクルの戦略計画スケジュール;短寿命気候強制力(SLCFs)考察の提案;IPCCの資金調達オプション、この議論から資金安定性に関する特別タスクグループ(ATG-finance)の設置が決定された。
IPCC-46:本会合(2017年9月6-10日、カナダ、モントリオール)で、パネルは特に、AR6の3つの作業部会報告書の章別概要を承認した。さらにパネルは、ATG-financeの進捗状況について最新情報を聴取し、IPCCの多様な資金調達オプションを議論し、このグループのマンデートをIPCC-47まで延長すると合意した。
IPCC都市と気候変動の科学会議(CitiesIPCC Conference):本会議(2018年3月5-7日、カナダ、エドモントン)には、科学、政策、実務者社会から約750名の参加者が集まり、現在及び将来の排出源並びに都市の排出削減及び回復力戦略を探求する方法の決定を進めた。この会議は、気候変動及び気候変動が都市に及ぼす影響を理解するための研究課題を確立、気候問題への取り組みで地域社会が果たす重要な役割を確立した。
IPCC30周年記念祝賀行事
この祝賀行事は、3月13日火曜日のIPCCプレナリー開会に続き、フランス政府主催で行われた。IPCC議長のHoesung Leeは、開会の挨拶の中で、科学的な理解を改善して不確実性を削減するよう求め、特に気候系や社会経済体制に不可逆的な変化を起こす分岐点までの閾値に関する不確実性を削減するよう求めた。同議長は、AR6での社会科学者の参加を増やし、社会的価値観や消費パターン及び生産パターン、異なるリスク計算、利害関係者の利益の違いを考慮した政策対応などでの理解を深めるよう求めた。
IPCCの原点
気候の知識の表舞台:本会合の冒頭、全米物理学協会のSpencer Weart氏(退任)は、1988年までの気候科学の歴史を紹介した。同氏は、二酸化炭素(CO2)の濃度水準が高まると共に地球が温暖化し、メタン及び他のガスはその効果を悪化させるとするモデルを構築した科学者たちに、賛辞を贈った。
WGI共同議長でフランスのValérie Masson-Delmotteは、最初の5回のIPCC評価報告書のテーマの概要を説明し、IPCCは毎年発表される何千もの気候科学論文を統括し、評価し、気候科学の理解の深化に役立てることを目的とすると指摘した。同共同議長は、AR6では問題解決に焦点を当て、情報を得た(informed)意思決定に役立つ科学情報を提供できると指摘した。
WMOのElena Manaenkovaは、天候観測及び気候観測では、人工衛星や遠隔感知機器の役割が大きいと強調した。同氏は、2017年の大気中CO2濃度は気温が2-3℃高く海面水準が10-12メートル高かった漸新世中期の平均値と同等であると指摘した。
東アングリア大学でティンダル気候変動研究センター理事のCorinne Le Quéréは次の各氏に賛辞を贈り追悼した:優れたコミュニケーション能力を発揮し、気候科学が社会に果たす役割の重要性、知的権威、実践上の有益性を高めたJohn Tyndall氏;忍耐と粘り強さを発揮しCO2の科学的計測で名声を構築したDave Keeling氏。
その後の議論で、パネリストは特に次の問題を議論した:
- 現在の科学知識は、政策の実施を奨励するに足るものかどうか;
- 新手法の開発における「驚くべき進展」で、計測の正確さが増し範囲が拡大した;
- 極端な現象の起因に関する議論は科学的に興味あるもので、一般人にも政策立案者にも関連性がある。
1988年、IPCCの創設:フランス国立科学研究センターのAmy Dahanは、このパネルの概要を紹介、IPCC創設を可能にさせた科学的政治的概念について説明した。同氏は、1980年代初めには既に地球の気候変動に関する科学的診断が十分確立されていたと論じた。同氏は、気候変動を議論する組織及び会議の創設に至った「制度上の盛り上がり(institutional excitement)」、さらには先進国及び開発途上国の両方の政治的抵抗について説明した。同氏は、このような緊張関係は「専門組織(expertise institution)」の必要性を浮かび上がらせ、IPCC創設という結果を生むに至ったと説明した。
WMOの元事務局長でフランスのMichel Jarraudは、科学者と政策立案者の対立の詳細を説明し、1980年代には気候変動に対する人間の役割に関する政治論争が熱を帯び、政府間プロセスを支援する科学的証拠の必要性が明らかになったと指摘した。同氏は、IPCCは科学者と政策立案者の両グループの関心に応えるべく創設されたと説明した。
ノルウェーのØyvind Christophersenは、IPCCは科学者や政策立案者が参加する混成組織であると説明し、そのような組織であるため「単なる科学論文以上の影響」を与えられると指摘した。同氏は、科学的な影響及びその影響への対応手段の両方を議論するという、IPCC創設当時の幅広い焦点の取り方がIPCCの成功に不可欠だったと付け加えた。
WGII副議長のSergey Semenovは、国連総会がIPCC創設支持を迅速に行ったのは政治家だけでは気候問題に取り組めないことを認めた証であると指摘した。同副議長は、気候に関する政治と科学の両方に特徴的であり続けたのは国際協力であると発言し、例として1990年代のロシアとフランスの科学者によるボストークのアイス・コア収集を挙げた。
その後の議論で、パネリストは、IPCC創設に続く時期には世界は気候の「警告(alarm)」に反応しモーメンタムを急激に高めたが、30年の後でも適切な進捗は見られないというパラドックスについて議論した。
IPCC:その30年の歴史
1988年から2018年の環境問題に関する科学と政治のダイアログ:フランスの元気候変動担当大使であり第21回UNFCCC締約国会議(COP 21)の特別代表でもあったLaurence Tubianaは、会合の開会にあたり、科学者社会の役割を強調し、科学者社会には警告を発し、気候変動への対応について政策立案者に情報を提供し、革新的な解決策を策定するという役割があると述べた。同氏は、科学的評価を国家のものとすべく、政策と科学の循環を調整するよう求め、科学者社会の新しい役割は行動者に約束達成責任を負わすことであるべきだと発言した。
IPCC副議長でブラジルのThelma Krugは、パリ協定の迅速な批准は科学者社会と政策立案者が相互の主張に耳を傾けてきた結果であると述べた。同副議長は、IPCCの確固とした査読プロセスの重要性、民間部門及び地方の実務者を含めた異なる行動者の参画を得る重要性を強調した。
WGIII共同議長で英国のJim Skeaは、政策立案者と明白なコミュニケーションをとることの重要性に焦点を当て、現在各WGにはコミュニケーションの専門家が配され、アウトプットのより良い伝達を確保していると指摘した。同共同議長は次の点を強調した:
政策関連性;
- IPCCの(評価)サイクルとパリ協定のグローバルストックテイク(GST)プロセスとの同調;
- 国際社会の期待感に応えると共に、根本的な価値観は保持する;
- 科学者と政策立案者社会との相互学習
COP 21議長でフランスのLaurent Fabiusは、パリ会議の成功は「次の3つの惑星をそろえたこと(alignment of three planets)」に起因すると述べた、すなわち:
- 政治という惑星―主要国からの有志指導者の参加;
- 市民社会という惑星―パリ協定を支援する都市、企業、NGOs、及び形而上の権威の参加;
- 科学という惑星―パリ協定締結を可能にした知識を提供。
同氏は、次を主唱した:
- 科学―政策の循環(サイクル)の協調を改善、一般の意見に影響を与えるべく毎年のCOPs前にIPCC報告を発表するよう求めた;
- 一般及び政府が利用できるよう、科学の解釈をする専門の解説者;
- 気候による健康、公衆衛生、紛争への影響など、一般の意見に影響を与えうる主題に関する学際的研究。
IPCC報告書:継続と破断の間:このパネルは、IPCCのメッセージが時間の経過とともにいかに洗練されてきたか、学際性の高まりや特定の分野の急速な成熟など、気候科学に関するIPCCの影響がいかに増大したかを議論した。
英国気象庁のJohn Mitchellは、時間の経過とともに気候変動に対する人間の活動の起因性が高まるなど、検知と起因性の両面で進捗があったと指摘した。同氏は、2100年までの地球平均気温予測の進展を議論し、気候感度での進捗を主唱した。同氏は、IPCCが気候科学をいかに変えてきたか、次の点を指摘した:
- 科学者と政策立案者の密接なリンク;
- モデル研究所の数の増加;
- 利用可能な気候データの範囲拡大
- 同氏は、評価プロセスが大きくなりすぎたかどうかを問い、主題の成熟と共に、進捗は遅くなり、新しい問題への対応も遅れると指摘した。
Mediterranean Institute of Marine and Terrestrial Biodiversity and Ecology(地中海海洋及び陸上の生物多様性及び生態学研究所)のWolfgang Cramerは、生物多様性の保全は気候変動への対応に等しい社会的重要性を有すると指摘した。同氏は、影響の検知と起因性という観点からすると、各国の研究及びモニタリングは一様でないと嘆き、偏りのない観測システム及び開発途上国の観測能力の大幅向上を求めた。
セネガルのMariane Diop Kaneは、年数が重なるにつれ、データへのアクセス性や対象範囲、並びに著者の地域代表性や性別代表性は改善されてきたと述べた。同代表は、次を求めた:
- 先進国及び開発途上国出身の科学者同士の協力関係改善;
- 中期的気候予測の考察を強化し、これらの予測と政策面のスケジュールとのすり合わせを行う;
- 開発途上国の気候観測網を改善する、これにより各国は持続可能な開発目標(SDGs)達成の可能性を高めると指摘する。
WGI TSUのトップでイタリアのAnna Piraniは、TSUsについて論じ、TSUsは常時相互に連絡を取り合っているほか、WG議長団や共同議長とも連絡を取り合っていると指摘、特にTSUのスタッフの業務の多くがボランタリーであることに鑑み、TSUスタッフの献身を称賛した。同氏は、著者の選考における地域代表及び性別代表の分画を高めるには、専門性を見出すより、補足的な専門性確保できるかどうかにかかっていると断定した。
その後の議論で、パネリストは、次の必要性を議論した:
- 政治家と科学者の間の双方向のコミュニケーション;
- 政策関連性のある気候研究;
- 脆弱な人口に気候影響への適応能力をつけさせるためのデータ。
将来に向けた準備:教育及び研究
本会合は、将来への準備作業、未知との取り組み、柔軟性及び弾性の追及、人類の持つ可能性の解放、専門分野同士の連携に焦点を当てた。
フランス科学アカデミーのPierre Lénaは、世界では教育の機会に大きな差異があると嘆き、子供たちが気候科学の理解を深め、重要な思考方法を得るための新しいツールを求めた。
ドイツの気候サービスセンターのGaby Langendijkは、学際間のサイエンス・ネットワークなど、学際間の手法、分野を超えた手法を検討するよう求めた。同氏は、若手科学者は既に世界的なネットワークでつながっており、気候変動との闘いに関心を寄せていると指摘した。
UNESCOのDouglas Nakashimaは、IPCCの評価サイクルでは先住民の知識を認めて活用するよう求めた。同氏は、「学際(transdisciplinary)」とは多岐の相互に捕捉しあう知識体系を包含し結び付けるものと定義づけた。同氏は、気候科学は地球規模で追及すべきだが、先住民の知識は現地の行動者から派生すると説明した。
