Daily report for 12 November 2013
午前はADPの開会プレナリーが開催された。また、SBI、SBSTA、ADPの下では、数多くのコンタクトグループや非公式協議、ワークショップ、その他のイベントなどが一日を通じて開催された。特に、SBSTAでは農業に関するインセッション・ワークショップ。SBIでは、ジェンダーや気候変動に関するインセッション・ワークショップ;対応措置フォーラムでの対応戦略での協力に関するインフォーラム・ワークショップ;2013-2015年レビューに関する第2回組織化された専門家ダイアログ;条約の下での制度・メカニズム・アレンジの概要に関するADPブリーフィング;損失と被害に関するコンタクトグループ等が開催された。
ADP
決定書1/CP.17のすべての要素の実施:ADP 2-3の冒頭に、共同議長のKishan Kumarsingh (トリニダード・トバゴ) は、ワルシャワ会議閉幕でADPの存続期間の半分は尽きてしまうと強調し、2014年12月までに交渉テキスト素案、2015年5月までに交渉テキストを作成するよう求めた。また、共同議長の作業構成に関するメモ (ADP.2013.16.非公式メモ) への注意を喚起し、締約国からのサブミッション(意見書)を歓迎した上で、ADPの作業は適応に関するテクニカルペーパー (FCCC/TP/2013/10) や2020年までの野心(FCCC/TP/2013/8 and Add.s 1&2)からの情報提供も受けると説明した。
ワークストリーム 1 (2015年合意) については、Kumarsingh共同議長は、今や締約国は後戻りすることなく交渉を前進させることによって“ギアチェンジ”を行い、2015年合意の内容と要素を定義するための用意ができていると述べた。また、ワークストリーム 2 (2020年までの野心) については、ワルシャワの具体的な成果に関する共通理解を求めた。
また、プレナリー(総会)の形で、共同議長が質問を受けつけながら進行を行うオープンエンド型の協議の開催を伝え、こうしたフォーマルな形式よって、ダイナミックで透明性の高い全員参加の協議になるとの期待感を示した。また共同議長は、すでに合意された3回の会議に加えて、2014年中に追加会議を開催する必要があるか締約国と相談する予定だ。
開会ステートメント:フィジーは、G-77/中国の立場から、条約の諸原則やそれらの再解釈を防止する必要性について強調し、緩和や適応、実施手段を盛り込んだ条約の諸原則に則り、条約に基づく公平で野心的かつ衡平な成果を求めた。スワジランドは、アフリカン・グループの立場から、適応のための国際目標が必要だと強調した。
EUは、新たな合意の実質的な要素についての進展とそれを実現するためのタイムラインの設定を求めた。また、ワークストリーム 2について、実体的な成果を伴う具体的オプションや、新たなプレッジ及び既存のプレッジの実施、HFCを含めた緩和ポテンシャルの高い分野における行動の拡充等を求めた。 オーストラリアは、アンブレラ・グループの立場から、すべての締約国が“精一杯”貢献するような実効性ある合意に向けた勢いをつくり、交渉テキストの要素のための下準備をする必要があると強調し、ワークストリーム 2については、排出量の多いトップ50カ国のうちまだプレッジを出していない20カ国に対して、自国のプレッジを打ち立てるよう促した。
スイスは、EIGの立場から、要素や新たな合意の構造とスコープに関する決定書を求めるとともに、HFCの段階的削減を目指すモントリオール議定書に対して明確なシグナルを送る等、国際協力の強化が必要だと指摘した。
ナウルは、AOSISの立場から、緩和の機会及び幅広い実施の障害を克服するための戦略に関して提出した同国の意見を強調した。ネパールは、LDCの立場から、法的拘束力のないプレッジ&レビューの枠組みに反対を唱えて、ワークストリームごとに2つのコンタクトグループを設置するよう提案するとともに、2020年までの野心を引き上げるための一連のオプションを模索し、2013-2020年でのAWG-LCAの成果の実施、特に資金面での成果を把握するよう求めた。
中国は、BASICの立場から、IPCCが歴史的責任についての参照方法論を開発するよう提案しているブラジルの意見書を歓迎した。チリは、AILACの立場から、各国間の現実、能力、責任の違いの中でのギャップを埋めるよう要請し、特に、適応や資金、行動の透明性、支援の分野については 2015年合意の要素の定義を“深掘り”する用意ができていると表明した。
ベネズエラは、LMDCの立場から、“すべてに適用可能”という文言が画一的な適用を意味するものではないと強調し、2014年の附属書Ⅰ国の野心の強化がワークストリーム 1の成功に不可欠だと主張した。サウジアラビアは、アラブ・グループの立場から、CBDRの原則を考慮しつつ先進国が明確なコミットメントをすることや、大気資源の共有における公平と正義;ドーハの京都議定書改正の批准;GCF及びTECの運用開始などを求めた。
ボリビアは、ALBAの立場から、“気候は金になる商売のチャンス”なのではないとし、銀行融資や炭素市場、リスク保険や民間投資を通じて先進国の義務を途上国に移転させることのないよう警告した。パプアニューギニアは、熱帯雨林連合の立場から、新たな統治構造を伴ったREDD+活動の実施向けの新規及び追加的な資金及び技術の支援を求めた。
パナマは、SICAの立場から、特に、民間資金が補完する持続可能で予測可能な公的資金の供与のための資金ロードマップ、資金や技術移転、キャパシティビルディング面での確固たる監督とモニタリング;現行の制度に対するアクセス簡略化などの案を支援した。
ペルーは、より野心的な目標と2015年合意のための明確なロードマップとともに、COP 20までに追加会合を開催するよう求め、政治的に実現可能で持続的な合意について交渉することが重要だとし、過去および現在の援助を評価するための尺度について合意するよう要請した。
「企業・産業NGO」は、イノベーションと投資は明確なルールと強力な市場次第だとした上で、ADPプロセスにおける企業の関与が重要だと強調した。「CAN」(気候行動ネットワーク)は、締約国の今後の誓約を評価するための衡平性の共通な指標づくりを求めた。「Climate Justice Now!」は、衡平性に基づく、より野心的な行動を講じるよう各国政府に求めた。「先住民」は、あらゆるレベルに先住民が前面参加する必要があるとし、人権に基づくアプローチを求めた。「米国労働総同盟・産業別組合会議」(AFL-CIO)は、新たな合意には気候変動の影響に対処するための十分な支援やアカウンティングや遵守に関する強力なルールを盛り込むべきだと指摘した。「女性とジェンダー」は、利益主導のパラダイムからの脱却を求め、科学に準拠し、ジェンダーに責任を持てる、人権ベースのアプローチを反映した措置を要請した。「青年NGO」は、世代間の衡平性という原則がADPの中心だと主張した。
条約に基づく制度・メカニズム・アレンジの概要:午後からは、条約に基づく制度・メカニズム・アレンジの概要について検討するためのADPが開催された。Runge-Metzger共同議長は、条約の下での現段階の状況はADPの両ワークストリームの議論への“自然なエントリー・ポイント”だと指摘した。事務局は、今後の参考にするためのオンライン・インタフェースについて言及し、概要 (FCCC/ADP/2013/INF.2) を示した。
REDD+の重要部分が除外されていると嘆き、ブラジルは、十分かつ予測可能な先進国からの支援およびREDD+資金供与に関する現在進行中の作業という文脈を反映させるべく文書とオンライン・プラットフォームを改訂するよう要請した。
フィリピンは、適応資金の危機に対処する必要があると強調し、現行制度を機能させるための予測可能で十分かつ持続可能な資金供与を求めた。イランは、CBDRの諸原則を強調した。
中国は、議定書第二約束期間の附属書Ⅰ国の約束のレビュー及び履行を強調し、議定書の下で現在約束を担っていない附属書Ⅰ国による比較可能な緩和の取組みを求めた。ネパールは、GCFに資金を供給し、途上国支援を通じてNAMAの全ての機構が確実に実現できるよう求めた。