コートジボワールの大学、Université Félix Houphouët-BoignyのVéronique Yobouéは、アフリカにおける「科学の発展不足(scientific underdevelopment)」を嘆き、多くのアフリカの指導者は研究を優先しないできたと述べた。同氏は、アフリカの研究者は自国の施設や資金の不足からアフリカ大陸の外で研究するのが通常だと述べたが、コートジボワールなど一部の国では研究資金の割合が増加していると報告した。
Stockholm Resilience CenterのJohan Rockstömは、影響を気候変動に起因させることでは進展があったと指摘する一方、人類に対する影響の発生は当初の予想より早まり、速度も速くなり、程度も大きくなっていると嘆いた。同氏は、リスクを定義づけし、炭素の社会コストを取りまとめる一般的な枠組の設置を提案し、今や不可逆的な領域を超える危険があるのではと問いかけた。
その後Léna及びMasson-Delmotteは、気候教育局という、国内の行動者ネットワークが作成した国レベルの関連の気候情報など、ピアレビュー済みの資料を作成し、学校教師用に提供するというフランスのイニシアティブが近く発足すると発表した。Lénaは、世界の出生時の平均余命の倍増では知識及び教育が重要な役割を果たしていると指摘し、気候変動への取り組みにおいても、この経験から学ぶ必要があると強調した。
映像によるプレゼンテーション
一日を通し、参加者はeParticipatory Observers Project (ePop:オブザーバーのe-参加プロジェクト)が作成した多数のビデオを視聴した、このプロジェクトは太平洋諸島の若者のネットワークで、このビデオによる報告を制作するため、島の人口に影響を与えるような気候や環境の民間観測を推進する。
Institut de Recherche pour le DéveloppementのMarie-Lise Sabriéは、このePopを紹介するにあたり、若者たちがスマートフォンを使って自分たちの文化に対する気候変動の影響を記録し、ビデオを使って旧世代と協議したと述べた。フランスのRFI Planète RadioのMax Baleは、今後の進む方の方向性を定めるには人々が体験した気候変動について知ることが重要だと強調した。
ニューカレドニア出身の16歳の学生、Guilhem Chamboredonは、ePopでの体験について話をし、年上の人たちと会い、意見を交換できたことこそ、最も感動したことだと指摘した。同氏は、若い世代と年上の世代の間に大きな隔たりがあるのが普通だと考えられているとして嘆き、気候変動は年齢に関係なく全てのものに影響を及ぼすと指摘した。
フィジー及びニューカレドニアのビデオは、特にサイクロン・ウィンストンによるフィジーのNabukadra村での被害、及び気候変動が地方の習慣に与える影響を示している。ビデオ視聴は下記を参照:https://epop.network/en/epop-network/
閉会
オーストラリアの科学者でアボリジンの指導者、チャールズ・ダーウィン大学の哲学者でもあるAnne Poelinaは、母なる大地を破壊している価値観や倫理観に疑問を呈すると同時に、IPCCが30年間集めてきた知恵を称賛した。同氏は、体制を再構築し枠づけし直す上で、先住民の知識が重要であり、非国家行動者が果たす役割も大きいと強調した。
フランスのエコロジー連帯移行大臣であるNicolas Hulotは、閉会にあたり、IPCCは国際社会による明確な目的の枠作りを助けたが、その達成速度は不十分であるとの観測を示した。同氏は、無知が終われば自由が始まるというビクトル・ユーゴ―の名言を引用し、気候懐疑論者を沈黙させたIPCCの役割を称賛した。同氏は、気候変動とは最も貧しいもの、最も脆弱なものをターゲットとする「連続殺人犯(serial killer)」だと述べ、先住民の保護に焦点を当てるよう求めた。
IPCC-47報告書
3月13日火曜日の朝、IPCC議長のHoesung Leeは、IPCC-47の開会を宣言し、AR6の執筆者選任プロセスでは、地域及び性別でのバランスを目指すと強調、AR6では緩和に対する都市の貢献など、学際を横断する解決策に焦点を当てると述べた。
UNESCOのAudrey Azoulay事務局長は、現在の世界の「混乱し多極に分かれた(chaotic and multipolar)」特性を指摘した。同氏は、ユネスコの世界市民教育プログラムに注目し、2017年のユネスコ加盟国による「気候変動に関係する倫理原則宣言(Declaration of Ethical Principles in Relation to Climate Change)」の採択を強調した。
WMOのPetteri Taalas事務局長は、WMOとIPCCの密接な関係を強調し、政府代表に対し、大気科学者及び気象学者との関係構築を奨励した。同氏は、気候の科学を政策立案者に伝えることに成功したIPCCの重要な役割を指摘すると同時に、IPCCはパリ協定の目標実施に向けた各国の努力を支援する必要があると述べた。
UNEPのChief of StaffであるAnne Le Moreは、UNEP事務局長のErik Solheimに代わりプレゼンテーションを行い、IPCCは気候の科学を提供し、政策対応を推進する上で重要な役割を果たしたとして称賛し、世界をより持続可能な道筋へ移すための努力がなされる中、あらゆる層の市民にその影響を拡大したと指摘した。
UNFCCCのPatricia Espinosa事務局長は、UNFCCC自体や京都議定書、バリ行動計画及びパリ協定の採択推進におけるIPCCの役割を称賛した。同事務局長は、次のものなどIPCCの将来の重要な役割を強調した:
- 2018年における、パリ協定のための効果ある「運用マニュアル(operating manual)」の採択;
- 2018年タラノア・ダイアログ、次回の国家決定貢献(NDCs)、将来のGSTsに情報を提供し、野心を推進する;
- 行動及びビジネスモデルの転換;
- 気候行動をSDGsに合わせる。
フランスの高等教育・研究・発明省大臣のFrédérique Vidalは、IPCCの作業により政策決定者は気候変動への対応における自分たちの責任を認識せざるを得なくなったと述べ、多様な国、分野、性別への配慮、科学を取り込むことで、気候変動の考え方を世界に広めたというIPCCの能力に焦点を当てた。
フランスの欧州外務担当大臣のJean-Yves Le Drianは、フランスはIPCCに対する毎年の寄付額を100万ユーロ増額すると発表、他の国もこれに倣うよう求めた。同大臣は、科学を推進力とする転換の必要性を強調するとともに、IPCCと生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム (IPBES)とリンクし、地球温暖化及び生物多様性の減少の原因と影響結果に関し、啓発活動を行う必要性を強調した。
その後、議長のLeeは、IPCC30周年記念行事のため、プレナリーを中断した。
水曜日の朝、IPCCプレナリーは再開され、IPCC議長のLeeは、暫定議題書(IPCC-XLVII/Doc.1)及び作業構成書案を提示、両方とも提示された通りで採択された。さらにパネルは、IPCC-46の報告書草案(IPCC-XLVII/Doc.5, Rev.1)も採択した。
IPCC信託基金プログラム及び予算:
2018年、2019年、2020年、2021年の予算:水曜日朝、事務局は、この議題小項目(IPCC-XLVII/Doc.2, Rev.1)を提示した、これには2018年の予算改定案、2019年の予算案、2020年の予算予想、2021年の予算表示が含まれた。議長のLeeは、Helen Plume (ニュージーランド)及びAmjad Abdulla (モルディブ)を共同議長とする資金タスクフォース(FiTT)に対し、特に本会合中にプレナリーで審議される追加の決定書草案が資金にどういう影響を与えるか、議論するよう要請した。
金曜日の朝、FiTT共同議長のPlumeは、FiTTで合意された決定書草案を提示した。同共同議長は、資金情報を提供する有効な方法に関する文章を指摘し、それにより理解がしやすくなると述べ、科学のコミュニケーションに関する専門家会議は2018年から2020年に延期されたと述べた。パネルは提示された決定書を採択した。
最終決定:決定書(IPCC-XLVII-2)において、パネルは、FiTTの提案に基づき、特に次のことを行った:
- 2018年の改定予算及び2019年の予算案を承認し、2020年の予算予測及び2021年の予算表示に留意する;
- 歳出は予算より低くてもよいことを念頭に、標準コストを用いてIPCC信託基金予算の作成を継続すると決定する;
- 加盟国、特に開発途上国及び政府間組織からの寄付及び寄付の約束を歓迎する;
- IPCC加盟国に対し、IPCCの資金安定性を確保するため、多年の寄付の約束など、加盟国自体の資金支援を保持若しくは増額するよう奨励する;
- 加盟国に対し、寄付者のすそ野を広げるため、IPCC信託基金への第1回の寄付を行うよう奨励する;
- 加盟国に対し、実施可能な限りの資金移動を行うよう奨励する;
- WMO及びUNEPに対し、それぞれ事務局の職員1名分の資金を提供したことに対し感謝の意を表する;
- UNFCCCに対し、信託基金への寄付への感謝の意を表する。
これに加え、この決定書は事務局に対し、次を要請する:
- 活動ごとの経費、国別口座ごとの経費で分類し、現金ベースで修正済みの資金実績、及び収支表を提示する;
- 事務局のコスト削減努力の継続、IPCCの予備運転資金の水準に関する提案書作成について報告し、IPCC-49でも再度報告する;
- パネルに対し、今年度前期を対象とする歳出の中間報告、及び後期の歳出予想に関する中間報告を提示する。
資源動員:第6次評価報告サイクルにおける資源動員努力(IPCC-XLVII/INF.8)に関し、IPCC事務局長のAbdallah Mokssitは、2018年から2022年の期間において必要な金額は3840万スイスフランであるが、2017年12月の自転で、510万スイスフランを受け取り、未納の寄付約束分は合計で CHF 271,748であると指摘した。同事務局長は、加盟国に対し、可能な限り早期に約束通りの寄付を行うよう促し、初めての寄付者及び数年の間隔をおいて寄付を再開した寄付者から寄付を受け取っていると発表した。同事務局長は、追加の寄付及び多年の寄付の約束を指摘した。同事務局長は、寄付を行う国の数が30か国から40か国に増加し、寄付額も2016年の450万スイスフランから2017年には540万スイスフラン、2018年には700万スイスフランを超えると述べた。
その後、多数の国が新規若しくは追加の寄付を発表した。欧州連合(EU)は、2019年には年間の寄付額を400万ユーロから500万ユーロに増額するため、加盟国と交渉していると報告した。ノルウェーは、2018年に90万ユーロを寄付したと発表した。フランスは、5か年で年100万ユーロの寄付額を確認した。ルクセンブルグは2018年に15000ユーロを寄付すると発表した。日本は、2018年の寄付額の50%増額を議会に提案していると述べた。モロッコは、初めて寄付を行う国として2018年は15000スイスフランを寄付しており、今後も寄付を続けるとの意図を明らかにした。韓国は、IPCC-48のホスト国として一定の寄付を提供する予定であり、IPCCへの支援を続けると述べた。中国は、2018年に2回のLA会議を主催する意図があり、追加支援の検討を続けると発表した。
数か国は、IPCCの喫緊の資金ニーズは確保されていると認識、パネルの将来の資金安定性確保に向け努力を続けるよう求めた。パネルはこの文書に留意した。
資金安定性に関する特別タスクグループ