EUは、2015年合意の要素の中核についての妥当性評価やこれらを実現するために埋めるべき溝を特定するため、適応や緩和、資金及び技術に関する現行制度を見直すことを提案した。十分な資金や確実性がない資金メカニズムには構造的な問題があると強調し、アンティグア・バーブーダは、将来のいかなる資金メカニズムも、レビューの対象とするべく、条約の下に設置するよう提唱するとともに、適応と緩和を目的とした先進国から途上国への融資を通じて汚染者負担の原則を覆すようなことはあってはならないと釘を刺した。
パプアニューギニアは、気候資金を構成するものは何なのか明確にするよう求め、著しい資金額が民間部門に流れたり、政府開発援助(ODA)の分類に該当したりする内容になっているとして懸念を示した。現実的な技術移転の方策を求め、インドは、知的所有権(IPR)はUNFCCCの“タブーと化した”と遺憾の意を示した。ナウルは、先進国に対して、野心メカニズムを活用した野心レベルの引上げや、途上国のNAMAの設計・準備・実施に対する支援、及び再生可能エネルギーや省エネの緩和ポテンシャルの活用を求めた。
SBSTA
農業に関するワークショップ:午前のSBSTAでは、農業に関するインセッション・ワークショップが行われ、Hans Åke Nilsagård (スウェーデン) とSelam Kidane Abebe (エチオピア)が共同進行役を務めた。SBSTAのMuyungi議長は、ワークショップの開催にあたり、SBSTAの農業コンタクトグループの設置について現在進行中の協議について言及した。
IPCCは、農業に対する気候変動のさまざまな影響について紹介し、農業部門は異常気象の影響を受けやすく、それが食料の安全保障にもたらす意味合いは大きいと説明した。 国連食糧農業機関(FAO)は、適応に関する現実的な実施や農業における適応の共同便益の特定に係る課題や機会、サクセス・ストーリーについて議論した。
パネルディスカッションでは、スイスとインドは、農業に対する気候変動の影響についての経験を披露した。日本とコロンビアは、農業での適応に対処するための実践例やアプローチについて議論した。EUとマラウイ(アフリカン・グループ)は、農業の生産性を向上させつつ適応を強化させるための科学的知識について強調した。
その後の議論では、エジプトが、G-77/中国の立場から、SBSTAの農業に関する検討では適応を中心にしなければならないと強調し、SBSTA 40でも本件について審議を継続する案を歓迎するとともに、農業部門における適応のカギとなる問題の中でも特に損失と被害のテーマが“決定的に重要だ”と指摘した。
ベトナム、スリランカ、アルゼンチン、タイ等、いくつかの途上国は、農業部門の気候脆弱性が示される部分として、収穫量の減少;病虫害被害の多発化;干ばつ;農業に依存する農村人口の生計手段の危機等について強調した。ガンビアはLDCの立場から、エジプトはG-77/中国の立場から、またその他数か国の途上国も、ローカルなレベルでの適応の取組みを援助するための資金と技術の移転やNAPに農業を含めることを要請した。
オーストラリアは、各国の情勢の違いにもかかわらず、多くの農業国が直面している共通課題について言及した。ブラジルは、熱帯の農業の方が脆弱であるとし、共同便益ではなく、適応に焦点を当てる必要があると強調し、情報収集のためのプラットフォーム構築を提案した。
米国は、知識管理やキャパシティビルディング、技術移転が共通項であると特定した。カナダは、多くの国がローカル単位で適切なアプローチやレジリエンスの向上の必要性について言及していたと指摘した。中国は、食料安全保障が優先事項であるとして、条約の諸原則、とりわけCBDRの原則に従って今後も本件に関する作業を続けるよう求めた。
事務局は、SBSTA 40に向けてワークショップの報告書を作成する。コンタクトグループ会合の開催是非をめぐる非公式協議が続けられる。
2013-2015年レビューに関する組織化された専門家ダイアログ:地球規模の長期目標の妥当性とそのための全般的な進展について、2013-2015年レビューに関する組織化された第2回専門家ダイアログがAndreas Fischlin (スイス) 及びZou Ji (中国)の共同進行役の下で、午後に開催された。