水曜日朝、IPCC副議長のThelma Krugは、ATG-資金ATGの報告書(IPCC-XLVII/Doc.10, Rev.1)を提出し、参加者に対しIPCC-46で特定された8つの資金オプションのランク付けを求めるアンケートを配布したと述べた。同副議長は、受け取った回答は22件に過ぎず、IPCC-47に具体的な提案をするには不適切であると指摘、それでも次の3つのオプションが上位を占めたことに注目するよう求めた:1) 加盟国政府からの自主的な寄付の増額;2) 国連の組織及び国際金融機関や地域の金融機関に寄付を要請;3) 国連の組織内からの自主的な寄付募集及び査定された寄付、並びに科学、研究、慈善団体からの寄付の募集。
さらに同副議長は、次のものなど多様な国連の組織に対するアウトリーチについても報告した:
- 国連事務総長、回答は受け取っていない;
- WMO、2018年2月に会議を行った;
- UNEP、IPCC-47に続き、会議が予定されている;
- 地球環境ファシリティ(GEF)及び緑の気候基金(GCF)、会議予定確定の見込み。
IPCC副議長のYouba Sokonaは、この日の朝早くに開催された資金ATG会議の成果を提示した。同副議長は、このグループは短期、中期、長期の作業計画案を作成すると同時に、情報の収集は継続し、提案を募ることで合意したと述べた。同副議長は、今回は、検討対象から外された資金オプションはないと指摘した。さらに資金ATGは、アンケート・プロセス参加に対する各国の障壁を特定し、e-メールの交換に加えて電話会議を導入する可能性でも合意した。
議長のLeeは、資金ATGの報告を審議するにあたり、会議参加者に意見発表の機会を提供し、受理したアンケートの回答件数が少数であったとし、パネルに対し、資金ATGのマンデート延長で合意してこのATGの作業を継続できるようにし、IPCC-48における具体的な提案提出を可能にするよう提案した。ドイツ、モルディブ、ハンガリー、ベルギー、日本、ノルウェー、英国は、資金ATGのマンデート延長を支持した。
ベルギーは、資金ATGは主に中長期の資金安定性に焦点を当てるよう提案し、これにより将来の製品及び他のプロセスとの調整など、他の問題と共に資金問題を議論する必要が生じる可能性があると指摘した。同代表は、小国/開発途上国からの寄付増額は、このプロセスに対するこれらの国の「所有権(ownership)」を高めるであろうと示唆した。
スイスは、国連の尺度表示を用いる自主的な寄付オプションの採用を支持し、民間部門からの資金調達には慎重さを求めた。WGI副議長のEdvin Aldrian (インドネシア)は、「準強制的な(semi-mandatory)」寄付方法を提案、自国の予算システムを考えると自主的な寄付は困難だと指摘した。サウジアラビアは、寄付の査定オプションに反対し、自主的な寄付を行った国に対しアウトリーチを高めるよう奨励した。英国は、障壁の可能性を明らかにすべく、資金を寄贈していない諸国にも手を差し伸べるよう提案した。
ドイツ、モルディブ、英国、スイス、ベルギー、スウェーデン、サウジアラビアは、資金ATGに対し、他の国連組織との協力作業を続けるよう促した。ベルギーは、より多くの資金を調達すべく、GEF及びGCFとの連絡を提案した。英国は、資金調達努力の専門知識から学ぶため、WMO及び世界保健機構との接触を提案した。スイスとベルギーは、UNFCCCはIPCC製品に依存しており、寄付額の増加要請を提案した。ベルギー、サウジアラビア、スイス、モルディブは、国連組織からの反応がないことに懸念を表明した。サウジアラビアは、国連組織とのハイレベルな対話、及び議長のLeeと資金ATGの共同議長の直接参加を提案した。
資金ATG共同議長のKrugは、次のステップがどういうものかその概要を紹介した、これには次のものが含まれる:次回のアンケート配布では、回答期限を長くとり、慎重に作成した詳細にわたる質問を記載する;寄付に対する障壁を調査評価する;国連機関とハイレベルな連絡を密にする。
パネルは、資金ATGのマンデートをIPCC-48まで延長し、その時点でこのグループとしての提案を提示すると合意した。木曜日午後、議長のLeeは、ドイツからの質問に応え、IPCC-47の報告書には全てのコメント、助言、会場からの提案を含めることを保証した。その後、パネルは決定書を採択した。
最終決定書:決定書(IPCC-XLVII-10)は、IPCCは次を行うと記述する:
- 資金ATGの価値ある作業を認め称賛する;
- IPCCの今後の資金状況は改善されたが、中長期の持続可能な資金調達の議論は依然必要であると認識する;
- 資金ATGのマンデートを延長し、IPCC-48に報告するよう要請すると決定する。
IPCC奨学金プログラム
水曜日、IPCC副議長で奨学金プログラムの科学評議会議長のKo Barrettは、この議題項目(IPCC-XLVII/Doc.6)を提起、第4次資金提供サイクル(2017-2019年)での成功を報告した。同議長は、プリンス・アルバート基金が7件の奨学金を贈与し、クオモ基金は6件の奨学金を贈与、30名の学生が奨学金を受け取ったと述べた。
同議長は、特に次の点に関する評議会の懸念を指摘した:
- IPCC活動に対する開発途上国の参加強化実現に向け、奨学金プログラムを改革する必要性;
- 奨学金プログラムの運営におけるIPCCの能力の限界、専任管理者の必要性;
- 博士課程の修了には、プログラムが資金を提供する2年間より長い期間がかかるという事実;
- 奨学金受領者のIPCCの作業に対する参加が不足。
WGI副議長のCarolina Vera (アルゼンチン)は、カナダ、ドイツ、WGII共同議長のHans-Otto Pörtner (ドイツ)、WGIII共同議長のJim Skea (英国)、WGI共同議長のValérie Masson-Delmotteの支持を得て、ポストドクトラル(博士号取得後)の学生が各章を担当する科学者としてIPCC報告書草案の作成に参加する場合に、奨学金資金から資金を振り向けることを提案した。Vera副議長は、これまでは公式のIPCC資金提供プロセスがなく、このため章担当科学者が参加する場合の資金調達には大きな違いがあったと指摘した。同副議長は、エクアドル及びインドと共に、章担当科学者の選任作業は透明で、オープンなものでなければならず、また途上国出身の科学者に対する資金供与に焦点を絞るべきだと述べた。Pörtnerは、章担当科学者に対する資金供与は博士課程奨学金よりも効率が良いのではないかと付言した。
WGII副議長のAndreas Fischlin (スイス)及びWGI共同議長のMasson-Delmotteは、資金供与は開発途上国出身の科学者にのみ提供されるべきだと強調した。ジンバブエは、章担当科学者は評価報告書の予算など他の資金源から資金を供与されるべきだと述べ、奨学金プログラムは特に気候変動の知識を広め、さらなる発展を図ることを目指したものだと想起し、章担当科学者への資金供与はこの要件を満たさないと述べた。
南アフリカは、チャド、タンザニア、WGII副議長のFischlin、WGI副議長のAldrianの支持を得て、ポストドクトラルの学生に対する資金供与の完全削除に反対して警告する一方、開発途上国の参加を増やせるのなら、これらの資金の新しい使い道も受け入れ可能かもしれないと表明した。インドは、英国の支持を得て、学生による短期のTSU訪問に資金を提供する可能性を提案した。チャドは、奨学金プログラムを開発途上国出身の修士課程の学生にも拡大することを提案した。
カナダは、トリニダードトバゴ及び英国の支持を得て、科学面の能力開発を助けるなら、いかなる資金の用途も受け入れ可能だと表明し、中国及びWGI副議長のAldrianと共に、学術組織若しくは科学アカデミーとのパートナーシップを発展させ、資金の配分を改善する、またはその管理を助けるよう提案した。TGICA共同議長のTimothy Carterは、若い科学者がIPCCのデータ流通センター(DDCs)で働けるようにするという支援方法を提案した。
ノルウェーは、コスト面の影響について更なる情報を求め、章担当科学者に執筆者会合への出席を期待すべきかどうか質問した。
Barrett議長は、開発途上国の科学者を短期的に章担当科学者として支援するという、パネルの決議を提案し、これであれば奨学金手法の効果を高める可能性が損なわれることはないと述べた。議長のLeeは、博士課程の候補者と章担当科学者の両方に資金を供与すると記載する決定書を提案した。ニュージーランド、ノルウェー、スイス、ジンバブエは、これに反対し、この提案の詳細を要求した。
金曜日の朝、Barrett議長は、非公式な議論の後、その結果を報告し、奨学金プログラムでは奨学金と共に気候科学者支援も行う二元の方法とするよう提案する決定書草案を提示した。同議長は、奨学金の供与が章担当科学者への資金供与に取って代わられることがないようにするため、草案では微妙なバランスをとっていると指摘し、この二元の方式であれば、現在信託基金から支援を受けている章担当科学者の人数、4,5名を、その3倍の10-15名までになる可能性があると強調した。
タンザニア、ザンビア、チャド、マラウィは、奨学金プログラムへの支援の維持強化を支持した。セントクリストファーネイビスは、キューバ、コモロ、トリニダードトバゴの支持を得て、奨学金プログラムの優先グループに小島嶼開発途上国を追加するよう提案し、コスタリカは、女性優先を提案、ボツワナはアフリカに焦点を当てるよう提案した。Barrett議長は、後発開発途上国(LDCs)のみに言及する奨学金資金の信託証書の表現を用いるよう提案した。ドイツとベネズエラは、広範で包含性のある表現を支持した。
WGI副議長のNoureddine Yassaa (アルジェリア)は、このプログラムではIPCCオブザーバー組織から学習するとともに、その参画を得るよう提案した。
決定書草案は、これらの変更を反映するように改定され、採択された。
最終決定:決定書(IPCC-XLVII-6)において、パネルは、モナコ基金のアルバート2世及びクオモ基金に対し、2017年―2019年の途上国受賞者に対する10件の新しい奨学金用の資金を援助されたことに感謝し、さらにノーベル平和賞基金の発足以来、支援を提供してきた寄付者にも感謝の意を表した。
決定書では、奨学金プログラムの重要性を認識し、二つの目的で前進を図るとの認識を示した:
- 開発途上国、特にLDCs出身の若年新卒者もしくはポストドクトラル課程の学生に対し、人為的な気候変動の科学的根拠の理解を深め、その影響可能性及び適応と緩和のオプションについての理解を進める研究に、奨学金を支給する;
- IPCCで合意されたこの基金の全体目的に合わせ、開発途上国における他のキャパシティビルディング活動を支援する。
決定書では、科学評議会に対し、開発途上国出身の新卒者及びポストドクトラルの者に対する奨学金への資金供与を優先し、継続的に増額し、他の奨学金プログラム、学術組織、オブザーバー組織、寄付者との協力を続けるとともに、(その経験から)学習し、開発途上国の科学者に支給される資金の増額を図り、これまでに奨学金プログラムが直面してきた事務管理上の課題に対応するよう要請する。
決定書は、開発途上国出身の科学者が第6次評価サイクルの章担当科学者として機能するなら、次の目的にとり優れた方法であると指摘する:
- 能力を構築する;
- IPCCの作業に参画させる;
- これら科学者の職業面での発展を支援するピアネットワークに参加できるようにする。
- これら科学者のそれぞれの分野における職歴を高める。
このため、決定書では、科学評議会に対し、現在、奨学金プログラムを利用し行われている博士課程の学生への支援に加え、第6次評価サイクルで開発途上国の科学者が章担当科学者として機能できるよう、職歴の初期にも旅費の支給や謝礼の提供を行うことを検討するよう要請した。決定書は、さらに章担当科学者はTSUが管理するオープンで透明な募集プロセス及び選任プロセスで選任されるべきと規定する。
進捗状況報告
進捗状況報告は、3月14日水曜日のプレナリーに提出された。
1.5℃地球温暖化に関する特別報告書:WGI共同議長のMasson-Delmotteは、SR15の進捗状況報告書(IPCC-XLVII/INF.6)を提出した。同共同議長は、初稿の査読プロセスでは500名ほどの査読者から12895件のコメントが寄せられ、2稿の支援では、126名の寄稿執筆者が追加され、3万件近くのコメントを受け取ったと指摘した。同共同議長は、パネルに対し、6名の代表執筆者/査読編集者が辞退し、代わりのものが任命され、SPMについて作業する追加会合の要請が指摘されたと連絡し、これはFiTTの注意を求めることになると述べた。
フィリピンは、1.5℃目標が実施可能なのかどうか、これを達成できない場合におこりうる影響結果など、SR15のメッセージを明確にするよう求めた。マリは、査読コメントの概要を進捗状況報告書に記載するよう提案した。Masson-Delmotte共同議長は、コメントの多くは簡潔で鋭く、明確で焦点を絞った文章を求めており、記述内容に対する信頼度のさらなる向上を求めるものであったと答えた。
The Friends World Committee for Consultationは、SPMには人間の行動が気候変動への対応をどれだけ推進するのか、この点の理解を深めることを目指す新しい研究範囲も記述するよう求めた。
ロシアは、SR15では1.5℃から2℃へ移ることの危険を詳しく説明すべきであり、地球の平均気温を1.5℃以下(の上昇)で抑えるための緩和コストも明確にすべきだと述べた。
パネルはこの報告書に留意した。
変化する気候の下での海洋及び氷雪圏に関する特別報告書:WGII共同議長のPörtnerは、SROCC進捗状況報告書(IPCC-XLVII/INF.11)を提出、LA会議が2回行われたと述べた。同共同議長は、初稿は作成され、2018年5月から6月で査読用に配布されると述べた。同共同議長は、全ての専門家が任命されているが、SROCCで専門査読者の役割を果たすために選任されたわけではないと指摘した。
UNESCOの政府間海洋委員会は、海洋のガバナンスと管理という急速に進みつつある問題について提案する場合は、慎重を期すよう促した。同代表は、SROCCは2021年の国連海洋科学の10年の立ち上げで利用されると発表した。
パネルはこの報告書に留意した。
気候変動と土地に関する特別報告書:WGIII共同議長のP.R. Shuklaは、SRCCL進捗状況報告書(IPCC-XLVII/INF.1)を提出し、現在はゼロ稿へのコメントを集めていると指摘した。同共同議長は、開発途上国出身のボランティアの章担当科学者について、候補者を募集する特別な努力がなされ、131件の応募申請書を受け取り、うち7名が選任され、各自一つの章を担当することになったと述べた。同共同議長は、用語集及びシナリオに関し、章を横断しての協調や一貫性を図る作業が進められていると指摘した。EUからの要請で、2稿のタイムテーブルは、専門家だけでなく政府も含めるよう拡大延長された。
パネルはこの報告書に留意した。
国別GHGインベントリに関するタスクフォース:TFI共同議長のEduardo Calvo及びKiyoto Tanabeは、TFI進捗状況報告書(IPCC-XLVII/INF.4)を提出した。共同議長のCalvoは、2006年版のIPCCガイドラインに対する2019年改正文書の作成作業が進行中であり、調整役代表執筆者(CLAs)、代表執筆者(LAs)、査読編集者と共に、190名の専門家が作業していると報告した。
同共同議長は、次回のLA会議で2稿を作成し、2018年7月から9月の政府及び専門家査読用に開示されると報告した。同共同議長は、TFIは国際エネルギー機関及びIPCCインベントリ・ソフトウェアと協力し、排出要素データベース(EFDB)の維持、改善、推進の作業を続けると説明した。
TFI共同議長のTanabeは次の件に関し報告した:
- EFDB編集理事会の新メンバー選出で進行中の作業;
- 農業、林業、他の土地利用、短寿命気候強制力での展開;
- インベントリをまとめるものがTFIの製品を理解し利用できるようにするため、UNFCCCと協力する。
- パネルはこの報告書に留意した。
影響及び気候分析のデータ及びシナリオ支援に関するタスクフォース:TGICA共同議長のTimothy Carterは、IPCC-45以後のTGICA活動に関する進捗状況報告書(IPCC-XLVII/INF.9)を提出した。同共同議長は、次の項目での展開を紹介した:新しいDDC支援グループ;IPCCサマリーの図表の整理;第5次評価報告書(AR5)気候変動拡散プロット;シナリオの利用に関する一般ガイドライン;気候の解像度低下作業の概況報告;TGICAウェブページの更新。
パネルはこの報告書に留意した。
コミュニケーション及びアウトリーチ活動:IPCCコミュニケーション担当官のJonathan Lynnは、IPCC-46以後に行われたコミュニケーション及びアウトリーチ活動並びに今後の計画に関する報告書(IPCC-XLVII/INF.7)を提出した。同担当官は、SR15の草案は2018年1月に専門家査読者へ配布されたがその後リークされたと指摘し、IPCCコミュニケーション・チームのステートメントで、この草案はIPCCの見解を示すものではないと説明し、マイナスの影響を最小限に抑えられたと述べた。同担当官は、将来、可能性ある危機の際に支援するため、危機コンサルタントが雇われたと述べた。
同担当官は、IPCC執筆者向けのコミュニケーション・ハンドブックに留意するよう求め、これには異なる聴衆に伝える方法、及び異なる方法で問題を伝える方法に関する情報が含まれる。同担当官は、メディア・トレーニングでIPCCを支援するため、国連基金から追加支援を得たと発表した。
Lynn氏は、都市と気候変動科学会議で行われたコミュニケーション活動の概要を紹介し、新しくスリム化されたIPCCウェブサイトの試読が行われた。
マリは、スイス、ギニア、チャドの支持を得て、コミュニケーション・チームは各国の窓口に対し、その努力を認識する証書を授与し、窓口の参加継続並びにさらなる参画推進を提案した。チャドは、IPCCの作業を促進し、啓発するための国内の活動を提案した。タンザニアは、IPCCの30周年を祝うイベントの主催に関心を示した。
パネルはこの報告書に留意した。
AR6の調整役代表執筆者、代表執筆者、査読編集者の選任に関するWG議長団報告書
水曜日の午後、議長のLeeは、この議題項目を提示、2018年1月29-31日にスイスのジュネーブで開催されたIPCC議長団第55回会合の結果について報告した。同議長は、WG議長団はAR6のCLAs、LAs、査読編集者の選任を目的に会合し、これらの会合の成果文書はIPCC議長団に回され、留意されたと述べた。同議長は、IPCC議長団はIPCC製品間の調整及び一貫性の改善を図るため、本議題項目にクロスカッティングな問題を検討する科学セグメントを含めることで合意した。
作業部会I:WGI共同議長のMasson-Delmotteは、AR6のCLAs、LAs、査読編集者の選任に関するWGI議長団報告書(IPCC-XLVII/INF.5)を提出した。同共同議長は、911名の候補指名を受理し、232名のCLAs、LAs、査読編集者が選任されたと述べた。選任されたうちの42%は開発途上国及び経済移行国の出身であり、27%が女性であったが、AR5ではそれぞれ23%、18%であった。Masson-Delmotte共同議長は、選任された科学者のうち80名が辞退し、代わりのものを任命するプロセスが進行中であるとし、地域や専門分野及び性別のバランス保持を目指すと述べた。
議論の中で、サウジアラビアは、マリの支持を得て、アフリカなど、脆弱で代表者数が少ない地域からの執筆者数を増やすプロセスを求め、これまでのIPCC報告書の内容は執筆者間の地域バランスの悪さを反映していたと指摘した。Masson-Delmotte共同議長は、代表者が少ない地域の出身者から多数の招請辞退が出ていることを嘆いたが、アフリカ出身の執筆者の人数はAR5の7名から13名に増加したと述べた。
メキシコは、ボリビアの支持を得て、各地域の応募者のデータベースを作成し、選任されなかった科学者が失望しないよう、選任プロセスでのさらなる配慮を求めた。Masson-Delmotte共同議長は、LAs及び章担当チームのため専門家の地域別リストを作成できると答えた。エクアドルは、トーゴの支持を得て、専門家と連絡する場合には各国の窓口の参画を強めるとともに、参加に困難がある場合はこれを解決するよう求めた。Masson-Delmotte共同議長は、窓口の参画は事務局と議論すべきと述べた。
パネルはこの報告書に留意した。
作業部会II:WGII共同議長のPörtnerは、AR6のWGII報告書のCLAs、LAs、査読編集者の選任に関するWGII議長団報告書(IPCC-XLVII/INF.2)を提出した。同共同議長は、最終的な執筆者の選任では、67か国から260名の専門家が選ばれ、開発途上国出身者はAR5の41%と比べて43%、女性はAR5の27%と比べ32%であったと指摘した。Pörtner共同議長は、選任されなかった候補者は章担当の寄稿執筆者として提案されることになると指摘した。
WGII副議長のSemenovは、執筆者の選任過程では代表者が過少である問題について、慎重に検討し、初めての執筆者を確保できたとして議長団を称賛する一方、「真に関連性のある専門分野(truly relevant expertise)」の執筆者を選任するよう促した。Pörtner共同議長は、各国の窓口は執筆者候補指名を行う前に各章の概要を慎重に検討すべきと指摘し、この点での改善を求めた。
Pörtner共同議長は、日本からのコメントに応え、執筆者リストは利益相反プロセスが終了して初めて利用可能になる予定と述べ、執筆者の選任責任は議長団にあるが、非政府行動者も執筆者候補を指名できると述べた。
ポーランドは、WGIII副議長のDiana Ürge-Vorsatz (ハンガリー)の支持を得て、東欧諸国から十分な人数の執筆者が選任されていないと嘆いた。Pörtner共同議長は、東欧諸国の執筆者はSYRに追加されると答えた。Pörtner共同議長は、マリからのコメントに応じ、アフリカを扱う章ごとに、少なくとも1名のアフリカ出身執筆者が任じられたと述べた。
パネルは、報告書に留意した。
作業部会III:WGIII共同議長のJim Skeaは、AR6のWGIII報告書のCLAs、LAs、査読編集者選任に関するWGIII議長団報告書(IPCC-XLVII/INF.3)を提示した。最終的な執筆者選任では、62か国から226名の執筆者が選任され、うち途上国出身は48%、AR5では46%であった、女性はAR5の18%に対し31%であった。
議論の中で、Future Earthは、各国に対し学際研究への支援を奨励し、非伝統的な背景を持つ研究者の選任を称賛した。
ドイツは、Skea共同議長の支持を得て、出身国に非居住の専門家及び執筆者に対する資金提供メカニズムがないと嘆き、先進国と途上国の区別は執筆者の多様性を図る上では(必ずしも)役に立たない、この点、科学的、社会的背景は少なくとも同等の重要性を持つと述べた。
パネルはこの報告書に留意した。
AR6概要の検討事項
水曜日午後、議長のLeeは、この議題項目を提示し、サウジアラビアがこの議題項目を含めるよう要請したと述べた。サウジアラビアは、自国代表団の要請の背景を説明し、IPCC会合参加を目的とする査証の取得では困難な状況が繰り返されていると想起し、モントリオールのIPCC-46では自国代表団の一部専門家が査証を取得できず、AR6の概要にこれらの専門家の見解を反映できなかったと指摘した。同代表は、概要の議論に戻る権利を留保した同国代表団のIPCC-46での声明を想起した。同代表は、特に気候資金及び投資に関するWGIIIの15章について、概要及び用語の一部に懸念があると表明、用語は政策規範的であり、IPCCの手順に反すると述べた。同代表は、この章に関する議論の再開を提案した。