Thomas Stocker(IPCC)は、IPCC AR5におけるWG I報告書の主要な知見について紹介。気候系の温暖化は紛れもなく明らかで、気候系に対する人間の影響は明確であるとし、気候変動の抑制には温室効果ガス(GHG)の大幅かつ持続的な削減が求められると強調した。また、海面上昇予測や2℃温度が上昇した場合の小島嶼国への影響、信頼性予測、気候モデルの評価等についの議論があった。
統合評価モデリングコンソーシアム(IAMC)のDetlef van Vuurenは、代表的濃度経路(RCP)について紹介し、排出シナリオに含まれているのはベースライン・シナリオだけであり、気候政策を網羅するものではないと指摘した。Jonathan Gregory(IPCC)は、地球規模の海面上昇平均値に関して、その原因について概要を説明した上で、(温室効果ガスの)排出トレンドと海面上昇の間には非線形的な関係性があると述べた。Krishna Kumar Kanikicharla(IPCC)は、dry days(無降水日)やモンスーン、エルニーニョ南方振動の可変性、及び熱帯サイクロン等、地域的な変化について紹介した。
また、産業革命前の排出レベルへの接近法や閾値予測、RCP 2.6の実現可能性評価、さまざまなシナリオの下での異常気象の予測、気温以外の目標の特定、長期国債目標への適応費用の統合などを中心に、議論が行われた。
対応措置フォーラムのインフォーラム・ワークショップ:インセッション・ワークショップは、SBSTA議長のRichard MuyungiとSBI 議長のThomasz Chruszczowが進行役を務めた。
UNFCCCのコンサルタントは、このフォーラムの作業の概要を伝え、締約国は対応措置の影響を議論する場としてフォーラムに満足感を示していると述べた。
G-77/中国は、対応戦略に関する協力が、条約の原則と規定に則り、持続可能な開発と貧困撲滅の文脈から見るべきだと強調し、フォーラムは協力の促進と強化のための優れたプラットフォームだと主張した。サウジアラビアは、協力の重要性を強調し、締約国が模索しうる問題を挙げ、フォーラムの作業はまだ端緒に就いたばかりで、今後も継続させていくべきだと強調した。クウェートは、対応措置の影響について報告する場としてフォーラムは適切であるとし、本件は国別報告書の中で取り上げられるべきだと強調した。
国連開発計画(UNDP)は、緩和行動を行っている途上国の支援プログラムについて強調した。国際労働機関(ILO)は、“ディーセント・ワーク”と“グリーン・ジョブ”の重要性を強調した。国際労働組合総連合(ITUC)は、対応戦略での協力を強調した。貿易と持続可能な開発国際センター(ICTSD)は、気候変動と貿易について紹介し、協力の結果として対応措置があるべきだと論じた。South Centreは、附属書Ⅰ国と非附属書Ⅰ国間の協力強化が必要だと強調した。
SBI
損失と被害:損失と被害に関するコンタクトグループが午後開催された。G-77/中国、EU、スイス、ノルウェーからの意見書に注意を喚起しつつ、Robert Van Lierop共同議長(セントクリストファー・ネーヴィス)は締約国に対して、ドーハからのマンデート及びワルシャワの作業構成についての意見交換を行うよう促した。
G-77/中国は、AOSIS、LDC、アフリカン・グループ等の支持を受け、最近の意見書をベースにしたテキストに関する議論を要請し、その場しのぎの人道的アプローチではない損失と被害への対応システムを構築する必要があると強調した。AOSIS、LDC、アフリカン・グループ等は、機能とモダリティーの議論を求めた。フィリピンは、GCF向けの資金源の動員を求めた。
米国は、UNFCCC内外で対応策に関する検討を行うよう提唱した。EUは、制度的なアレンジは条約の諸機関を活用すべきだとし、関連する関係者すべての参加を求めた。ノルウェーは、知識構築、連携、行動及び支援が制度的なアレンジの要素であると強調した。スイスは、制度的アレンジの機能に関する共通基盤が必要だと強調した。ニュージーランドは、最優先課題である緩和と適応の一環として損失と被害の問題があると指摘し、損失と被害の解決策はすでに整っていると主張した。非公式協議が開催される。
ジェンダーと気候変動に関するワークショップ:午後から、ジェンダーと 気候変動に関するSBIのインセッション・ワークショップが開催され、Lilian Portillo (パラグアイ) とGeorg Børsting (ノルウェー) が共同進行役、Jane Chigyal (ミクロネシア)がモデレーターを務めた。
UNFCCCの諸機関や政府代表として派遣される人員の男女構成や、締約国とオブザーバーの意見書の分析を盛り込んだCOP 18ジェンダー決定書に関するコレクティブ・ワーキング・グループの作業について、事務局の報告が行われた。
UNFCCCプロセスにおける男女バランスに関するパネルは、議員連合や各国政府、国連での経験を披露し、女性のための席やクリエイティブな制裁措置、全員からの賛同の確保、クオータ(割り当て)制、一貫した資金供与や途上国の参加者向けの訓練制度、女性のリーダーが発足させる支援環境などのシステム創設に焦点を当てた。一方、パネリスト達も、行動のための具体的なタイムラインや女性の参加者支援のためのグローバル・ファンドを目指す動きなども含め、決定書23/CP.18 (ジェンダー・バランスと女性の参画)実施のために前進するよう求めた。
二番目のパネルでは、UNFCCCプロセスにおける女性の参加の促進をめざしたキャパシティビルディング活動について論じた。プレゼンターは、キャパシティビルディングやトレーニングの制度化;個々に即したキャパシティビルディング;分析技術の開発;コミュニケーション;モニタリング及びレポーティングのメカニズム等の重要性を強調した。あるパネリストは、協力を継続させるためのフレームワークや、優先順位を設定するためのロードマップ、タイムテーブル及びターゲット、恒久的な訓練プログラム等が必要だと主張した。
三番目のパネルは、ジェンダーに敏感な気候政策について取り上げた。
議論の中で、アラブ首長国連邦(UAE) は、追加のインセッション・ワークショップやイベント開催を求めた。アイスランドは、ジェンダー・バランスはジェンダーの衡平性の一面に過ぎないと指摘した。ウガンダは、ジェンダーと気候変動に関する報告のための制度的な枠組みの構築と、国別報告書にジェンダーについての記載を盛り込むことを提案した。EUは、特に、緩和、適応、技術・資金に関するジェンダー・ワークショップをSBIの下で開催するよう求めた。
廊下にて
火曜日のワルシャワ国立スタジアムは、ある政府代表が“UNFCCCプロセスの歴史の中でも最も活気にあふれる日”と称する賑わいで、多数の参加者でごった返していた。
一日の議題は盛り沢山で、クリーン開発メカニズム(CDM) や共同実施(JI)の改革、非市場型アプローチや新市場メカニズム等を含めた市場メカニズムに関する非公式グループの会合も中に入っていた。しかし、多くの会合が多くの一致点を生み出す訳ではない。馴染みある京都メカニズムを新たなものと補完させるべく一生懸命なグループの傍らで、“なぜ新しいメカニズムが必要なのだ?—そんな要望はどこから来ているのか?”と疑問を抱いているグループもある。そもそも市場メカニズムが必要なのか?という疑問を呈する者たちも相変わらず存在している。それよりも国内でしっかり緩和措置を講じる方がいいという理屈だ。そこで唯一、皆が同意するようになった事は、特に新メカニズムに関して具体的な成果を出すには時間がかかるだろう、ということだった。
本日もハイヤン(台風30号)の被害の惨状は参加者の心を動かしていた。損失と被害のコンタクトグループ会合では、フィリピン政府代表が国内の被害について言及しながら、涙をにじませた。一部の出席者の襟元には、フィリピンの気候変動コミッショナーNaderev Saño氏との団結と自主的な断食への参加をあらわす赤い輪がずっとつけられていた。ある参加者は、世界中のひとびとがCOP19で意義ある成果を生み出すよう願いを込めて断食の実行を誓う中、こうした支援の輪が市民社会の代表の輪を超えて、どんどんUNFCCCの各会議場にも広がっていると話していた。
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