WGIII共同議長のSkeaは、この章の概要の議論には相当の時間を費やしていることを想起し、WGIII議長団はこの概要には本質的に政策規範性のある表現は含まれていないと確信すると評した。同共同議長は、執筆者向けの関連指針(WG-III:13th/INF.1)を改定し、サウジアラビアの意見に配慮することが可能だと示唆した。
米国は、この文章が政策規範的とは考えていないと指摘し、スイスの支持を得て、この章は資金及び投資に広く関係する問題の理論を記述し、IPCCの手順に合致する形での関連文献の評価を目指すと述べた。
IPCC議長のLeeは、サウジアラビアとWGIII共同議長がこの問題の解決に向け協議することを提案した。
水曜日午後、WGIII共同議長のSkeaは、投資と資金に関するWGIII第15章の執筆者向け指針の文章では、非公式協議での合意どおり3か所が修正されたと報告した:
- 緩和経路に関する投資及び資金の流れについてのシナリオ及びその必要性が焦点となる予定;
- 緩和と適応の資金調達と持続可能な開発の優先策、特に途上国における両者のシナジー及びトレードオフに焦点を当てた議論となる;
- 15章に関係する箇条書きの解釈について、執筆者は、中立的及び規範的でない形で用語を使用するよう注意すべきとし、引用される全ての灰色文献など、根拠となる文献の科学用語を反映すべきである。
パネルはこの報告書に留意した。
オブザーバー組織の承認
木曜日、事務局はこの議題項目(IPCC-XLVII/Doc.3)を提示し、IPCC-46以降、7つの組織がオブザーバーの地位を申請したと報告した。7つのオブザーバー組織を認可する決定書は、コメントなしで採択された。
最終決定書:決定書(IPCC-XLVII-3)は、IPCC-47はオブザーバー組織の承認に関するIPCC政策及びプロセスに則り、次の組織にオブザーバーとしての地位を与える決定をしたと記述する:
- Inter-American Institute for Global Change Research;
- International Union of Geodesy and Geophysics;
- Rutgers University;
- SouthSouthNorth Projects Africa;
- Oasis(オアシス);
- International Energy Agency Greenhouse Gas R&D Programme(国際エネルギー機関温室効果ガス研究開発プログラム);
- InterAcademy Partnership。
利益相反委員会の報告
3月15日木曜日、IPCC副議長のYouba Sokonaは、IPCC-46以降の利益相反委員会の活動について口頭で報告し、47名のメンバーから最新情報を受理し、いずれも問題ないことが明らかになったと指摘した。パネルはこの報告書に留意した。
影響及び気候分析のデータ及びシナリオ支援に関するタスクグループの将来に関する特別タスクフォース報告書(ATF-TGICA):
木曜日、ATF-TGICA共同議長のAldrian (インドネシア)は、ATF-TGICAの報告書(IPCC-XLVII/Doc.9)を提示、これにはタスクグループの新しい委託条件の草案及びこれに伴うDDC指針案も含まれた。
ATF-TGICA共同議長のAndreas Fischlin (スイス)は、タスクフォースの作業結果について説明し、特に、次のものなど長期ビジョンに関する問題の議論が残されていると述べた:
- 保存及びモデル研究のために必要とされる資源の集約度(intensity);
- TGICAは外部の国、組織、施設にどれだけ依存しているか、(高い外部依存度は)データ管理に疑問を抱かせる;
- IPCC WGsでの作業に十分組み入れられないTGICAの課題が増加している;
- TGICAとDDCの法的立場が整備されていない
同共同議長は、パネルの将来の審議に関し、次の2つのオプションを提示した:TGICA及びDDCの活動をIPCC評価報告書に焦点を絞ったものにする;より規模の大きい気候サービスを提供する、これは能力を向上させ途上国の利益を生むが、資源の追加が必要にする。
ATF-TGICAのオープンエンド会議は、木曜日の昼食時に開催され、さらなる議論を重ね、このグループの報告書を推敲した。
金曜日午前中、ATF-TGICA共同議長のAldrianは、改定文書案を提示した。共同議長のFischlinは、ToR草案の変更箇所に焦点を当てたほか、オープンエンド会議でのDDCに対する指針にも注目し、この両方は上記の第1のオプションに関して、責任範囲を絞りこんだうえ、ATF-TGICAが選択したと指摘した。TGICA ToRに関し、同共同議長は次を反映する改定に焦点を当てた:
- このタスクグループの作業計画は、IPCC議長団によるレビューの対象となり、パネルの承認を受けるため提出される;
- 作業計画の承認は資金が利用可能かどうかに依存する;
- このタスクグループは、議長団に対し責任を負うものとし、IPCC議長団を通し、パネルに報告する。
DDCに対する指針に関し、同共同議長は、DDCは適切な場合、他のデータセンターと協力し、データ及び情報を提供するための持続可能な組織構造に貢献する、これらのデータ及び情報は地域規模の関連性を有すべきだと指摘した。
同共同議長は、このグループはTGICAを「気候変動の評価に対するデータ支援タスクグループ(TG-Data:Task Group on Data Support for Climate Change Assessments)」という名称に変えることで合意し、TG-Dataの新しいToR及びDDC向け指針を新しく採択した。
議論の中で、フィリピンは、気候データへのアクセス可能性を検討するよう促した。WGII副議長のTaha Zatari (サウジアラビア)は、途上国がTG-Dataで便益を得る方法に関する表現を求めた。共同議長のAldrianは、ザンビアからの質問に応じ、IPCCの原則では、タスクグループは議長団の下にあると述べた。ドイツは、DDCの法的な立場を明確にするよう要請した。ドイツは、マリ及び英国と共に、DDCの持続可能な資源の欠如、追加資源を探す必要性を強調した。
追加の非公式協議の後、現在のDDCに対する同種の寄付は活動の全面的な実施には不十分であるとする表現を追加した。参加者は、さらなる資源の必要性に関する文章を含めることでも合意した。
その後、決定書は採択された。
最終決定書:最終決定書 (IPCC-XLVII-9)において、IPCC-47は:
- ATF-TGICAの作業に留意する;
- TGICAをTG-Dataへと名称変更する;
- TG-Dataの新しいToRを採択する;
- DDC向けの指針を採択する;
- 現在のDDCに対する同種の寄付額は、DDC活動を全面的に実施するには不十分であり、長期的な約束になっていないことに留意する;
- 事務局に対し、IPCC議長団と協力し、追加的で持続可能性の高い資金調達オプションを追及するよう要請する。
決定書の附属書1には、新しいToR及びTG-Dataのマンデートが含まれ、附属書2にはDDCの基幹機能に対する指針が含まれる。
ipccの作業とパリ協定グローバルストックテイクのニーズとの調整
木曜日、IPCC議長のLeeは、この議題項目(IPCC-XLVII/Doc.8)を提示し、参加者に対し、IPCCの作業をGSTのニーズに合わせるというタスクグループToRの決定を求めた。
IPCC事務局は、各国政府から受理した提出文書を本文書に添付し、このグループについて提案されるToRの根拠とし、特に次のものが含まれると述べた:
- IPCCの作業をGSTと合致させると共に、IPCCの予算及び手順に与える影響を考察するオプションについて、報告書を作成する;
- タスクグループの作業を2020年まで継続する;
- このグループを、議長団メンバーを含む全ての政府に開放する;
- メンバーの人数を20人程度に制限する;
- プレナリー会合期間中に会議を開催、会合期間外の作業は電子メール及び電話会議で行う;
- IPCC-48でこのグループの進捗状況について報告する。
サウジアラビアは、中国、WGII副議長のZatari、ガーナ、イラン、南アフリカ、パキスタンと共に、特に次の点について警告した:
- GSTの5年サイクルに合致させるだけの目的でのIPCCの手順変更;
- UNFCCCのニーズに関する事前の判断;
- 途上国に対し追加の技術負担、資金負担を課す。
南アフリカは、UNFCCCプロセスに対するIPCCの関連性を保持すると共に、IPCC製品の質を維持するため、ハイブリッド手法を検討するよう促した。中国は、IPCC評価報告書作成期間の短縮は質を損なう可能性があると述べた。
WGII副議長のSemenovは、UNFCCCからの正式要請を受理する前にIPCCの手順を拙速で変更するとして警戒感を示した。ドイツは、ベルギー、ルクセンブルグ、ポーランドの支持を得て、IPCCはUNFCCCからの要請を待つ必要はないと述べた。サウジアラビアは、そのようなタスクグループの設置はIPCCのマンデートと一致しているのか問うた。
ジャマイカ、フィリピン、アイルランド、セネガル、オーストリア、トリニダードトバゴ、モルディブ、ハンガリー、チャド、オーストラリア、スーダン、ルクセンブルグ、スイス、カナダなど多数の参加者は、このタスクグループの設立を支持し、UNFCCCを支援するのはIPCCの重要な役割だと述べた。フィリピンは、資金面の課題明確化、GSTに関する特別報告書の作成を支持した。日本は、予算面の影響、予算以外への影響を検討するよう求めた。
サウジアラビア、中国、ガーナ、オーストリア、ドイツ、ベルギー、セネガル、WGIII副議長のÜrge-Vorsatz、トリニダードトバゴ、その他は、このグループのメンバーを20名までとすることに反対した。メキシコは、英国の支持を得て、大人数のグループは効率を損なう可能性があるとして慎重な姿勢を見せた。
ノルウェーは、IPCCはGSTに関連しタイムリーに情報を提供する用意があること、議長団メンバーはタスクグループのメンバーとしてではなく、顧問として諮問されるべきであることを、UNFCCCに明確なメッセージとして発信すべきだと述べた。英国は、ベルギーの支持を得て、メンバーとしてではなく顧問として議長団及びTSUからインプットを得る国家主導プロセスを提案した。WGIII副議長のAndy Reisingerは、WGIII副議長のÜrge-Vorsatz、WGI副議長のYassaa、ハンガリーと共に、IPCC議長団はタスクグループのメンバーとして定期的にインプットを提供するよう要請した。WGI共同議長のMasson-Delmotteは、議長団メンバーはIPCCの将来及びGSTのニーズに関し、有用な指揮権を提供しうると述べた。
米国は、スイスの支持を得て、次の点を指摘した:
- IPCCの報告書は、UNFCCCよりも広範囲な聴衆を有する;
- IPCC製品の質を損なうような拙速な方法は避けるべきだ;
- 2018年タラノア・ダイアログの経験及び2023年のGSTは、GSTとIPCCを合わせたあらゆる努力に情報を提供すべき;
- 2019年より前に提案を行うのは時期尚早であろう。
オーストラリアは、タラノア・ダイアログの成果に続いてのタスクグループの作業開始を希望した。アイルランドなど他のものは、多忙な予定が控えており作業は直ちに開始すべきと述べた。WGII副議長のFischlinは、タスクグループはパリ協定の下での世界目標の評価や研究ダイアログなど、広範なプロセスの中でIPCCが果たせる役割を慎重に検討すべきだと付言した。カナダは、IPCCの製品はUNFCCCのほか、他の目的及び聴衆に対しても役立つものであると、ToRで明確に認識するよう提案した。
WGI共同議長のMasson-Delmotteは、WGメンバーは既に現在のIPCCモデルが目的にあったものかどうか、科学評価には新しくハイブリッドで革新的な方法が必要なのかどうかを検討中であると述べ、このような新しい方法では、これまでの報告書の主要結論を見直し、最近の文献を簡潔にまとめた補足報告書などがあると述べた。
シンガポール、トリニダードトバゴ、WGII副議長のSemenovは、GSTのモダリティは依然として交渉半ばであると指摘し、トリニダードトバゴは、このタスクグループは最終決定するまで柔軟性を残しておくべきだと指摘した。
パネルは、このタスクグループの委託条件及びToRを審議するオープンエンドなコンタクトグループの設置で合意した。
Éric Brun (フランス)及びMaría Amparo Martínez Arroyo (メキシコ)を共同議長とするコンタクトグループは、木曜日午後及び金曜日午前中に会合した、議論の中心はタスクグループの名称、目的、ToRであった。
金曜日午後、IPCC議長のLeeは、ToRを提示し、パネルはこれを採択した、さらに60を超える加盟国がこのタスクグループへの参加を希望すると表明した。
議長のLeeは、その後、タスクグループのToRに関する決定書草案を審議するようメンバーに求めた。同議長は、このタスクグループを「GSTに鑑みたIPCCの今後の作業構成に関するタスクグループ(Task Group on the organization of the future work of the IPCC in light of the GST)」 という名称にするとのコンタクトグループの提案を指摘した。ルクセンブルグは、このタスクグループはモントリオールのIPCC-46で設立されたと記述する箇条書きの追加を提案した。パキスタンとサウジアラビアは、決定書の題目及び議題項目を変更し、このタスクグループの新しい名称を反映させるよう提案した。ニュージーランド、ノルウェー、IPCC副議長のBarrettは、この決定書の題目は議題項目の名称に従うべきであり、現時点でこれを変えることはできないと指摘し、事務局もこれを確認した。サウジアラビア及びパキスタンの懸念に配慮し、追加の文章が加えられ、その文章では、次回会合から、この議題項目を次のようにすると記述する:「グローバルストックテイクに鑑みたIPCCの将来作業の構成(Organization of the future work of the IPCC in light of the global stocktake)」。
最終決定書:決定書(IPCC-XLVII-8)において、パネルは次を決定する:
- タスクグループのToRを採択する;
- このタスクグループの名称を次のように変更する「GSTに鑑みたIPCCの将来作業の構成(Task Group on the organization of the future work of the IPCC in light of the GST)」;
- このグループはIPCCで利用可能な資源と共に運用すべきである;
- 次回会合以後、議題項目の名称はタスクグループの名称と一致するよう変更される。
本決定書の附属書に付されたToRは、フランス及びメキシコが共同議長を務めるこのタスクグループが特に次のとおりになると規定する:
- タイミングを含めたIPCCの将来の作業構成に関し、パネルで審議する問題及びオプションを明らかにする、これには第7次評価報告サイクルに関するものも含め、GST並びにUNFCCC全般の科学情報のニーズに配慮するほか、IPCC評価報告書の読者及び評価報告書の目的も考慮する、いずれもIPCCの作業を統治する原則に則ることとし、気候変動の多様な側面に関する知識の進捗速度も尊重する;
- 報告書の質及び運用への影響、資源確保、予算、研究者社会の貢献など、異なるオプションの是々非々を考察し、IPCCの科学的な十全性及び独立性を保全し、その製品の確実性、範囲、詳細度も確保する;
- ToRを採択した上で作業を開始し、2020年の最初のプレナリーに間に合うよう、作業の結論を出す;
- 特にメールの交換や電話会議などを用いてプレナリーの期間外でも作業し、参加性を確保するとともに、適切な場合は対面式の(physical)会議の開催もオプションとする;
- プレナリー会合における対面式の会議は、IPCC-49の会合期間中から開始する;
- IPCCの手順を遵守し、透明性及び参加性を確保する;
- IPCC加盟国に対しオープンなものとし、議長団メンバー及びTSU代表の助言を得る。
性別問題
木曜日、IPCC事務局次長のKerstin Stendahlは、この議題項目(IPCC-XLVII/Doc.7)を提示し、多様な組織でこの問題に関する関心や行動が高まっていると説明、IPCCにおいても性別バランス改善を図るタスクグループを設置するというIPCC決定書を提案した。スウェーデンは、このタスクグループは、明確で野心的、具体的な目標を持つべきだとコメントした。英国、ルクセンブルグ、米国、スイスは、このタスクグループの活動が資金源に与える影響を推計するため専用のToRを求めた。
WGI副議長のVeraは、ベネズエラの支持を得て、IPCCに対し、発途上国出身の女性の候補指名増加を確保するよう求めた。WGIII副議長のÜrge-Vorsatzは、IPCCの組織構造では議長団及びCLAsなどで顕著な性別の不均衡が続いていると指摘した。
カナダは、ノルウェーの支持を得て、IPCCにおける性別バランスだけでなく、性の平等を求め、IPCC-46で行われた性別問題イベントについて報告した。カナダは、ノルウェー、ケニア、ルクセンブルグと共に、UNFCCC及びWMOなど、他の組織で行われている性別問題への対応行動に関する調査を推奨した。ベニンは、タンザニアの支持を得て、女性が参加しアイデアや解決策を提供するなら、その組織は成果を挙げられると述べた。
この議題項目に関しさらに議論し、決定書草案を作成するため、コンタクトグループが設立された。
金曜日、コンタクトグループ進行役のChristiane Textor (ドイツ)は、コンタクトグループの性別問題決定書草案をプレナリーに提出した。ノルウェーは、IPCC副議長Barrett、WGII副議長Zatari、WGI副議長Vera、ルクセンブルグ、ベルギー、ベネズエラ、スーダンの支持を得て、性別バランスだけでなく、それ以外の問題も審議対象とするため、性別問題の審議拡大を提案した。WGII副議長のZatariは、途上国の女性が直面する困難を強調した。ベネズエラは、セネガルの支持を得て、少人数代表団でも女性の参加を増やすインセンティブを求めた。IPCC副議長のBarrettは、議長団メンバーの候補指名をどう行うべきか、これを決定書もしくはこのタスクグループのToRに入れるべきかどうかを問うた。
このタスクグループでは性別バランスだけでなく、性別関連問題を議論するとの表現を追加した上、決定書は採択された。
最終決定書:最終決定書(IPCC-XLVII-7)において、IPCCは、性別バランスを改善し、IPCC組織内の性別関連問題対応行動及び目標の枠組を作成するため、タスクグループを設置すると決定する。このグループは、IPCCのメンバー、議長団メンバー、TSUのスタッフに開かれたものであり、その第1回会合で2名の共同議長を選出するが、そのうちの1名は女性でなければならない。
決定書では、このグループは次を行う予定と規定する:
- IPCC内の性別バランス及び性別関連問題に関する報告書を作成する;
- IPCCメンバー及びオブザーバー組織に対し、関連性のある性別問題に対応することを目的とした国内外の政策及び戦略について、文書提出を募る;
- 他の関連組織と協議する;
- さらなる行動のための提案を行う;
- IPCCプレナリーでは、電子式及び対面式の会議で議論する;
- IPCC-49に推奨案を付した報告書を提出する。
IPCCの作業を統治する原則のレビュー
事務局は、IPCC統治原則は5年ごとのレビューが要求されるが、実際には、必要な時に原則をレビューしていると口頭で報告した。同代表は、パネルが必要性に留意した場合は追加でレビューすべきと述べた。パネルは、このプレゼンテーションに留意した。
IPCC活動への途上国の参加
木曜日、IPCC事務局は、この議題項目(IPCC-XLVII/Doc.4)を提示し、IPCC-45の前に開催された途上国向けブリーフィング会合の評価を文書に記載し、そのようなブリーフィング会議を続けるべきかどうか決定するため、情報を提供すると指摘した。
議論の中で、スワジランド、ケニア、南アフリカ、バハマ、ドイツ、カナダ、エチオピア、オーストラリア、モーリシャス、ボリビア、南スーダンなど多数の参加者は、プレナリー前のブリーフィング会合開催を支持した。ドイツ、南アフリカ、ノルウェー、その他は、ブリーフィング会合を改善し、費用効果のあるものにする方法を提案した。
マリ、ボリビア、ウクライナ、IPCC副議長のSokona、TFI共同議長のCalvo、その他は、会合出席を目的とする査証のタイムリーな取得には問題があると強調した。サウジアラビアは、バハマの支持を得て、旅行及び査証の手配が途上国からの会合出席を妨げていると指摘し、承認及びスコーピングの会合など、重要な会議には先進国及び途上国の参加者のバランスをとることを提案した。ドイツは、途上国の代表がより多くの会合に参加できるような特別な手配を支持した。
オランダは、アフリカ諸国からの参加を増やすため、Future Climate for Africaの資金支援を受けたイー(e-)ラーニング・プログラムを発表した。
IPCC事務局のMokssitは、IPCC会合開催国政府との合意文書の中で査証の取得を容易にするための特別な手配を要請するなど、査証の手配に関する事務局の努力について説明した。同代表は、会合が延長された場合でも途上国代表が出席し続けるには資金面で影響があると指摘し、この点で、パネルからの指示を求めた。
金曜日朝、事務局は決定書を提出、パネルはこれを改定することなく採択した。
最終決定書:決定書(IPCC-XLVII-4)において、パネルは、プレナリー前のブリーフィング会合に対する支持や改善提案を指摘し、事務局はこの会合を引き続き開催するが、望むべくは通訳をなくすなど、コストの抑制努力を続けるよう提案した。決定書は、ブリーフィングは全ての登録済み参加者にオープンなもので、その有用性及び効率を高めるため定期的に評価されると説明する。
さらに決定書は事務局に対し、次を要請する:
- IPCCの会議に出席する参加者の入国査証取得を容易にする努力の継続;
- IPCC報告書の承認会合において、IPCC信託基金の資金を得る参加者が滞在期間を延長する手段を検討する。
UNFCCCと他の国際機関に関係する問題
木曜日、UNFCCC事務局は、IPCC-46以後のUNFCCCの活動に関しパネルに最新情報を提供したほか、IPCCの参加が有益と思われる今後の活動(IPCC-XLVII/INF.10)についても説明し、IPCCとUNFCCCの協調関係を称賛、このことはパリ協定の採択成功に貢献したと述べた。同代表は、UNFCCC COP 23の会合期間中に開催されたUNFCCC科学的技術的助言のための補助機関(SBSTA)とIPCC合同の作業部会会合での議論、及びGST準備に向けた協力を議論する合同リトリート会議の提案を指摘した。
インドは、特に、SROCC及びSRCCLの対象である題目に鑑み、IPCCと生物多様性条約や国連砂漠化防止条約の組織などの他の組織と高い効果があるリンク付け及びシナジーを求めた。
ノルウェーは、UNFCCC事務局に対し、GSTのためのIPCC製品の利用方法を定めるUNFCCC決定書について、IPCC-48に情報を提供するよう要請することを求めたが、サウジアラビアは反対した。議長のLeeは、2018年5月、ドイツのボンで開催される次回のSBSTA-IPCC合同作業部会会合の前に、この問題に関する文書を提出するよう招請した。プレナリーは提出された情報に留意した。
そのほかの業務
事務局は、金曜日の午後、この議題項目を提出した。WGI共同議長のMasson-Delmotteは、近く2018年5月16-18日にイタリアのトリエステで開催される地域別気候情報評価に関する専門家会合に注目するよう求めた。同共同議長は、この会合では、特に用語集や執筆者への提案、地域地図に関する作業の進展が期待されると述べた。
ウクライナは、昨年、キエフにおいて、3回のアウトリーチ行事を成功させることに貢献したIPCCコミュニケーション・ディレクターのJonathan Lynnに感謝の意を表し、IPCCの支援によりこれらのイベントはそれぞれの聴衆にふさわしいものになったと指摘した。
WGIII副議長のÜrge-Vorsatzは、IPCC-48で、都市と気候変動科学会議に関する報告を提示する予定との情報を伝えた。.
IPCC-48の場所と日付
IPCC事務局のMokssitは、IPCC-48は2018年10月に韓国の仁川で開催されると発表した。韓国は、IPCC-48の開催は光栄だと述べた。日本は、IPCC-49を京都で開催する予定と発表した。英国は、査証取得を確保するため、両方の会議の前に適切な時間的余裕をとるよう促した。
会合の閉会
閉会会合において、IPCC議長のLeeは、IPCC-47及びIPCC設立30周年記念祝賀会を開催したフランス政府に対し、感謝の意を表した。同議長は、IPCCは資金の健全性を改善する努力を続けるとともに、気候科学を必要とする利害関係者に対し、アウトプットの政策関連性を高める努力も続けると指摘した。同議長は、今年は祝賀の一年であるが、行動の1年でもあるとし、AR6執筆者チームの選任が終了し、今年の後半にはSR15の最終版が出ると指摘した。同議長は午後4時40分ごろ、本会合の閉会を宣言した。
IPCC-47に関する簡易分析
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は30年前の国連総会で設立された。1988年当時、この政府間の科学機関がいかに進化していくか誰も知る由がなかった。パリで開催されたIPCC-47は、フランス政府主催の30周年記念行事も行われ、まさに過去を振り返り、将来を見据える機会となった。
IPCC-47は丸1日かけて行われた記念式典の後に作業開始となった。今次総会は評価報告書や特別報告書の承認を行う会合と比べると地味ではあったが、各国の政府代表は多くの重要な決定を下した。今次総会は“次の嵐が来る前の静けさ”だと評する声が多かった。それは、前回のIPCC-46では、第6次評価報告書(AR6)の章立ての承認であまりに忙しく、他の議題項目に費やす時間が十分に取れず、今度のIPCC-48は「地球温暖化1.5°Cに関する特別報告書」の承認作業があり、厳しいスケジュールになると予想されるからだ。
この簡易分析では、ジェンダーに関する顕著な成果の一部に脚光を当て、パリ協定に基づくグローバルストックテイクとの関連に注目し、近い将来、IPCCパネルにとっての難題となりそうな問題を特定しつつ、IPCC-47の祝祭ムードをお伝えする。
Joyeux Anniversaire~誕生おめでとう
創立30周年式典のスピーチでは、当初は目立たなかったIPCCという科学の声が、気候変動との闘いにおいて自信に溢れ、極めて重要な信頼に足るパートナーとして成長していった軌跡がたどられた。しかし、IPCCの職務は決して単純ではなかった。政治的な抵抗が広がる中、世界が実存上の危機に瀕していることを訴え、回避策に光を当てることができるような科学機関が必要だった。
1992年の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の採択 (IPCC第1次評価報告書の2年後)から1997年の京都議定書 (第2次評価報告書の2年後)、そして、パリ協定 (第5次評価報告書の1年後)に至るまで、ひとつひとつ節目となる重要な条約の前にIPCCは重大な触媒作用を果たしてきたとの発言が数々のスピーカーから聞かれた。かくして、IPCCは、共通の敵を前に、科学と政策のインターフェースを成功裏に構築し、輝かしく国際協調の範を垂れる、世界初にして唯一のモデル組織ーとIPCCを評価する声があった。また、パネリストらはIPCCが良い刺激を与えて気候科学の進歩が実現してきたとし、モデリングの改良、データベースの改善、アクセス可能なデータの増加等の前進を論じた。また、IPCCがその功績により2007年にノーベル賞が授与された後、IPCCの認知度や地位が向上し、毀誉褒貶の対象としても、注目度は高まったのである。
30周年の記念は、反省の機会にもなった。パネルディスカッションでは、IPCC創設後の気候に関する“警鐘”に対する世界の反応ぶりに象徴されるような著しい機運と対照的に、30年を経て十分な進展がみられぬ逆説的な状況について、IPCCがしっかり強いメッセージを発信してこなかったのではないかとの思いが表明された。もしIPCCが最初から効果的な情報発信を行っていたら、政策決定者はもっと強く対応していただろうか? 過去にIPCCはあまりに慎重になり過ぎだとの批判を受けたことがあるが、今もIPCCは情報発信やIPCCの知見の効果的な伝達のやりかたを改善しなければならないとの意見が出された。その他、制御不能な複雑系となった“獣”に対峙しているかのように、IPCCの業務領域があまりに広がってしまったのではないかとの意見も出された。
Retour á la Réalité~現実への回帰
周年記念式典では、UNFCCC COP 21議長を務めたLaurent Fabius と前フランス気候変動大使 Laurence Tubianaが、IPCCに対して、UNFCCCのプロセスと調和(harmonization)を図るよう野心的に取り組むよう要請した。また、Fabius議長は、IPCC報告書は一貫してCOPの前に公表し、世論に影響を及ぼすことによって、各国政府にプレッシャーをかけるべきだと呼びかけた。しかし、IPCCの公式な審議が始まると、結局のところIPCCは“政治抜き”の存在にはなりえず、こうした助言すべてを聞き入れられないことが明白だった。IPCCの決定書は、その報告書と同様、政界の代表者に悩まされるのである。
IPCC-47会期中にUNFCCCのグローバルストックテイク (GST)でのニーズとIPCCの作業との連携問題が議論の俎上にあがった時点で明確になったことは、政治のサイクルとの調和の実現は容易ではないということだ。この問題について検討するためにタスクグループ発足がIPCC-46で合意されたものの、政府代表の数名がIPCCはそれ自体で独自機関であり、UNFCCCだけのために手続きを変更すべきではないと主張して、「調和」というアイディア自体に反対を唱え、UNFCCCがIPCCに対して公式に要請を出す前に行うことは論外だと述べた。
他方、IPCCが独自組織としてUNFCCCからの公式要請が出されていない状況でも自ら行動する権限と責任を備えているからこそ、タスクグループを設置すべきだとの意見も出された。IPCCの今後については、“GSTとの調和”というよりは、むしろ“GSTの観点から” 検討することを作業部会の重点事項へと修正することで意見対立は解消した。
そんな中で、一部参加者の言葉を借りれば、ちょっとした「アイデンティティの危機」が持ち上がった。IPCCの主たる役割はUNFCCCの交渉に情報提供することなのか? 明らかに、IPCCにも世論に影響を与えるという非常に重要な役割がある。しかし、UNFCCCとどの程度の調和を図ることが最初のゴールになるのであろうか? こうした疑問に対する答えは判然としなかった。調和の結果として、評価報告書のサイクルが短縮され、おそらく報告書の質と品位が毀損するとの疑念を一部の国が抱く一方で、報告書サイクルの短縮化は未だ所与の条件ではなく、IPCC-47の交渉テーマにもなっていないのだ。
多くの政府代表はUNFCCCとの調和と相乗効果の拡大によるIPCCのチャンスとメリットを強調したが、IPCCの独立自治を維持すべきだとの意見もみられた。また、オブザーバーの多くは、“政治プロセスを満足させるための科学の歪曲”だと懸念する一部の国の動きは、“政治から科学を締め出し、UNFCCC交渉プロセスにおける政治家の働きかけに対する政治的なプレッシャーを軽減する企てだとの見方を示した。
さらに、IPCC-47では、IPCCのプロセスにおける途上国と女性の参加拡大策についても議論が行われた。ここで、ジェンダーの不均衡に取り組むためのジェンダーに関するタスクグループが設置されたが、IPCCの作業開始当初は女性が貢献執筆者のわずか2%に過ぎなかったことを考慮すれば、これは必要な措置であった。女性執筆者の比率は現在、30%に増加したものの、いまなお著しく不均等である。途上国の参加については、AR6の執筆者の選考プロセスは、途上国の参加が低迷していたAR5時点と比べて進歩した。 とはいえ、これは途上国からの参加者数を増やせばよいという単純な問題ではない。アフリカを中心とする貧困地域に関するデータ及び研究格差を是正することが重要な課題である。セネガル政府代表のMariane Diop Kaneが30周年式典で述べたように、絶対的な等価は実現しがたいのである。
Défis Futurs~今後の課題
IPCCの次の重要なステップは、2018年10月に予定される、1.5°C地球温暖化に関する特別報告書の承認である。11月のUNFCCC COP 24直前に完成予定の同報告書は、タラノア対話への情報提供に不可欠な役割を果たし、パリ協定に基づくNDC(各国が決定した貢献)の野心引き上げの一助となるだろう。それゆえ、本報告書のメッセージ伝達が決定的な重要性を帯びる。WGIのValérie Masson-Delmotte共同議長は、各国の代表に対し、1.5°C特別報告書の第1次ドラフトに対して12,000件を超えるコメントが寄せられたことを伝えた。コメントの大半が、より簡潔で明瞭かつ明確で焦点を絞った本文を求めるもので、同様に信頼度(confidence)に関する表現をもっと明示的にしてほしいという意見であった。
パリでは、加盟国政府が1.5°C目標の実現可能性、達成コストの見積もり、未達となった場合の影響等を含めたメッセージの明瞭さを嘆願した。しかし、ある科学者が述べたように、科学の完全性と客観性を担保するには、科学者の仕事は“1.5°Cのユニコーン(一角獣)”が現実に存在するのか否かコメントを控えつつ一角獣に関する生理学上の叙述を行うことに限定されるかもしれない。
開会の挨拶のなかで、IPCCのLee議長はこう述べた。「われわれの気候変動に関する理解が深まる中、IPCCは、政策決定者や他の利害関係者とのつながりを維持するべく自己改革を行っている最中だと言えるかもしれない。」気候変動による悲惨な結末に関するメッセージの明確化は改革の一側面である。 COP 21のFabius議長は、化学や気象学、物理学ではなく、平和のための貢献によってIPCCがノーベル賞を受賞したことを指摘した。そして、気候変動は「戦争と平和」であり、将来ではなく今日の問題であることを一般市民が理解する必要があると釘を刺した。科学知識の効果的なコミュニケーションは、遅きに失する前に市民と国家の双方に行動する力を与えるのだ。
今後の会議予定
IPBES-6プレナリー:IPBES-6では、4件の地域評価報告書及び土地の劣化と回復の評価、さらにはIPBEの将来の作業に関する報告書の採択が期待される。日付:2018年3月18-24日 場所:コロンビア、Medellin 連絡先:IPBES事務局 メールアドレス:https://www.ipbes.net/contact www:https://www.ipbes.net/event/ipbes-6-plenary
SRCCLの第2回調整役筆頭執筆者会議:これはWG I/II/IIIの会議で、WGIIIが開催する。 日付:2018年3月25-30日 場所:ニュージーランド、クライストチャーチ 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22-730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www:http://www.ipcc.ch/
気候変動と生物多様性に関する世界シンポジウム:この会議は生物多様性に対する気候変動の影響に関し、理解を深める必要があるかどうかを議論し、気候変動が動物界、植物界、微生物に与える多数のリスクを管理する措置を特定し、試験し、実施することを目指す。さらにこの会議は、気候変動の影響から生態系を保護し、回復を進める方法も議論するほか、SDG 1 (貧困なし)、SDG 2 (飢餓ゼロ)、SDG 13 (気候行動)、SDG 14 (水面下の生命)、SDG 15 (陸地の生命)の達成に貢献することを目指す。 日付:2018年4月3-5日 場所:英国、マンチェスター 連絡先:Dr. Jelena Barbir, International Climate Change Information Programme メールアドレス:jelena@barbir.com.es www:https://www.haw-hamburg.de/en/ftz-nk/events/biodiversity.html
第4回SR15筆頭執筆者会議:これはWG I/II/IIIの会合であり、WGIが開催する予定。 日付:2018年4月9-13日 場所:ボツワナ、Gabarone 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22-730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www:http://www.ipcc.ch/
2018年アフリカ気候ウィーク:2018年アフリカ気候ウィーク(ACW2018)は、「持続可能な開発の気候行動:アフリカでの変革を推進」をテーマに開催され、NDC、SDGs、地球規模気候行動などのイベントが行われる。ACW2018は、NDCの実施及びSDGs達成を目的とする気候行動支援の年次会合の第1回になると期待される。開発途上国におけるNDCsの作成及び実施を支援するナイロビ枠組パートナーシップが開催する。 日付:2018年4月9-13日 場所:ケニア、ナイロビ 連絡先:Fabiana Rodrigues。ナイロビ枠組パートナーシップ メールアドレス:frodrigues@unfccc.int www:https://www.afdb.org/fr/news-and-events/africa-climate-week-acw2018-17877/
2006年IPCCガイドラインの2019年改訂版を推敲する第3回筆頭執筆者会議:この会議は手法論報告書のさらなる推敲を続ける。 日付:2018年4月10-13日 場所:オーストラリア、ケアンズ 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22-730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www:http://www.ipcc.ch/
第10回気候変動国際会議:影響及び対応:この会議では、次の項目に関する研究発表が行われる予定:科学的証拠;多様な生態系に対する影響評価;人間に対する影響、人間への影響;技術的、政治的、社会的対応。 日付:2018年4月20-21日 場所:米国カリフォルニア州バークレー 連絡先:会議主催組織 メールアドレス:http://on-climate.com/support/contact www:http://on-climate.com/2018-conference
都市の回復力及び適応に関する第9回グローバル・フォーラム:この会議は、地方政府の指導者と気候変動への適応の専門家との相互関係を構築し、世界各国の都市環境が直面する適応の課題について議論し、都市に恒久的な影響を及ぼすパートナーシップの創設を目指す。 日付:2018年4月26-28日 場所:ドイツ、ボン 連絡先:ICLEI事務局 電話:+49-228-976299-28 メールアドレス:resilient.cities@iclei.org www:https://resilientcities2018.iclei.org/
第48回UNFCCC補助機関会合:実施に関する補助機関の第48回会合(SBI 48)及び科学的技術的助言のための補助機関第48回会合(SBSTA 48)、並びにパリ協定特別作業部会の第1回会合第5部(APA 1-5)は、ボン気候変動会議の一部として開催される。 日付:2018年4月30日-5月10日 場所:ドイツ、ボン 連絡先:UNFCCC事務局 電話:+49-228-815-1000 ファクシミリ:+49-228-815-1999 メールアドレス:secretariat@unfccc.int www:http://unfccc.int/2860.php
地域評価に関する専門家会議:地域別気候情報に関する専門家会議はWGIの主催。 日付:2018年5月16-18日 場所:イタリア、トリエステ 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22-730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www:http://www.ipcc.ch/
短寿命気候強制力(SLCFs)に関する専門家会議:SLCFsの専門家会議は、TFI及びWGIが主催する。 日付:2018年5月28-31日 場所:スイス、ジュネーブ 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22-730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www: http://www.ipcc.ch/
汎米地球規模変革研究の第26回COP:IAIは、地域の政府間組織であり、アメリカ大陸及びそれ以外の地域の政策決定者に対し、科学研究やキャパシティビルディングを推進するための情報を提供する。IAIは汎米地域に19の締約国を有し、毎年、IAIの活動を監視し、方向性を示す会合を開催している。 日付:2018年6月20-21日 場所:グアテマラ、アンティグア 連絡先:Inter-American Institute for Global Change Research 電話:+59-8-2606-0126 メールアドレス:http://www.iai.int/contact-us/ www:http://www.iai.int/26th-meeting-of-the-conference-of-the-parties/
第6回GEF総会及び関係会合:地球環境ファシリティ(GEF)評議会は、GEFを統治する組織であり、その全加盟国183か国で構成される。4年ごとに閣僚級会合を開催、次の項目を扱う:一般的な政策のレビュー;評議会提出報告書に基づくGEFの運用のレビュー及び評価;ファシリティのメンバーシップのレビュー;評議会の提案に基づき、改革GEFの設立制度改定案を検討し、全会一致による承認を目指す。 日付:2018年6月23-29日 場所:ベトナム、ダナン 連絡先:GEF事務局 メールアドレス:https://assembly.thegef.org/contact www:http://assembly.thegef.org/
第1回WGI筆頭執筆者会議:この会議では、AR6のWGI報告書の推敲を開始する。 日付:2018年6月25-29日 場所:中国、広州 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22-730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www:http://www.ipcc.ch/
2018年持続可能な開発ハイレベル政治フォーラム(HLPF):HLPF 2018のテーマは「持続可能で強靭な社会への転換(Transformation towards sustainable and resilient societies)」となる予定。一連のSDGsのうち、SDG6(水及び衛生)、SDG7(エネルギー)、SDG11(持続可能な都市)、SDG12(持続可能な消費及び生産パターン)、SDG15(陸上の生命)、SDG17(パートナーシップ)について、深く掘り下げてレビューする。 日付:2018年7月9-18日 場所:ニューヨーク、国連本部 連絡先:UN Division for Sustainable Development メールアドレス:https://sustainabledevelopment.un.org/contact/ www:https://sustainabledevelopment.un.org/hlpf/2018
第3回SROCC筆頭執筆者会議:この会議はWG I/IIのためWGIIが開催する。 日付:2018年7月23-27日 場所:中国、蘭州 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22-730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www:http://www.ipcc.ch/
第3回SRCCL筆頭執筆者会議:この会議はWG I/II/IIIのためWGIIIが開催する。 日付:2018年9月3-7日 場所:未定 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22-730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www:http://www.ipcc.ch/
世界気候行動サミット:カリフォルニア州知事のJerry Brown、及びカリフォルニア州政府が主催する世界気候行動サミットは、政府やビジネス、国際社会の指導者を招聘し、気候変動行動における世界的な野心の引き上げを図る。このサミットの共同議長は、Brown州知事とUNFCCC事務局長のPatricia Espinosa、国連事務総長の気候行動特任大使Michael Bloomberg、Mahindraグループ会長のAnand Mahindraが務める。 日付:2018年9月12-14日 場所:カリフォルニア州、サンフランシスコ www:https://globalclimateactionsummit.org/
IPCC第48回総会:IPCCの第48回総会はSR15の承認を目的に会合する。 日付:2018年10月1-5日(詳細は後日発表) 場所:韓国、仁川 連絡先:IPCC事務局 電話:+41-22- 730-8208/54/84 ファクシミリ:+41-22-730-8025/13 メールアドレス:IPCC-Sec@wmo.int www:http://www.ipcc.ch
その他の会合については右記を参照:http://sdg.iisd.org/